2015年12月に住宅ローンの取扱いを開始して以来、順調に貸し出しを伸ばしているauじぶん銀行。ネット銀行の老舗ながら住宅ローンの取扱いが後発組になったPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)。

この2つの銀行は日本を代表するメガバンクが出資しているという共通点もあり、ネット銀行の住宅ローンの代表例として比較される機会が増えています。

今回はこの2つの銀行の住宅ローンを比較しながらそれぞれの特徴を確認していきたいと思います。

auじぶん銀行とPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の概要

最初にauじぶん銀行とPayPay銀行の会社としての概要についてチェックしていきたいと思います。

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)auじぶん銀行
設立2000年2008年
母体(出資企業)三井住友銀行、ZフィナンシャルKDDI、三菱UFJ銀行
格付けA+(JCR)なし
資本金372億5,000万円(2019年3月)625億円(2020年3月)
預金残高(2020年3月)9,203億円1兆4,541億円
貸出残高(2020年3月)974億円1兆1,861億円

どちらも日本を代表する企業を親会社としていますので、経営基盤は盤石です。なお、Zフィナンシャルはヤフーを傘下にもつZホールディングスの子会社にあたります。

上記の表を比較すると、auじぶん銀行が預金残高の80%程度を貸出できている一方で、PayPay銀行はが預金残高の10%程度しか貸出に回せておらず、預金超過(金余り)の状態であることです。

長引く低金利で住宅ローンの収益性がかなり低くなっていた2019年7月にPayPay銀行は住宅ローンに参入していますが、背景に貸出残高の少なさがあったことが容易に想像できます。

auじぶん銀行の住宅ローンについて

auじぶん銀行は2015年12月より住宅ローンの取扱いを開始、サービス開始直後は変動金利タイプにおいて圧倒的な低金利を設定していました。その後は10年固定金利や20年・35年などの超長期固定金利も業界最低水準に引き下げて、住宅ローン業界の台風の目となっています。すでに価格.comなどの住宅ローンのランキングでも上位の常連です。

参入時点で日本で初めてネット完結型の住宅ローンを提供して注目を集めました。また、ガンに対する疾病保障を無料で付帯させるサービスはそれまでの住宅ローンの常識を靴がしたと言っても言い過ぎではありません。金利、審査・契約フロー、付帯サービスの面で最先端の住宅ローンとして今もなお注目を集めています。

auじぶん銀行の住宅ローン申し込み画面はこちら

auじぶん銀行の住宅ローンの2021年6月の金利
審査結果で保証付金利プランとなる場合があり、その場合、上記の金利とは異なる金利となります。なお、金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が 3年、5 年、10 年に限定されます。

auじぶん銀行の住宅ローンの注意点

auじぶん銀行の住宅ローンの注意点としては審査の厳しさがあります。

銀行は住宅ローンの利息で利益をあげなければなりません。無料の付帯サービスが充実した住宅ローンを低金利で提供していく以上は、貸し倒れを回避する必要があります。金利の低さ・サービス性の高さの表裏一体として住宅ローンの審査を厳しくせざるを得ない面があります。実際に審査が厳しい、審査に落ちたという口コミも多くみかけます。

この課題を解決するために2021年1月に取扱いが開始されているのが静銀信用保証を保証会社とした「保証付金利プラン」です。

それまでの審査基準では、単純に審査に落としていた人を保証会社を利用することでauじぶん銀行の住宅ローンを利用できるようにすることを目的として作られたる仕組みです。

保証会社への保証料相当額を上乗せした金利で契約する必要がありますが、魅力は落ちてしまいますが、「どんなに魅力的な住宅ローンでも自分が利用できなければ意味がない」と考えると、利用できる可能性が広がったのはメリットだと思います。

PayPay銀行の住宅ローンについて

PayPay銀行は2019年7月より住宅ローンの取扱いを開始しています。PayPay銀行の住宅ローンの特徴は無料で疾病保障をさせるのが業界標準となっている他のネット銀行とは一線を画し、疾病保障を付帯せず一般団信のみを付帯することで住宅ローン金利を抑える手法を用いていることです。(2020年秋から一般団信プラス(がん先進付)の取り扱いを開始し、無料の疾病保障の取り扱い中)

もちろん、疾病保障を利用したい方には付帯させたいプランを自分で選ぶことが可能です。

PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の住宅ローンの団信

疾病保障を無料で付帯させないことで変動金利から超長期固定金利まですべての金利タイプで業界最低水準の金利を実現しています。

また、Yahoo!IDを持っている場合には最大3万円(月額500円を最大5年間)のキャッシュバックが受けれる特典も用意されています。(Yahoo!住宅ローン)

PayPay銀行の住宅ローンの詳細はこちら

PayPay銀行の住宅ローンの注意点

PayPay銀行の住宅ローンの注意点としては、審査基準が厳しいこと。審査申し込みできるのは正社員・契約社員のみとなっており、会社経営者、非正規雇用、個人事業主の方は申し込むことすらできないものとなっています。

auじぶん銀行の住宅ローンの注意点でも取り上げましたが、住宅ローンを低金利で提供していく以上は、貸し倒れを回避するために住宅ローンの審査を厳しくせざるを得ない面がありますが、PayPay銀行では正社員・契約社員しか利用不可とし申し込み時点で高いハードルを設けている仕組みを採用しています。

auじぶん銀行とPayPay銀行の住宅ローンの比較表

次に両行の商品性の違いを一覧にして比較してみたいと思います。

両行ともネット完結型の住宅ローンを実現し、かなり似た商品性と言ってよいと思いますが、疾病保障、雇用形態、店舗・対面対応の有無が大きく異なっています。

auじぶん銀行PayPay銀行
金利最新金利はこちら最新金利はこちら
事務手数料(税込)2.20%2.20%
保証料0円(審査の結果、保証会社を利用することになった場合、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが保証料は金利に含まれます)0円
団信保険料0円0円
団信引受保険会社クレディ・アグリコル生命保険クレディ・アグリコル生命保険
一部繰り上げ返済手数料0円0円
無料の疾病保障がん50%保障、全疾病保障一般団信プラス(がん先進付)
ワイド団信取扱い(年0.3%)取扱い(年0.3%)
年収200万円以上200万円以上
利用可能な職業(雇用形態)正社員、派遣社員、契約社員、会社役員、個人事業主正社員、契約社員
電子契約対応対応
ペアローン・収入合算対応対応
店舗・対面対応一部auショップ直営店、ARUHI店舗、不動産業者の提携もありなし
中古住宅戸建て、マンション戸建て、マンション
諸費用の借り入れ可能可能
リフォーム資金対応非対応借り換え時のリフォーム資金にのみ対応
つなぎ融資不可不可

疾病保障の違い

auじぶん銀行とPayPay銀行の疾病保障の根本的な違いはauじぶん銀行が無料で疾病保障を付帯させる、PayPay銀行が疾病保障はユーザーが必要に応じて有料で付帯させるという考え方になっている点です。

auじぶん銀行の疾病保障はがん50%保障と全疾病保障という疾病保障が無料で付帯する一方で、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)はがん診断給付金とがん先進の特約が無料で付帯されるのみです。

具体的に両行の無料の疾病保障を比較すると以下のようになります。

auじぶん銀行PayPay銀行
がん診断住宅ローン残高の50%なし
がん診断給付金なし100万円
がん先進医療なし1,000万円まで(1回500万円まで)
全疾病保障(入院保障)住宅ローン残高の100%なし
全疾病保障(日次保障)毎月のローン返済額なし

auじぶん銀行とPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)では変動金利は2021年3月時点で年0.03%程度の差しかありませんが、疾病保障で大きな差があることには注意が必要です。

大きな買い物であるマイホーム購入後にがんになり治療が必要になった場合、住宅ローン残高が半分になるとするとその安心感は変えがたいものとなることは想像にたやすいのではないでしょうか。

auじぶん銀行ではがん保障以外に精神疾患以外のすべての病気とけがを保障する全疾病保障を付帯することも大きなポテンシャルです。

auじぶん銀行の住宅ローンの疾病保障の詳細はこちら

審査基準(雇用形態)

両行の大きな違いの一つであるのが住宅ローン審査基準で、auじぶん銀行はアルバイト、パート以外の方で継続的な収入があれば審査申し込みが可能ですが、PayPay銀行は正社員と契約社員のみ申込可能となっています。(正社員でも同族企業勤務は不可)

PayPay銀行では、会社経営者、個人事業主・自営業、派遣社員の方が申し込みすらできないというかなり厳しい審査基準になっています。

2019年10月に発表されたSBIホールディングスとZホールディングスの業務提携ではPayPay銀行が2020年にも住信SBIネット銀行のフラット35を取り扱いを開始するとしていましたが、取り扱いが開始が遅れているようで、2021年3月時点ではPayPay銀行では会社経営者、個人事業主・自営業、派遣社員の方が住宅ローンに申し込めないという状況です。

一方、2021年1月にauじぶん銀行は静岡銀行グループとの提携を発表、静銀信用保証が保証する住宅ローンの取り扱いを開始、これまで審査に落ちていた方でもより審査に通りやすくなる仕組みを実現しています。(審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途発生する保証料はありません)

店舗・対面対応

auじぶん銀行の住宅ローンは取り扱い開始から時間が経過していることもあり、不動産業者やARUHIとの提携で対面のチャネルを拡大している一方でPayPay銀行は完全にネット完結型となっており対面でのチャネルはない状況です。

まとめ

auじぶん銀行もPayPay銀行も、大手ネット銀行の中では住宅ローンの取り扱いが後発組です。後発組というのは決して悪いことではなく、後発=最新の住宅ローンと言える状況で、メガバンクや地銀の住宅ローンと比較した場合には極めて魅力的な商品設計になっています。

いずれも魅力的な住宅ローンですが、この2つの住宅ローンを比較して優劣をつけるのであれば、疾病保障の内容と審査基準を考えてauじぶん銀行の住宅ローンのほうが魅力的な面や使いやすい面が多いと思います。

もちろん、仮申し込みの段階でどちらかに決めてしまう必要はありません。両行の住宅ローンに審査申し込みをして審査に通ったほうを選ぶことが筆者のおすすめです。

auじぶん銀行の住宅ローンの詳細はこちら

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