年収400万円の人が住宅ローン審査を徹底解説!

一般的に住宅ローンの借入額は年収の5倍以内にしておくほうがよいと言われています。では年収400万円だと2,000万円が借入限度額なのでしょうか?

本ページでは年収400万円台の方の住宅ローン審査についてまとめてあります。借入可能額、おすすめの銀行、頭金なしでの借入、住宅ローン控除(減税)などさまざまな角度から解説をしています。

年収400万円の手取り年収は?

いわゆる税込み年収には厚生年金、健康保険、所得税、住民税などを含まれています。そのため実際に使えるお金が400万円ということではありません。私たちはこうした使えないお金を引いた手取から住宅ローンを支払うので、手取年収はとても大切な意味を持ちます。

では、実際の手取りがどの程度になるのか計算していきたいと思います。

税込み年収 手取年収 差額
400万円 317万円 83万円
430万円 339万円 91万円
460万円 365万円 95万円
490万円 397万円 93万円

税金や社会保険料の負担が大きく税込み年収と手取年収には大きな差がありますね。この差額だけで住宅ローンが支払えてしまえそうなイメージです。

次に手取年収からいくらの借入ができるのかを試算してみましょう。

年収400万円で住宅ローンはいくら借りれる?限度額は?

歴史的な低金利でちょっと前の変動金利並みの水準にまで金利が低下している期間固定型の住宅ローン、フラット35で借入をしたと想定しています。

税込み年収(手取年収) フラット35の借入限度額 月々の返済額
400万円(317万円) 2,730万円 79,245円
430万円(339万円) 2,919万円 84,732円
460万円(365万円) 3,143万円 91,234円
490万円(397万円) 3,419万円 99,245円

いずれも楽天銀行の住宅ローンシミュレーション機能を利用し算出しています。

税込み年収の7倍程度まで借りれる計算ですが、これはあくまで審査結果により金融機関が貸してくれる限度の額であり、月々の返済を毎月行っていける金額か自分で判断する必要があります。お子さんが1人であるのと、2人である場合、また大学に進学させるのか、進学させるなら私立なのか公立なのかで家計の収支は全く異なったものとなってきます。

とはいえ、税込み年収400万円の方の月々の手取は26万円程度となるはずですので、この中から8万円の住宅ローンを返済していくのはかなり負担となるでしょう。マイホームを購入すると住宅ローンの返済以外に火災保険・地震保険、固定資産税、修繕積み立て・管理費(マンションの場合)などのコストも発生してきますね。

マイホームを購入する際にはこうした各種費用やマイホーム購入後のライフスタイルまで想定して、購入する住宅を決め、住宅ローンの借入額を判断する必要があるでしょう。

全国銀行協会や日本FP協会のホームページには簡単に家計の収支表とライフプラン表を作成できるページがあるので、収入と支出が大まかにどのように変化していくのか気になっている方や、今までライフプランシミュレーションをしたことがない人などは一度試算してみるのが良いでしょう。

こうした細かいシミュレーションが苦手という方には借入目安の定説である年収の5倍までとするのも手です。

年収400万円で年収の5倍までだと住宅ローンの借入限度額は?

次に定説の年収の5倍を借りる場合の限度額と月々の返済額を確認したいと思います。

税込み年収(手取年収) 借入の目安 月々の返済額
400万円(317万円) 2,000万円 58,055円
430万円(339万円) 2,150万円 62,409円
460万円(365万円) 2,300万円 66,763円
490万円(397万円) 2,450万円 71,118円

マイホーム購入に伴い、自動車の購入など大きな出費が発生しないかも確認しながら、住宅ローン借入額を判断する必要がありそうですね。

年収400万円で4000万円、3000万円の借入は無謀?

年収400万円代で4000万円、3000万円の借入は無謀でしょうか?今までの試算を踏まえ考えて見ましょう。

借入額 適正有無 コメント
1,500万円 問題なし
2,000万円 問題なし
2,500万円
3,000万円 適正とはいえない 年収の大幅なアップや親族からの支援がないと住宅ローン破綻のリスクが大きい
3,500万円 適正とはいえない 年収の大幅なアップや親族からの支援がないと住宅ローン破綻のリスクが大きい
4,000万円 適正とはいえない 年収の大幅なアップや親族からの支援がないと住宅ローン破綻のリスクが大きい

年収400万円 頭金なしの住宅ローンは危険?

頭金は10%を貯めるほうがよいというのが定説です。マイホーム購入時にはさまざまな費用が必要となり、住宅ローンの融資を受ける前に支払いが発生します。

マイホーム購入時・住宅ローンの諸費用

項目 費用
保証料 無料から2.20%
事務手数料 数万円から2.20%
印紙代 数万円
司法書士 数万円
抵当権設定 数万円
火災保険・地震保険 数万円
物件の手付金 物件価格の5-10%
不動産仲介手数料費 物件価格の3%程度(手付け時に1.5%の支払いが必要)

代表的な諸費用だけで上記の費用は必要となります。物件の手付金と仲介手数料については、住宅ローンの融資実行までに支払うことが必要となるため、手元資金ゼロではマイホームの購入は難しいでしょう。人気物件ですと物件の契約は早い者勝ちになるので、物件の手付金と仲介手数料が用意しておくことは極めて重要となります。

こうした一時的に必要となる諸費用を親族からの借入で一時的に賄い、物件金額以上の住宅ローン融資を受けその資金で返済することはもちろん可能となります。

頭金ゼロの住宅ローンは危険?

月々の返済が問題なければ頭金ゼロで住宅ローンを組むことは問題ないでしょう。頭金を貯めること優先し、よい物件の購入を逃したり、住宅ローン金利が上がる、不動産価格が上がるなどが起きれば本末転倒です。また、転職など、住宅ローン審査にマイナスとなる出来事も加味する必要があります。

こうしたこと合わせ、ご家族の進学などの状況も考えながらマイホームを購入するタイミングを検討する必要があります。

このため、過度に頭金の有無を気にすることなく、月々の返済額に無理がないかを重視して見るのも必要な視点となるでしょう。

年収400万円でおすすめな住宅ローンは?

次に年収400万円で利用可能な住宅ローンを確認してみましょう。年収400万円あれば利用できない住宅ローンはなさそうですが、ソニー銀行などのように年収400万円以上としている年収基準が厳しい銀行にばかり審査申し込みをしてもよい結果は望めないので、年収200万円、300万円といった基準を持った銀行を中心に住宅ローン審査をしてみたいですね。

銀行名年収勤続年数職業ワイド団信の有無
楽天銀行(フラット35)50万円程度でも可能1年個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトも可なし
ARUHI(フラット35)50万円程度でも可能1年個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトも可なし
ARUHI(スーパーフラット)50万円程度でも可能1年個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトも可あり
ジャパンネット銀行200万円以上非公表正社員、契約社員のみあり
auじぶん銀行200万円以上非公表個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可あり
楽天銀行(金利選択型)400万円以上1年(個人事業主は2年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし
ミスター住宅ローンREAL非公表非公表(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし
住信SBIネット銀行非公表非公表(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし
ソニー銀行400万円以上非公表(個人事業主、会社役員は3年)派遣社員、契約社員は不可あり
新生銀行300万円以上転職直後でも可能個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし
三菱UFJ銀行200万円以上1年(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可あり
三井住友銀行非公表1年(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし

年収400万円・40歳の住宅ローンの注意点

住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの実態調査」によると30代までにマイホームを購入し、住宅ローンを組む方は全体の70%程度とされており、40歳になって住宅ローンを組むのは少し遅いと言えます。この際、何か気をつけなければならないことがあるのか確認をしていきましょう。

完済時年齢に注意

40歳で35年ローンを組むと完済時の年齢は75歳となります。サラリーマンの方ですと、定年退職を迎えた後となるので退職金で住宅ローンを返す、積極的に繰上返済をしていくなどの工夫をしなければならなくなります。定年退職後の住宅ローン返済をどうするかをしっかり考えておく必要があります。

養育費などの支出に注意

お子さんの養育費の支出タイミングをしっかり計算しておく必要があります。40歳近くになり授かったお子さんであれば、高校大学と養育費が最もかかるタイミングと年収が頭打ちとなるタイミングが重なってくることをしっかりシミュレーションしておきたいですね。

健康状態がよいうちに住宅ローンを組む

住宅ローンを借りるためには団体信用生命保険(団信)への加入が原則的に必要となります。名の通り、生命保険の一種となるため健康状態によっては加入できない可能性があります。加入条件を緩和したワイド団信の取り扱いを行う金融機関も増えていますが、健康状態が良いうちにマイホーム購入を行っておくことは必要なこととなります。

団信では過去3年の健康状態・通院などの申告が必要となるため一度健康状態が悪くなると、その後の住宅ローン審査に不利に働いてきます。

年収400万円の住宅ローン控除・住宅ローン減税

マイホーム購入の際に見逃せないのが住宅ローン控除です。住宅ローン減税とも呼ばれ、住宅ローンを利用してマイホームを購入した方に向けた政策減税となっています。具体的には住宅ローン残高の1%が10年、11年目から13年目以降も住宅ローン残高の1%もしくは購入した住宅の建物部分に対する消費税額〔上限5,000万円〕)×2%÷3の少ないほうを上限として控除が受けられます。

消費税増税まではシンプルに住宅ローン残高の1%でしたが、消費増税により減税期間が3年延長されましたが、延長された期間の上限が厳しく設定されています。

さて、年収400万円台の方の住宅ローン減税ですが、実際にどの程度の還付が受けれるのかシュミレーションをして見ましょう。シミュレーションは配偶者1名、扶養家族1名として計算します。年収400万円の方が2,000万円の住宅ローンを組んだ場合には最大年20万円の還付が受けれる計算です。

年収 所得税および住民税 住宅ローン減税額
400万円 所得税 約47,000円/住民税 約113,000円 約160,000円
480万円 所得税 約74,000円/住民税 約165,000円 約200,000円

なお、所得税から住宅ローン控除が仕切れない場合には住民税からも還付が受けれます。(ただし所得税の課税所得の7%/165000円が上限)

年収400万円台の後半になると住宅ローン控除の満額が受けれる計算となります。

住宅ローン控除が住宅ローン残高の1%ということは、住宅ローン金利が1%以下であれば住宅ローン控除で利益がでることになる点は大きなメリットですね。

住宅ローン控除(減税)の控除額について