ソニー銀行や住信SBIネット銀行、auじぶん銀行などのネット銀行の住宅ローンは金利が低いだけでなく、無料で将来の病気やケガに備えられる疾病保障がセットできたり、一般的な銀行の住宅ローンよりも魅力的な特徴が多くあります。金利以外のサービスが魅力的なのがネット銀行の特徴の1つです。

また、パソコンやスマホがあれば住宅ローンの残高確認や繰り上げ返済も簡単にできるので、住宅ローンを借りた後の利便性の高さも魅力です。

一方で、注文住宅で家を建てる時に、ソニー銀行や住信SBIネット銀行のようなネット銀行の住宅ローンを利用したいと思っても、「つなぎ融資」や「分割融資」に対応していないことが多いので、地銀や店舗で相談しやすいメガバンクの住宅ローンに比べて利用しにくいという弱点があります。

この記事ではソニー銀行や住信SBIネット銀行、auじぶん銀行などのネット銀行の住宅ローンで「つなぎ融資」を利用する方法について解説しています。

土地の購入資金や家を建ててくれる工務店に支払う着工金・中間金などは、家を建てる前に必要になります。完成した住宅を担保にしてお金を借りる住宅ローンは利用できません。

通常、着工金や中間金などのお金はつなぎ融資という商品を利用して、ハウスメーカーや工務店に支払い、マイホームが完成したタイミングで借りる住宅ローンのお金でつなぎ融資を完済します。その後は、建売住宅やマンション購入時と同じで、住宅ローンを返済していくことになります。

つなぎ融資に対応している住宅ローンはネットで探せばすぐに見つかります。ただし、「つなぎ融資に対応している」という理由だけで金融機関を選んでしまうと、住宅ローンの金利が高かったり、疾病保障が充実していない住宅ローンを利用することになってしまいます。それは、総返済額や手数料が数十万円〜数百万円も増えたり、将来の病気に対する備えが不十分になったり、将来、後悔する可能性があります。

「つなぎ融資も利用したいし、ソニー銀行や住信SBIネット銀行のような低金利で疾病保障が充実したネット銀行の住宅ローンを利用したい」という人は、この記事を住宅ローン選びの参考にしていただければと思います。

つなぎ融資に対応しているネット銀行の住宅ローンは?

「住宅ローンの借り換え」は自由に行うことができるので、つなぎ融資に対応している住宅ローンを使って、マイホームが完成して、つなぎ融資の為に借りた住宅ローンの契約が終ってすぐに金利の低い本命の住宅ローンに借り換える裏技のような方法もあります。

ただし、この方法は短期間で2回も住宅ローンを借りることになるので手続きや準備は面倒ですし、住宅ローンの契約回数が多い分、手数料や税金・司法書士報酬も多くかかります。2回目の住宅ローンの審査に落ちる可能性も否定できません。

そのような裏技を使うより、最初から「つなぎ融資に対応していて、かつ、魅力的な住宅ローンを利用する方がシンプル」なので、つなぎ融資に対応していて、かつ、金利が低く疾病保障も充実している住宅ローンを紹介していきます

住信SBIネット銀行の住宅ローンでつなぎ融資を使うには?
住信SBIネット銀行はつなぎ融資には対応していませんが、不動産会社や工務店につなぎ融資を紹介してもらうことで、土地先行購入や注文住宅でも住信SBIネット銀行の住宅ローンを利用することができます。また、「土地先行プラン」と言う土地先行融資に対応しているため、土地の購入を伴う住宅建築の時に利用しやすい住宅ローンです。
 

土地先行プランの詳細はこちら

 
<つなぎ融資を含めた住宅ローン借入の流れ(例)>
住信SBIネット銀行のつなぎ融資
 
※ただし、住信SBIネット銀行の住宅ローンの場合、申込時につなぎ融資の借入内容が分かる資料の提出が必要なので、事前につなぎ融資の審査を進める必要があるので注意が必要です。

住信SBIネット銀行の住宅ローンの詳細はこちら

つなぎ融資にも対応!SBI新生銀行の住宅ローン!
グループ会社につなぎ融資を得意とするアプラスがいるため、つなぎ融資への対応が手厚いのがSBI新生銀行の住宅ローンです。

SBI新生銀行はグループ会社のアプラスを通じて「つなぎ融資」を提供しているので、注文住宅でつなぎ融資を必要とするケースでもスムーズに利用できる住宅ローンの1つです。(つなぎ融資を利用するには、まずSBI新生銀行の住宅ローンに申し込んで審査に通過する必要があります。つなぎにも審査があるので時間がかかります。以下の公式サイトから早めにSBI新生銀行の住宅ローンに申し込んでおくと良いでしょう。)
 

SBI新生銀行の住宅ローンの申込方法について詳しくはこちら

※2022年12月に、アプラスのつなぎローンの金利などが大幅に改良され、より魅力的な条件になりました。この結果、SBI新生銀行の住宅ローンを利用してつなぎ融資が必要な注文住宅を購入する際にも、アプラスのつなぎローンが利用しやすくなっています。

 

auじぶん銀行の住宅ローンは注文住宅にも対応!
auじぶん銀行の住宅ローン(2024年11月)

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。


auじぶん銀行は今月も非常に魅力的な低金利で住宅ローンを提供しています。また、auじぶん銀行の住宅ローンの魅力は金利だけでなく、充実した疾病保障です。疾病保障の内容についても事前にこちらのページなどで確認しておくようにしてください。


auじぶん銀行の住宅ローンの詳細はこちら


 


 
auじぶん銀行ではアプラスが取り扱うつなぎ融資を紹介してくれます。利用方法は簡単で、auじぶん銀行の住宅ローンの仮審査に申し込んだ後にauじぶん銀行のホームページに設置されている所定のバナーからつなぎ融資を申し込むだけです。
 

auじぶん銀行でつなぎ融資を申込方法について詳しくはこちら

 

ソニー銀行の住宅ローンもつなぎ融資に対応
冒頭でも触れたとおり、正確にはソニー銀行の住宅ローンはつなぎ融資には対応していませんが、希望する人につなぎ融資を紹介してくれます。
 
ネット銀行は「工務店に相談して」と突き放した対応をとるケースが多いのですが、ソニー銀行は公式に紹介してくれる商品があるので、問題なく注文住宅でもソニー銀行の住宅ローンは利用できると言えます
 
ソニー銀行のつなぎ融資
 
ソニー銀行のよくある質問に上記のように明記されているように、ソニー銀行の住宅ローンにWEBから申し込んだ後に、ソニー銀行から紹介してもらったつなぎ融資による資金でマイホームを建てて、建物が完成した時にソニー銀行の住宅ローンに切り替えるという流れです。
 
ソニー銀行の住宅ローンに申し込んでしまえば、その後の手続きの流れはシンプル(ソニー銀行に相談しながら決めていけばよい)なので、まずはソニー銀行の住宅ローンに申し込んで、住宅ローンの審査に通るのか、建築に必要な希望金額を貸してもらえるのかを確認することをおすすめします。
 
審査申込・相談はもちろん無料ですし、ソニー銀行の住宅ローンはAIを使ったスピード審査が特徴で最短60分で事前審査の結果を教えてもらうことができます。
 

ソニー銀行の住宅ローンの最新金利・キャンペーン情報はこちら

 

フラット35はつなぎ融資を探している人の強い味方で、つなぎ融資が制度として確立しているので、注文住宅でも利用しやすくなっています。また、フラット35は通常の住宅ローンよりも審査に通りやすい点も魅力的です。

※フラット35は物件が性能基準を満たしていないと利用できなのでその点は注意が必要です。

なお、ネット銀行の住宅ローンの審査は厳しいと言われ、申し込んでも審査に落ちる可能性が十分あります。ネット銀行の住宅ローンの審査に落ちた時のためにもフラット35も並行して申し込んでおくと良いでしょう。

ARUHIの最新金利・キャンペーンはこちら

住信SBIネット銀行のフラット35の詳細はこちら

主な金融機関のつなぎ融資を一覧形式で比較

次に、主な金融機関のつなぎ融資の手数料と金利を比較していきます。一覧形式で比較できるようにしていますので参考にしてください。

つなぎ融資は、長くても1年間ぐらいの短期間だけ利用するローンで、その1年間は元金の返済はせずに利息だけを支払います。家が完成して住宅ローンに借り換えることでつなぎ融資の利用は終了となります。

つなぎ融資のイメージと利用期間の目安

引用:財形住宅金融株式会社

最終的には「住宅ローン」を利用することになりますし、つなぎ融資は1年ぐらいしか利用しないので、実はつなぎ融資の商品性には大差がありません。多少の差があったとしても1年間しか利用しないので、つなぎ融資の優劣だけで住宅ローンを選ぶ人はほとんどいないでしょう。

借入期間が短いので多少の金利差は、総返済額にあまり影響しません。

つなぎ融資に対応するネット銀行の住宅ローンの一覧

SBI新生銀行のつなぎ融資 無料 当初固定金利タイプ(1年)の金利
アプラスブリッジローン 110,000円(税込) 短期プライムレート金利に年0.275%の金利を上乗せ
ARUHIフラットつなぎ(Aタイプ) 110,000円(税込) 年3.475%
2024年9月現在。当サイト調べ。

住信SBIネット銀行の住宅ローンが分割融資に一部対応

住信SBIネット銀行の住宅ローンには「土地先行プラン」というサービスが用意されています。これにより土地購入資金のみを土地購入時に分割融資してもらえるようになりました。

建物建築部分も借りたい場合は、他のつなぎ融資を利用する必要がありますが、土地先行プランを開始したことで、注文住宅建築時に住宅ローン(対面)がさらにお得に使いやすくなったと言えます。

土地先行プランの相談はこちら

それではつなぎ融資の解説や裏技などの解説に進みます。

つなぎ融資とは?

まず、つなぎ融資というローン商品の基本から確認しておきましょう。

つなぎ融資とは、一言で言えば、マイホームが完成するまでの間、建築に必要なお金を借りることです。

原則として、ハウスメーカー・工務店には、工事にかかるお金を段階的に支払わないと工事をすすめてくれません。家ができているわけではないので住宅ローンはまだ借りられないという段階で「土地の購入費」「着工金」「中間金」などを用意するために利用するのがつなぎ融資という商品です。

土地購入費や着工金、中間金などの必要資金を家が完成して正式に住宅ローンを契約できるようになるまでの”つなぎ”としてお金を貸す商品がつなぎ融資というわけです。

注文住宅を建築する場合は住宅ローンの前につなぎ融資が必要

注文住宅の場合、先に土地を買うか、持っている土地が合って、その上に住宅を建築をするという流れになります。土地を購入するための資金を持ち合わせていなければ、どこかから借りてくる必要があります。そういった場面ではつなぎ融資を利用する必要があります。

また、建物代金については3分割で払う場合がほとんどです。法律では代金の支払いは建物引き渡し時に一括でとされていますが、ハウスメーカーや工務店側は建物の引き渡しまでに自腹を切って材料を仕入れたり人件費を支払う必要があります。

そのための費用をまかなうために、着工金や中間金の支払いを要求してくるハウスメーカーや工務店がほとんどです。

着工金や中間金は工務店で支払うタイミングや頻度が異なりますが一般的には建築代金の3割程度であることが多いです。建物が2,000万円なら600万円とか700万円ですね。このときに、支払える現金を持っていない場合につなぎ融資を利用する必要があります。

注文住宅を建築する場合で着工金や中間金を回避する方法

上にも書きましたが、建物代金の支払いは原則建物の引き渡し時です。これより前に代金を要求すること、つまり着工金や中間金を請求する場合は、それ相応の保証人を設定する必要があると建設業法21条で定められています。

以下、建設業法21条です。

(契約の保証)

第21条 建設工事の請負契約において請負代金の全部又は一部の前金払をする定がなされたときは、注文者は、建設業者に対して前金払をする前に、保証人を立てることを請求することができる。但し、公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第4項に規定する保証事業会社の保証に係る工事又は政令で定める軽微な工事については、この限りでない。

【令】第6条の2

2 前項の請求を受けた建設業者は、左の各号の一に規定する保証人を立てなければならない。

一 建設業者の債務不履行の場合の遅延利息、違約金その他の損害金の支払の保証人

二 建設業者に代つて自らその工事を完成することを保証する他の建設業者

3 建設業者が第1項の規定により保証人を立てることを請求された場合において、これを立てないときは、注文者は、契約の定にかかわらず、前金払をしないことができる。

つまり、「着工金や中間金を請求するんでしたら、保証人を立ててください。それができないなら中間金も着工金も支払いません。」と言えるということです。これは最初にお金を払ったけど工務店が逃げてしまってお金を取り戻せないようなことにならないよに法律が守ってくれているので、しっかりと制度を活用するようにしましょう。こちらの不安な気持ちを軽視して、保証人を立ててくれないような業者だとしたら、大事なマイホームを建ててもらう業者として不適切な可能性すらあると思ってしっかりと会話するようにしましょう。

なお、着工金や中間金を払わなくてよいメリットは、つなぎ融資にかかる利息や手数料を支払わなくてよくなることと、工事の途中で工務店が倒産したときにお金が返ってこなくなるリスクを防げることです。

ただ、この法律を盾にがんがんハウスメーカーや工務店と交渉しすぎると心象を悪くしてしまいかねません。しっかりと工務店と話し合うようにしましょう。

つなぎ融資不可の住宅ローンでつなぎ融資を利用する方法

次にソニー銀行や住信SBIネット銀行などのネット銀行、三菱UFJ銀行などの一部のメガバンクの住宅ローンを利用する場合で、本来は対応していないつなぎ融資を利用する方法をお伝えします。正確に言うと対応していないわけなのでつなぎ融資を貸してもらうわけではありません。

地銀の住宅ローンに申し込み、引き渡しの際に住宅ローンの借換をする

つなぎ融資不可の銀行の住宅ローンで、つなぎ融資を利用する方法は、つなぎ融資が必要な期間だけ別の銀行の住宅ローンを利用するという方法です。

つまり、土地代金や着工金、中間金までは別の銀行の住宅ローンから融資を受け、建物が引き渡しになると同時にソニー銀行や住信SBIネット銀行などの住宅ローンへ「借り換え」するという流れです。

地方銀行や信用金庫、ろうきん、JAなどはほとんどの場合でつなぎ融資、つまり建物引き渡し前の住宅ローン融資に対応しています。

土地代や着工、中間金については地銀などで借り入れ、引き渡し時にネット銀行へ借り換えします。

つなぎ融資部分だけ別の銀行の住宅ローンを使う流れ

少しややこしいので、どんな流れになるか解説します。

条件は以下の通りです。

  • 建物2,000万円(着工金、中間金はともに700万円)
  • 土地1,000万円

それでは流れです。

  1. ソニー銀行や住信SBIネット銀行などの銀行で住宅ローンの事前審査申し込みをする。(建物と土地を合わせた3,000万円で審査申し込み)
  2. 1の審査に通過していることを確認できた後、地方銀行、信金、ろうきん、JAなどで住宅ローンの審査申し込みをする
  3. 地銀などから土地代1,000万円の融資を受ける
  4. 地銀などから着工金700万円の融資を受ける
  5. 地銀などから中間金700万円の融資を受ける(地銀からの融資合計2,400万)
  6. 引き渡し時にソニー銀行から3,000万円の融資を受け、地銀へ2,400万円返済する
  7. ソニー銀行へ3,000万円返済していく

これで、本来つなぎ融資を実施していないソニー銀行や住信SBIネット銀行などのネット銀行、三菱UFJ銀行などのメガバンクの住宅ローンを利用できます。

ただし、家が完成する前に本審査をしてもらえないケースが大半なので、最終的な目的の住宅ローンに借り換えられないリスクも念頭においておく必要があります。

この流れについて利用可能かどうか住信SBIネット銀行へ問い合わせてみた回答

本当にこれで大丈夫なのか、確認するために住信SBIネット銀行へ問い合わせてみました。その問い合わせ内容と回答をご確認ください。

【問い合わせ内容】

お世話になります。

注文住宅を計画中です。

土地代金や着工金などは住信SBIネット銀行さんでは融資不可とのことですが、土地代金や着工金、中間金を地方銀行や信用金庫などから借り入れし、引き渡し時に土地代金含む全額を住信SBIネット銀行さんから借り入れ、土地代金や着工金を借りた銀行へ返済してしまうという方法は可能でしょうか?

流れはこうです。

土地代金、建物代金併せて3,000万円とします。

1.住信SBIネット銀行さんへ審査申し込み→通過

2.地方銀行で審査申し込み→通過

3.土地代金、着工金、中間金を併せて仮に2,300万円地方銀行から融資をしてもらう

4.建物引き渡し時に3,000万円を住信SBIネット銀行さんから融資を受け、2,300万円を地方銀行へ返済する

5.3,000万円を住信SBIネット銀行さんへ返していく

これが可能かどうか教えていただければと思います。

よろしくお願いします。

【回答】

住信SBIネット銀行をご愛顧いただきありがとうございます。

このたびは住宅ローンのご利用をご検討いただき、誠にありがとうございます。

お問合せいただいた件についてご案内いたします。

このたびお客さまよりお問合せいただいている方法は、つなぎ融資を他金融機関でうけられる方法と存じます。

その場合、お取扱いが可能です。

当社では、融資を行うタイミングが、建物完成後、物件引渡しの際に融資金全額を一括となります。

そのため、土地代金や着工金などの先行してお支払いが必要な金額は、このたびお客さまが

お問合せいただいた方法である、つなぎ融資を他金融機関でうけていただくようになります。

とありました。つまり、つなぎ融資部分だけを地銀などから借りてきて、ソニーや住信SBIネット銀行へ引き渡し直後にスイッチする方法で問題ないということです。

ただし、住信SBIネット銀行は以下の場合住宅ローンを利用できないようです。

  • つなぎ融資ではなく、現金で土地代金を支払った場合
  • 着工金や中間金を現金で立て替えた場合(諸条件を満たすことで借り換え可能)

利用時は念のために住信SBIネット銀行などへ直接確認してください。

さて、本来つなぎ融資不可の銀行の住宅ローンでつなぎ融資を利用する方法ですが、注意点がいくつかあるので紹介しておきます。

注意点1:最初に借りる住宅ローンは金利にこだわる必要はない

住宅ローンは低い金利のものを選びたくなると思いますが、この使い方では最初に借りる住宅ローンはすぐに返済してしまうので金利にこだわる必要はありません。

ネット銀行の住宅ローンの審査に落ちて結局使い続けなければならなくなる危険性はあるので全く気にする必要がないとは言いませんが、事務手数料や保証料など帰ってこないお金や一部しか返してもらえないような初期費用に注意して選ぶようにしましょう。

注意点2:地銀などへはつなぎ融資だけ受けたいと言ってはいけない

まず、土地代や着工金などのつなぎ融資だけを融資してもらうときに、「つなぎ部分だけ融資してください。それが終わったら別の住宅ローンへ借り換えますから。」と言ってはいけません。

そんなことを言うと、つなぎ融資の部分すらその銀行から貸してもらえなくなります。

なぜなら、つなぎ融資部分だけでは地銀や信金は儲からないからです。それなのに、通常の住宅ローンを借りるのと同じように審査や手続きが必要になります。にもかかわらず、借り換えされることがわかっていて儲からないことがわかっているなら、はじめから融資しようと思いません。

なので、つなぎ融資だけを受けるつもりでも、あくまで通常通り住宅ローンを借りるつもりで審査や手続きをしてください。

注意点4:つなぎ融資を受ける銀行の住宅ローンに申し込みをする前に本命銀行の住宅ローンの審査を通しておく

もし、時間的な制約がなければ、これは確実にやっておいた方が良いです。つなぎ融資を受ける目的の地銀などへ住宅ローンの審査申し込みをする前に、本命の銀行の住宅ローン審査申し込みをしましょう。

本命の住宅ローン審査に通過したことを確認した後、つなぎ融資を受けるために地銀などの住宅ローン審査申し込みをした方が良いです。

なぜなら、地銀で住宅ローンの申し込みをしたあと本命住宅ローンの審査を出したのに通らないと、地銀の不利な住宅ローンを借りなければいけなくなってしまうかもしれないからです。

本命住宅ローンに通らないと、また別の住宅ローンを探したり申し込んだりするのに慌てます。落ち着いて行動できるように、本命住宅ローンの審査通貨は先に済ませておきましょう。

注意点4:住宅ローンの審査、申し込みの手続きが2重になる

これは注意点ではないですが、本来つなぎ融資不可の住宅ローンでつなぎ融資を利用する際のデメリットです。

本命の住宅ローンとつなぎ融資を受けるための住宅ローンと、手続きが二重になります。また、契約書に貼り付ける印紙代も2倍になります。

手間をかけても良いから、ソニーや住信SBIネット銀行などの有利な住宅ローンを利用したいということなら、やってみられるといいと思います。

注意点5:つなぎ目的で融資を受けた地銀への気まずい思い

はじめは住宅ローンを借りるつもりで申し込みをするのに、最終的には1年も待たずネット銀行へ住宅ローンを借り換えしてしまいます。

その時の気まずさを乗り越える必要があります。そのため、知人や友人が勤めている銀行やその支店でこのテクニックを利用するのはやめておいた方が良いでしょう。

つなぎ融資目的で申し込みをする地銀の住宅ローンの選び方

次に、つなぎ融資目的で住宅ローンの申し込みをする銀行や住宅ローンの金利タイプの選び方を紹介します。

これはぶっちゃけて言うとどこでもいいですし、住宅ローンの金利タイプも何でも良いです。なぜなら、つなぎ融資を借りる期間は長くても1年くらいなので、どの住宅ローンにしてもそこまで大差は無いからです。ただし気を付けたいのは初期費用です。事務手数料や保証料前払いなどで一括で払うお金は極力すくなくできるようにしましょう。

続いて、つなぎ融資の利息がいくらかかるのか計算してましょう。

つなぎ融資の利息の計算方法

条件は以下の通りです。

  • 土地価格1,000万円全額借りる
  • 着工金700万円
  • 中間金700万円
  • 引き渡しまでの期間は土地購入から半年、着工金から4ヶ月、中間金から2ヶ月とします。
  • つなぎ融資に利用する住宅ローンは3年固定、0.75%とします。

土地購入のつなぎ融資にかかる利息:1,000万円×0.75%/12ヶ月×6ヶ月=37,500円

着工金のつなぎ融資にかかる利息:700万円×0.75%/12ヶ月×4ヶ月=17,500円

中間金のつなぎ融資にかかる利息:700万円×0.75%/12ヶ月×2ヶ月=8,750円

合計:37,500円+17,500円+8,750円=63,750円

となります。

これが、住宅ローンの金利が1%だったとすると、つなぎ融資にかかる利息の合計は85,000円になります。

金利が0.25%変わっても1万円ちょっとしか変わりません。なので、そこまで真剣に金利が一番低いところ!と探すのではなく、普段使っている銀行などの便利が良いところや、工務店や不動産屋さんが紹介してくれる銀行の住宅ローンを選ばれるといいと思います。

とにかく金利が低いものでいい

つなぎ融資に利用する住宅ローンの金利タイプは、その銀行が持っている住宅ローンの金利タイプの中で一番低い金利が提示されているものにしましょう。

変動金利なら変動金利、3年固定なら3年固定です。どうせ借り換えするんだから、金利が一番低いものにしておいて大丈夫です。

ただし手数料が高くて金利が低いようなつなぎ融資を選ぶ必要はありません。手数料は戻ってきませんので。

保証料は一括払いではなく金利上乗せを選ぶ

保証料がかかる場合は、一括払いではなく金利上乗せを選びましょう。一括払いにしておいても住宅ローンを借り換えた際にほぼ全額返ってきますが、その間数十万円というお金が人質に取られたままになってしまいます。

上にも書いたとおり、金利が上乗せになって高くなってもつなぎ融資にかかる利息に大差は生まれません。

つなぎ融資目的で借りる住宅ローンの保証料は一括払いではなく、金利上乗せを選んでおきましょう。

返済年数は35年

つなぎ融資を目的で借りる住宅ローンの返済年数は35年でOKです。もしくは、借りられる最長の年数にしておきましょう。

すぐに借り換えることが前提で、多少借り換えに時間がかかったとしても半年から1年しか借りないので、条件はそれほど気にする必要はありません。

まとめ

地銀や信用金庫などの住宅ローンを利用するより、店舗費や人件費を抑えて効率的な銀行経営を行っているソニーや住信SBIネット銀行などのネット銀行の方が良い条件の住宅ローンを提供できます。

なぜネット銀行の方が良い条件の金融サービスを提供できるのかというと、その理由は効率的な経営基盤です。効率的な経営が商品の競争力に反映されるというわけです。

この記事では低金利のネット銀行の多くが「つなぎ融資に対応していないことが多い」ので、この記事ではつなぎ融資に対応した住宅ローンを経由して、ネット銀行の低金利の住宅ローンに行きつく方法・テクニックを紹介しました。

テクニックというほどのものでもなく、家ができたらすぐ借り換える準備しておくだけの話ですが。

住宅ローンは人生最大の高額の借り入れです。住宅ローンを何を選ぶかで支払うお金が数十万円〜100万円以上変わってきますし、疾病保障の内容もおおきく変わるので将来の人生に大きく影響する可能性があります。将来の自分の人生をより豊かにするために、住宅ローンの使い方はしっかりと理解しておきたいものですね。

なお、最終的に借り換えたい住宅ローンは事前に審査を申し込んで審査結果をできるだけ確認しておいた方が良く、最低でも事前審査までは行っておくようにしましょう。

最近はネット銀行も注文住宅・つなぎ融資に柔軟に対応するようになっているので、この裏技を使う機会は減っているかもしれませんが、例えば、転職したばかりでネット銀行の住宅ローンが今すぐ利用できそうにないといった状況などでもこの方法は活用できると思います。

つなぎ融資に対応したおすすめの住宅ローンはこちら