今回の記事では、メガバンク・みずほ銀行の住宅ローンについて解説しています。

ご存じの通り、みずほ銀行は三菱UFJ銀行・三井住友銀行とともにメガバンクと呼ばれる巨大銀行の1つです。

もう少し詳しく言うと、国内1位は三菱UFJ銀行で、国内第2位・3位を三井住友銀行とみずほ銀行(みずほフィナンシャル・グループ)で競い合っています。

メガバンクは金融危機の際に複数の銀行が合併して生まれていますが、みずほフィナンシャル・グループは第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行がまとまり、みずほフィナンシャル・グループになりました。

みずほ銀行の住宅ローンの公式サイトはこちら

金利引き下げ交渉を行うポイント

この記事ではみずほ銀行の住宅ローンの金利引き下げ交渉を行う方法や有利に交渉を進めるポイントを解説しています。また、みずほ銀行の住宅ローンの商品内容について、実際にみずほ銀行の支店で相談したやり取りをもとに紹介しています。

みずほ銀行に限らず住宅ローンは同じ銀行内での借り換えは行えません。住宅ローンの金利を下げたい場合は、他の銀行に借り換える必要があります。ただし、借り換えを本当に行ってしまう前に、借り換え前の銀行に相談することで、借り入れ中の住宅ローンの金利を下げられる可能性があります。

みずほ銀行で住宅ローンを借りている場合でも同じで、「金利を下げてくれなければ、住宅ローンを借り換える」ということを伝えることで、金利を引き下げてもらえる可能性があります。

金利引き下げ交渉を有利に進めるポイント
「みずほ銀行との交渉を有利に進めるため」もしくは「みずほ銀行が許容している最大幅の金利引き下げを獲得するため」には、実際に借り換えの申込をネット銀行の低金利の住宅ローンに行って、「いつでも借り換えできる」状態を作ってから、みずほ銀行との交渉に臨むことが重要です。
もし、みずほ銀行が希望する金利の引き下げに応じてくれなかった場合、本当に借り換えてしまえばよいだけです。できるだけ低い金利の住宅ローンの審査を通過しておくようにしましょう。本審査を通過しておくのが理想ですが、事前審査を通過しているだけでも十分交渉材料できます。


以下の住宅ローンは交渉を有利に進めるためにも、本当に借り換えるとしても魅力的な住宅ローンです。

auじぶん銀行・・・無料の疾病保障が充実した住宅ローン。変動金利が驚きの低金利。

SBI新生銀行・・・諸費用が格安な住宅ローン。介護保障付き団信が無料で付帯。変動金利も固定金利も驚きの低金利。

みずほ銀行の支店での相談内容

今回、住宅ローンの調査のためにお邪魔したのは、みずほ銀行の某支店です。

事前に予約を入れておいたので、「お待ちしておりました」と言われながら女性の銀行員さん(仮に、みずほさんとお呼びします)が出迎えてくださいました。

金利引き下げ交渉の説明時にも触れましたが、みずほ銀行の住宅ローンも悪くはないのですが、どうしてもネット銀行・特にauじぶん銀行の住宅ローンと比べると見劣りしてしまう印象があるのが難点です。今、もっとも勢いがある住宅ローンとも言える、auじぶん銀行の住宅ローンの金利や商品内容は事前に確認しておくようにしましょう

auじぶん銀行の住宅ローン

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。


auじぶん銀行は今月も非常に魅力的な低金利で住宅ローンを提供しています。また、auじぶん銀行の住宅ローンの魅力は金利だけでなく、充実した疾病保障です。疾病保障の内容についても事前にこちらのページなどで確認しておくようにしてください。


auじぶん銀行の住宅ローンの詳細はこちら


さて、それでは、みずほ銀行の住宅ローンの取材スタートです。

――みずほ銀行の住宅ローン、特長やメリットからお教えいただけますか?

みずほさん:はい。当行は、他メガ(←“タメガ”って何だろう?と思いながら聞いていたのですが、どうも“他のメガバンク=三菱UFJ銀行、三井住友銀行”を指しているらしい)の住宅ローンとは違って、「全期間重視プラン」という商品を中心商品として用意しています。他メガですと、当初期間のみ低金利でご利用いただけるプランがありますが、当行にはそうしたプランがございません。

さらに、「みずほマイレージクラブ」(入会金・年会費無料のサービス)にご加入いただくことで、住宅ローン利用中は、ATM時間外手数料が月4回まで無料。さらに、他行宛振込手数料も月4回まで無料になります。

――「全期間重視プラン」の金利幅は、「完済まで店頭表示金利(変動金利:2.475%、固定10年:2.650%)より年率-1.4%~最大-1.85%」と書いてありますが、この金利はどのようにして決まるのですか?

みずほさん:金利は、審査の結果次第です。審査は、ご購入予定の不動産が決まってから、物件の資料、勤務先名や勤続年数、年収等をもとに保証会社(みずほ信用保証株式会社)が行います。また、当行と提携している企業にお勤めの場合は、最大割引幅で対応させていただきます。

全期間重視プランは当初のみ低金利プランと比べて有利なのか

3年間や5年間などの固定期間の間はとても金利を低くしている代わりに、固定金利期間が終わると優遇金利が下がり、住宅ローン金利が上がるという銀行がほとんどです。

以前住宅ローンを徹底解説した三井住友信託銀行もそうです。三井住友信託銀行の住宅ローンについての解説記事はこちら
三井住友信託銀行の住宅ローンを徹底取材すると意外な事実が…

大事なことは、みずほ銀行の住宅ローンのように住宅ローンの優遇金利が返済終了まで変わらない方が得なのか?それとも当初期間だけ優遇幅が大きい方が得なのか?ということですね。

それぞれ比べてみます。試算の条件は以下の通りです。

  • 住宅ローン借入額3,000万円
  • 返済年数:35年
  • 10年後から基準金利が+1%される
  • 固定期間終了後は再度同じ固定期間を選ぶ(残り返済期間を下回る場合は最大で残り返済期間の固定金利を選択する)

みずほ銀行の住宅ローン金利引き下げ幅はすべて基準金利から-1.875%とします。

三井住友信託銀行の住宅ローン金利引き下げ幅は以下の通りです。

• 固定期間終了までは2年固定が最大マイナス2.35%、3年固定が最大マイナス2.45%、5年固定が最大マイナス2.4%、固定期間終了からは最大マイナス1.7%

• 10年固定の当初マイナスは2.3%、15年固定はマイナス2.45%、20年固定はマイナス2.75%、30年固定はマイナス2.85%、固定金利終了後からは最大マイナス1.4%

この条件で2つの銀行の住宅ローンを比べてみると結果はこうなります。



三井住友信託みずほ
変動金利36,286,136円36,286,136円
2年38,304,585円37,040,799円
3年38,622,841円37,040,799円
5年38,245,181円37,040,799円
7年-37,040,799円
10年38,334,371円37,040,799円
15年38,909,221円40,903,621円
20年37,297,178円40,282,267円
30年35,461,213円-

10年以下の固定金利であればみずほ銀行の方が有利、15年以上になると三井住友信託銀行の住宅ローンが有利という結果になります。

3年や5年の間だけ短く、その後は金利が上がる三井住友信託銀行のような住宅ローンの場合、まだあまり住宅ローンの残高が減っていない状態で金利が上がるので総返済額が大きくなってしまいます。みずほ銀行の住宅ローンのように住宅ローン金利優遇幅が変わらなければ、基準金利が変わらない限り適用される住宅ローン金利は変わりません。そのため、残高がたくさん残っているのに金利が上がって総返済額が増えるということを防ぐことが出来ます。

逆に、20年や30年という長期の固定期間になれば三井住友信託銀行の住宅ローンの方が有利になる理由は、単純に金利が低い期間が長いのでその分住宅ローンの残高を減らすことができ、固定期間終了後に金利がグッと上がってもそのショックが少なくなるからです。

変動金利と3年や5年の短期間固定金利の住宅ローン、どちらを選ぶべきか?

3年や5年固定の住宅ローンも、固定期間が終了すれば変動金利の住宅ローンになるので、変動金利タイプの住宅ローンです。3年や5年間だけは金利を変えませんよというオプションがついている変動金利の住宅ローンとも言えます。

では、そのオプションがついていないまるっきりの変動金利の住宅ローンと、3年や5年固定の住宅ローンではどちらを選んだ方が得なのかを考えてみます。

上のみずほ銀行と三井住友信託銀行の住宅ローンの比較表から見ると、変動金利の住宅ローンの総返済額と5年固定の住宅ローンの総返済額を比べてみると約75万円の違いがあります。10年固定の住宅ローンの総返済額を比べてみると約106万円の違いがあります。

5年間や10年間金利を変えませんよというオプション、言ってみれば保険料のようなものに75万円や106万円のお金を払う価値があるかどうかというところで判断できます。

5年間や10年間の間に大きな金利上昇があれば支払った保険料が活きてきますし、あまり変わらなければ保険料は無駄なお金ということになります。

みずほ銀行住宅ローンの再優遇金利を受ける意外な方法

――提携先企業って、やっぱり大企業とかですか?

みずほさん:そうですね。提携先企業のリストはお見せできませんが、特定の企業様と提携しております。

――審査をしていただいて、金利があまり低くならなかったらガッカリしてしまいそうです。何とかして、金利を低くする方法ってないですかねぇ?

みずほさん:低金利にこだわられるのでしたら、「〈みずほ〉のネット住宅ローン」はいかがでしょう。こちらをご利用いただくと、「全期間重視プラン」の金利を、「完済まで店頭表示金利より年率-1.4%~最大-1.875%」いたします。インターネットで、お手続きをしていただくので、来店の必要がございません。

それから、他行様ですでにお見積もりをされているのでしたら、その用紙をご持参ください。他行様のお見積額を参考に、当行でも住宅ローン金利のお見積もりをいたします。

――住宅ローンの見積もりって、ネットからでもシミュレーションできますよね? ネットのシミュレーション結果を持ってくるだけではダメですか?

みずほさん:ネットのシミュレーションですと、細かい部分が入力できず正しい数字を出せなかったりするんです。他行様の店舗で作成されたお見積もり書をお見せいただけると、当行でも正確なお見積もりができます。他行様のお見積もりの内容次第で、当行のお見積もり内容が変わってくる可能性があります。

――(複数の銀行で合い見積もりを取れと指示してくるなんて……。みずほ銀行は貪欲だなぁ)「〈みずほ〉のネット住宅ローン」は、金利が多少優遇されるとのことですが、内容的には店舗で申し込む住宅ローンと同じなんですか?

みずほさん:はい。基本的には同じ内容となっております。ただ、ネット住宅ローンですと、正式な審査の前に、簡単な事前審査をお受けいただくことができ、結果は約5営業日でお知らせいたします。正式な審査通過後、ご融資開始までには1ヶ月ちょっとくらいのお時間がかかります。ただし、店舗で取り扱う住宅ローンの場合は、審査からご融資まで約2週間。ネット住宅ローンの方が、書類のやり取りを郵送で行う分、ご融資開始時期が多少遅くなってしまいます。

みずほ銀行住宅ローンの借入額と保証料について

――借入金額の上限と、保証料はおいくらになりますか?

みずほさん:お借入金額の上限は1億円です。50万円から1万円単位でお貸ししております。保証料は、保証会社にお支払いただくことになります。保証料はお客さまごとに異なります。お支払方法は、2種類あり、どちらかをお選びいただくかたちです。

1:借入時に一括で保証料を支払うパターン

(条件によって保証料が変わってくる。みずほ銀行HPのシミュレーションでおおよその額が提示される。例:20年1000万円元利均等返済で借入した場合、保証料は148,340~519,280円)

2:前払いしないパターン

(金利0.2%上乗せ。パターン2を選択した場合でも、保証会社の審査結果次第では、保証料を一部前払いする必要がある)

そのほか、事務手数料33,000円をお支払いただきます。繰上返済、返済条件、金利方式を変更されるときには、別途手数料がかかります(変更内容に応じて、手数料は異なり5,400~55,000円。ただし、みずほダイレクトのインターネットバンキングで手続きを行えば、手数料無料)。ご融資を新規に開始する際に、固定金利選択方式または全期間固定金利方式をお選びいただくと、固定金利手数料10,800円が必要です。

保証料についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

住宅ローンの保証料とは?一括、分割どっちが得?返還は?全部わかります

みずほ銀行住宅ローンの団体信用生命保険について

――団体信用生命保険について、お教えいただけますか?

みずほさん:どこの金融機関でも同じだと思いますが、住宅ローンをご利用いただくためには、団体信用生命保険にご加入いただく必要があります(引受保険会社:第一生命保険株式会社。保険料はみずほ銀行が負担)。団体信用生命保険とは、お客さまがご返済中にお亡くなりになったり、所定の高度障害の状態になったりしたとき、住宅ローンが保険金で全額支払われるというものです。ご加入いただく際には、「団体信用生命保険申込書兼告知書」で健康状態をご申告いただきます。場合によっては、ご加入いただけないこともありますので、ご了承いただければと思います。

――団体信用生命保険に入れなかったら、みずほ銀行の住宅ローンは利用できないってことですか?

みずほさん:当行では、健康上の理由で、団体信用生命保険にご加入できない方向けに「ワイド団信」(引受保険会社:損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社。加入対象年齢:満20歳以上満51歳未満。加入する場合は、金利が年率0.3%上乗せされる)をご用意しております。

(「ワイド団信」は、「団体信用生命保険」よりは、審査基準が甘いようだが、誰でも必ず加入できるというわけではないので注意が必要)

ワイド団信についてはこちらの記事のワイド団信の項目のところで詳しく説明しています。

糖尿病の人が団信の問題を解決して住宅ローンを借りる4つの方法

みずほ銀行住宅ローンの火災保険について

――火災保険の団体割引ってありますか?

みずほさん:はい、ご用意しております。みずほ銀行の住宅ローンご利用者さまを集団とし、保険料割引を適用する「みずほ住宅ローン用火災保険」(幹事引受保険会社:損保保険ジャパン日本興亜株式会社)がございます。こちらは、「集団扱一括払割引」「大口割引」を適用し、一般の火災保険契約と比較すると、保険料が約20%お安くなります。各種特約や地震保険などもご用意していますので、ご検討くださいね。

火災保険の団体割引で20%が適用されるのは、他の銀行の団体割引と比べて大きい。損保ジャパン日本興亜の火災保険の場合、補償内容の最小組み合わせは「火災+風災」なので、「火災+風災」以上の補償が必要であれば、殆どの場合で他の保険会社よりみずほ銀行の団体割引を適用しての契約が安くなるはずです。

その他、火災保険の補償内容を割り出す方法はこちら

住宅ローンの火災保険選びで60万円節約する方法

その他のおすすめポイント

――みずほ銀行の住宅ローン、ほかのオススメポイントは何かありますか?

みずほさん:お客さまは、「8大疾病補償プラス」(引受保険会社:損害保険ジャパン日本興亜株式会社)をお付けになる方が多いですね。こちらは、8大疾病を含む病気(ただし、精神病性障害、アルコール依存、薬物依存等の精神障害等は対象外)やケガで就業障害期間が30日を超えた場合、毎月の住宅ローン返済額を補償(最長12ヶ月)してくれることに加えて、8大疾病が原因で、働けない期間が13ヶ月を超えたときには、住宅ローン残高が0円になるというものです。

他行の住宅ローンにも、似たような付帯保険サービスを提供していらっしゃるところはあると思います。みずほ銀行の住宅ローンでお申し込みいただける「8大疾病補償プラス」と、他行の付帯保険サービスとの違いは、融資の途中で加入したり、脱退したりが自由にできるということ。お客さまのご都合に合わせてご利用いただけますよ。

(8大疾病…3大疾病:がん(上皮内を含む)、脳卒中、急性心筋こうそく。5つの生活習慣病:高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)

みずほ銀行の8大疾病補償プラスはオトクなのか?

みずほ銀行の団体信用生命保険につけられる8大疾病補償プラスですが、オトクな保険なのかどうか検証してみます。

まず、補償内容は以下のとおりです。

  • あらゆる病気や怪我で30日以上働けないという診断がくだされた場合、最大1年間住宅ローンの支払を免除
  • 8大疾病が原因で13ヶ月以上働けなくなった場合は、住宅ローンの返済を全額免除

というものです。1年間の住宅ローン返済の補償はどんな病気や怪我でもされますが、住宅ローンの返済が全額免除されるのは8大疾病だけということです。

比較する団信としては、auじぶん銀行のがん50%保障、4疾病保障、全疾病長期入院保障※がトリプルで無料付帯している団信がよいでしょう。

※満50歳までの方が加入可能。

auじぶん銀行の公式サイトはこちら

みずほ銀行とauじぶん銀行の違いは、auじぶん銀行は全疾病保障が付帯されるので、精神疾患を除くあらゆる病気や怪我で住宅ローン支払いを1年間免除してくれることです。この保障のために、いったいいくらの保険料を支払う必要があるかということで、オトクなのかどうか判断していきます。

みずほ銀行の8大疾病補償プラスは、借入金額や借入時の年令によって保険料が変わります。保険料はみずほ銀行のサイトに一例が掲載されていたのでコピーしました。こちらです。

仮に、30歳とします。30歳から35年間で支払う保険料のトータルは429,720円になります。一方の保障は住宅ローンの返済を最大1年間免除するというものです。2000万円借り入れて35年返済にすると変動金利であれば毎月の返済額は52,805円になります。最大1年間ですから、52,805円✕12ヶ月=633,660円の補償を35年間受けられるということです。

一回でも1年間就業不能が発生すればお得ですが、そうじゃないと得にはならないです。

個人的にオトクさは感じませんでした。もし、8大疾病の保障が必要だということであればみずほ銀行の住宅ローンではなく、がん50%保障、4疾病保障、全疾病長期入院保障※が無料でついてくるauじぶん銀行の住宅ローンを検討した方がいいと思います。

※満50歳までの方が加入可能。

(上記の保険のほか、「3大疾病保障特約付団体信用生命保険」(引受保険会社・事務幹事会社:第一生命保険会社。加入対象年齢:満20歳以上46歳未満。利用時は、住宅ローン金利に年率0.3%上乗せされる)を付帯することも可能。この保険は、死亡・所定の高度障害状態に加え、がん、脳卒中、急性心筋こうそくに罹患し、所定の状態になった場合に住宅ローン債務の返済が0円になる)

みずほ銀行住宅ローンの独自サービスについて

―― みずほ銀行・住宅ローンの独自サービスには、ほかにどのようなものがありますか?

みずほさん:みずほ銀行・住宅ローンのオリジナルサービスとして、「ライフステージ応援プラン」「パートナーセレクト」「わたし応援住宅ローン・みずほmywing」などをご用意しております。

ライフステージに応じて住宅ローン返済額を増減できるライフステージ応援プラン

ライフステージ応援プランは、返済額を増減できるサービスです。配偶者様の産休や育休、時短勤務、お子さまが学校へご入学されるなどのライフイベントが発生したときに、お借入期間を延長して月々の返済額を減らしたり、返済期間は変更せずに、返済額を増額したりできるプラン。ご利用いただくには、ご変更手続き1回あたり手数料が5,400円(消費税等含む)必要です。が、みずほダイレクト(インターネットバンキング)または、ライフステージ応援プランにお申し込みいただく際に、20歳未満のお子さまについて記載された健康保険証や住民票などをご提出いただくことで「子育て応援サービス」に加入いただいたということになり、手数料5,400円は無料となります。

この住宅ローン返済額を増減できるサービスはSBI新生銀行にもコントロール返済、三井住友信託銀行にも自動返済というのサービスが有り、それと似たようなものです。

みずほ銀行の住宅ローンの場合には、まずライフイベントがあるという条件があります。上記に書かれているようなライフイベントが発生していないのに住宅ローンの返済額を増減することはできません。

また、総返済期間は35年以上にすることはできないこと、借入時よりも年収が下がっていないことなど利用すること自体に要件がてんこ盛りです。

総返済期間を35年以上にできないということは、はじめから35年で借りている人は繰上返済をして返済期間を短縮していない限りこのライフステージ応援プランで住宅ローン返済額を下げることはできません。

住宅ローンの増額は自由にできるので、三井住友信託銀行の住宅ローンの自動返済のように子どもが小さくてあまりお金がかからない時期に多めに返済して、住宅ローンの返済期間を短くしておき、子どもにお金がかかってくるときに短くした返済期間を伸ばして月々の住宅ローン返済額を減らすという使い方になると思います。

個人的に気になったのは、転職や自己啓発(独立?)でも使えるとのことですが、借入時よりも年収が下がっていると使えないという条件があるのがちょっと残念です。

みずほ銀行の住宅ローンは返済プランが調整しやすい

SBI新生銀行の住宅ローンの解説や三井住友信託銀行の住宅ローンの解説記事で、コントロール返済や自動返済を使った場合のメリットやデメリットについて詳しく計算しています。

SBI新生銀行の住宅ローン

SBI新生銀行の住宅ローンのメリット・デメリットを解説!審査基準も

三井住友信託銀行の住宅ローン

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新生活を始めるのに有利なパートナーセレクト

パートナーセレクトは、みずほ銀行で住宅ローンをご利用いただく方にむけて、提携企業からお得な特典をプレゼントするというもの。特典の内容としましては、電気料金を初年度3000円割引(提供:JXエネルギー株式会社)、旅行代金の3%割引(提供:株式会社JTBコーポレートセールス)、警備料金2ヶ月分無料、10,000円キャッシュバックなど複数の特典の中から1つプレゼント(提供:ALSOK)、家電購入時にポイント5%付加(提供:株式会社ヤマダ電機)、家族向け引越しの基本料金15%割引(提供:ヤマトホームコンビニエンス株式会社)などをご用意しております。

わたし応援住宅ローン・みずほmywingは、女性向けのプランではありますが、男性名義で住宅ローンをお申し込みいただいた場合でも、ご加入可能です。内容としましては、お気軽に資産運用、貯蓄などに関して電話でご相談していただけるマネーコンサルフォン、雑誌「日経WOMAN」定期購読6ヶ月分の権利、日経WOMAN主催セミナー参加権(抽選)、日経WOMANセレクトプレゼントなどの特典がございます。

みずほ銀行の行員が語る住宅ローンのデメリットについて

――みずほ銀行・住宅ローンのデメリットってどういう部分だと思われますか?

みずほさん:そうですね……。当行の住宅ローンは、基本的には他行の住宅ローンと同様のサービスだと思います。デメリットに関しましては、最初に、特長、メリットとしてお伝えしたことと同じになってしまうのですが、当行の金利プランには、他行のような当初固定金利型プランがありません。住宅ローンは、お借入いただいた当初より、後半の方がご返済は大変になってくることが多いんですね。ですから、当行としましては、お客さまのご負担を少しでも解消するために、全期間重視プランを設けております。

――ありがとうございました。みずほ銀行・住宅ローンのことがわかりました。

みずほさん:こちらこそ、ありがとうございました。何か疑問点やご不安な点がありましたら、いつでもご連絡くださいね。よろしくお願いします。

みずほ銀行住宅ローンのメリット・デメリットまとめ

みずほ銀行の住宅ローンは、店頭でもネットでも相談&申し込みができます。自宅近所のみずほ銀行の支店に電話もしくは、公式サイトから資料請求をすれば、3日ほどで大量の書類を郵送してくれるので、便利です。

さらに、窓口まで出向けば、みずほ銀行の行員さんが、住宅ローンについてじっくり説明してくれます。資金返済計画や金利プランに関しても、相談できます。

みずほ銀行は、3メガバンクの中で唯一全国展開しています。店舗数は国内だけで約800拠点、世界各地に120拠点もあります。ATMネットワークは、3メガバンクで一番多い約6,700拠点。個人顧客は約2,400万人。日本人の5人に1人は、みずほ銀行の口座を持っています。

さらに、全期間重視プランを始め、こまごまとオリジナリティーのあるプランはあります。何かご病気で通院中の方にとっては、団信だけではなく、ワイド団信が用意されていることは魅力的ですし、保険関係が充実していることに心強さを感じる方もいるはずです。

普段からみずほ銀行を愛用していて、みずほ銀行というブランドが好きな方には、とても良い住宅ローンだと思います。なんつーのか、例えば、ヴィトンのバッグを持っておけばとりあえず安心、といった感覚で、みずほ銀行の住宅ローンを選んでおけば、まぁ良いか、みたいなところがあります。

窓口担当者の当たりが良ければ、感じの良い対応を受けることができますし、別に、ハズレの住宅ローンプランということではないでしょう。

だからこそ、担当の方の接客能力がみずほ銀行・住宅ローンの印象を左右してしまうのではないかと感じました。実際に取材に出向いた、みずほ銀行高円寺支店の銀行員の対応が素晴らしかったので、気分はアガりましたが、スタッフの雰囲気がイヤンな感じだったら、相当へこんだと思います。

みずほ銀行・住宅ローンのメリットは、「大手銀行のブランド力、安心感がある」「窓口で相談する場合は、担当者と気が合えば気持ち良く利用できる」ということです。

みずほ銀行住宅ローンのデメリット

みずほ銀行の住宅ローンは、手数料や保証料も必要ですし、金利も低くなく、審査も簡単にスルーできるようでもないので「何がなんでも、絶対お得に住宅ローンを使いたい!」という人には向いていません。

住宅ローンの商品的にはauじぶん銀行・SBI新生銀行の住宅ローンの方がメリットが多いと思います。総支払額を比べてみてもこれらの銀行のほうが有利です。ただ、これらの銀行は手続きが全て郵送、対面で相談できるようなところはないので、総返済額が一番安い住宅ローンじゃなくてもいい、疾病保障も特にいらないので、安心できる大手から借りたいという方にみずほ銀行の住宅ローンは向いていると思います。

やっぱり、このご時世はネット銀行の住宅ローンの方がどうしてもオトクになってしまう、ということなのかなと思います。

ということで、みずほ銀行の住宅ローンと金利&商品性を比べてほしいネット銀行の住宅ローンを最後に紹介しておきます。

みずほ銀行の住宅ローンの公式サイトはこちら

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