共働き世帯が増加していることや不動産価格が上昇していることを背景に1億円を超える住宅が増えつつあります。住宅ローンの金利が下がったこともあって、年収800万円でも8000万円ぐらい借りることができる時代になりましたし、年収1000万円を超える人であれば1億円以上借りられる可能性がある時代です。

ただし、一般的な住宅ローンの貸し出し限度額は1億円で、公的な住宅ローンであるフラット35は8,000万円です。これまでは1億円以上の住宅ローンを組みたい時は個別に相談しなければならないことが大半でした。

個別に金融機関に相談する場合、住宅ローン審査に通常よりも時間がかかりますし、「特別に貸しますよ、という話なので、その金融機関と深い取引でもない限りは良い条件で借りられませんでした。

こうした背景もあり、一部のネット銀行や地銀では1億円以上の住宅ローンの貸し出しを行うケースが増えています。

本ページでは1億円以上を借りることができる住宅ローンについて解説したいと思います。

ソニー銀行の住宅ローンが2億円まで利用可能に

ソニー銀行の住宅ローンが2020年1月23日から2億円まで借りられるようになりました。ソニー銀行は事務手数料が固定で44,000円(税込み)で済むという商品性があるため、2億円の借入でも手数料をたった44,000円(税込み)にすることができます。

※2億円借りられるようになったのは、住宅ローン・変動セレクト住宅ローン・固定セレクト住宅ローンの3種類ですが、変動セレクト・固定セレクトの場合、手数料は融資額の2.20%(税込)かかります。

手数料が2.2%の場合、2億円×2.2%で440万円も事務手数料がかかるので、その10%で済むソニー銀行の住宅ローンは高額借り入れ時の有力候補の住宅ローンだと思いますので、ぜひチェックしておくようにしてください。

ソニー銀行の住宅ローンの詳細はこちら

高額の住宅ローンを組むメリットとは?

まず、最初の確認をしておきたいのは、高額の住宅ローンを組むメリットです。

万が一の際の備えの生命保険(団体信用生命保険;一般団信)が無料で手に入る

高額の住宅ローンを組むメリットとしては、住宅ローンに付帯する団体信用生命保険や疾病保障により無料で「生命保険」が手にすることができることでしょう。

具体的に2億円の生命保険に加入するとどの程度の保険料の支払いが必要になるかをシミュレーションしてみたいと思います。生命保険大手のアクサダイレクトのホームページで実際に37歳男性で生命保険に加入しようとした場合の保険料は以下のようになりました。

2億円という高額な死亡保障には入れず、最大で1億円の保障しか設定できませんでした。保障額が1億円でも月の保険料は36,000円、年間で43万円強となります。保障額が2倍になれば保険料も2倍になる可能性が極めて高いでしょう。住宅ローンの団信であれば年間80万円以上の保険料が削減できる可能性がありますね。

アクサダイレクト生命の生命保険の保険料シミュレーション

低金利を利用した資産の有効活用

次項で紹介する住宅ローンはどれも金利が年0.5%程度と極めて低金利です。世界的な金融緩和政策で資産運用は楽ではありませんが、年0.5%以上での資産運用が可能であれば、手持ち資金をマイホーム購入資金に当てず、資産運用を行いメリットを出せる可能性がありますね。

1億円以上借りれる住宅ローンの一覧

SMBC信託銀行(旧シティバンクジャパン)では昔から1億円超えの住宅ローンを扱っていましたが、2018年2月に楽天銀行 Type-R、2018年7月にミスター住宅ローンREAL、2018年12月にauじぶん銀行、2019年5月に千葉銀行、2020年1月ソニー銀行とこの数年で1億円以上の住宅ローンを取り扱う金融機関が急激に増えています。

以下が2020年5月現在で確認できた1億円以上を借りれる住宅ローンの一覧です。

金融機関商品名限度額申し込みチャネル 
ソニー銀行住宅ローン、変動セレクト、固定セレクト2億円インターネット、ゆうちょ商品スペックの詳細はこちら
ジャパンネット銀行

 

※正社員、契約社員向け

住宅ローン2億円インターネット

 

商品スペックの詳細はこちら

※正社員、契約社員向け

auじぶん銀行住宅ローン2億円インターネット商品スペックの詳細はこちら
ARUHI楽天銀行 Type-R2億円店舗商品スペックの詳細はこちら
SBIマネープラザ(住信SBIネット銀行)ミスター住宅ローンREAL2億円店舗商品スペックの詳細はこちら
みなと銀行大型住宅ローン2億円店舗商品スペックの詳細はこちら
千葉銀行プレミア住宅ローン3億円店舗商品スペックの詳細はこちら
SMBC信託銀行 5億円 商品スペックの詳細はこちら

2億円の住宅ローンを組んだときの各金融機関ごとの比較

次に前述の1億円以上、借りれる住宅ローンの一覧で紹介した金融機関で2億円の住宅ローンを変動金利で借りた際の、金利、融資事務手数料、月々の支払額、総返済額を比較してもっとも、コストメリットがある金融機関を確認しましょう。

金融機関金利(2020年5月)融資事務手数料(税込み)月々の支払い総返済額総費用
auじぶん銀行年0.410%(全期間引下げプラン)4,400,000円511,255円214,726,968円219,6388223円
ARUHI(Type-R)年0.527%4,400,000円530,473円222,798,841円227,198,841円
SBIマネープラザ(ミスター住宅ローンREAL)年0.410%~年0.710%4,400,000円511,255円~537,945円214,726,968円~225,936,788円220,858,997円~230,336,788円
みなと銀行ホームページに掲載せずホームページに掲載せずホームページに掲載せずホームページに掲載せずホームページに掲載せず
千葉銀行ホームページに掲載せずホームページに掲載せずホームページに掲載せずホームページに掲載せずホームページに掲載せず
SMBC信託銀行年0.470%4,400,000円516,523円216,939,674円221,339,674円

総費用で最も安価になるのはauじぶん銀行となりました。

1億円以上、借りれる住宅ローンのメリット・デメリット

auじぶん銀行 住宅ローンのメリット・デメリット

三菱UFJ銀行とKDDIが出資するauじぶん銀行はネット銀行の中で現在最も勢いのある住宅ローンで、変動金利はもちろん、10年固定金利、35年固定金利、どれをとっても業界最低水準の金利を実現しています。

金利以外のメリットとしては、がん50%保障と全疾病保障が無料で付帯する点です。高度障害と死亡を保障する一般団信以外にがんや精神疾患を除く全ての病気や怪我を無料で保障してくれる点は、高額な住宅ローンの残債を保障してくれるのは大きなメリットと言えます。

また、auじぶん銀行の住宅ローンも電子契約に対応しているため、紙の契約書であれば1億円の住宅ローン契約で必要となる10万円の収入印紙が不要になるというメリットがあります。

がんも保障してくれるauじぶん銀行の公式サイト

auじぶん銀行の住宅ローンに無料で付帯する全疾病保障とがん50%保障団信

ソニー銀行の住宅ローンのメリット・デメリット

ソニー銀行の住宅ローンで最初に取り上げたいのが、取り扱い手数料が44,000円であること。仮に、1億5,000万円の住宅ローンを変動金利で組み、10年以内で住み換え、一括返済などをした場合のシュミレーションをしてみたいと思います。

住宅ローン控除が受けれなくなる11年目で住宅ローンを繰り上げ返済した場合の総コストの違いを、auじぶん銀行、ソニー銀行、ジャパンネット銀行で比較してみたいと思います。

金利は2020年5月適用。

10年目に一括繰り上げ返済

 auじぶん銀行ソニー銀行ジャパンネット銀行
金利0.410%(通期引下げプラン)0.807%(住宅ローン)0.399%(全期間引下型)
月々の返済額383,441円410,070円382,719円
10年間の返済額合計46,012,920円49,208,400円45,926,280円
融資事務手数料(税込み)3,300,000円44,000円3,300,000円
総コスト49,312,920円49,252,400円49,226,280円
残債109,315,643円111,371,837円109,258,037円

7年目に一括繰り上げ返済

 auじぶん銀行ソニー銀行ジャパンネット銀行
金利0.410%(通期引下げプラン)0.807%(住宅ローン)0.399%(全期間引下型)
月々の返済額383,441円410,070円382,719円
6年間の返済額合計27,607,752 円29,525,040円27,555,768円
融資事務手数料(税込み)3,300,000円44,000円3,300,000円
総コスト30,907,752円29,569,040円30,855,768円
残債121,696,538円123,289,214円121,651,737円

10年のタイミングで繰り上げ一括返済をする場合だと、総コスト、残債いずれでもジャパンネット銀行にリード。7年目では総コストで130万円近くソニー銀行が安く抑えられる結果となりました。ソニー銀行の住宅ローンの融資事務手数料が44,000円(税込み)であることが大きく影響しています。

ソニー銀行の住宅ローンの金利は割高である分、残債や月々の返済が多くなっていますが、この差よりも『融資事務手数料がauじぶん銀行やジャパンネット銀行より325万円も安く済むこと』に注目したい方にも大きなメリットのある住宅ローンと言ってよいでしょう。

2億円まで借りれるソニー銀行の公式サイト

ジャパンネット銀行 住宅ローンのメリット・デメリット

ジャパンネット銀行は三井住友銀行とヤフーの親会社Zホールディングスが出資しているネット銀行なので、信用力・企業力も申し分ないでしょう。ジャパンネット銀行の住宅ローンで1億円以上を借りる際の最大のメリットは金利が低いために総返済額が最も安く済む点です。前述の比較表では唯一、総費用で2億2000万円を下回っています。

また、ジャパンネット銀行の住宅ローンは電子契約に対応しているため、紙の契約書であれば10万円の収入印紙が必要になりますが、これも不要になるというメリットがあります。

一方のデメリットとしては、ネット銀行としては珍しく疾病保障が付帯していない点です。auじぶん銀行であればがんと診断されるだけで住宅ローン残高が半分になるがん50%保障付き団信が無料で付帯できますが、ジャパンネット銀行でこうした疾病保障を付帯させるためには有料となります。

また、ジャパンネット銀行の住宅ローンを利用できるのは正社員と契約社員のみとなっているがデメリットです。

2億円まで借りれるジャパンネット銀行の公式サイト

ジャパンネット銀行の住宅ローン

楽天銀行 住宅ローン Type-R(仲介 ARUHI)のメリット・デメリット

楽天銀行のType-Rのメリットは店舗でのサポートが受けれる点です。2020年2月現在、ARUHI直営の12店舗で楽天銀行のType-Rの取り扱いをしています。ただし、この9店舗を訪問できない場合には、利用できないデメリットともなってしまいます。

楽天銀行のType-Rには精神疾患以外の全ての病気とケガを保障する全疾病保障が無料で付帯しています。保障を受けるには就業不能が1年以上継続する必要がありかなりハードルが高いですが、一般団信はもちろん無料で付帯しているためプラスアルファの保障と考えておけば安心でしょう。

ARUHI(アルヒ)の公式サイト

楽天銀行の金利選択型「Type-R」の2020年2月の金利

SMBC信託銀行 住宅ローンのメリット・デメリット

旧シティバンクジャパンを引き継いだSMBC信託銀行のメリットしては最大5億円までの住宅ローン融資に対応している点です。国内に住宅ローンを扱う金融機関は数多く存在しますが、5億円までの融資に対応しているのはSMBC信託銀行くらいでしょう。

デメリットとしては、SMBC信託銀行の団信の保障は1億円までしかない点と支店から1時間圏内以内の物件にしか融資をしてない点。特に前者は高額な住宅ローンを組む上で致命的なデメリットと言ってよいでしょう。

まとめ 1億円以上の住宅ローンを組むのにオススメな住宅ローンは?

長文になりましたが、1億円以上の住宅ローンを組むに当たってのポイントを確認してきました。結果的にどの金融機関がオススメと言えるでしょうか?全国区で申し込みができる、auじぶん銀行の住宅ローンジャパンネット銀行は審査申し込みが必須。ただし両行の保険引き受け会社がクレディ・アグリコル生命保険と同じになっているため、楽天銀行のType-Rやミスター住宅ローンREALといった、保険引き受け会社がクレディ・アグリコル生命保険でない住宅ローンにも申し込みを行いたいですね。

ただし、楽天銀行のType-Rやミスター住宅ローンREALは店舗型の住宅ローンであるため、近隣に店舗が無い場合には利用できないデメリットがあり、政令指定都市などの物件でない限り利用は難しいといえるでしょう。

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