「ネット銀行の住宅ローンって、地方に住んでいても使えるの?」――FPとしてよくいただくご相談です。今回は、ネット銀行で最大級の住宅ローン融資実績をもつドコモの銀行の住宅ローンを、徳島など地方で暮らす方の目線で、メリット・デメリットをかみくだいて解説します。
ドコモの銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが出資して開業したインターネット銀行で、2023年3月にネット銀行として初めて東京証券取引所に上場しています。その後、2025年10月にNTTドコモの連結子会社となり、現在はNTTドコモと三井住友信託銀行による共同経営体制に移行しました。なお、2026年8月3日からは商号が「ドコモSMTBネット銀行」へ変更されました。個人向けサービスも同日から「ドコモの銀行」というブランド名で展開されます(金融機関コード・支店名・支店番号は変わらず、現在の口座・住宅ローンはそのまま利用できます)。本記事では現時点の名称にあわせて「ドコモの銀行」と表記して解説します。
ドコモの銀行では、複数の住宅ローンを提供していますが、主力は”WEB申込コース”です。さらに住宅ローンをネットだけで申し込むことに不安を感じる人向けに、店舗申込専用の「住宅ローン(対面)」という商品も提供しています。「ネットは不安、でも金利は抑えたい」という方に対面という受け皿があるのは、地方在住の方にとって心強いポイントです。
WEB申込コースと対面、地方在住ならどちらを選ぶ?
FPとしてまずお伝えしたいのは、同じ「ドコモの銀行の住宅ローン」でも、WEB申込コースと対面(店舗)では申込方法や相談のしやすさが異なるという点です。徳島のように近くに専用店舗がない地域では、対面コースは提携する店舗(SBIマネープラザ等)での相談が前提になるため、まずはご自身の状況に合う入口を確認しておきましょう。
| 比較の観点 | WEB申込コース | 住宅ローン(対面) |
|---|---|---|
| 申込方法 | インターネットで完結 | 店舗での対面相談・申込 |
| 相談のしやすさ | 電話・チャット等で問い合わせ | 担当者に直接相談できる |
| 向いている人 | 自分で手続きを進められる人・金利を抑えたい人 | ネット手続きに不安がある人・対面で確認したい人 |
| 金利・手数料 | コースにより異なるため、最新は上のボタンから公式でご確認ください | |
どちらのコースも金利や事務手数料は改定されることがあるため、最新の適用金利・手数料は必ず公式サイトでご確認ください。「金利の低さ」だけでなく、「自分が最後まで手続きを進めやすいか」という相性も、35年付き合う住宅ローンでは大切な判断材料になります。
ドコモの銀行の住宅ローンについてまとめ
次に、住宅ローンを選ぶ際に参考になりそうなポイントを、ご相談でよく聞かれる順にまとめて紹介していきます。
収入合算やペアローンは可能か?

共働き夫婦の増加と不動産価格の高騰で利用者が増えているのが、「ペアローン」と「収入合算」です。これは、2人の収入を活用して住宅ローンに申し込む仕組みです。ドコモの銀行は、収入合算・ペアローンのどちらにも対応しています。
なお、収入合算は合算者の収入の50%が限度です。たとえば、年収400万円の夫と年収300万円の妻を合算する場合、妻の年収の半分である150万円分を夫に合算できるので、あわせて550万円の年収で住宅ローンの審査をすすめることになります。FPからのワンポイント:借入額を増やせる一方で、共働き前提の返済計画になります。地方では車の維持費や子育て費用も家計を圧迫しやすいので、「どちらか一方が働けなくなっても返せる額か」を必ず一緒に確認しておきましょう。
育児休業中での住宅ローンの審査、実行が可能か?

ドコモの銀行の住宅ローンの場合、産休や育休でも住宅ローンの審査に申し込むことができます。審査は進めてもらえますが、融資の実行は育児休業が終わった後になるとのことです。
また、育児休業中の人が1人で住宅ローンを申し込む場合は、育休が終わって3ヶ月経過してからでなければ申し込めないようなので注意しましょう。取扱条件は変わることがあるため、詳細はドコモの銀行のコールセンターや公式サイトで確認するようにしてください。
一部繰上返済の最低金額や手数料について
ドコモの銀行の住宅ローンでは、一部繰上返済は1円から可能で、一部繰上返済手数料は0円です。手数料を気にせず、余裕があるときにこまめに繰り上げられるのは、教育費や車の買い替えなど出費の波が読みにくい地方の家計とも相性がよい仕組みです。
ドコモの銀行の住宅ローンは快適に利用できるのか?
住宅ローンを選ぶ際は、金利や手数料など全部でいくら払うかも重要ですが、35年間返済を続けるので快適に利用できるかというのも選択の基準の1つになります。ドコモの銀行の住宅ローンが快適に利用できるかについて、下記項目からチェックしてみます。
- ATMの数、入出金、振り込みの手数料
- 各種手数料
- スマホアプリの使い勝手
- 住宅ローンの返済口座の指定について
- 定額自動入金サービス
ドコモの銀行のATMの数
ドコモの銀行は独自のATMはありませんので、ATMを利用する際は下記の銀行・コンビニのATMで利用できます。
- イオン銀行
- セブン銀行
- E-net(ファミリーマートなど)
- ローソン銀行ATM
- ゆうちょ銀行
- VIEW ALTTE(JR東日本の駅構内など)
コンビニのATMで24時間利用できるので、専用店舗が近くにない地域でも不便さを感じることは少ないでしょう。
ドコモの銀行のATM手数料
ATMを利用する際の手数料は、預け入れ・残高照会は無料です。住宅ローンを返済する目的だけで利用するのであれば、特に不便を感じることはないでしょう。
2024年12月からは「アプリでATM」を使えば、スマートプログラムのランクに関わらず、いつでも何度でもATMの入出金手数料が無料になりました(セブン銀行・ローソン銀行ATMなどが対象)。キャッシュカードでの利用でも、一定回数までは手数料が無料です。
なお、キャッシュカードでの引き出しや他行あて振込の無料回数は、預金残高やサービスの利用状況で決まる「スマートプログラム」のランクによって変わります。スマートプログラムは2026年5月に内容が改定されているため、無料回数や特典の最新の条件は公式サイトでご確認ください。
メガバンクなどを中心にコンビニATM手数料の値上げが続くなか、アプリ利用でATM手数料が回数無制限で無料になるのは、住宅ローン返済以外の日常使いの口座としても心強いポイントです。
ドコモの銀行のアプリについて
ドコモの銀行はiOSとAndroid向けにアプリを提供しています。残高照会や入金の通知などをリアルタイムで受け取れます。振込はもちろん、セブン銀行ATM・ローソン銀行ATMではアプリで現金の入出金が可能です。
住宅ローンを返済する目的だけにドコモの銀行を使う場合は特に必要ありませんが、メインバンクの1つとして使われるのであれば便利だと思います。
ドコモの銀行の住宅ローンの返済口座
ドコモの銀行の住宅ローンを利用する場合、返済口座はドコモの銀行に開設した口座のみになります。ただし、ドコモの銀行では定額自動入金サービスがあります。
定額自動入金サービスとは、毎月指定した日に指定した金額を、他行の口座から自動的にドコモの銀行の口座へ移動させるサービスです。たとえば、給与振込のある銀行口座から給料日に住宅ローン返済分10万円を自動的に住宅ローン返済口座であるドコモの銀行に移動させることができます。
これがあると、給与振込口座が地元の地銀・信金でも、毎月手作業で資金を移す手間がなくなります。地方では給与振込を地元金融機関にしているご家庭が多いので、この仕組みは実務上とても役立ちます。
住宅ローンの金利はいつ決まるのか?
借り入れする住宅ローンの金利がいつ決まるのかは銀行によって取扱が違います。中には申込時と実行時のどちらか低い方を選ぶという銀行もありますが、ドコモの銀行の住宅ローンは、実行時に金利が確定します。金利が上がりやすい局面では、実行までの間に金利が動く可能性がある点も頭に入れておきましょう。
つなぎ融資は利用できるか?
注文住宅を建てる場合、つなぎ融資が必要になる場合が多いです。土地から購入して注文住宅を建てるケースが多い地方では、つなぎ融資に対応しているかは特に重要なチェックポイントになります。
土地を購入するときや、建物の着手金・中間金を現金で支払えない場合はつなぎ融資が必要になります。つなぎ融資を利用できないと、別の銀行から土地購入費や着工金・中間金などのお金だけ借りてくる必要があります。
ドコモの銀行の住宅ローンでは、独自ではつなぎ融資を実施していませんが、アプラス(SBI新生銀行のグループ会社)と提携してつなぎ融資に対応しています。
ちなみに、ネット銀行はつなぎ融資に対応していないところが多いです。ネット銀行は特に変動金利タイプの住宅ローンの金利の低さで利用者を増やしていますが、つなぎ融資に対応していないために、注文住宅を建てたい人がネット銀行の低金利をあきらめているケースも見られます。そうした場合には、アプラスのつなぎ融資を活用することでネット銀行の住宅ローンを利用できる可能性があります。ただしつなぎ融資には別途、手数料や金利がかかりますので、総費用を含めて比較しましょう。
FPとしての補足ですが、「ネットだけで進めるのは少し不安」「対面でも相談しながら決めたい」という方には、店舗とオンラインの両方に対応するSBI新生銀行の住宅ローンも選択肢になります。一般団信は上乗せ0円、一部繰上返済は1円から手数料0円など諸費用が分かりやすく、対面相談ができる安心感もあります。ドコモの銀行(WEB申込コース/対面)とあわせて、金利だけでなく団信や諸費用、相談のしやすさまで含めて比較してみてください。
ドコモの銀行の住宅ローンに関するよくある質問
Q. 地方に住んでいてもネット銀行の住宅ローンは使えますか?
はい、ドコモの銀行のWEB申込コースはインターネットで全国から申し込めます。物件が対象エリアや条件を満たしているかは審査で確認されますが、「地方だから使えない」ということはありません。ネット手続きに不安がある場合は、対面コースという入口も用意されています。
Q. 給与振込が地元の地銀・信金でも返済に困りませんか?
返済口座はドコモの銀行の口座になりますが、「定額自動入金サービス」を使えば、給与振込のある地元金融機関の口座から毎月自動で返済分を移せます。手作業でATMへ入金しに行く手間が省けるので、返済し忘れの防止にも役立ちます。
Q. 注文住宅を建てたいのですが、つなぎ融資はどうなりますか?
ドコモの銀行自体はつなぎ融資を行っていませんが、提携先のアプラスのつなぎ融資を利用できます。土地から購入して家を建てる場合は、つなぎ融資の手数料・金利も含めて総費用を試算し、地元の地銀・信金の商品とも比較して判断することをおすすめします。
Q. 2026年8月からの商号変更で、いま借りている住宅ローンはどうなりますか?
2026年8月3日に商号が「ドコモSMTBネット銀行」へ変わりましたが、金融機関コード・支店名・支店番号は変わらず、現在の口座や住宅ローンはそのまま利用できるとされています。手続きが必要かどうかも含め、最新の案内は必ず公式サイトでご確認ください。