auじぶん銀行の住宅ローンでは、いわゆる「フルローン」や「オーバーローン」と呼ばれる形態での借り入れも一応可能とされています。ただ、これは誰にでも積極的に勧められる方法とは言い難いのが実情です。ここでは、その仕組みやリスク、実際に利用を検討する際に注意すべきポイントを整理します。
フルローンは、住宅の購入価格全額をローンで借りることを意味し、オーバーローンは登記費用や仲介手数料などの諸費用までまとめて借り入れるケースを指します。近年は頭金ゼロでも審査を通す銀行もありますが、借入額が大きくなればなるほど、総返済額の増加や家計への負担が重くなるのは避けられません。
auじぶん銀行は最近は金利も引き上げ傾向ですし、金利が将来的にさらに上昇したり、ライフプランが変化したときに対応しきれないリスクを抱えることになります。とくにオーバーローンの場合は、物件価格を上回る融資を受けるため審査が厳しくなりやすく、ローン残高が物件価格を超える「オーバーローン状態」が長期化するリスクにも注意が必要です。売却時にローンが完済できず、買い替えや住み替えが難しくなるケースも少なくありません。
「頭金を残すことで手元資金に余裕を持つ」という考え方は合理的に見えますが、その分負債も大きくなるという現実は無視できません。特に今後も金利が上昇基調に転じる可能性が取り沙汰される中で、フルローンやオーバーローンを安易に選ぶのはリスクが大きいでしょう。
本当に必要かどうかをしっかり見極め、家計全体のキャッシュフローや将来設計を精査したうえで、専門家の意見も交えながら慎重に判断することを強くおすすめします。
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目次
住宅ローンのフルローンとは?
「住宅ローンのフルローン」とは、簡単に言えば、マイホームの購入にかかる建物や土地の価格、すなわち販売価格や建築費用の全額を住宅ローンでまかなう借入方法のことを指します。自己資金を使わずにマイホームが手に入るように思われがちですが、実際にはそう簡単ではありません。
たとえ住宅本体の購入資金をフルローンでまかなえたとしても、不動産会社に支払う仲介手数料や登記費用、住宅ローンの事務手数料や保証料、火災保険料などの**「諸費用」と呼ばれるコストは自己資金で支払う必要があるケースが多く**、数十万〜数百万円程度の貯蓄は依然として求められます。
一方、「オーバーローン」とは、こうした諸費用までも住宅ローンの借入額に含めることで、住宅価格を超える金額を借り入れる手法です。つまり、住宅の本体価格以外の費用も含めて一括でローンに組み込みたい人にとって、オーバーローンは自己資金の負担を大幅に減らせる手段として有効です。ただし、オーバーローンを利用できるかどうかは金融機関の審査方針によるため、誰でも利用できるわけではありません。
auじぶん銀行の住宅ローンでは、最大で2億円までの借り入れが可能となっており、フルローンだけでなく、一定の条件を満たせば諸費用を含むオーバーローンの利用にも対応しています。もちろん、誰でも希望通りの金額を借りられるわけではなく、借入可能額は年収や信用情報、他の債務状況などを総合的に判断した上で決まります。
このように、住宅ローンの借入上限や使途の柔軟性を理解しておくことは、自分にとって最適な資金計画を立てるうえで非常に重要です。auじぶん銀行の住宅ローンを上手に活用すれば、フルローンやオーバーローンといった選択肢も現実的な手段として検討できます。住宅購入における初期費用の準備が難しい人にとって、こうした仕組みを知っておくことは大きな安心につながるでしょう。
auじぶん銀行の住宅ローンはフルローンでの借り入れが可能?
結論としては、auじぶん銀行の住宅ローンはフルローンの借り入れにも対応しています。
今から10年以上前は「マイホームを買う時は、最低でも頭金を10%~20%用意しないと貸してもらえない」と言われていた時代もありましたし、審査に申し込んでも頭金が無いと落とされることが多くありました。
その後、住宅ローンの低金利化が進み、頭金の有無によらず利息支払い額が小さくなったこともあり、ほとんどの住宅ローンがフルローンでの借り入れを認めています。それどころか、不動産会社に支払う手数料や引っ越し費用なども住宅ローンに組み込むことができるようになっています。
令和の時代の住宅ローンはフルローンで借り入れできて当たり前です。頭金を用意できる人でも、以下のような考え方でフルローンでの借りる人がいるほどです。
- 住宅ローン減税を最大限活用したいと考えている人
- 新居での新生活をスタートする時の手元資金に余裕を持たせておきたいと考えている人
- 返すのはいつでもできるので、「低金利の住宅ローンは借りれるだけ借りておくべき」という考えの人(借り入れ後に状況を見ながら繰上返済)
- 不動産価格が上昇しているので早めにマイホームを購入しておきたい
冒頭でも触れましたが、筆者も低金利下の今の時代は住宅ローンのフルローンは決して悪いことではないと考えています。
※フルローンであるかが問題なのではなく、借入金額と収入のバランスは大切という話です。フルローンであろうと無かろうと、住宅ローンを借りすぎると借り入れ後の生活に支障がでる可能性があるので、「借入金額」という観点で注意する必要があります。
auじぶん銀行の住宅ローンでは諸費用の借り入れも可能
これまで解説した通り、auじぶん銀行の住宅ローンは、頭金を用意しないで住宅ローンをフルローンにも対応していますし、マイホームの販売価格以上のお金を借りることもできます。
住宅の価格よりも多い金額を借りることをオーバーローンの定義とするならば、auじぶん銀行はオーバーローンを許容していることになります。
具体的には、住宅購入手続きや住宅ローン契約にかかる各種諸費用を住宅ローンに組み入れて借りる仕組みです。
それらの諸費用を住宅ローンに含んで借りることができます。その結果、住宅価格よりも借入金額が多い状態でマイホームを購入するケースもでてきます。
また、auじぶん銀行の住宅ローンは、諸費用の借り入れ可能範囲が広く、例えば、新居への引越し費用まで住宅ローンの金額に含んでかりることができます。
住宅ローンに含めて借り入れ可能な諸費用は下記のものとなります。以下は、3,000万円程度のマイホームを購入する場合を前提とした諸費用の例です。
諸費用の種類 | 金額 | 備考 |
収入印紙 | 2万円 | auじぶん銀行では電子契約を利用すると不要 |
登録免許税 | 数万円 | |
司法書士の手数料 | 10-20万円 | |
土地家屋調査士の手数料 | 数十万円 | |
融資事務手数料(税込) | 66万円 | 住宅ローン融資金額の2.20%(税込み) |
火災保険料 | 3万円 | |
地震保険料 | 7万円 | |
不動産仲介手数料 | 約105万円 | 不動産仲介業者を利用する場合、購入金額の3% |
引越し費用 | 20万円 |
上記の表に記載の費用すべてを合算すると200万円以上。auじぶん銀行ではこの諸費用を住宅ローンに含んで借りることができます。
auじぶん銀行の住宅ローンで家電の購入は可能?
auじぶん銀行の住宅ローンで家電の購入は可能なのでしょうか?ビックカメラ、ヤマダ電機などで家電単体で購入した場合の組み込みはできませんが、壁、天井など埋め込み式のエアコンなど住宅の一部として購入する家電の代金は住宅ローンに組み込むことが可能です。
エアコンも組み込み式を複数台、購入するとなると大きな出費となるので住宅ローンに組み込むことができるはうれしい限りですね。
手元資金ゼロでマイホームの購入は可能か?
これまで解説してきたようにauじぶん銀行の住宅ローンでフルローンを資金を借りることは可能なことはわかりました。さらに進んで、手元資金が全くない状態でもマイホームを購入することができるのかを確認していきましょう。
一般的に、住宅購入時の契約時には手付金が必要とされています。手付金は物件価格の5%程度です。手付金はマイホームの購入意思を確約するタイミングで現金で支払う必要があります。この手付金も用意できないとマイホーム購入は苦労するでしょう。
また、不動産仲介会社経由の場合、不動産仲介会社の手数料も半金程度を契約時に支払う必要があります。
例えば、3,000万円の中古マンションであれば手付金で150万円、仲介手数料の半金で約50万円、合計で最低でも約200万円が必要となります。この現金がないと売買契約が結べません。
住宅ローンのフルローンを組むと、住宅ローン融資実行時に、この分の資金が手元に戻ってくることになるので、売買契約締結から住宅ローン融資実行までの一定期間は、やはり現金が必要になります。それらを何かの方法で賄うことができれば手元資金なしでも住宅ローンの契約は可能です。
auじぶん銀行の住宅ローン借り入れ可能額の上限は?
auじぶん銀行の住宅ローンの借り入れ可能額の上限は2億円です。
実際にauじぶん銀行で2億円の融資を受けるためには年収が2,600万円程度必要なので、2億円満額借り入れできる人は限定的ですが、借入金額の上限が1億円を超える住宅ローンは珍しく、高額物件購入時の有力候補となる住宅ローンです。
また、団体信用生命保険の保障も2億円が上限となっているので、高額の住宅ローンを借り入れることで、生命保険をオトク(無料)に利用できるのもauじぶん銀行の住宅ローンの1つの特徴です。
年収ごとのフルローン上限額
次に年収ごとのフルローン上限額(借り入れ可能額)も確認しておきたいと思います。借入可能額は適用金利などで違ってきますので、auじぶん銀行の公式サイトで必ずシミュレーションするようにしましょう。
以下は、変動金利で35年返済で金利・返済期間を指定した場合の借り入れ上限金額の概算値です。金利は年0.35%程度として計算しており、実際のauじぶん銀行の金利とは関係がありません。
年収 | 借り入れ上限 |
300万円 | 2,350万円 |
400万円 | 3,140万円 |
500万円 | 3,920万円 |
600万円 | 4,710万円 |
700万円 | 5,490万円 |
800万円 | 6,280万円 |
900万円 | 7,060万円 |
1,000万円 | 7,850万円 |
1,100万円 | 8,630万円 |

上記は2025年4月にSNS「X」に投稿されたauじぶん銀行の住宅ローンを利用している人のauじぶん銀行の住宅ローンに対するTweetです。それまで”業界最低水準”の低金利で貸し出しを増やしていましたが、手のひらを返したとまでは言いませんが、周辺の銀行以上のハイペースで金利が引き上げられたので、悲鳴を上げている利用者が続出している様子がうかがえます。
逆に、SBI新生銀行は、比較的、金利の引き上げを抑えていることで、相対的な魅力が上昇中です。各金融機関の最新の住宅ローンを知っておくことは、どの住宅ローンを利用する人にとってもメリットがあることなので、注目を集めている住宅ローンの最新金利や商品性はチェックしておくようにしましょう。