この記事では、50歳・50代の方に向けて、住宅ローンの選び方や審査上のポイント、利用するうえでの制約について、地方でご相談を受けているFP(ファイナンシャル・プランナー)の視点でわかりやすく解説します。
一般的に、住宅ローンは借り入れ時の年齢が65歳ごろまでであれば申し込みが可能です。したがって、50歳の方はもちろん、50代の方が「年齢が理由だけ」で住宅ローンの審査に落ちることは基本的にありません。
ただし、住宅ローンを借りる方は30代が中心のため、借入年齢として考えると50代は決して若くはありません。30代・40代で借りる場合と比べて、返済期間(借入可能期間)や、利用できる団信(疾病保障)に制約が出てくるのが実情です。とくにがん保障や三大疾病保障といった疾病保障は、多くの金融機関で加入年齢の上限が満50歳前後に設定されており、50代では付けられないことが少なくありません。
50歳を過ぎて住宅ローンを借りることは、決して珍しいことでも無謀なことでもありません。どんな制約があるのかを正しく把握し、無理のない返済計画を立てておけば、50代からの住宅ローンは十分に現実的な選択です。FPとしてよくいただくご相談でもあるので、順番に整理していきましょう。
メガバンクやネット銀行が用意している「がん保障団信」「3大疾病保障団信」などの疾病保障は、満50歳前後を加入年齢の上限にしていることが多く、50代になると通常の団信(一般団信)しか選べないケースが目立ちます。
そのなかで、金利や諸費用のわかりやすさで検討したいのがSBI新生銀行の住宅ローンです。SBI新生銀行では、かつて提供していた「安心保障付団信(介護保障団信)」は現在新規の取り扱いを終了していますが、一般団信は上乗せ金利0円で付帯し、事務手数料も借入金額×2.20%(税込)の定率型でわかりやすい点が特長です(2026年3月からは、対象年齢の方向けに上乗せ0円の「全疾病保障付団信」の取り扱いも始まっています)。
SBI新生銀行の住宅ローンの詳しい内容は、以下の公式サイトや解説動画も参考にしてください。最新の団信のラインアップと加入条件は必ず公式サイトでご確認ください。
目次
50代の住宅ローン選びは「疾病保障の年齢制限」に注意
50歳以上で住宅ローンを選ぶときに、まず注意していただきたいのが疾病保障(団信の上乗せ保障)です。
最近の住宅ローン、とくにネット銀行の住宅ローンは、がんなどの病気やケガに上乗せ金利0円で備えられる疾病保障が充実しています。ところが、これらの疾病保障には加入年齢の上限があり、その多くが満50歳・満51歳前後に設定されています。つまり、50代に入ると「無料の疾病保障を付けたくても付けられない」ということが起こりやすいのです。
メガバンクや地方銀行が用意するがん保障・3大疾病保障・8疾病保障などの疾病保障も、多くは40代までを主な対象とし、50歳を超えると加入できないか、条件が厳しくなる傾向があります。
50歳以上で住宅ローンの借り入れや借り換えを検討していて、病気やケガにも備えたいという方は、「その団信は自分の年齢でも加入できるのか」を申し込み前に必ず確認しておきましょう。疾病保障の加入可否は年齢や商品改定で変わりやすいため、最新の加入条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
50歳・55歳・50代で住宅ローンは組める?
繰り返しになりますが、50歳以上でも住宅ローンを利用することは十分に可能です。参考までに、以下に主要金融機関の住宅ローンの年齢条件に関する審査基準を一覧化していますので確認してください。
| 金融機関 | 申し込み時年齢 | 完済年齢 |
|---|---|---|
| PayPay銀行 | 20歳以上65歳未満 | 80歳未満 |
| 新生銀行 | 20歳以上65歳未満 | 80歳未満 |
| auじぶん銀行 | 満18歳以上満65歳未満 | 満80歳未満 |
| ソニー銀行 | 満20歳以上満65歳未満 | 満85歳 |
| ドコモの銀行(WEB申込コース) | 満18歳以上満65歳以下 | 満80歳未満 |
| 住宅ローン(対面)/ドコモの銀行 | 満18歳以上満65歳以下 | 満80歳未満 |
| ARUHI(フラット35) | 70歳未満 | 80歳未満 |
| イオン銀行 | 71歳未満 | 80歳未満 |
| 三菱UFJ銀行 | 70歳未満 | 80歳未満 |
上記のように、多くの金融機関では借入時の年齢が65歳ごろまで住宅ローンを組むことができます。なお、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利のフラット35であれば、申込時年齢が満70歳未満まで申し込むことができます(親子リレー返済を利用する場合は満70歳以上でも申込可能)。
ただし、多くの住宅ローンに共通しているのは、80歳(完済時年齢)までに住宅ローンを完済しなければならないことです。
完済時の年齢に上限があるため、借入をする年齢によって、借入期間(何年ローンを組めるか)が変わってきます。50代の方が利用できる住宅ローンの借入可能年数は、おおむね以下のようになります。
| 年齢 | 借入可能年数の目安 |
| 50歳 | 30年 |
| 51歳 | 29年 |
| 52歳 | 28年 |
| 53歳 | 27年 |
| 54歳 | 26年 |
| 55歳 | 25年 |
| 56歳 | 24年 |
| 57歳 | 23年 |
| 58歳 | 22年 |
| 59歳 | 21年 |
通常の住宅ローンは、最長35年まで返済期間を設定できます。返済期間を長くとると総返済額は増えますが、毎月の返済額を抑えられます。
例えば59歳で住宅ローンを契約する場合、80歳完済を前提にすると借入期間は最長21年ほどになります。当然ですが、21年返済と35年返済とでは毎月の返済額が大きく変わります。
仮に金融機関から「80歳完済」の条件で審査が通ったとしても、多くの企業が定年を60〜65歳としている現状では、定年後も再雇用や再就職などで働きながら返済を続ける想定になります。老後も返済が続く可能性がある点は、しっかり認識したうえで申し込むようにしましょう。
続けて、借入限度額について確認していきましょう。
50代で住宅ローンはいくら借りられる?借入限度額の目安
国税庁の「民間給与実態統計調査」を参考にすると、50代の平均年収はおおむね640万円前後とされています。ここではそれを基準に、借入限度額の目安をシミュレーションしています。参考までに、仮に35年ローンを組めた場合の借入限度額も併記しています。
借入限度額は年収が大きく影響します。年収が高ければもっと借りられますし、低ければ借りられる金額も少なくなります。あくまで一定の前提を置いた目安としてご覧ください。
| 50代の借入限度額の目安 | 35年ローンのときの借入限度額の目安 | ||
| 50歳 | 30年 | 4,300万円 | 4,960万円 |
| 51歳 | 29年 | 4,170万円 | 4,960万円 |
| 52歳 | 28年 | 4,030万円 | 4,960万円 |
| 53歳 | 27年 | 3,900万円 | 4,960万円 |
| 54歳 | 26年 | 3,760万円 | 4,960万円 |
| 55歳 | 25年 | 3,620万円 | 4,960万円 |
| 56歳 | 24年 | 3,490万円 | 4,960万円 |
| 57歳 | 23年 | 3,350万円 | 4,960万円 |
| 58歳 | 22年 | 3,210万円 | 4,960万円 |
| 59歳 | 21年 | 3,070万円 | 4,960万円 |
この試算からは、1,000万円・2,000万円・3,000万円はもちろん、年収や返済期間によっては4,000万円程度まで借りられる可能性があることがわかります。
一方で、45歳までに契約して35年ローンを組めた場合と、59歳で21年ローンしか組めなかった場合とでは、借入限度額の差が2,000万円近くになりました。「何歳で借りるか」で、借りられる金額が大きく変わる点は、50代の住宅ローンで最初に押さえておきたいポイントです。
団信・疾病保障について
団信について
団信(団体信用生命保険)は、住宅ローンを組む際に加入が原則必須となる生命保険です。生命保険であるため、住宅ローンの審査申込時に、団信の加入申込書兼告知書の記入・提出が必要になります。
告知書では、主に次のような内容を申告します。
- 最近3ヶ月以内の治療(投薬を含む)の有無
- 過去3年以内に手術を受けたことがあるか
- 過去3年以内に、2週間以上にわたる治療を受けたことがあるか
年齢を重ねると持病を持つ方が増えるため、50代は40代以下の方よりも、健康上の理由で団信の審査に通らず、住宅ローン審査に落ちる可能性がどうしても高くなります。
また、住宅ローンの借入額が5,000万円を超えると健康診断書の提出を求められることが多く、健康上の不安がある方は団信の審査を通過するハードルが高くなります。
なお、団信の審査が理由で住宅ローン審査に通らなかった場合でも、加入条件を緩和した「ワイド団信」を取り扱う金融機関に申し込むことで、利用できる可能性があります。金利は通常0.2〜0.3%程度上乗せになるのが一般的ですが、健康上の不安がある50代の方にとっては有力な選択肢です。
ワイド団信を取り扱う主な金融機関
| auじぶん銀行 | SBIアルヒ | イオン銀行 |
| ソニー銀行 | みずほ銀行 | 三菱UFJ銀行 |
| 三井住友銀行 |
ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)(WEB申込コース) |
PayPay銀行 |
※取扱状況は変わることがあります。最新の取り扱い状況は、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
参考:団信の告知書


疾病保障について(50代は年齢制限に注意)
50代以降での借り入れでは、疾病保障(がん団信・全疾病保障など)の加入年齢に注意が必要です。多くの金融機関で、これらの上乗せ保障は満50歳・満51歳前後を加入の上限としているためです。
現在、多くのネット銀行では疾病保障を上乗せ金利0円で付帯し、がんやさまざまな病気に備えられる住宅ローンを提供していますが、50代以降で加入できる疾病保障は限られているのが実情です。
具体的に、主な金融機関の疾病保障とその加入年齢の上限を紹介します。
| 金融機関 | 主な疾病保障の内容 | 加入年齢の上限(目安) |
| SBI新生銀行の住宅ローン | 全疾病保障付団信(上乗せ0円) | 満20〜49歳 |
| SBI新生銀行(同上) | がん100%保障団信(+0.1%) | 満50歳未満 |
| ドコモの銀行(WEB申込コース) | スゴ団信(全疾病+3大疾病50%・基本付帯) | 実行時 満50歳未満 |
| auじぶん銀行の住宅ローン | がん保障・全疾病保障 | 満50歳まで |
| ソニー銀行の住宅ローン | がん保障 | 満50歳未満 |
| 三菱UFJ銀行 | 7大疾病保障 | 満50歳まで |
| 三井住友銀行 | 8大疾病保障 | 56歳未満 |
※2026年7月時点。加入条件は商品改定で変わることがあるため、最新の加入年齢・保障内容は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
このように、がん保障・3大疾病・7大疾病・8大疾病などの疾病保障は、満50歳前後を加入上限としているものが多いことがわかります。そのなかでは、三井住友銀行の8大疾病保障が「56歳未満」とやや長めに設定されているのが目立ちます。
なお、以前このページでは、SBI新生銀行の「安心保障付団信(介護保障団信)」を50代でも同条件で利用できる保障として紹介していましたが、この団信は現在、新規の取り扱いを終了しています。2026年7月時点でSBI新生銀行が選べる団信は、一般団信(上乗せ0円)・全疾病保障付団信(20〜49歳・上乗せ0円)・がん100%保障団信(50歳未満・+0.1%)で、これらの疾病保障にも加入年齢の上限があるため、50歳以上の方は基本的に一般団信を選ぶことになります。
結論として、50代半ば以降は「無料の疾病保障を付けにくい」ことを前提に、住宅ローンを選ぶ必要があります。疾病保障そのものよりも、金利・諸費用のわかりやすさ・返済のしやすさで選び、病気やケガへの備えは別途、医療保険やがん保険などで補うのが、FPとしてよくお勧めする現実的な考え方です。健康上の不安がある場合は、前述のワイド団信も含めて検討しましょう。金利や手数料のわかりやすさで比較するなら、一般団信が0円で付き、事務手数料が定率型でシンプルなSBI新生銀行なども、50代の有力な選択肢のひとつです。
50代で頭金なし・貯金なしのマンション購入は無謀?
次に、50代で頭金なし・貯金なしのマンション購入は無謀なのか、確認していきましょう。50代で頭金なしのマンション購入でポイントとなるのは、定年退職までの期間です。多くの企業では定年退職を60歳としつつ、65歳までの雇用確保が進んでいます。定年退職後の収入は年金が主になり、不足分は貯蓄からの取り崩しとなります。
年金収入は現役世代の収入より見劣りする場合が一般的ですので、現役時代の収入をベースに組んだ毎月の住宅ローン返済を、年金だけで賄うのは負担が大きくなりがちです。このため、多くの方が繰り上げ返済で定年までに完済する、もしくは退職金で完済するケースが一般的です。
先ほどと同様に、50代の平均年収640万円を前提に、65歳の定年退職時に住宅ローンを完済するとした場合の借入限度額の目安を確認してみましょう。
| 定年退職までの残り期間 | 50代の借入限度額の目安 | |
| 50歳 | 15年 | 2,220万円 |
| 51歳 | 14年 | 2,080万円 |
| 52歳 | 13年 | 1,930万円 |
| 53歳 | 12年 | 1,790万円 |
| 54歳 | 11年 | 1,640万円 |
| 55歳 | 10年 | 1,500万円 |
| 56歳 | 9年 | 1,350万円 |
| 57歳 | 8年 | 1,200万円 |
| 58歳 | 7年 | 1,050万円 |
| 59歳 | 6年 | 900万円 |
頭金なしで、定年時に完済する前提でも、50代前半までであれば2,000万円前後の住宅購入は現実的だとわかります。
気をつけたいのは、年収は50代前半をピークに減少していく傾向がある点です。今後の収入減が見込まれる場合は、1,500万円程度に予算を抑える、共働きで世帯収入を増やすといった対応が欠かせません。地方であれば、都市部より土地・物件価格が抑えられるケースもあるため、無理のない予算での中古住宅・コンパクトな新築なども含めて検討するとよいでしょう。
頭金・貯金なしでのマイホーム購入に躊躇するのは当然のことですが、定年退職後も賃貸で家賃を払い続けることと天秤にかけて、じっくり検討していきましょう。
住宅ローンを組む際には、将来の生活設計も重要な要素です。退職後の生活費や医療費、リフォームやメンテナンスの費用など、長期的な視野に立った資金計画を立てることが求められます。住み替えやリフォームの計画も加味して、無理のない資金計画を立てていきましょう。
50代の住宅ローンに関するよくある質問(FAQ)
Q. 50歳を過ぎても住宅ローンは組めますか?
A. 組めます。多くの金融機関で借入時の年齢の上限は65歳ごろ、フラット35は申込時満70歳未満です。ただし完済時年齢の上限(多くは80歳)があるため、借りる年齢が上がるほど返済期間は短くなります。年齢そのものより、「定年後の返済をどうするか」という返済計画のほうが重要です。
Q. 50代だと、がん団信などの疾病保障は付けられないのですか?
A. 多くの金融機関で、がん保障・全疾病保障などの疾病保障は満50歳・満51歳前後を加入の上限にしているため、50代では付けられないことが多いです。三井住友銀行の8大疾病保障(56歳未満)など、やや上限が高いものもありますが、選択肢は限られます。50代半ば以降は、疾病保障は住宅ローンに求めず、医療保険・がん保険などで別途備えると考えると整理しやすくなります。最新の加入条件は各公式サイトでご確認ください。
Q. 健康に不安があります。団信に通らないと住宅ローンは組めませんか?
A. 通常の団信に通らない場合でも、加入条件を緩和したワイド団信(金利0.2〜0.3%程度上乗せが一般的)で組める可能性があります。また、団信加入が任意のフラット35を利用する方法もあります。持病があってもあきらめず、まずは複数の金融機関で相談・審査してみることをおすすめします。
Q. 50代は何行くらいに申し込めばよいですか?
A. 収入面で問題がない方でも、健康状態によっては審査に通らないことがあります。そのため、最低でも3種類程度の住宅ローンに申し込み、審査を受けてみるのが安心です。金利や諸費用だけでなく、団信の加入可否・審査の通りやすさも比較して選びましょう。
まとめ
本ページでは、50代の住宅ローンと審査に関する情報を確認してきました。もっと早く住宅ローンを組めばよかったと感じている方も、借入限度額や定年退職のことを考えると、相当な資金がある場合などの例外を除けば、「55歳(50代半ば)までがひとつの目安」と言えるでしょう。
50代の住宅ローンで大切なのは、①80歳完済から逆算した無理のない返済期間、②定年後の返済・繰り上げ返済の計画、③疾病保障は付けにくい前提での商品選びの3点です。疾病保障で選びにくいぶん、金利・諸費用のわかりやすさや返済のしやすさで比較し、病気やケガへの備えは医療保険などで補うと、全体のバランスが取りやすくなります。
収入面で問題がない方でも、健康状態によっては審査に通らない可能性が出てきますので、最低でも3種類程度の住宅ローンに申し込み、審査を受けてみるのが得策です。ご不安な点があれば、地域の事情も踏まえてFPにご相談ください。
