ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行がもうすぐ住宅ローンの取扱を開始

老舗のネット銀行の1つのジャパンネット銀行が住宅ローンに参入すると発表したのは1年ほど前の2018年8月でした。その時点で報道されていた内容は2019年の夏から住宅ローンを開始するというものでしたので、そろそろ開始するはずです。と言うことで、ジャパンネット銀行の住宅ローンがどのような内容になるのかを現時点で報道されている情報をもとに解説してみたいと思います。

ジャパンネット銀行は古いネット銀行で、同じ時期にできたネット銀行の楽天銀行やソニー銀行が住宅ローンを強化していたり、ジャパンネット銀行より遅れて誕生した住信SBIネット銀行やじぶん銀行も住宅ローンの積極販売を行っている中で、ジャパンネット銀行は住宅ローンの取扱に興味が無さそうだったので、何でいまさら?このタイミングで?と言うように思う人も多いと思います。

ジャパンネット銀行が住宅ローンを始める理由

ジャパンネット銀行の財務状況を確認

会社が新しいサービスや商品を取り扱う時は何かしらの目的がありますので、まず、その目的を探ってみました。どうやらジャパンネット銀行が住宅ローンに参入する理由はジャパンネット銀行の預金・貸出金などの推移をみると見えてきそうです。

以下は2019年3月末までのジャパンネット銀行の財務状況の推移です。

ジャパンネット銀行の財務状況

この5年間でジャパンネット銀行の預金は約2,500億円増えて約8,038億円になっています(上記の図の①のところ)。また、貸出金も約400億円増えていますが(②)、有価証券(日本国債など)は700億円弱減っています(③)。

金額は少ないですが「要管理債権」の残高が2018年度に7,600万円に増えています。「要管理債権」とは、貸しているお金の元金や利息の支払いが3か月以上延滞していたり、お金を貸している人が立ち直るための支援を受けたりすると分類されるもので、要は「お金をちゃんと返してもらえるのか注意が必要」な債権(貸しているお金)です。

ジャパンネット銀行が住宅ローンに参入するメリット

銀行は「集めたお金(預金)を貸したり(貸出金)、金融商品を買ったり(有価証券)して利益をあげる」会社です。お金を集めるだけだと預金してくれた人に支払う利息だけが増えてしまうだけです。ジャパンネット銀行はこの5年間で預金は2,500億円も増えて貸出金が400億円ふえて、有価証券が700億円減っています。

かんたんな算数の計算式にすると・・・

 2,500億円-400億円-(-700億円)=2,800億円 

 

この5年間で約2,800億円も金あまり(集めた預金を有効活用できていない)状態が進んだことになります。

ジャパンネット銀行では、すでにカードローンなどの他のお金を貸す商品にも取り組んでいますが、カードローンなどの無担保ローンで数千億円単位で貸出すのは難しい(何十年もカードローンをやっている業界1位のアコムでも約8,000億円ぐらい)です。実際、「要管理債権」も増えていますが、貸し倒れリスクの高い人への貸出しを増やすわけにもいかないことから、今のローン商品だけではこの金余りを解消できないと判断したのだと思います。

まとめると、住宅ローンは金利引き下げ競争が進んでいるし、金利も低くて儲かりにくいからやるつもりはなかったけど、会社の金余り状態を改善するには住宅ローンに参入するしかない、と判断してようやく重い腰をあげて住宅ローンに参入することを決めたということだと思います。

余ったお金を貸し出せる先が増えて、金あまりの状態を少しでも解消できれば、たくさん設けられないとしてもジャパンネット銀行としては十分メリットがある状況にあるのが、財務状況を確認することで見えてきました。

続いて、報道されている内容からジャパンネット銀行の住宅ローンがどのような特徴を持つことになるのかを考えてみます。

ジャパンネット銀行の住宅ローンの特徴

現時点でジャパンネット銀行の住宅ローンの特徴を示す情報は2018年の夏に日経新聞が報道した内容だけです。その報道が手掛かりになるので要点を確認しておきましょう。

  • ジャパンネット銀行は2019年夏にも住宅ローン事業に参入する。
  • 住宅ローンを提供することで貸出金を伸ばしつつ、メインバンクに選んでもらうことを目指す。
  • 店舗費や人件費が少ないネット銀行は住宅ローンの金利が低いので地方銀行やメガバンクから借り換える顧客が多いが、ネット銀行で住宅ローンを借りている顧客は信用力の高い人に偏っている
  • 将来的は人工知能(AI)を審査に活用することで、給料や勤続年数などによる画一的な審査ではなく、幅広いデータから返済能力などを見極めて融資を判断する。
  • 親会社のヤフーがもつビッグデータ解析の技術を顧客情報の分析に活用。
  • 住宅ローンは金利の引き下げ競争が激しいが、住宅ローンを通じて顧客のメインバンクになれれば、デビットカードや投資信託にもプラス効果があるはずで、それらのプラス効果を重視して住宅ローンの参入を決めた
  • 日本経済新聞の記事を抜粋

Yahoo!の情報を住宅ローンに活用

最大の特徴になりそうなのはYahoo!との連携です。ジャパンネット銀行はヤフー株式会社の子会社で、今回の住宅ローンを提供するうえで親会社が提供しているサービスYahoo!との連携です。ちなみにヤフーの親会社はソフトバンクグループなので、ソフトバンクグループの提供するサービスとの連携も期待できるかもしれません。

ソフトバンク・ヤフーと言えば100億円還元キャンペーンで日本中の話題になったPayPayが思い浮かびます。最近ではYahoo!ショッピングで貯まる期間限定ポイントをPayPayに切り替えるなど、ソフトバンク・ヤフーの関連企業間でのサービス連携が強力に推し進められています。

先行して住宅ローンを頑張っているネット銀行に「じぶん銀行」があります。じぶん銀行では親会社であるKDDIが提供するauと連携した「au住宅ローン」という商品を提供していますが、現時点では「au wallet」に3万円チャージするとか、auでんきとセット利用すると10,000円分のau walletポイントがもらえると言ったサービスを提供していますが、それに近いサービスを提供してくる可能性は高そうです。

例えば・・・・

  • 住宅ローンを借りている人がYahoo!ID連携するとYahoo!ショッピングでもらえるポイントが+1倍になる!
  • Yahoo!プレミアムが無料で利用できる!
  • PayPayでの買い物した時の還元率が増える!
  • 住宅ローンを契約するとPayPay残高がたくさんもらえる!
  • PayPayで住宅ローンの繰り上げ返済ができちゃう!

などなど、このような住宅ローンが登場したら話題を集めるとは思います。去年の報道どおりならあと2か月~3か月で判明するはずなのでもう少し待ちましょう。

肝心の住宅ローンの金利は?

住宅ローンは金利の引き下げ競争が激しいが、住宅ローンを通じて顧客のメインバンクになれれば、デビットカードや投資信託にもプラス効果があるはずで、それらのプラス効果を重視して住宅ローンの参入を決めた。

財務状況からは2,000億円ぐらいまでは少しでも早く貸出ししてしまいたいと思っていると思いますし、去年の報道でも「住宅ローン単体で利益をあげようとしないで、他の商品の利用促進を考える」というような考えで住宅ローンの参入を決めたと言っています。

住宅ローンの金利についてはこのあたりがポイントになりそうで、少なくとも他のネット銀行と同じぐらいの低金利にする可能性はかなり高いと思います。これだけ参入が遅れていて、金利引き下げ競争でも負けていたら本末転倒ですからね。少なくとも最初は低金利引き下げ競争をしかけてくるんじゃないかなと思います。

ただ、わからないのは「変動金利」「当初固定金利」「固定金利」のどの金利タイプに力を入れるか・・・です。これは内部の関係者じゃないとわからないので、判明を待ちましょう。

団信や疾病保障はどうなる?

ジャパンネット銀行の株主には「三井住友海上火災保険株式会社」、「大樹生命保険株式会社 4,000 0.52%」、「住友生命保険相互会社」が名前を連ねていますが、これまでは連携したサービス提供をほとんどやっていないと思いますので、団信や住宅ローンの疾病保障はその業界に強い外資系「クレディ・アグリコル生命」か「カーディフ生命」あたりが採用される可能性もあると思います。

ライバルのネット銀行の住宅ローンを意識して、無料の疾病保障をセットしてくるかが注目ポイントになりそうです。

なお、「火災保険」は「三井住友海上火災保険」が使われる可能性は高いような気がします。

AIとかYahoo!のビッグデータは?

AIとかYahoo!のビッグデータ活用する方向性のようですが「将来的には実現する方向」という言い方なので最初から活用されることは無さそうです。Yahoo!のビッグデータを活用するにはYahoo!のデータと住宅ローンの借り入れ情報をくっつけてAIで解析しなければ精度があがるとは思えないので、最初からAIとは言わずに、普通に住宅ローンn利用者を集めることで、AI解析のための情報を蓄積して、その後にはじめることになるのではないでしょうか。

まとめ

結論はまだよくわからない、です(笑)。

ただ、「ジャパンネット銀行の財務状況、最後発で他のネット銀行に勝負を挑む、親会社はヤフー(ソフトバンク)」であることを考えると、今年の後半の台風の目になるぐらいの住宅ローンを提供する可能性は十分あるかなと思いました。