この記事ではauじぶん銀行の住宅ローンとPayPay銀行の住宅ローンについて解説しています。
この2つの銀行は、住宅ローンの商品性が似ているだけでなく、日本を代表する大手銀行が出資しているという共通点もあります。住宅ローンに限らずネット銀行の代表として比較されることが多くあるライバル銀行です。
今回はこの2つの銀行の住宅ローンを詳しく比較しながらそれぞれの特徴を確認していきたいと思います。

SBI新生銀行は、SBI証券の口座と連動できる「SBIハイパー預金」の口座を開設するだけで「パワースマート住宅ローン(変動金利・半年型)」が年0.09%引き下げられるプログラムを実施しています。SBI証券で株などの取引きを行う必要は無く、口座を開設するだけで住宅ローンの金利が優遇されるので、積極的に利用すると良いでしょう。
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目次
auじぶん銀行とPayPay銀行の概要
最初にauじぶん銀行とPayPay銀行の会社概要を確認していきましょう。
| PayPay銀行 | auじぶん銀行 | |
| 設立 | 2000年 | 2008年 |
| 資本金(直近開示) | 722億1千万円(2025年2月現在) | 1,065億円(2025年3月現在) |
| 預金残高(2022年3月) | 1兆4,617億円 | 2兆2,703億円 |
| 預金残高(2023年3月) | 1兆6,669億円 | 2兆7,302億円 |
| 預金残高(2024年3月) | 1兆7,800億円 | 3兆8,827億円 |
| 貸出残高(2022年3月) | 4,167億円 | 1兆5,978億円 |
| 貸出残高(2023年3月) | 6,244億円 | 2兆3,287億円 |
| 貸出残高(2024年3月) | 7,293億円 | 3兆5,419億円 |
どちらも日本を代表する企業が親会社で、経営基盤は盤石です。
なお、長引く低金利で住宅ローンの収益性がかなり低くなっていた2019年7月にPayPay銀行は住宅ローンに参入しまいた。収益性が低いのがわかっていたにもかかわらずPayPay銀行が住宅ローンに参入したのは、預金超過(貸出残高の少なさ)があり、融資残高を増やしたかったからと言われていました。
auじぶん銀行の住宅ローンについて
auじぶん銀行は、2015年12月に自社ブランドとして住宅ローンの取り扱いを開始して以来、ネット銀行の中でも革新的な存在として成長を遂げてきました。サービス開始当初から変動金利を業界最低水準に設定し、その後は固定金利やミックス型など他の金利タイプも魅力的な水準へと引き下げたことで、一気に利用者を拡大。現在では融資残高が5兆円を超え、ネット銀行の住宅ローン市場をけん引する存在となっています。オリコン顧客満足度ランキングや価格.comの人気ランキングでも常に上位を維持しており、利用者の満足度も高い銀行です。
特に注目すべきは、日本で初めて「書面契約を完全に不要とするネット完結型住宅ローン」を実現したことです。スマートフォンやパソコンだけで申し込みから契約まで完結できる利便性は、忙しい共働き世帯や遠方在住者にとって大きなメリットとなりました。また、がんに対する疾病保障(がん団信)を無料で付帯させた点も画期的で、それまで有料オプションが一般的だった住宅ローンの常識を大きく変えたと言われています。金利の低さ、審査・契約のスピード、付帯サービスの充実度のすべてにおいて先進的な住宅ローンとして高い評価を受け続けています。
一方で、2025年4月には変動金利の引き上げが実施されました。日銀のマイナス金利政策解除や長期金利上昇の影響を受け、ネット銀行各社も段階的な見直しを行う中で、auじぶん銀行もその流れに合わせた格好です。もともと業界最安水準だっただけに、引き上げ後はPayPay銀行や住信SBIネット銀行と比較して「若干の割高感」が出てきているのが現状です。
もっとも、住宅ローンの魅力は金利だけで決まるものではありません。審査スピードの速さ、ネット完結の手軽さ、無料の疾病保障など、総合的な利便性や安心感の面では依然として非常に競争力の高い商品といえます。今後は金利水準の動向を注視しつつも、団信の内容やサービスの質を含めて比較検討することが、後悔のない住宅ローン選びにつながるでしょう。
auじぶん銀行の住宅ローンの注意点
auじぶん銀行の住宅ローンの注意点として審査の厳しさがあげられます。
銀行としては、基本的には住宅ローンを貸すことで得られる手数料や利息で利益をあげなければなりません。また、住宅ローンを低金利で提供していくためは、貸し倒れを回避する必要があります。
そのため、金利の低さ・サービス性の高さを維持するために、審査を厳しくせざるを得ないという側面があります。auじぶん銀行の住宅ローンは審査が厳しいと言われることも多くありますし、審査に落ちたという口コミも多くみかけます。
この課題を解決するために2021年1月に取扱いが開始されているのが静銀信用保証を保証会社とした「保証付金利プラン」です。
それまでは、住宅ローンの審査で落としていた人を保証会社を利用する住宅ローンに誘導できるようにして利用者を増やすことを目的として作られた仕組みです。
保証会社への保証料相当額を上乗せした金利で契約する必要があり、住宅ローンとしての魅力は少し落ちてしまいますが、「どんなに魅力的な住宅ローンでも自分が利用できなければ意味がない」と考えると、利用できる可能性が広がったのはメリットだと思います。
PayPay銀行の住宅ローンについて
PayPay銀行では2019年7月に住宅ローンの取扱いを開始しています。住宅ローンはかなり後発組で、その分、他の銀行の住宅ローンを参考に商品性が設計されていて、たとえば、無料で付帯できる疾病保障が充実しています。
PayPay銀行の住宅ローンの注目情報


また、Yahoo!IDを持っている場合には最大3万円(月額500円を最大5年間)のキャッシュバックが受けれる特典も用意されています。(Yahoo!住宅ローン)
PayPay銀行の住宅ローンの注意点
PayPay銀行の住宅ローンの注意点としては、審査基準が厳しいこと。審査申し込みできるのは正社員・契約社員のみとなっており、会社経営者、非正規雇用、個人事業主、同族企業勤務の方は申し込むことすらできないものとなっています。(※専用の住宅ローンを用意しています)
auじぶん銀行の住宅ローンの注意点でも取り上げましたが、住宅ローンを低金利で提供していく以上は、貸し倒れを回避するために住宅ローンの審査を厳しくせざるを得ない面がありますが、PayPay銀行では正社員・契約社員しか利用不可とし申し込み時点で高いハードルを設けている仕組みを採用しています。
auじぶん銀行とPayPay銀行の住宅ローンの比較表
次に両行の商品性の違いを一覧にして比較してみたいと思います。
両行ともネット完結型の住宅ローンを実現し、かなり似た商品性と言ってよいと思いますが、疾病保障、雇用形態、店舗・対面対応の有無が大きく異なっています。
| auじぶん銀行 | PayPay銀行 | |
| 事務手数料(税込) | 2.20% | 2.20% |
| 保証料 | 0円(審査の結果、保証会社を利用することになった場合、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが保証料は金利に含まれます) | 0円 |
| 団信保険料 | 0円 | 0円 |
| 団信引受保険会社 | ライフネット生命保険 | クレディ・アグリコル生命保険 |
| 一部繰り上げ返済手数料 | 0円 | 0円 |
| 無料の疾病保障 | がん50%保障、4疾病保障、全疾病長期入院保障 ※満50歳までの方が加入可能。 | 一般団信 |
| ワイド団信 | 取扱い(年0.3%) | 取扱い(年0.3%) |
| 年収 | 200万円以上 | 200万円以上 |
| 利用可能な職業(雇用形態) | 正社員、派遣社員、契約社員、会社役員、個人事業主 | 正社員、契約社員 |
| 電子契約 | 対応 | 対応 |
| ペアローン・収入合算 | 対応 | 対応 |
| 店舗・対面対応 | 一部auショップ直営店、ARUHI店舗、不動産業者の提携もあり | なし |
| 中古住宅 | 戸建て、マンション | 戸建て、マンション |
| 諸費用の借り入れ | 可能 | 可能 |
| リフォーム資金対応 | 非対応 | 借り換え時のリフォーム資金にのみ対応 |
| つなぎ融資 | アプラスを紹介 | 取り扱いなし |
疾病保障の違い
auじぶん銀行とPayPay銀行の疾病保障の根本的な違いはauじぶん銀行が無料で疾病保障を付帯させる、PayPay銀行が疾病保障はユーザーが必要に応じて有料で付帯させるという考え方になっている点です。
auじぶん銀行の疾病保障はがん50%保障、4疾病保障、全疾病長期入院保障※という疾病保障が無料で付帯する一方で、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)はがん診断給付金とがん先進の特約が無料で付帯されるのみです。
※満50歳までの方が加入可能。
具体的に両行の無料の疾病保障を比較すると以下のようになります。
| auじぶん銀行 | PayPay銀行 | |
| がん診断 | 住宅ローン残高の50% | なし |
| がん診断給付金 | なし | なし |
| がん先進医療 | なし | なし |
| 全疾病長期入院保障(入院保障) | 住宅ローン残高の100% | なし |
| 全疾病長期入院保障(月次保障) | 毎月のローン返済額 | なし |
auじぶん銀行とPayPay銀行では変動金利はわずかしかなく金利水準もかなり近くなっています。
大きな買い物であるマイホーム購入後にがんになり治療が必要になった場合、住宅ローン残高が半分になるとするとその安心感は変えがたいものとなることは想像にたやすいのではないでしょうか。
審査基準(雇用形態)
両行の大きな違いの一つであるのが住宅ローン審査基準で、auじぶん銀行はアルバイト、パート以外の方で継続的な収入があれば審査申し込みが可能ですが、PayPay銀行は正社員と契約社員のみ申込可能となっています。(正社員でも同族企業勤務は不可)
PayPay銀行では、会社経営者、個人事業主・自営業、派遣社員の方が申し込みすらできないというかなり厳しい審査基準になっています。2019年10月に発表されたSBIホールディングスとZホールディングスの業務提携ではPayPay銀行が2020年にも住信SBIネット銀行のフラット35を取り扱いを開始するとしていましたが、取り扱いが開始が遅れているようで、2026年2時点ではPayPay銀行では会社経営者、個人事業主・自営業、派遣社員の方が住宅ローンに申し込めないという状況です。(会社経営者、個人事業主向けの専用商品は提供しているが金利が高い)
一方、2021年1月にauじぶん銀行は静岡銀行グループとの提携を発表、静銀信用保証が保証する住宅ローンの取り扱いを開始、これまで審査に落ちていた方でもより審査に通りやすくなる仕組みを実現しています。(審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途発生する保証料はありません)
店舗・対面対応
auじぶん銀行の住宅ローンは取り扱い開始から時間が経過していることもあり、不動産業者やARUHIとの提携で対面のチャネルを拡大している一方でPayPay銀行は完全にネット完結型となっており対面でのチャネルはない状況です。
まとめ
auじぶん銀行やPayPay銀行は、大手ネット銀行の中でも住宅ローン分野への参入が比較的新しいプレイヤーです。その分、設計思想は徹底してオンライン前提。来店不要、郵送不要、スマホ完結という流れを標準化し、忙しい共働き世帯や遠方物件の購入者にとって使いやすい仕組みを整えています。
申込から審査、契約までをデジタルで進められる操作性は、従来型の銀行と比べて明らかな強みです。しかし、利便性の高さ=万人に最適、というわけではありません。住宅ローンは単なる「金利商品」ではなく、団信保障の内容、融資比率による適用金利差、事務手数料の料率、繰上返済の条件などが複雑に絡む長期契約です。
まず整理すべきは、自分が何を最優先するのかという軸です。毎月返済額をできるだけ低く抑えたいのか。がん保障や全疾病保障を重視したいのか。将来の住み替えや売却を視野に入れているのか。この優先順位を曖昧にしたまま「今いちばん低い金利」で選ぶと、後からミスマッチが生じやすくなります。
特にauじぶん銀行は、2025年春に変動金利の基準や優遇体系の見直しが実施され、以前のような“常に業界最低水準”を前提にした選び方は難しくなっています。依然として競争力はあるものの、横並びで比較すると他のネット銀行との差が縮小している局面も見られます。
変動金利はわずか0.1%の差でも軽視できません。借入額3,000万円超・35年返済であれば、総返済額に数十万円から100万円規模の差が出ることがあります。さらに、金利環境はここ数年で明確に転換期に入りました。将来的な金利上昇を織り込んだシミュレーションなしに判断するのは危険です。
表示金利だけを見るのではなく、優遇条件を本当に満たせるのか、実行日金利はいくらを想定すべきか、金利が0.5%上昇した場合の返済額は家計に耐えられるのか――こうした具体的な数字で検証することが重要です。
PayPay銀行を含むネット銀行はスピードと効率に優れていますが、その分、情報整理と比較は利用者側の責任になります。対面相談に頼らず、自ら数字を読み解けるかどうかが結果を左右します。
住宅ローン選びで本当に大切なのは、「最安金利」ではなく「自分の家計にとって持続可能な条件」です。返済総額、金利上昇耐性、保障内容、そして将来の出口戦略までを立体的に設計すること。そこまで踏み込んで初めて、後悔のない住宅ローン選びが実現します。
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