消費者金融に100万円の借入があっても、毎月きちんと返済できていて延滞の記録がなければ、自営業の方でも住宅ローンを組める可能性は十分あります。ただし「申告しない」「住宅ローンに上乗せして返す」は絶対に避けるべき選択です。無料相談フォームにいただいた、まさにこのお悩みへの回答を、FPとしての考え方とあわせて記録しておきます。

相談内容は以下の通りです。

お世話になります。

私は保険代理店に所属している個人事業主です。

保険業に携わり5年がたちました。

現在築30年程の家に、母・妻・息子3人と暮らしているのですが

建物の老朽化や息子達(現在11歳、9歳、4歳)が大きくなる前に建て直しをしたいと思っております。

とはいっても何をしたらよいのかが良く分からずに今日に至っております。

そんな中、大きな悩みがあります。

家族に内緒で消費者金融に100万円程借りているので何もできないのではないか。

ということです。

何か方法があればしっかり向き合って考えていきたいです。

アドバイスがございましたら宜しくお願いいたします。

なるほど。今住んでいる家が老朽化していることもあり、お子さんたちが大きくなる前に建て替えをしたいということですね。ただ、消費者金融で100万円の借り入れをしているため、どうにもならないのではないかというお悩みですね。

消費者金融の借入があっても、返済状況が良好なら住宅ローンは組めます

まず大事なのは、消費者金融での借金をきちんと返済できているかどうかです。毎月きちんと返済できているなら、消費者金融の借り入れがあるというだけで住宅ローン審査に通らない、ということはありません。

もちろん、銀行によっては消費者金融での借り入れをよしとしないところもあるので、それだけで住宅ローン審査NGになる場合もあります。しかし、全部の銀行がそうではありません。

早めに動きたいのであればいくつか住宅ローン審査を受けてみるといいです。個人事業主、自営業に必須のフラット35、ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)、SBIアルヒのフラット35は必ず審査に申し込みをしましょう。

また、銀行の住宅ローンではSBI新生銀行も候補になります。自営業の方でも「業歴2年以上、かつ2年平均300万円以上の所得(経費控除後)」があれば申し込みが可能で、保証料0円、原則として事前審査(仮審査)なしの本審査のみというシンプルな手続きが特徴です(パワースマート住宅ローン商品説明書・2026年3月2日現在を2026年9月に確認)。

相談者様は保険業5年とのことですので、業歴の条件は満たしていますね。

住宅ローンの審査では、個人事業主や自営業の過去複数年の収入や会社の決算情報などを確認することが一般的です。節税のために所得を調整したり、業績が落ちて赤字の期があったなど様々なことがあるかと思いますが、銀行によってどの情報を参照するかは変わってきます。一喜一憂せず、とりあえず申し込んでみるというような感覚で住宅ローンを検討してみるとよいでしょう。

審査を受けた記録は約6か月残る|申込先は2〜3行に絞る

住宅ローン審査を受けて通らなかったとしても、特にその後の借り入れなどに悪影響はありません。ただし、短期間にあまり多くの申し込みを重ねると、照会記録の多さ自体を気にする金融機関もあるため、申込先は2~3程度に絞るのが現実的です。

住宅ローン審査を受けた(金融機関が信用情報を照会した)という記録は、信用情報機関に照会日から約6か月間残りますが、審査がOKだったかNGだったかという結果までは登録されません(CIC「CICが保有する信用情報」)。

住宅ローン審査を受ける際は、消費者金融の借り入れは素直に申告して、完済予定として審査を受けられるといいです。住宅ローン審査を受ける前に確認しておきたい項目はこちらにまとめています。

住宅ローンの審査基準・期間を解説|事前審査と本審査の違いとは?

「住宅ローンに上乗せして返す」は資金使途違反|絶対に避けてください

なお、完済できるだけの資金が手元にない場合でも、消費者金融の返済分を住宅ローンに上乗せして借りる(いわゆる「水増し」)ことは絶対に避けてください。住宅ローンの資金使途は住宅の取得・建築費用などに限られており、他の借金の返済に充てるのは契約違反(資金使途違反)です。発覚すれば一括返済を求められるおそれがあります。

手元資金で完済が難しい場合は、借入を正直に申告したうえで「完済を条件とした承認が可能か」を金融機関に相談しましょう。頭金の考え方については、こちらの記事も参考にしてください。

頭金なしのマイホームは危険はウソ。頭金なしでマイホームを買う方法

相談事例で見る「消費者金融の返済が借入可能額をどれだけ削るか」

FPとして知っておいていただきたいのは、消費者金融の返済は「審査に落ちる原因」になる前に、借りられる額を静かに削るという点です。

フラット35の申込要件では、フラット35を含むすべての借入(カードローン・キャッシング・自動車ローン等)の年間返済額が、年収の30%以下(年収400万円未満)/35%以下(年収400万円以上)に収まる必要があります(住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件・2026年4月1日現在)。

個人事業主の場合、この「年収」は原則として前年の所得金額(事業所得など)で見ます。

たとえば相談者様に近いケースとして、所得400万円・お子さん3人の個人事業主の方が、消費者金融100万円を月2万円(年24万円)で返済中と仮定します。年間返済額の上限は400万円×35%=140万円ですが、消費者金融の返済分24万円がすでにその枠を使っているため、住宅ローンに充てられる年間返済額は116万円(月およそ9.7万円)に縮みます。

逆に言えば、審査前に完済できれば枠は140万円(月およそ11.7万円)に戻り、借入可能額の差は数百万円規模になり得ます。「完済してから申し込む」か「完済を条件に申し込む」かは、まさにこの差を取り戻すための選択です。※返済額から借入可能額への換算は金利・期間で変わるため、実際の借入可能額は各金融機関のシミュレーションでご確認ください。

自営業だからこそ「収入が増える前提」で借りない

もう一つ。自営業者ということで、会社員と違って収入を自分の力で伸ばせる環境にあるのは確かです。「家を建てる!」と決めて前向きに動くこと自体はとても良いことだと思います。

ただしFPとしては、収入が増える前提で背伸びした借入をすることはおすすめしません。自営業は収入の振れ幅が大きいからこそ、業績が落ちた年でも返し続けられる余裕を持った返済計画にしておくことが、ご家族の安心につながります。

自営業者が住宅ローン審査を通す方法についてまとめた記事がこちらにあるので参考にしてください。

個人事業主・自営業のフラット35と住宅ローン審査|通る5つの秘訣をFP解説

個人事業主が絶対に申し込むべき住宅ローン

本ページで詳細を解説していますが、個人事業主・自営業者が住宅ローンを組むことには大きなハードルがあり、公的な住宅ローンである「フラット35」への申し込みは絶対に外せない選択肢です。フラット35は職業や勤続年数による申込要件がありません。当サイトでオススメしたい申込先は、ネット銀行大手のドコモSMTBネット銀行、全国の店舗で住宅ローン審査に関し手厚いサポートが受けられ、フラット35実行件数シェア16年連続No.1(2025年度27.7%)のSBIアルヒです。
※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)
フラット35のロゴ

この2つの金融機関への申し込みは同時に行いたいところですね。

なお、以前ご案内していたドコモSMTBネット銀行の「フラット35(保証型)」(全疾病保障が無料で付帯するタイプ)は、2026年4月末で新規の申込受付を停止しています(2026年9月時点も受付停止・公式サイトにて確認)。現在申し込めるのは「フラット35(買取型)」です。最新の取扱状況は公式サイトでご確認ください。

審査を受ける前にやっておきたい3つの準備

相談者様のように「借り入れがあるけれど家を建てたい」という場合、審査に申し込む前に次の3つを済ませておくと、落ち着いて進められます。

1.自分の信用情報を確認しておく

CICやJICCといった信用情報機関には、本人が自分の記録を開示請求できる制度があります(有料)。消費者金融の借入残高や過去の返済状況がどう記録されているかを先に把握しておけば、審査の場で慌てることがありません。延滞の記録がないかどうかもここで確認できます。

2.できる範囲で残高を減らしておく

完済できれば理想的ですが、難しければ少しでも残高を減らしておきましょう。住宅ローン審査では「年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)」に消費者金融の返済分も含めて計算されるため、残高と毎月の返済額が小さいほど借入可能額に余裕が生まれます(上の相談事例のとおりです)。

3.申込書には正直に記載する

借り入れは信用情報の照会で必ずわかります。正直に申告したうえで「完済を条件にできないか」を相談するのが一番の近道です。

よくいただくご質問(消費者金融の借入と住宅ローン)

同じようなお悩みの方からよくいただくご質問にもお答えしておきます。

Q. 消費者金融の借り入れを申告しなかったら、住宅ローン審査でバレませんか?

A. 必ずわかります。金融機関は審査の際に信用情報機関(CIC・JICCなど)へ照会し、借入残高や返済状況を確認するためです。申告しなかった借入が見つかると「虚偽申告」と受け取られ、借入額そのものより心証の悪化で審査に響きます。正直に申告することが一番の近道です。

Q. 消費者金融を完済してすぐなら、住宅ローン審査に影響しませんか?

A. 契約中・完済後の情報は、信用情報機関に契約終了後5年以内のあいだ残ります。ただし、延滞なくきちんと返済して完済した記録であれば、大きなマイナスにはなりにくいものです。逆に延滞などの事故情報がある場合は、その情報が消えるまで審査は厳しくなります。

Q. 家族に内緒の借入は、住宅ローンを申し込むと家族に知られますか?

A. 金融機関が借入の内容をご家族に直接伝えることはありませんが、収入合算や連帯債務・ペアローンで配偶者も申込人になる場合、申込書類や審査の過程で借入状況を共有する場面は出てきます。建て替えはご家族全員の生活に関わる計画ですので、FPとしては、申込前に打ち明けて一緒に返済計画を立てることをおすすめしています。

Q. 建て替え(建て直し)でも住宅ローンやフラット35は使えますか?

A. 使えます。フラット35は新築の建設資金にも利用でき、民間の住宅ローンも建て替え資金に対応しています。ご相談のように既存の家を取り壊して建て直す場合は、解体費用や仮住まい費用も含めた資金計画を立てておくと安心です。

マイホームが欲しいと思ったらまず何をすべきか?

家を建てたいと思っても、初めての場合が多いので何をどうすればいいのかわからず、動けずにいる人は多いと思います。

その場合は、まずゴールを決めます。ゴールというと、どんな家に住みたいのかを決めることと勘違いしやすいですがそうではありません。

ゴールは「どんな生活をしたいのか?」を決めることです。家を建てること、買うことは理想的な生活を手に入れるための手段に過ぎません。それよりも大事なことは家を建てたり買ったりする目的は何か?ということです。

どんな生活をしたいのか?と考えたときに、自分は一カ所にとどまって生きていくのは向いていないということがわかったとしたら、家を建てたり買ったりするべきではないと判断できます。買うとしても、売りやすい家を買えばいいということになります。そのため、まず決めることはこれから自分がどんな生活をしたいのか?ということです。

それが決まれば、どんな家を建てたり買ったりすればいいのか?土地はどんな物を選べばいいのかわかりやすくなります。それがわかれば、それを実現してくれそうなハウスメーカーや工務店、マンションを選んでいきます。

ゴールを決めれば、そこに向けて道筋を立てることが出来ますが、ゴールがないと道筋を立てることが出来ません。そのため、何をどうすればいいかわからない状態になってしまうのです。

まずはゴールである、「自分はどんな生活をしたいのか?」ということを決めましょう。

※本記事の各金融機関の条件は2026年9月時点の情報です。最新の申込条件・取扱状況は各金融機関の公式サイトでご確認ください。