フラット35を取り扱う住宅ローン専門の金融機関はいくつかありますが、それらの企業の中でも、事務手数料や金利が魅力的な金融機関である優良住宅ローンのフラット35について徹底解説します。
優良住宅ローンの主力商品はフラット35です。この記事ではフラット35について解説していきます。この記事を読むとフラット35の理解も深まることと思います。
解説項目とその概要次の通りです。
詳細については概要のあとで1つずつ解説しています。
- 住宅ローン金利について
- 基準金利
- 優遇金利:フラット35S基準を満たせば10年間-0.6%
- 優遇金利適用条件:特になし
- 金利変動のタイミング:毎月
- 住宅ローン金利プランのミックスができるか?:不可
- 住宅ローン融資手数料
- 融資額の0.8%
- 保証料:無し
- 返済方法
- 元利均等返済だけか?元金均等返済も可能か?:元利均等、元金均等返済とも可能
- ボーナス払いも可能か?可能な場合は借入額の何%までOKか?:40%以内
- 返済口座の指定:ほとんどの銀行で可能(ゆうちょ銀行不可)
- 返済日の指定:5日
- 火災保険の団体割引があるかどうか:東京海上日動、あいおいニッセイ同和で団体割引あり
- 団体信用生命保険
- 団体信用生命保険の保障内容:基本が死亡・高度障害保障のみ
- 団体信用生命保険の引き受け保険会社:地域による
- ワイド団信の取り扱い:なし
- 借入可能額:100万円以上8,000万円以下(1万円単位)
- お金の使い道:新築や中古住宅などの購入費用。建物付随費用(外構など)は可能。セカンドハウスも可。諸費用は不可。
- 借り入れできる地域:保留地や借地、転借地でも可能。
- 住宅ローン返済期間:1年以上35年以下、完済時80歳の誕生日の前日
- 住宅ローン審査基準
- 住宅ローン審査申し込みに必要な年齢:18歳以上70歳未満
- 住宅ローン審査申し込みに必要な年収:安定した収入があること
- 住宅ローン審査申し込みに必要な勤続年数:サラリーマン3ヶ月、事業主半年
- ペアローンが可能か:可能
- 収入合算が可能:可能
- その他条件:特になし
- つなぎ融資を受けられるかどうか:あり
- 繰上返済
- 繰上返済に必要な最低金額:インターネットであれば10万円、金融機関窓口の場合は100万円
- 繰上返済の手数料
- 一部繰上返済:無料
- 全額繰上返済:無料
- 遅延損害金:14.5%
※この記事に掲載されている住宅ローン金利や手数料などの条件は2015年4月時点のものです。
それでは、優良住宅ローンのフラット35について解説していきましょう。
住宅ローン金利について
まずは、住宅ローンを決める要素として大きい金利を解説していきます。解説するのは次の6つです。
- 基準金利
- 優遇金利
- 優遇金利適用条件
- 金利変動のタイミング
- 変動金利の激変緩和措置(5年ルール、125%ルールがあるか)
- 住宅ローン金利ミックスプランが可能か?
基準金利と適用金利について
基準金利とは店頭金利とも言い、わかりやすく言えば割引前の定価です。通常は基準金利から金利優遇があり、基準金利よりも低い金利で住宅ローンを借りることができます。基準金利そのものが高いと、金利優遇が縮小されたり無くなったりしたときに高い金利になります。基準金利そのものが低いとそうはなりません。
適用金利とは、実際の住宅ローン金利のことです。基準金利から金利優遇が何%かされて、適用金利が決まります。適用金利が低ければ低いほど、同じ金額住宅ローンを借りても返済額は低くなり、利息の支払いも少なくなります。
優良住宅ローンに限らず、フラット35には基準金利や基準金利から何%割引して適用金利を決めると言うことはありません。なので、基準金利がそのまま適用金利になります。
返済年数が20年以下かそれ以上かで適用金利が変わる
フラット35の場合は住宅ローンの返済年数が20年以下かそれ以上かで適用される金利が変わります。
2022年12月時点で、返済年数20年以下とそれ以上の金利の差は以下の通りです。
- 返済年数20年以下:1.75%
- 返済年数21年以上:1.91%
となっています。
融資率が9割を超えると適用される金利が高くなる
フラット35の場合、融資率が9割を超えると適用される金利が高くなってしまいます。
融資率とは、購入金額にたいする借入金額の割合です。例えば、土地と建物合わせて3000万円に対して、借り入れする住宅ローンが2400万円であれば、融資率は8割になります。
例えば、2022年12月現在で融資率9割以下と9割超の金利の違いは以下の通りです。
- 9割以下で返済年数21年以上:1.65%
- 9割超で返済年数21年以上:1.91%(+0.26%)
- 9割以下で返済年数20年以下:1.49%
- 9割超で返済年数20年以下:1.75%(+0.26%)
融資率が9割を超えると返済年数20年以下かそれ以上かに関わらず金利が+0.26%されることがわかります。
融資率9割を超えるかどうかでどれくらい返済額が変わるかや、全額借りないといけない場合でも融資率9割以下の金利を適用するための裏ワザなどをこちらの記事にまとめてあるので読んでみてください。
頭金なしでもフラット35で100%住宅ローンを借りる4つの裏技
建物が一定の基準を満たせばフラット35Sとなり、金利優遇を受けられる
建物が一定の条件を満たしていると、フラット35Sになり、金利の優遇を受けられます。満たしている基準によってフラット35SのZEH、Aプラン、Bプランに分かれ、それぞれ金利の優遇幅が違います。
- ZEH:当初5年間金利−0.5% 6年目〜10年目まで−0.25%
- Aプラン:10年間金利-0.25%
- Bプラン:5年間金利-0.25%
フラット35Sの条件についてはこちらの記事で詳しく解説したので興味がある場合は読んでください。
フラット35の押さえるべき特徴19個とメリットデメリットに諸費用
金利が変動するタイミング
フラット35の適用金利は毎月変わります。適用される金利は申し込み時点の金利では無く、融資実行時点の金利になります。つまり、申し込む時点では適用される金利が何%になるかわかりません。
フラット35の金利の決まり方や予測方法についてはこちらの記事をご覧下さい。
フラット35の金利予測する3つの方法とその前にやるべき2つのこと
住宅ローンの金利ミックスプランが可能かどうか?
住宅ローンの金利ミックスプランとは、変動金利や固定金利を混ぜて借りることです。例えば、2,000万円借りるとすれば1,000万円は変動で、1,000万円は10年固定でという風に借りるという住宅ローンの借り方です。
優良住宅ローンはフラット35しか取り扱いが無いので、住宅ローンの金利ミックスプランは使えない
ただ、一部例外があります。
フラット35は融資率(購入金額に対する借入額の割合)が9割を超えると適用される金利が高くなります。そうすると、総返済額が高くなってしまいます。
そこで、フラット35の融資率を9割に抑えるために、1割分優良住宅ローンが独自で貸し出すという「プラスワン」というプランがあります。
このプラスワンの金利は変動金利なので、優良住宅ローンのプラスワンを利用する場合は変動金利1割、フラット359割の金利ミックスプランになります。
住宅ローン融資手数料について
住宅ローンの融資手数料とは、借りるときにかかる手数料のことです。これは住宅ローンの保証料とは違って繰上返済や一括返済をしても返還されることはありません。
優良住宅ローンの融資手数料は住宅ローンの借入額×0.8%
保証料について
優良住宅ローンを含むフラット35を借りる場合に保証料はかかりません。
住宅ローンの返済方法について
つづいて、住宅ローンの返済方法についてみていきましょう。返済方法については以下の項目をチェックしていきます。
- 元利均等返済だけか?元金均等返済も可能か?
- ボーナス払いも可能か?可能な場合は借入額の何%までOKか?
- 返済口座の指定
- 返済日の指定
元利均等返済だけか?元金均等返済も可能か?
住宅ローンの返済方法は2種類あります。1つは一般的な元利均等返済です。もう一つは元金均等返済です。
優良住宅ローンを含むフラット35では、元利均等返済、ガンきんきんと返済とも選べるようになっています。
元利均等か元金均等か、どちらの方が有利かについてはこちらの記事を読んでください。
元利?元金?住宅ローン2つの返済方法、どちらを選ぶべきか?
ボーナス払いも可能か?可能な場合は借り入れ額の何%までOKか?
住宅ローンは毎月一定の金額を返す他、ボーナスの時に増額して返済し、毎月の返済額を抑えるボーナス払いという支払い方もできます。
ほとんどの銀行でボーナス払いも可能です。しかし、その銀行によって住宅ローン借入額の何%までボーナス払いが可能かどうかが違います。
優良住宅ローンを含むフラット35の場合、借入総額の40%まで可能
ボーナス払い有りとボーナス払いあり、どちらがお得なのか?
ここで少し気になるのは、住宅ローンはボーナス払い有りの方が得なのか?それともボーナス払い無しの方が得なのか?ということです。
なので、計算してみました。計算の条件は以下の通りです。
- 借り入れ額:3,000万円
- 返済期間:35年
- 金利:1.54%
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス払いの割合:10%〜40%で10%刻み
優良住宅ローンのフラット35ボーナス払いの比較
0% | 10% | 20% | 30% | 40% | |
---|---|---|---|---|---|
総返済額 | 38,826,354円 | 38,835,783円 | 38,845,105円 | 38,854,579円 | 38,863,888円 |
9,429円 | 18,751円 | 28,225円 | 37,534円 |
この計算結果を見ると、ボーナス払いの割合を増やすほど総返済額は少しずつ増えるという結果になりました。こうなる原因は、ボーナス払いは毎月の返済額が減るので、その分元金の減りが遅くなります。そのため、少し全体で支払う住宅ローンの利息が多くなります。
住宅ローン返済口座の指定はあるの?
続いては、住宅ローン返済口座の指定があるかどうかです。返済口座の指定があれば、借りている銀行に口座を作ってそこで住宅ローンの返済をすることが必要になります。
優良住宅ローンの場合はゆうちょ銀行や一部金融機関は不可だが、ほとんどの銀行を返済口座へ指定できる
フラット35の取扱銀行のほとんどが返済口座を自行にしてくるのに対して、優良住宅ローンの場合はほとんどの銀行で自由に設定できます。そのため、給与振替口座を変更したりとか、毎月住宅ローンの返済のためだけにお金を違う口座に移すという手間を掛けずに済みます。
住宅ローンの返済日はいつ?指定できるの?
住宅ローンの返済日、つまり住宅ローンの引き落としをされる日は銀行によって違います。
優良住宅ローンの返済日は5日
火災保険について
ほとんどの銀行では、住宅ローンを借りるためには火災保険への加入を必須としています。また、銀行によっては火災保険の団体割引制度がある場合もあります。
優良住宅ローンを含むフラット35を借りる場合は火災保険への加入が必須
火災保険の団体割引制度はあるの?
金融機関によっては特定の保険会社の火災保険であれば団体割引を利用できる場合があります。団体割引を利用できれば、普通に損害保険の代理店で加入するよりも有利な条件で加入できます。
優良住宅ローンの場合、東京海上日動は5%あいおいニッセイ同和の火災保険は団体割引10%で加入することができます。
そのため、優良住宅ローンのフラット35を利用する場合で、火災と風災以上の補償が必要という場合は東京海上日動かあいおいニッセイ同和で加入されるといいと思います。念のために他の保険会社と保険料は比較した方がいいと思いますが。
団体信用生命保険について
団体信用生命保険とは、住宅ローンの借り主が死亡や高度障害状態になれば住宅ローンの支払いを免除してくれるという保険です。ほとんどの銀行で住宅ローンを借りる場合は団体信用生命保険への加入が必須になっています。
優良住宅ローンを含むフラット35では、団体信用生命保険への加入は原則必要。ただ、加入しないこともできる
優良住宅ローンを含むフラット35の団信の引き受け保険会社は借入金融機関や地域によって違う
団体信用生命保険も保険なので、保険会社によって引き受け基準が違います。A保険会社では通らなかったけどB保険会社なら通るということもあります。
健康状態に不安がある場合、団信の引き受け保険会社を変えて審査を受けてみると通ることがありますので、以下に金融機関や地域毎の団信の引き受け保険会社を掲載しておきます。
金融機関 | 都道府県 | 保険会社 |
---|---|---|
モーゲージバンク | 全国 | 住友生命 |
銀行など | 北海道 | 明治安田 |
青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 | 明治安田 | |
栃木・群馬・新潟・長野 | 太陽生命 | |
東京・神奈川・茨城・埼玉・千葉・山梨・静岡 | 日本晴明 | |
岐阜・愛知・三重 | 明治安田 | |
富山・石川・福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 | 第一生命 | |
鳥取・島根・岡山・広島・山口 | 富国生命 | |
徳島・香川・愛媛・高知 | 住友生命 | |
福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島 | 第一生命 | |
沖縄 | 三井生命 |
優良住宅ローンはモーゲージバンクに当てはまるので、団信の引受保険会社は住友生命
健康状態に問題があって団信に通らない場合の対処方法などはこちらの記事にまとめてありますので興味があれば読んでください。
糖尿病の人が団信の問題を解決して住宅ローンを借りる4つの方法
フラット35の場合は、団信に加入せずに団信の保険料を節約するという裏技が使える
優良住宅ローンを含むフラット35では、団信への加入は「原則」となっています。つまり、強制加入ではないので加入しなくても大丈夫です。健康上の理由やその他の事情によって団信不加入の場合は通常の金利に比べて年-0.2%の金利となります。
また、団信は保険なので保険料がかかります。そこで、団信の保険料と団信と同等の機能を持つ生命保険会社の「収入保障保険」の保険料を比較してどちらか安い方に加入するということができます。
それについて詳しくはこちらの記事でまとめたので読んでみてください。
たったこれだけ?住宅ローンを団信なしで借り、50万円節約する裏ワザ
3大疾病保障など特別な保障の団体信用生命保険に加入できるか?
基本的に団体信用生命保険の保障は死亡と高度障害のみです。しかし、その他にも3大疾病保障や8大疾病保障がついた団体信用生命保険もあります。
優良住宅ローンを含むフラット35の団信を利用する場合は3大疾病保障付きの団信を利用できる。ただし、保険料は高くなる
3大疾病保障の保険料はいくらか?
3大疾病保障を追加することで団信の保険料が増えます。その保険料は一体いくらなのでしょうか?住宅ローンの借り入れ額毎に比較しました。
試算条件は以下の通りです。
- 返済期間:35年
- 金利:1.54%
- 返済方法:元利均等返済
フラット353大疾病団信保険料
2,000万 | 2,500万 | 3,000万 | 3,500万 | |
---|---|---|---|---|
8大疾病保険料 | 734,400円 | 918,100円 | 1,101,400円 | 1,285,200円 |
保険料の金額に関しては、一般の生命保険会社で同様の保障を掛けるよりもかなり安いです。ただ、この金額を払って保障が欲しいかどうかというのを考えてみましょう。個人的にはこれだけをお金を使うなら保険料として払うよりも、病気にならないように使った方が有意義だと思います。
健康状態に不安がある場合にワイド団信への申し込みができるか?
団体信用生命保険は生命保険なので、加入に当たっては健康状態の審査があります。もし、持病を持っているなど健康状態に問題があれば団信に加入できず住宅ローンを借りられないということもあります。その場合、一般の団信よりも引き受け基準が緩いワイド団信への申し込みができる銀行とできない銀行があります。
優良住宅ローンを含むフラット35はワイド団信の利用はできない
このため、健康状態に不安がある人は優良住宅ローンの団信審査に通らないとなると、別の団信引き受け保険会社を利用している銀行の団信の審査を受けてみるか、ソニー銀行のようにワイド団信の扱いがある銀行の住宅ローン審査を受けられるといいと思います。なお、優良住宅ローンは団信の加入がマストではないので、団信に加入しないで住宅ローンを契約することも可能です。
住宅ローンはいくらまで借りられるのか?
銀行によって住宅ローンの最低貸出額と最大貸出額の設定が異なります。
住信SBIネット銀行の住宅ローンは100万円以上20,000万円以内(1万円単位)
住宅ローンの使い道は?
借りたお金をどう使えるかも銀行によって制限が違います。
新築、中古住宅、中古住宅の購入を伴うリフォーム、外構などの建物に付随する費用、セカンドハウスに利用可能。ただし、諸費用は利用できない。
住宅の工事代金や売買代金の契約書に含まれていれば、備え付けの家具や照明器具の購入資金についても借入の対象になるようです。契約書に含まれない家具や家電については対象にならないようです。もし、家具や家電の費用まで借りたいと言うことであれば、その分だけ建物の代金を水増しして借り入れする住宅ローンの金額を増やしておきましょう。
諸費用については一切借入ができません。そのため、諸費用も含めて借りたいと言うことであれば、アプラスのマイホームプランを利用するか、上にも書いた通り建物代金を水増ししてその中から諸費用を支払うようする必要があります。
アプラスのマイホームプランで借り入れできる諸費用は以下の通りです。
- 登記費用
- 登録免許税や司法書士への報酬を含む
- 固定資産税、都市計画税
- 火災保険料、地震保険料(優良住宅ローンで加入する物に限る)
- 事務手数料
- つなぎ融資の手数料や利息
- 収入印紙代
- 団信初年度保険料
- 修繕積立基金
- 不動産仲介手数料
- 適合検査費用
アプラスのマイホームプランは資金使途が広いですが、金利が3%近くと高いのでやはり建物代金を水増しする方向でいった方がいいでしょう。
借り入れできる地域
銀行によって貸し出し対象にしている地域に違いがあります。
借入は全国OKで、借地、保留地も対象になる。
住宅ローンの返済期間
住宅ローンの返済期間も銀行によってまちまちです。
15年以上35年以下(1ヶ月刻み)ただし、完済は満80歳の誕生日までにすること。
つまり、35年借りられますが、最大の返済期間は35年か80歳-年齢-1のどちらか短い方となります。例えば、現在50歳であれば80歳-50歳-1で最大29年の借入になります。
住宅ローンの審査基準について
住宅ローンの審査基準もその銀行によってまちまちです。そして、住宅ローン審査の土台に乗るかどうかの最低限の基準も銀行によって違います。
住信SBIネット銀行の場合、最低限審査を受けられる条件は以下の通りです。
- 年齢:満20歳以上〜70歳未満(3大疾病団信を利用する場合は51歳未満)
- 年収:具体的な数字の記述無し、安定した収入が必要
- 団信加入:原則加入
- 国籍:日本国籍もしくは永住権、特別永住者
- 勤続年数:最低3ヶ月(個人事業主や経営者は半年以上)
- ペアローン:利用可能
- 収入合算:同居の親族の収入を合算可能(収入の50%まで、連帯保証)
- 親子リレー返済:利用可能(利用することで70歳以上の申し込みも可能になる)
- その他:住信SBIネット銀行の普通預金口座を返済口座にすること
となっています。
ペアローンと収入合算の違いについて
ペアローンと収入合算も夫婦なりが収入を合わせて住宅ローンを借りるので同じように見えるかもしれませんが、中身が違います。どう違うのか表で説明します。
ペアローン | 収入合算 | |
---|---|---|
住宅ローンの契約 | 2つ | 1つ |
団体信用生命保険 | それぞれの住宅ローンの借入額に対して保障有り | 住宅ローン契約者に対しのみ |
住宅ローン控除 | それぞれが受けられる | 住宅ローンの契約者のみ |
夫婦でバリバリ働いているという場合は両方が住宅ローン控除を受けたり団体信用生命保険の保障を受けたりするためにペアローンに。
夫婦とも働いているけど、奥さんもしくはご主人がパート程度で税金も払っていないし扶養の範囲だという場合は収入合算にするといいです。
親子リレー返済について
優良住宅ローンを含む、フラット35は親子リレー返済を利用することができます。
親子リレー返済とは、まずは親がメインで返済をして80歳で子どもにバトンタッチするというものです。
この場合、親子で収入合算して審査を受けることができ、返済年数は子どもの年齢で計算するので、長く借り入れすることができます。
親子リレー返済について詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
フラット35の押さえるべき特徴19個とメリットデメリットに諸費用
つなぎ融資を受けられるかどうか
注文住宅を建てる場合はつなぎ融資が必要になる場合がほとんどです。つなぎ融資を受けられるかどうかも銀行によって違います。
優良住宅ローンはつなぎ融資を受けられる
優良住宅ローンは独自でつなぎ融資制度を用意していますので、つなぎ融資が必要な場合はそれを利用することができます。
優良住宅ローンのつなぎ融資の金利や手数料について
つなぎ融資を利用する場合は金利や手数料がかかります。では、その金利や手数料がいくらになるかですが、
- つなぎ融資の金利:フラット35の金利と同様
- つなぎ融資手数料:55,000円+借入金額×0.4%
金利と手数料だけを見ても実際にいくら払うのかがイメージしにくいと思うので計算します。
計算条件は以下の通りです。
- つなぎ融資で借りる金額:土地代1,000万円、着工金700万円、中間金700万円
- つなぎ融資を借りる期間:土地購入から6ヶ月、着工から4ヶ月、中間金から2ヶ月
まず、つなぎ融資の利息を計算します。
- 土地:1,000万円×1.54%÷12ヶ月×6ヶ月=77,000円
- 着工金:700万円×1.54%÷12ヶ月×4ヶ月=35,934円
- 中間金:700万円×1.54%÷12ヶ月×2ヶ月=17,967円
続いて、つなぎ融資の手数料を計算します。
- 土地:1,000万円×0.4%+55,000円=94,000円
- 着工金、中間金:700万円×0.4%+55,000円=82,000円
計算した結果を全部足します。すると、388,901円になります。これがつなぎ融資にかかる利息と手数料です。
このつなぎ融資にかかる利息や手数料を減らす裏ワザがあるので紹介しておきます。
フラット35でつなぎ融資を利用する3つの方法と30万円得する裏ワザ
住宅ローンの繰上返済はどうなの?
住宅ローンを繰上返済して早く完済しようとしてるならば、住宅ローンの繰上返済の条件もチェックしておくべき項目です。優良住宅ローンを含むフラット35の繰上返済の条件等について説明します。
繰上返済に必要な金額
銀行によって繰上返済をするために必要な最低金額はまちまちです。
優良住宅ローンを含むフラット35の場合、インターネットを通して繰上返済する場合に必要な金額は10万円。金融機関の窓口の場合は100万円
繰上返済をするのに必要な手数料
住宅ローンの繰上返済をする時に、手数料が必要な場合があります。そして、手数料の金額も銀行によってまちまちです。
優良住宅ローンを含むフラット35の場合、繰上返済にかかる手数料などは一部、全額問わず無料
繰り上げの手数料は一切かからないようです。ちょこちょこ繰上返済をする度に手数料がかかったのでは繰上返済のメリットが減ってしまうので、手数料がかからないのは有利ですね。
住宅ローンの繰上返済はメリットはありません。繰上返済するくらいならそのお金を運用に回した方が賢いです。詳しくはこちら。
本当に賢い住宅ローン返済方法は、繰上げしない、長く借りる、なぜ?
遅延損害金について
住宅ローンを決められた返済日までに支払えなかった、引き落としができないと遅延損害金がかかります。
住信SBIネット銀行の住宅ローンの場合、遅延損害金は14.5%(引き落とし日の翌日から計算される)
14.5%と言われてもピント来ないと思うので、金額に直すとどれくらいか計算します。仮に、毎月の返済額が10万円だと、年利14%ということは1年遅れると14,000円の遅延損害金を払わなければいけません。1年で14,000円ですから、1日あたりに直すと1日39.7円です。1週間返済が遅れると278円の遅延損害金がかかるということです。
金額に直すとあまり高額ではありませんが、住宅ローン返済が遅れたりすると個人信用情報に登録されることもあり、住宅ローンの借換や他のローンを借りるときに不利になります。きちんと返済日に返すようにしておきましょう。
住宅ローン借り入れ額、返済年数、金利タイプ毎による損得を比較
優良住宅ローンのフラット35の特徴に関してはこれまで説明してきたとおりです。では、一番肝心な「優良住宅ローンのフラット35がお得なのかどうか?」「フラット35Sが得なのかどうか?」について計算した結果をお伝えします。
試算条件は以下の通りです。
- 借り入れ額:1,500万、2,000万、2,500万、3,000万円
- 返済期間:15年、20年、25年、30年、35年
- 返済方法:元利均等返済
- 繰上返済:無し
- 融資手数料:借り入れ額×0.8%
- 団信保険料:フラット35の団信で計算、3大疾病などの特約は無し
- 金利について:返済年数20年以下については1.31%、21年以上に関しては1.54%で計算する。いずれも融資率は9割以下で計算
- フラット35SのAプランも計算結果に入れる
※計算結果に関しては一応確認していますが、心配な場合はご自身でもう一度計算し直して下さい。
住宅ローン借り入れ額1,500万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を1,500万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
1,500万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
---|---|---|---|
15年 | ¥2,077,144 | ¥1,678,660 | ¥1,439,536 |
20年 | ¥2,752,546 | ¥2,326,587 | ¥2,022,485 |
25年 | ¥3,925,130 | ¥3,479,492 | ¥3,127,153 |
30年 | ¥4,736,014 | ¥4,276,283 | ¥3,891,068 |
35年 | ¥5,565,098 | ¥5,093,293 | ¥4,682,128 |
住宅ローン借り入れ額2,000万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を2,000万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
2,000万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
---|---|---|---|
15年 | ¥2,769,492 | ¥2,238,146 | ¥1,919,248 |
20年 | ¥3,670,028 | ¥3,102,082 | ¥2,696,680 |
25年 | ¥5,233,607 | ¥4,639,489 | ¥4,169,204 |
30年 | ¥6,315,286 | ¥5,701,577 | ¥5,187,957 |
35年 | ¥7,419,998 | ¥6,790,790 | ¥6,242,770 |
住宅ローン借り入れ額2,500万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を2,500万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
2,500万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
---|---|---|---|
15年 | ¥3,461,940 | ¥2,797,633 | ¥2,398,760 |
20年 | ¥4,587,611 | ¥3,877,478 | ¥3,370,474 |
25年 | ¥6,542,184 | ¥5,799,086 | ¥5,211,756 |
30年 | ¥7,893,957 | ¥7,126,872 | ¥6,485,047 |
35年 | ¥9,274,897 | ¥8,488,488 | ¥7,803,113 |
住宅ローン借り入れ額3,000万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を3,000万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
3,000万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
---|---|---|---|
15年 | ¥4,154,288 | ¥3,357,120 | ¥2,878,571 |
20年 | ¥5,505,193 | ¥4,652,973 | ¥4,044,769 |
25年 | ¥7,850,460 | ¥6,958,783 | ¥6,253,807 |
30年 | ¥9,472,629 | ¥8,551,866 | ¥7,782,236 |
35年 | ¥11,129,797 | ¥10,186,085 | ¥9,363,655 |
フラット35を借りるなら優良住宅ローンを第一候補に。ただし、地域限定のキャンペーンやつなぎ融資の利息や手数料まで計算して最終どこでフラット35を借りるか判断する
フラット35を借りる場合は手数料の安い優良住宅ローンを第一候補に選んでいて間違いありません。
しかし、地域限定やっているキャンペーンでフラット35の融資手数料が無料だったり、ハウスメーカー限定でフラット35の手数料が無料だったり割安だったりと言うことがあります。
また、優良住宅ローンはつなぎ融資の手数料が高めです。そのため、つなぎ融資が強うな場合は他のフラット35と優良住宅ローンをつなぎ融資の利息や手数料まで計算してから、最終的にどこで決めるか判断しましょう。