年収400万円の人の住宅ローン審査を徹底解説!

一般的に住宅ローンの借入額は年収の5倍以内にしておくほうがよいと言われています。では年収400万円だと2,000万円が借入限度額なのでしょうか? 本ページでは年収400万円台の方の住宅ローン審査についてまとめてあります。借入可能額、おすすめの銀行、頭金なしでの借入、住宅ローン控除(減税)などさまざまな角度から、FPの視点で解説をしています。 なお、住宅ローン金利は上昇局面にあります。2026年8月のフラット35(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・団信込み)の最多金利は年3.290%(住宅金融支援機構・2026年8月時点)。前月の3.140%から0.150%上がり、現行制度となった2017年10月以降で最も高い水準です。一方、変動型はおおむね年0.9〜1.3%台(新規・最優遇の目安。銀行により異なる)にとどまっています。本ページの試算はこの8月の水準を前提にしています。最新の金利は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

年収400万円の手取り年収は?

いわゆる税込み年収には厚生年金、健康保険、所得税、住民税などが含まれています。そのため実際に使えるお金が400万円ということではありません。私たちはこうした使えないお金を引いた手取りから住宅ローンを支払うので、手取年収はとても大切な意味を持ちます。 では、実際の手取りがどの程度になるのか計算していきたいと思います(会社員・扶養状況などで多少前後する概算です)。
税込み年収 手取年収 差額
400万円 317万円 83万円
430万円 339万円 91万円
460万円 365万円 95万円
490万円 397万円 93万円
税金や社会保険料の負担が大きく税込み年収と手取年収には大きな差がありますね。この差額だけで住宅ローンが支払えてしまえそうなイメージです。 次に手取年収からいくらの借入ができるのかを試算してみましょう。

年収400万円で住宅ローンはいくら借りれる?限度額は?

長期固定型の住宅ローン、フラット35で借入をしたと想定しています。試算条件は金利年3.290%(2026年8月のフラット35最多金利)・返済期間35年・元利均等・ボーナス払いなし・手取り年収の30%を返済に充てる前提です。
税込み年収(手取年収) 借入額の目安 月々の返済額
400万円(317万円) 約1,980万円 約79,000円
430万円(339万円) 約2,110万円 約85,000円
460万円(365万円) 約2,270万円 約91,000円
490万円(397万円) 約2,470万円 約99,000円
金利が7月より上がったぶん、同じ返済額で借りられる金額は1か月前より数十万円単位で小さくなっています。一方、フラット35の審査上の基準は「総返済負担率」で、税込年収400万円以上なら年収の35%以内です。この基準だけで見ると年収400万円で約2,910万円(=年収の7倍超)まで枠が出る計算になりますが、これはあくまで審査上の上限であり、月々の返済を続けていける金額かは自分で判断する必要があります。お子さんが1人であるのと、2人である場合、また大学に進学させるのか、進学させるなら私立なのか公立なのかで家計の収支は全く異なったものとなってきます。
年収400万〜490万円の審査上の借入上限と手取りベースの無理のない借入目安の比較グラフ
審査上の上限と「無理なく返せる目安」には約1,000万円の差がある
とはいえ、税込み年収400万円の方の月々の手取りは26万円程度となるはずですので、この中から8万円の住宅ローンを返済していくのはかなり負担となるでしょう。マイホームを購入すると住宅ローンの返済以外に火災保険・地震保険、固定資産税、修繕積み立て・管理費(マンションの場合)などのコストも発生してきますね。 マイホームを購入する際にはこうした各種費用やマイホーム購入後のライフスタイルまで想定して、購入する住宅を決め、住宅ローンの借入額を判断する必要があるでしょう。 全国銀行協会や日本FP協会のホームページには簡単に家計の収支表とライフプラン表を作成できるページがあるので、収入と支出が大まかにどのように変化していくのか気になっている方や、今までライフプランシミュレーションをしたことがない人などは一度試算してみるのが良いでしょう。 こうした細かいシミュレーションが苦手という方には借入目安の定説である年収の5倍までとするのも手です。

年収400万円で年収の5倍までだと住宅ローンの借入限度額は?

次に定説の年収の5倍を借りる場合の限度額と月々の返済額を確認したいと思います(金利年3.290%・35年・元利均等での試算)。
税込み年収(手取年収) 借入の目安 月々の返済額
400万円(317万円) 2,000万円 約80,200円
430万円(339万円) 2,150万円 約86,300円
460万円(365万円) 2,300万円 約92,300円
490万円(397万円) 2,450万円 約98,300円
金利が上がった今は、年収の5倍を借りると月々の返済額が手取りの3割前後に達します。マイホーム購入に伴い、自動車の購入など大きな出費が発生しないかも確認しながら、住宅ローン借入額を判断する必要がありそうですね。

年収400万円で4000万円、3000万円の借入は無謀?

年収400万円台で4000万円、3000万円の借入は無謀でしょうか?今までの試算を踏まえ考えて見ましょう。
借入額 適正有無 コメント
1,500万円 問題なし
2,000万円 問題なし
2,500万円
3,000万円 適正とはいえない 年収の大幅なアップや親族からの支援がないと住宅ローン破綻のリスクが大きい
3,500万円 適正とはいえない 年収の大幅なアップや親族からの支援がないと住宅ローン破綻のリスクが大きい
4,000万円 適正とはいえない 年収の大幅なアップや親族からの支援がないと住宅ローン破綻のリスクが大きい

年収400万円 頭金なしの住宅ローンは危険?

頭金は10%を貯めるほうがよいというのが定説です。マイホーム購入時にはさまざまな費用が必要となり、住宅ローンの融資を受ける前に支払いが発生します。

マイホーム購入時・住宅ローンの諸費用

項目 費用
保証料 無料から借入額の2%程度(銀行・審査により異なる)
事務手数料 数万円の定額型から借入額の2.20%(税込)の定率型まで
印紙代 数万円(電子契約なら不要の場合あり)
司法書士 数万円
抵当権設定 数万円
火災保険・地震保険 数万円
物件の手付金 物件価格の5-10%
不動産仲介手数料費 物件価格の3%程度(手付け時に1.5%の支払いが必要)
代表的な諸費用だけで上記の費用は必要となります。物件の手付金と仲介手数料については、住宅ローンの融資実行までに支払うことが必要となるため、手元資金ゼロではマイホームの購入は難しいでしょう。人気物件ですと物件の契約は早い者勝ちになるので、物件の手付金と仲介手数料を用意しておくことは極めて重要となります。 こうした一時的に必要となる諸費用を親族からの借入で一時的に賄い、物件金額以上の住宅ローン融資を受けその資金で返済することはもちろん可能となります。

頭金ゼロの住宅ローンは危険?

月々の返済が問題なければ頭金ゼロで住宅ローンを組むことは問題ないでしょう。頭金を貯めることを優先し、よい物件の購入を逃したり、住宅ローン金利が上がる、不動産価格が上がるなどが起きれば本末転倒です。実際、2024年以降は金利も住宅価格も上昇が続いており、「待つコスト」は以前より大きくなっています。また、転職など、住宅ローン審査にマイナスとなる出来事も加味する必要があります。 こうしたことと合わせ、ご家族の進学などの状況も考えながらマイホームを購入するタイミングを検討する必要があります。 このため、過度に頭金の有無を気にすることなく、月々の返済額に無理がないかを重視して見るのも必要な視点となるでしょう。

年収400万円でおすすめな住宅ローンは?

次に年収400万円で利用可能な住宅ローンを確認してみましょう。年収400万円あれば利用できない住宅ローンはなさそうですが、ソニー銀行などのように年収400万円以上としている年収基準が厳しい銀行にばかり審査申し込みをしてもよい結果は望めないので、年収200万円、300万円といった基準を持った銀行を中心に住宅ローン審査をしてみたいですね。 なお、諸費用面で比較するなら、保証料0円・一部繰上返済手数料0円で費用体系が分かりやすいSBI新生銀行も選択肢の一つです(事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型)。店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、地方にお住まいの方でも検討しやすい一行です。申込条件・最新の金利は公式サイトでご確認ください。
銀行名年収勤続年数職業ワイド団信の有無
ドコモの銀行(フラット35)50万円程度でも可能1年個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトも可なし
ARUHI(フラット35)50万円程度でも可能1年個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトも可なし
ARUHI(スーパーフラット)50万円程度でも可能1年個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトも可あり
PayPay銀行200万円以上非公表正社員、契約社員のみあり
auじぶん銀行200万円以上非公表個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可あり
住宅ローン(
(対面)
非公表非公表(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし
ドコモの銀行非公表非公表(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし
ソニー銀行400万円以上非公表(個人事業主、会社役員は3年)派遣社員、契約社員は不可あり
SBI新生銀行300万円以上転職直後でも可能個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし
三菱UFJ銀行200万円以上1年(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可あり
三井住友銀行非公表1年(個人事業主、会社役員は3年)個人事業主・自営業、派遣社員、契約社員も可なし

年収400万円・40歳の住宅ローンの注意点

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」などによると、マイホームの一次取得者は30代までが中心とされており、40歳になって住宅ローンを組むのは少し遅いと言えます。この際、何か気をつけなければならないことがあるのか確認をしていきましょう。

完済時年齢に注意

40歳で35年ローンを組むと完済時の年齢は75歳となります。サラリーマンの方ですと、定年退職を迎えた後となるので退職金で住宅ローンを返す、積極的に繰上返済をしていくなどの工夫をしなければならなくなります。定年退職後の住宅ローン返済をどうするかをしっかり考えておく必要があります。

養育費などの支出に注意

お子さんの養育費の支出タイミングをしっかり計算しておく必要があります。40歳近くになり授かったお子さんであれば、高校大学と養育費が最もかかるタイミングと年収が頭打ちとなるタイミングが重なってくることをしっかりシミュレーションしておきたいですね。

健康状態がよいうちに住宅ローンを組む

住宅ローンを借りるためには団体信用生命保険(団信)への加入が原則的に必要となります。名の通り、生命保険の一種となるため健康状態によっては加入できない可能性があります。加入条件を緩和したワイド団信の取り扱いを行う金融機関も増えていますが、健康状態が良いうちにマイホーム購入を行っておくことは必要なこととなります。 団信では過去3年の健康状態・通院などの申告が必要となるため一度健康状態が悪くなると、その後の住宅ローン審査に不利に働いてきます。

年収400万円の住宅ローン控除・住宅ローン減税

マイホーム購入の際に見逃せないのが住宅ローン控除です。住宅ローン減税とも呼ばれ、住宅ローンを利用してマイホームを購入した方に向けた政策減税となっています。具体的には年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税(引ききれない分は一部住民税)から最大13年間(新築の場合)控除されるものです。2026年度税制改正で適用期限が5年間延長され、2030年12月31日までの入居が対象になりました(2026年8月時点・国土交通省)。なお、2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は省エネ基準を満たすことが適用の前提となっている点にはご注意ください。 さて、年収400万円台の方の住宅ローン減税ですが、実際にどの程度の還付が受けれるのかシミュレーションをして見ましょう。シミュレーションは配偶者1名、19歳未満の扶養家族1名として計算します。なお、住宅は省エネ基準適合住宅であるとします。 年収400万円の方が2,000万円の住宅ローンを組んだ場合には年13万円程度の還付が受けられる計算です(概算)。
年収 減税の内訳(所得税および住民税) 住宅ローン減税額
400万円 所得税 約47,000円/住民税 約83,000円 約130,000円
480万円 所得税 約74,000円/住民税 約63,000円 約137,000円
なお、所得税から住宅ローン控除を引ききれない場合には住民税からも控除が受けられます(ただし前年課税総所得金額等の5%・最高97,500円が上限)。 かつては「住宅ローン金利が0.7%以下なら、控除率0.7%との差で実質的に利益が出る」と言われましたが、金利上昇により現在は変動型でも年0.9%台〜が中心で(2026年8月時点)、その状況はほぼ解消されています。それでも年十数万円の控除が最大13年間続く効果は大きく、年収400万円台の家計にとって見逃せない制度であることに変わりはありません。

FPからのワンポイント:金利上昇局面の借入額の考え方

2026年は日銀の追加利上げ(政策金利1.0%程度・6月時点)を受けて、住宅ローン金利の前提が大きく変わってきています。三菱UFJ銀行・みずほ銀行などの大手行では2026年8月3日から短期プライムレートが年2.125%→年2.375%へ引き上げられました。変動型の適用金利への反映は銀行ごとに時期が異なり(多くは年2回の見直し)、今秋にかけて返済額の前提が変わる方が増えていきます。多くの銀行の変動型には「5年ルール(返済額を5年間据え置き)」「125%ルール(見直し時も従来の1.25倍まで)」があり急激な負担増は緩和されますが(採用の有無は銀行により異なります)、その分あとから利息負担がずれ込む点には注意が必要です。 金利上昇が家計に与える影響について、参考になる公的資料もあります。内閣府が2026年7月に公表した経済財政白書には、「借入金利が1%・預金金利が0.6%上がる」という前提を置いた世代別の試算が盛り込まれており、住宅ローンを抱える30代は平均で年間約24万円の負担増、ローンのない30代は約2万円のプラス、ローンのない70代は約8万円のプラスと、同じ世代でもローンの有無で結果が正反対になることが示されています。あくまで前提を置いた平均値の試算であり将来の予測ではありませんが、「金利が上がったとき、わが家はどちら側か」を確認するきっかけとして役立ちます。 年収400万円台で借入額を決めるときは、現在の変動金利ではなく1%程度金利が上がっても返せるかでシミュレーションしておくと安心です。徳島など地方では地銀・信金の店頭相談も身近な選択肢ですが、金利・諸費用はネット銀行や上で触れたSBI新生銀行なども含めて比較してから決めることをおすすめします。 ※本記事の金利・制度・試算は2026年8月時点の情報にもとづきます。最新の金利・取り扱い状況は必ず各金融機関・住宅金融支援機構・国土交通省の公式サイトをご確認ください。