住宅ローンの手数料は、借りる銀行に払う事務の費用で、一度払うと戻ってきません。保証料は保証会社に払う費用で、前払いしておけば繰上返済や借り換えのときに一部が戻ることがあります。どちらも原則は融資実行・契約のときに払い、定額型と定率型のどちらが得かは借入額によって入れ替わります。

住宅ローンを組むときには、金利のほかにも事務手数料・保証事務手数料・保証料・登録免許税・司法書士報酬・印紙税といったまとまった費用がかかります。実際のところ、金利ばかり見ていて手数料や保証料の存在を知らなかった、という方は少なくありません。ここでは見落とされがちな手数料と保証料に絞り、違いと払うタイミング、金融機関ごとの差を、地方の銀行の例も交えて説明します。

住宅ローンを選ぶ材料の1つが手数料・保証料の安さ

住宅金融支援機構が2025年4月~2025年9月に住宅ローンを借り入れた人を対象に行った「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」では、実際に借りた人が何を決め手にしたのかが分かります(回答数1,237件・2026年2月公表、住宅金融支援機構の調査ページ)。2026年10月時点ではこれが最新の調査結果です。住宅ローン(フラット35以外)を選んだ理由の1位は金利の低さで62.0%でした。2位の団体信用生命保険の保障内容(17.8%)を大きく引き離しています。

住宅ローンを選んだ理由の上位5項目の回答割合を示す棒グラフ
3つまで回答可・n=1,128。3位に「諸費用の低さ」が入っている

注目していただきたいのはその次で、3位に諸費用の低さ(12.7%)が入り、日頃から取引がある金融機関(12.3%)、ペアローン・収入合算を利用できた(12.1%)、少し下って繰上返済のしやすさ(9.6%)が続きます(3つまで回答可)。

金利の低さが筆頭に来るのは当然として、団信の保障内容、諸費用の低さ、繰上返済のしやすさが、金利以外で重視されている要素と言い換えられます。手数料と保証料は、実際に借りた人たちも見ている比較のポイントだということです。

一般的に、事務手数料が安い住宅ローンは保証料がかかり、保証料が無料の住宅ローンは事務手数料が定率タイプで高め、というように、どちらか一方にお金がかかる作りになっています。ネット銀行の多く(SBI新生銀行・PayPay銀行・auじぶん銀行・ドコモSMTBネット銀行など)は保証料0円で事務手数料が借入金額×2.20%(税込)、地元の地方銀行や信用金庫は保証会社を使う保証料型が中心です。地方銀行でも、阿波銀行のように手数料を定率で取りつつ保証料も別にかかる組み合わせがあるため、名前の印象で決めずに中身を見比べてください。

手数料と保証料の違いを比較

住宅ローンの手数料と保証料は、どちらもまとまったお金がかかる費用ですが、払う目的も払う先も異なります。

手数料は一般的に事務手数料や事務取扱手数料、融資手数料と呼ばれます。保証会社を利用する場合は、保証会社に払う保証事務手数料(保証会社取扱手数料)が別にかかることもあります。

この事務手数料と保証料の違いを、まずは表でざっくりつかんでおいてください。

手数料 保証料
概要 住宅ローンを申し込む銀行に支払う手数料。事務手数料・事務取扱手数料とも言われる。一般的には「住宅ローンの金額に対する従量料金(住宅ローンの金額×〇.〇%=定率タイプ)」と「一律定額(住宅ローンの金額に関わらず〇〇円=定額タイプ)」のどちらかで料金設定されている。住宅ローンの手数料に加えて、「保証事務手数料」が別途かかる場合もある。保証事務手数料は銀行ではなく保証会社に対して支払われる。 住宅ローンの保証を行う保証会社に支払う費用。前払い方式と後払い方式の2つの支払方法がある。保証料は住宅ローンの金額と借入期間、さらに住宅ローンを申し込んだ人の審査結果によって決まるため、審査に申し込んでみないと実際の保証料の金額はわからない。一般的には「前払い方式」で先に支払った方が保証料を安く抑えることができる。
ポイント
  • 一度支払った手数料は戻ってこない
  • 定額タイプは利用する人によって料金が変わらない(定率タイプは借入額が大きいほど高くなる)
  • 基本的には前払い。銀行によっては、融資金額から差し引いたり、諸費用として借入額に含めたりできる。
  • 前払い方式で支払った場合、住宅ローンの借り換えや繰上返済をすることで一部返金してもらえる
  • 住宅ローンの審査に申し込んでみないと金額が最終決定されない
  • 後払い方式の場合、保証料相当分が住宅ローンの金利に上乗せされる(例:阿波銀行は年0.200%または0.400%)。

同じ金額であれば、将来一部が戻る可能性のある保証料のほうが、戻らない手数料よりは有利と言えます。一方で、保証料は審査に申し込むまで金額が分からず、審査結果によっては高い区分になることもある点に注意が必要です。前払いの保証料がどう戻ってくるかは、住宅ローンの保証料の一括・分割と返金のしくみで詳しく説明しています。

各金融機関の手数料と保証料を比較

主な金融機関の住宅ローンについて、手数料と保証料の扱いを一覧にしました(2026年10月時点・各金融機関の公式サイトにて確認)。

金融機関名 手数料 保証料
三菱UFJ銀行 保証料タイプ=事務手数料は定額+別途保証料/定率タイプ=借入額×2.20%(税込)・保証料なしも選択可 保証料タイプは必要
三井住友銀行 保証料タイプ=事務手数料は定額+別途保証料/定率タイプ=借入額×2.20%(税込)・保証料なしも選択可 保証料タイプは必要
みずほ銀行 保証料タイプ=事務手数料は定額+別途保証料/定率タイプ=借入額×2.20%(税込)・保証料なしも選択可 保証料タイプは必要
SBI新生銀行 2.20%(税込・定率タイプ) 原則不要
ソニー銀行 44,000円(税込・「住宅ローン」)/変動・固定セレクトは2.20%(税込) 不要
PayPay銀行 2.20%(税込) 不要
auじぶん銀行 2.20%(税込) 不要※1
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行) 2.20%(税込・融資金額から差し引き) 不要
SBIアルヒのフラット35 2.20%(税込)※融資手数料型 不要
阿波銀行(総合住宅ローン・変動金利型) 融資手数料 融資金額×1.10%(税込・引下げ金利適用時)+保証会社取扱手数料55,000円(税込) 必要(一括前払いまたは金利上乗せの分割後払い)
静岡銀行(疾病保障付き団信プランの場合) 事務取扱手数料110,000円(税込・当行55,000円+保証会社55,000円) 必要(1,000万円あたり35年で206,100円)

※1 審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途発生する保証料はありません。

ここで気をつけたいのは、保証料が無料でも必ず得になるとは限らない点です。保証料が原則不要なネット銀行は、その代わりに事務手数料が借入金額×2.20%(税込)の定率タイプです。3,000万円を借りると、それだけで66万円(税込)になります。

一方で、ソニー銀行の「住宅ローン」(44,000円の定額タイプ)や、メガバンクの保証料タイプのように、初めに払う手数料そのものは小さいタイプもあります。保証料タイプは事務手数料が安い代わりに保証料がかかるため、保証料まで足すとネット銀行と大きくは変わらないこともあります。手数料と保証料は、自分の借入額と借入期間に当てはめて、必ずセットで比べてください。

3,000万円・35年で比べると初期費用の差はこう出る

たとえば3,000万円を35年で借りるケースで、初めにかかる手数料と保証料だけを比べてみます。ネット銀行の定率タイプ(2.20%)なら事務手数料66万円で、保証料はかかりません。

阿波銀行の総合住宅ローン(変動金利型・2026年10月1日現在)で引下げ金利が適用され、保証料を一括前払いする場合は、融資手数料33万円と保証会社取扱手数料5.5万円に、保証料が加わります。保証料は1,000万円あたり35年で約26.7万円(年0.2%の区分)なので、3,000万円なら約80万円、合わせて約119万円です。年0.4%の区分になれば保証料は約160万円に増えます。

この比較だけを見るとネット銀行が安く見えますが、金利や団信の上乗せ、繰上返済のしやすさは銀行ごとに違います。初期費用は総額の一部にすぎないので、毎月の返済額と合わせた総額で判断することが欠かせません。

地方にお住まいの方へ:地銀・信金の手数料・保証料の考え方

徳島など地方では、給与振込や公共料金の引き落としをまとめている地元の地方銀行・信用金庫で住宅ローンを組む方も多くいらっしゃいます。阿波銀行の変動金利型も、給与振込や預金残高などの取引条件を満たすと金利の引下げを受けられる仕組みです。地銀・信金は保証会社を使う保証料タイプが中心で、前払いした保証料が繰上返済や借り換えのときに戻し保証料として一部返金される点はネット銀行の手数料と大きく違います。

そこで、窓口で相談しながら進めたい方は地銀・信金、諸費用を借入額に含めて手元資金を残したい方はネット銀行、というように相談のしやすさと諸費用の払い方で選び分けると考えやすくなります。手数料と保証料の金額は金融機関や審査結果で変わるので、気になる金融機関では事前審査の段階で諸費用の見積もりも出してもらうと比べやすいです。

手数料と保証料はいつ払う?

手数料はいつ払う?

手数料は、基本的に融資実行・契約のとき(またはその直前)に払うので、それまでに用意しておく必要があります。金融機関所定の口座へ振り込むか、ドコモSMTBネット銀行のように融資金額から直接差し引く方法がとられます。支払方法は審査・契約の手続きの途中で金融機関から案内があるので、その指示に従えば問題ありません。

手数料は申し込む時点で金額が分かるので、いくら必要になるかを最初から把握できます。ネット銀行の住宅ローンでは、事務手数料も住宅ローンに含めて借りられることが多く、必ずしも最初に現金で払う必要はありません。

諸費用を借り入れに含めるかどうかは、審査の申込時に希望を伝えるか、申し込んだあとに金融機関から確認があります。全額を借りることもできますが、いくら借りたいかを聞かれるので、その際に希望額を伝えることになります。

手数料借り入れ時の注意点は?

注意が必要なのは、手数料も借りれば、その分にも利息がかかる点です。

例えば、100万円の手数料を金利年1.000%・35年・元利均等返済の住宅ローンに上乗せして借りた場合、最終的に約119万円を返すことになり、利息として約19万円を余分に払う計算です。1年あたりにならすと約5,300円の負担増になります。

定率2.20%の事務手数料が100万円を超えるのは、借入額がおよそ4,550万円を超えるケースなので、神経質になりすぎる必要はありません。ただ、手数料を借りると借入額が膨らみ返済負担率が高くなるため、審査ではマイナスに働きます。住宅ローンは自己資金があるほど審査で有利になるので、手数料を借りるのはその逆の動きになると考えておいてください。

保証料はいつ払う?

保証料の払い方は前払いと後払いの2つがあり、前払いは融資実行・契約のときまでに払います。

後払いは、住宅ローンの金利に保証料相当分を上乗せする方法です。阿波銀行の場合は年0.200%または0.400%の上乗せで、増えた返済額の中で保証料を毎月少しずつ払っていくことになります。

保証料後払い時の注意点は?

保証料は、前払いより後払いのほうが総額では高くなるように設定されているのが一般的です。総返済額をとにかく抑えたいのであれば、手元資金に余裕がある範囲で前払いを選ぶ方法があります。

手数料を借りるときと違い、保証料は前払いと後払いでそもそもの料金設定が違うため、両者の差は利息の分よりも大きくなることが多いです。どちらにするかは、審査で示された保証料の金額を見てから決めても遅くありません。

住宅ローンの手数料・保証料に関するよくある質問(FAQ)

Q. 融資手数料タイプと保証料タイプはどっちが得ですか?

A. 借入額と返済期間、途中で繰上返済や借り換えをするかで変わります。借入額が大きく早めに返す予定なら、戻ってこない定率タイプの手数料が重くなりやすく、保証料タイプが向くこともあります。金利の差も含めた総額で比べるのが確実です。

Q. 銀行の住宅ローンの保証料の相場はどれくらいですか?

A. 保証料は審査結果と期間で変わるため一律の相場はありませんが、一括前払いで1,000万円あたり35年の例を挙げると、静岡銀行は206,100円、阿波銀行は年0.2%の区分で約26.7万円、年0.4%の区分で約53.4万円です(2026年10月時点)。

まとめ

手数料と保証料だけで住宅ローンを選ぶ方はほとんどいません。冒頭の調査のとおり、住宅ローン選びの基本はやはり金利です。

ただ、同じ調査では、比較した住宅ローンの数が1つだけ(現在借りているローンのみ)という方が65.6%にのぼることも分かっています。勧められた1本だけで決めてしまうと、手数料・保証料を含めた総額で数十万円の差を見逃すこともあるので、最低でも2~3本は並べて比べることをおすすめします。

金利を比べるときは、手数料と保証料も一緒に、自分の借入額と借入期間に当てはめた総額で比べてください。判断に迷ったときは、複数の金融機関で事前審査を受け、出てきた条件を並べてみるのが確実だと考えています。実際に選ぶ段階では、各金融機関の最新の条件をご自身でも確かめてから判断してください。