「頭金が足りない」、「家を買っても家具や家電を買う余裕がない」、「車のローンがまだあるので住宅ローンの審査が不安」といったお金に関する悩みを抱えている人は多いと思います。

そのような悩みを抱えていると、「新しいマイホームで使う家具や家電を買うお金や車のローンを住宅ローンに組み込めないか?」と考えることがあります。

住宅ローンの金利が高い時代であれば、「そんなことをしたら、住宅ローンを返せなくなって破綻するぞ!」と周囲の人に止められることでしょう。

確かに、住宅ローンの金利が2%の場合、例えば300万円多く住宅ローンを借りて、その300万円を35年かけて返済する場合、最終的に400万円以上返済する必要があります。

ところが、住宅ローンの金利が0.4%であれば、300万円多く住宅ローンを借りて、35年かけて返済する合計の金額は320万円程度です。

35年かけて20万円ぐらい利息が増える程度であれば、大きな負担ではないですし、300万円を用意するために、貯金や年収が少なく、子供も小さくて養育費もかかる若い時代に節約するぐらいなら、35年かけてゆっくりと20万円の利息を払った方が豊かな人生になると考えるのは合理的とも言えます。

それでは、住宅ローンに車のローンや家具を購入するお金を混ぜる方法を紹介していきたいと思います。

なお、この記事で紹介するのは、銀行や不動産会社を騙すような違法行為でもなければ、裏技でもなんでもありません。金融機関が正式に提供しているサービスや商品を使った解決方法です。

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この2年ぐらいで急激に物価が上昇し家計のやりくりに困っている人が増えてきています。

家計のやりくりに困ったら、遠慮なくFPに相談することをおすすめします。そうはいっても、FPを自分で探すのは難しいですし、FPに相談なんかして良いのか?と感じてしまう人に紹介しておきたいのが、大手企業であるリクルートが提供している保険の比較サイト「保険チャンネル」です。

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「保険」という名前から保険の相談しかできないと勘違いしそうですが、「住宅ローン」はもちろん「お金に関すること」であれば無料で相談に載ってもらるので、お金に関する悩みを抱えている人は、1度相談してみることをおすすめします。

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諸費用を借りられる住宅ローンとは?

マイホーム購入や住宅ローンの契約には、不動産の仲介手数料、住宅ローンの事務手数料や、登録免許税など、様々な手数料や税金が発生します。通常、それらのお金はこれまで貯めてきた貯金を使って支払うことになりますが、最近は「住宅購入時の諸費用を住宅ローンに組み入れて借りることができる住宅ローン」が増えてきました。

車のローンやカードローンのお金を直接的に住宅ローンに切り替えることはできませんが、諸費用を住宅ローンとして借りることで「浮いたお金」をつかって、車のローンやカードローンの返済に回すことで、実質的に住宅ローンに借り換えたような状態を作ることができます。

以下は低金利&諸費用の借り入れに対応したおすすめの住宅ローンです。住宅ローンに組み込みできるものが若干異なっていますので参考にしておいてください。

auじぶん銀行ソニー銀行SBI新生銀行
印紙税
登録免許税
司法書士報酬
土地家屋調査士報酬
住宅ローン事務手数料
不動産仲介手数料
火災保険料
地震保険料
借換時の経過利息・違約金
引越し費用
修繕積立金(初期分)など
※「?」としているものはホームページ上で明記されていない(当サイトでは確認できなかった)費用です。どの金融機関も「など」と範囲を拡大できる表現で書いてあります。事前に確認しておきたい場合は上記の公式サイトなどで確認してください。

ソニー銀行の住宅ローン

例えば、auじぶん銀行は引っ越し費用も住宅ローンに含むことができますし、幅広い資金使途に対応していることがメリットの1つです。auじぶん銀行は2021年1月29日から保証会社付の住宅ローンの取り扱いを開始していて、幅広いユーザー層がauじぶん銀行の住宅ローンを利用することが可能になっています。(金利などの条件面は異なりますが)

また、ソニー銀行は借り換え前の住宅ローンの経過利息や違約金まで貸してくれます。

※各社の条件は適時、変わっている可能性があるので必ず公式サイトや商品説明書を事前に確認するようにしてください

このように、今の時代の住宅ローンは「マイホーム代金しか借りられない」という時代ではなく、「マイホームの代金とそこで生活するために必要なお金も借りられる」時代になってきています。

ここで紹介したauじぶん銀行・ソニー銀行・SBI新生銀行はいずれも諸費用を借りられる住宅ローンの中でも特に魅力的な住宅ローンです。最新金利・最新キャンペーン情報など各社の公式サイトから確認しておくようにしてください。

auじぶん銀行の最新情報はこちら

ソニー銀行の最新情報はこちら

SBI新生銀行の最新情報はこちら

住信SBIネット銀行の住宅ローンプラスなら自動車ローンやカードローンのおまとめが可能

住信SBIネット銀行の住宅ローンプラスは、500万円もしくは住宅購入費の50%(諸経費を除く)を上限として、自動車ローンやカードローンを住宅ローンにまとめて借りることが可能となっています。

住宅ローンプラスは、MG保証が提供する保証付きの住宅ローンであるため、保証料が発生します。この保証料が金利に影響するため、審査が完了するまで具体的な借入金利が確定しません。したがって、申し込みから金利が確定するまでに時間がかかることを考慮し、余裕を持ったスケジュールで申し込む必要があります。

住宅価格を水増しして車のローンをまとめるのは違法行為

今でも、一部の悪質なハウスメーカーや工務店が水面下で行っている可能性があるのが、住宅価格を水増して契約を結び、本来の金額以上のお金を住宅ローンで借りるような裏技です。裏技というよりは違法行為です。悪質な手口と判断された場合、私文書偽装などの罪に問われる可能性もあります。

悪質なハウスメーカーや工務店は、「そのような方法もありますよ」と声を掛けていると言われていますが、そのような提案は断るようにしましょう。

住宅ローンを借りると住宅ローン控除される制度もありますので、脱税とみなされる可能性もあります。住宅ローン控除は、住宅ローンの残高に対して所得税や住民税が減免されたり還付されたりする制度なので、住宅ローンの金額を水増しして、控除金額が本来の金額よりも増えると本来納めるべき税金を納めない状態になってしまうためです。

クルマのローンと住宅ローン、得なのはどっち?

ところで、クルマのローンを住宅ローンに組み込んだ場合と、クルマのローンをそのまま払い続けた場合とでは、どちらが得なのか?という疑問もあると思います。

住宅ローンの金利のほうがクルマのローンの金利よりも低い場合がほとんどなので、クルマのロ−ンを住宅ローンに混ぜたほうが得な気がします。果たして本当にそうでしょうか?

住信SBIネット銀行の自動車ローン

仮に、クルマのローンが200万円、5年だとします。金利は3.9%です。毎月の支払は36,742円です。そのまま払い続けた場合は利息を約20万円支払う事になります。

では、この200万円を住宅ローンに組み込んだらどうなるでしょうか?住宅ローンの条件は35年返済、金利はフラット35の1.820%(2024年9月金利)だとします。この条件だと、利息は約71万円になりました。毎月の支払は約6,500円になります。

車のローン
住宅ローン(フラット35)
毎月返済額
36,742円
6,452円
総返済額
2,204,545円
2,709,608円

住宅ローンの金利のほうが低いですが、返済期間が長いのでその分、利息負担がかなり増えることは理解しておく必要があります。

クルマのローンの借入期間は5年ぐらいが多いですが、住宅ローンは最長で50年です。

実は住宅ローンに組み込んだ方が損をする、デメリットとは?

このようにクルマのローンや家具や家電を買うお金を住宅ローンに組み込むと余分なお金(金利)を支払うようになります。つまり、トータルで考えるとお金を損するということです。

それでも、なぜ住宅ローンに他の借り入れをまとめたいかというと・・・

なぜ?損をしても住宅ローンにまとめる理由①

1つ目はマイホームを持つという目的です。例えば、工務店などから事前に200万円を受け取って、そのお金でクルマのローンを返済。その後、実際は3,000万円の工事代金を3,200万円に水増しして住宅ローンの借り入れ書類を作成して金融機関に提出。クルマのローンは完済していることもあり、3,200万円の住宅ローンの審査も無事に通過。結果的に、クルマのローンは無くなり、住宅ローンに一本化される、というようなやり方です。

クルマのローンが無くなったことで、住宅ローンの審査が通りやすくなり、夢のマイホームを持てる確率が高まるということです。

なぜ?損をしても住宅ローンにまとめる理由②

2つ目は住宅ローン借り入れ後にゆとりある生活をおくるためです。

住宅ローンを借りるとすぐに毎月10万円の住宅ローンの返済がスタートします。そこで5万円のクルマのローンが残っていたら、家と自動車の2つで15万円の返済が必要です。先ほどのシミュレーションの通り、住宅ローンに一本化するとゆっくり返済できるので毎月の返済額が大きく増えることはありません。

つまり、月々の家計・生活には当然ゆとりが出てきます。手元資金に余裕ができれば欲しいものを買うこともできるようになるわけです。

なぜ?損をしても住宅ローンにまとめる理由③

3つ目が住宅ローンの希望金額を借りられるようにするためです。

住宅ローンの審査では「年間返済負担率」でこの人にいくら融資できるのかが計算されます。この年間返済負担率には「自動車ローン」「カードローン」「フリーローン」など住宅ローン以外の年間の返済金額も加味されます。

例えば、年収400万円の人に返済負担率30%まで貸してくれる銀行があったとします。(年間120万円をローンの返済に充てられる計算です。)

住宅ローン以外の借り入れが無ければ「住宅ローン:月10万円×12か月=120万円」まで借りることができるので、30年返済なら×30年で3,600万円の総返済額になるぐらいまでであれば住宅ローンを契約できる可能性があるわけです。

ところが、自動車ローンで月3万円の返済があると「自動車ローン:月3万円×12か月=36万円」+「住宅ローン:7万円×12か月=84万円」までしか借りられないので、同じ30年返済でも2,520万円の総返済額になるぐらいまでしか借りられないことになります。

この差は大きいですね。買える家の水準がかなり違ってくることが想像できます。

このため住宅ローンの審査申込時にはなるべくローンの利用を無くしておくことが重要となります。

なぜ?損をしても住宅ローンにまとめる理由④

4つ目に住宅ローンの一部繰り上げ返済を行うことで自動車ローン分を早期に繰り上げ返済してしまう場合が考えられますね。

数年後に一時的な収入がある、貯蓄に返済する目途がつくなどのケースが考えられます。

こうすることで金利は低くなる一方で返済期間が長くなることで総支払の金利負担が増えてしまうというデメリットを回避できます。

まとめ

以上のように車のローンを住宅ローンに含ませることはそれに対応した住宅ローンを契約しなくても、疑似的には可能です。

しかし住宅ローンが長期間に渡り金利の支払いが必要なローンとなるため、結果的に支払利息が増えるというデメリットを理解することが必要です。