優良住宅ローンで、いまから【フラット35】(買取型)を新しく借りることはできません。同社は自社の【フラット35】(機構買取型)と併用ローン「プラスワン」(変動金利型)の新規申込受付を停止し、フラット35関連事業を2025年3月21日にSBIアルヒ株式会社へ譲渡しています。
そのため、これからフラット35を選ぶなら、SBIアルヒやドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)など、現在フラット35を取り扱う金融機関の中から、金利・事務手数料・つなぎ融資の条件まで含めて比べることになります。なお、ドコモSMTBネット銀行はWEBサイトで【フラット35(保証型)】の新規申込受付を行っていないと案内しています。
フラット35は、借入から完済までずっと金利が変わらない全期間固定金利の住宅ローンです。地方でマイホームを検討されるご家庭からも、「金利が上がりそうで不安。固定にするといくらになるのか知りたい」というご相談を、FPとしてよくいただきます。
以下では、優良住宅ローンが提供していた当時の商品性を記録として残しながら、フラット35の仕組み・金利・手数料・団体信用生命保険(団信)・つなぎ融資・審査の条件を、いまの制度に合わせてかみくだいて整理しました。
主な項目とその概要は次のとおりです(「当時」とあるものは優良住宅ローンで借りられた頃の条件です)。
詳細については概要のあとで1つずつ解説しています。
- 住宅ローン金利について
- 基準金利
- 金利引下げ:省エネ・耐震などの住宅性能や子育て世帯向けの「フラット35S」「子育てプラス」などのメニューで当初一定期間の金利を引下げ(2024年2月にポイント制へ一新)
- 優遇金利適用条件:特になし
- 金利変動のタイミング:毎月
- 住宅ローン金利プランのミックスができるか?:不可
- 住宅ローン融資手数料
- 融資事務手数料:金融機関ごとに異なる(当時の優良住宅ローンは0.8%と低めだったが、同社の買取型フラット35は受付停止)
- 保証料:無し
- 返済方法
- 元利均等返済だけか?元金均等返済も可能か?:元利均等、元金均等返済とも可能
- ボーナス払いも可能か?可能な場合は借入額の何%までOKか?:40%以内
- 返済口座の指定:当時はほとんどの銀行で可能(ゆうちょ銀行不可)
- 返済日の指定:当時は5日
- 火災保険の団体割引があるかどうか:当時は東京海上日動、あいおいニッセイ同和で団体割引あり
- 団体信用生命保険
- 団体信用生命保険の保障内容:新機構団信は死亡・所定の身体障害が基本(加入は任意)
- 団体信用生命保険の引き受け保険会社:取扱金融機関による
- ワイド団信の取り扱い:なし
- 借入可能額:100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)※2026年4月実行分から限度額が8,000万円から1億2,000万円に引上げ
- お金の使い道:新築や中古住宅などの購入費用。建物付随費用(外構など)は可能。セカンドハウスも可。一定の諸費用も借入対象にできる。
- 借り入れできる地域:保留地や借地、転借地でも可能。
- 住宅ローン返済期間:15年以上(申込時60歳以上は10年以上)35年以下、かつ完済時80歳まで
- 住宅ローン審査基準
- 住宅ローン審査申し込みに必要な年齢:申込時満70歳未満(親子リレー返済なら70歳以上も可)
- 住宅ローン審査申し込みに必要な年収:年収に占める全借入の年間返済額が、年収400万円未満は30%以下・400万円以上は35%以下
- 住宅ローン審査申し込みに必要な勤続年数:機構の融資条件には定めなし(勤務状況は金融機関の審査で確認)
- ペアローンが可能か:取扱金融機関により異なる
- 収入合算が可能:可能
- その他条件:日本国籍、または永住許可・特別永住者であること
- つなぎ融資を受けられるかどうか:あり
- 繰上返済
- 繰上返済に必要な最低金額:インターネットであれば10万円、金融機関窓口の場合は100万円
- 繰上返済の手数料
- 一部繰上返済:無料
- 全額繰上返済:無料
- 遅延損害金:年14.5%(取扱金融機関の案内による一般的な水準)
※金利は2026年9月時点の住宅金融支援機構の公表値で更新しています。優良住宅ローン固有の手数料・返済日・団体割引などは、同社で借りられた当時の条件で、現在その条件で申し込めるわけではありません。
ここからは、いまフラット35を検討するなら押さえておきたいポイントを、項目ごとに見ていきます。
住宅ローン金利について
まずは、住宅ローンを決める要素として大きい金利を解説していきます。解説するのは次の6つです。
- 基準金利
- 優遇金利
- 優遇金利適用条件
- 金利変動のタイミング
- 変動金利の激変緩和措置(5年ルール、125%ルールがあるか)
- 住宅ローン金利ミックスプランが可能か?
基準金利と適用金利について
基準金利とは店頭金利とも言い、わかりやすく言えば割引前の定価です。通常は基準金利から金利優遇があり、基準金利よりも低い金利で住宅ローンを借りることができます。基準金利そのものが高いと、金利優遇が縮小されたり無くなったりしたときに高い金利になります。基準金利そのものが低いとそうはなりません。
適用金利とは、実際の住宅ローン金利のことです。基準金利から金利優遇が何%かされて、適用金利が決まります。適用金利が低ければ低いほど、同じ金額の住宅ローンを借りても返済額は低くなり、利息の支払いも少なくなります。
優良住宅ローンに限らず、フラット35には、基準金利から何%割引して適用金利を決めるということはありません。なので、基準金利がそのまま適用金利になります。
返済年数が20年以下かそれ以上かで適用金利が変わる
フラット35の場合は住宅ローンの返済年数が20年以下かそれ以上かで適用される金利が変わります。
2026年9月時点の買取型(融資率9割以下・新機構団信付き)で最も多い金利は、次のとおりです(住宅金融支援機構「最新の金利情報」)。
- 返済年数20年以下(フラット20):年3.140%
- 返済年数21年以上35年以下:年3.460%
同じ全期間固定でも、返済期間を20年以下に収められるなら年0.320%低い金利で借りられる計算です。金利は毎月見直されます。
融資率が9割を超えると適用される金利が高くなる
フラット35の場合、融資率が9割を超えると適用される金利が高くなってしまいます。
融資率とは、購入金額にたいする借入金額の割合です。例えば、土地と建物合わせて3000万円に対して、借り入れする住宅ローンが2400万円であれば、融資率は8割になります。
融資率が9割を超えると、9割以下より高い金利が適用されます。2026年9月の買取型(最頻金利)では、次のような差があります。
- 9割以下で返済年数21年以上:3.460%
- 9割超で返済年数21年以上:3.570%(+0.110%)
- 9割以下で返済年数20年以下:3.140%
- 9割超で返済年数20年以下:3.250%(+0.110%)
返済年数にかかわらず、融資率が9割を超えると金利が+0.110%上乗せされています。上乗せ幅も毎月見直されるため、頭金を1割用意できるかどうかは、借りる月の金利表で差を確かめてから決めると安心です。
融資率9割を超えるかどうかでどれくらい返済額が変わるかや、全額借りないといけない場合でも融資率9割以下の金利を適用するための裏ワザなどをこちらの記事にまとめてあるので読んでみてください。
頭金なしでもフラット35で100%住宅ローンを借りる4つの裏技
建物が一定の基準を満たせばフラット35Sとなり、金利優遇を受けられる
建物が一定の条件を満たしていると、フラット35Sになり、金利の優遇を受けられます。満たしている基準によってフラット35SのZEH、Aプラン、Bプランに分かれ、それぞれ金利の優遇幅が違います。
- フラット35Sなどの金利引下げメニューは、2024年2月から「ポイント制」に一新されました。メニューごとに定められたポイントを合計し、その合計ポイント数に応じて引下げ幅・期間が決まります(1ポイント=当初5年間 年▲0.25%)。
- 「子育てプラス」を利用しない場合は、合計4ポイント(当初5年間 年▲1.00%)が上限です。子育て世帯・若年夫婦世帯は「子育てプラス」で子どもの人数等に応じてポイントが加算され、上限が撤廃されます。
- 省エネ・耐震などの住宅性能に応じたフラット35S(ZEH・金利Aプラン・Bプラン等)や、地域連携型・維持保全型などのメニューを組み合わせられます。適用の可否や引下げ幅は、住宅の性能とご家族の状況で変わります。
※ポイントの対象となる住宅の基準や、子育てプラスの加算の条件は、住宅金融支援機構の【フラット35】サイトに一覧があります。予算に達すると受付が終了するメニューもあるため、建築・購入のスケジュールとあわせて確認しておきましょう。
フラット35Sの条件についてはこちらの記事で詳しく解説したので興味がある場合は読んでください。
フラット35の押さえるべき特徴19個とメリットデメリットに諸費用
金利が変動するタイミング
フラット35の適用金利は毎月変わります。適用される金利は申し込み時点の金利では無く、融資実行時点の金利になります。つまり、申し込む時点では適用される金利が何%になるかわかりません。
フラット35の金利は長期金利(10年国債の利回り)の動きを受けやすく、財務省の国債金利情報でも、10年国債の金利は2026年9月中旬に3%前後で推移しています。引き渡しが数か月先になる注文住宅では、申込時より実行時の金利が高くなる可能性も織り込んで資金計画を立てておくと安心です。
フラット35の金利の決まり方や予測方法についてはこちらの記事をご覧下さい。
フラット35の金利予測する3つの方法とその前にやるべき2つのこと
住宅ローンの金利ミックスプランが可能かどうか?
住宅ローンの金利ミックスプランとは、変動金利や固定金利を混ぜて借りることです。例えば、2,000万円借りるとすれば1,000万円は変動で、1,000万円は10年固定で、という風に借りる方法です。
優良住宅ローンはフラット35しか取り扱いが無いので、住宅ローンの金利ミックスプランは使えない
ただ、一部例外があります。
フラット35は融資率(購入金額に対する借入額の割合)が9割を超えると適用される金利が高くなります。そうすると、総返済額が高くなってしまいます。
そこで、フラット35の融資率を9割に抑えるために、1割分を金融機関が別途貸し出す併用ローンを使う方法があります(かつて優良住宅ローンは「プラスワン」という変動金利型の併用ローンを用意していましたが、現在は受付停止。ドコモSMTBネット銀行の「フラットパッケージローン」など、各金融機関が同様の商品を用意しています)。
当時のプラスワンは変動金利だったため、プラスワンを併用すると「変動金利1割・フラット35が9割」の金利ミックスプランになっていました。併用ローンの金利タイプや上限は商品ごとに異なります。
住宅ローン融資手数料について
住宅ローンの融資手数料とは、借りるときにかかる手数料のことです。これは住宅ローンの保証料とは違って繰上返済や一括返済をしても返還されることはありません。
かつて優良住宅ローンは、フラット35の融資事務手数料が借入額×0.8%と低いことが強みでした。ただし前述のとおり、同社の買取型フラット35は現在は受付を停止しています。
フラット35の事務手数料は金融機関ごとに異なり、たとえばドコモSMTBネット銀行の買取型は借入額の2.20%(税込・最低110,000円、全疾病保障を付ける場合は+0.55%)です。手数料は金利とあわせて総支払額で比較することが大切です。
保証料について
フラット35を借りる場合に保証料はかかりません。
住宅ローンの返済方法について
つづいて、住宅ローンの返済方法についてみていきましょう。返済方法については以下の項目をチェックしていきます。
- 元利均等返済だけか?元金均等返済も可能か?
- ボーナス払いも可能か?可能な場合は借入額の何%までOKか?
- 返済口座の指定
- 返済日の指定
元利均等返済だけか?元金均等返済も可能か?
住宅ローンの返済方法は2種類あります。1つは一般的な元利均等返済です。もう一つは元金均等返済です。
フラット35では、元利均等返済、元金均等返済とも選べるようになっています。
元利均等か元金均等か、どちらの方が有利かについてはこちらの記事を読んでください。
元利?元金?住宅ローン2つの返済方法、どちらを選ぶべきか?
ボーナス払いも可能か?可能な場合は借り入れ額の何%までOKか?
住宅ローンは毎月一定の金額を返す他、ボーナスの時に増額して返済し、毎月の返済額を抑えるボーナス払いという支払い方もできます。
ほとんどの銀行でボーナス払いも可能です。しかし、銀行によって住宅ローン借入額の何%までボーナス払いが可能かが違います。
フラット35の場合、借入総額の40%まで可能
ボーナス払い有りとボーナス払い無し、どちらがお得なのか?
ここで少し気になるのは、住宅ローンはボーナス払い有りの方が得なのか?それともボーナス払い無しの方が得なのか?ということです。
そこで、計算してみました。計算の条件は以下の通りです。
- 借り入れ額:3,000万円
- 返済期間:35年
- 金利:1.54%(試算用の仮の金利。現在の実勢より低い水準です)
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス払いの割合:10%〜40%で10%刻み
優良住宅ローンのフラット35ボーナス払いの比較
| 0% | 10% | 20% | 30% | 40% | |
|---|---|---|---|---|---|
| 総返済額 | 38,826,354円 | 38,835,783円 | 38,845,105円 | 38,854,579円 | 38,863,888円 |
| 9,429円 | 18,751円 | 28,225円 | 37,534円 |
この計算結果を見ると、ボーナス払いの割合を増やすほど総返済額は少しずつ増えるという結果になりました。ボーナス払いにすると毎月の返済額が減る分、元金の減りが遅くなり、全体で支払う利息が多くなるためです。金利が高いほどこの差は大きくなるので、ボーナス払いは「毎月の返済を無理なく抑えたいとき」に絞って使うのがおすすめです。
住宅ローン返済口座の指定はあるの?
続いては、住宅ローン返済口座の指定があるかどうかです。返済口座の指定があれば、借りている銀行に口座を作ってそこで住宅ローンの返済をすることが必要になります。
当時の優良住宅ローンは、ゆうちょ銀行や一部金融機関を除き、ほとんどの銀行を返済口座へ指定できた
銀行のフラット35は返済口座を自行に指定することが多いのに対し、当時の優良住宅ローンは返済口座を比較的自由に選べました。いま申し込む金融機関でも、給与口座から返済できるか、返済用に口座を作る必要があるかは、毎月の手間に直結するので確認しておきましょう。
住宅ローンの返済日はいつ?指定できるの?
住宅ローンの返済日、つまり住宅ローンの引き落としをされる日は銀行によって違います。
当時の優良住宅ローンの返済日は5日(いまは申込先の金融機関ごとに確認)
火災保険について
ほとんどの銀行では、住宅ローンを借りるためには火災保険への加入を必須としています。また、銀行によっては火災保険の団体割引制度がある場合もあります。
フラット35を借りる場合は火災保険への加入が必須
火災保険の団体割引制度はあるの?
金融機関によっては特定の保険会社の火災保険であれば団体割引を利用できる場合があります。団体割引を利用できれば、普通に損害保険の代理店で加入するよりも有利な条件で加入できます。
当時の優良住宅ローンでは、東京海上日動の火災保険が5%、あいおいニッセイ同和の火災保険が10%の団体割引で加入できました。
団体割引の有無は申込先の金融機関によって異なります。割引があっても補償内容が合わなければ意味がないので、水災補償の要否など補償の中身をそろえたうえで、他の保険会社の見積もりとも比べるのがおすすめです。火災保険の選び方は住宅ローンの火災保険は自分で選んで節約|補償の選び方をFP解説で詳しくまとめています。
団体信用生命保険について
団体信用生命保険とは、住宅ローンの借り主が死亡や高度障害状態になれば住宅ローンの支払いを免除してくれるという保険です。ほとんどの銀行で住宅ローンを借りる場合は団体信用生命保険への加入が必須になっています。
フラット35の団体信用生命保険(新機構団信)は任意加入。加入しないで借りることもできる
フラット35の団信の引き受け保険会社は借入金融機関や地域によって違う
団体信用生命保険も保険なので、保険会社によって引き受け基準が違います。A保険会社では通らなかったけどB保険会社なら通るということもあります。
健康状態に不安がある場合、団信の引き受け保険会社を変えて審査を受けてみると通ることがありますので、以下に金融機関や地域毎の団信の引き受け保険会社を掲載しておきます。
| 金融機関 | 都道府県 | 保険会社 |
|---|---|---|
| モーゲージバンク | 全国 | 住友生命 |
| 銀行など | 北海道 | 明治安田 |
| 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 | 明治安田 | |
| 栃木・群馬・新潟・長野 | 太陽生命 | |
| 東京・神奈川・茨城・埼玉・千葉・山梨・静岡 | 日本晴明 | |
| 岐阜・愛知・三重 | 明治安田 | |
| 富山・石川・福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 | 第一生命 | |
| 鳥取・島根・岡山・広島・山口 | 富国生命 | |
| 徳島・香川・愛媛・高知 | 住友生命 | |
| 福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島 | 第一生命 | |
| 沖縄 | 三井生命 |
フラット35の団信の引受保険会社は、取り扱う金融機関によって異なります(かつて優良住宅ローンでは住友生命が引き受けていました)。同じフラット35でも申込先で引受保険会社が変わるため、健康状態に不安がある場合は、この点も確認しておくと安心です。
健康状態に問題があって団信に通らない場合の対処方法などはこちらの記事にまとめてありますので興味があれば読んでください。
糖尿病の人が団信の問題を解決して住宅ローンを借りる4つの方法
フラット35の場合は、団信に加入せずに団信の保険料を節約するという裏技が使える
フラット35では、団信への加入は任意です。健康上の理由やその他の事情で新機構団信に加入しない場合は、新機構団信付きの借入金利から年0.2%低い金利で借りられます。
いまの団信の費用は金利に含まれているため、「年0.2%分の利息」と、団信と同じような役割を持つ生命保険会社の「収入保障保険」の保険料を比べて、どちらで備えるかを選ぶという考え方ができます。
それについて詳しくはこちらの記事でまとめたので読んでみてください。
たったこれだけ?住宅ローンを団信なしで借り、50万円節約する裏ワザ
3大疾病保障など特別な保障の団体信用生命保険に加入できるか?
基本的に団体信用生命保険の保障は死亡と高度障害のみです。しかし、その他にも3大疾病保障や8大疾病保障がついた団体信用生命保険もあります。
フラット35では新3大疾病付機構団信を選べる(加入時満51歳未満)。ただし、借入金利は新機構団信より高くなる
3大疾病保障の保険料はいくらか?
3大疾病保障を追加すると、その分の費用が増えます。以下は、団信の費用を金利とは別に「特約料」として支払っていた旧制度(2017年9月以前の申込み)で、借り入れ額ごとに試算した参考値です。いまは費用が金利に含まれる仕組みなので、金額の目安としてご覧ください。
試算条件は以下の通りです。
- 返済期間:35年
- 金利:1.54%(試算用の仮の金利)
- 返済方法:元利均等返済
フラット353大疾病団信保険料
| 2,000万 | 2,500万 | 3,000万 | 3,500万 | |
|---|---|---|---|---|
| 8大疾病保険料 | 734,400円 | 918,100円 | 1,101,400円 | 1,285,200円 |
団信の3大疾病保障は、一般の生命保険会社で同じような保障を掛けるより割安なことが多いです。ただ、その費用を払ってまで保障が欲しいかどうかは、すでに加入している医療保険・がん保険との重なりも含めて考えてみましょう。がん保障の考え方はがんで住宅ローンが払えない…を防ぐ団信の選び方|がん50%・100%保障を比較も参考にしてください。
健康状態に不安がある場合にワイド団信への申し込みができるか?
団体信用生命保険は生命保険なので、加入に当たっては健康状態の審査があります。もし、持病を持っているなど健康状態に問題があれば団信に加入できず住宅ローンを借りられないということもあります。その場合、一般の団信よりも引き受け基準が緩いワイド団信への申し込みができる銀行とできない銀行があります。
フラット35はワイド団信の利用はできない
このため、健康状態に不安があってフラット35の団信に加入できない場合は、別の引き受け保険会社を使っている金融機関の団信を検討するか、ワイド団信を扱う民間の住宅ローンの審査を受けてみる方法があります。なお、フラット35は団信の加入が任意なので、団信に加入しないで契約することも可能です。
住宅ローンはいくらまで借りられるのか?
銀行によって住宅ローンの最低貸出額と最大貸出額の設定が異なります。
フラット35の借入可能額は100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)です(2026年4月実行分から限度額が引上げられました)
住宅ローンの使い道は?
借りたお金をどう使えるかも銀行によって制限が違います。
新築、中古住宅、中古住宅の購入を伴うリフォーム、外構などの建物に付随する費用、セカンドハウスに利用可能。一定の諸費用も借入の対象にできる。
住宅の工事代金や売買代金の契約書に含まれていれば、備え付けの家具や照明器具の購入資金も借入の対象になるとされています。契約書に含まれない家具や家電は対象になりません。
かつてのフラット35は諸費用を借りられませんでしたが、現在は住宅金融支援機構の融資条件で一定の諸費用も借入の対象にできます。どの費用が対象になるかは取扱金融機関によって扱いが異なるため、見積書の段階で「どこまでフラット35に含められるか」を申込先に確かめておくと、手元に残す現金の計画が立てやすくなります。
一方で、契約書の金額を実際より高く見せて借入額を増やすことは、【フラット35】の不適正な利用にあたります。住宅金融支援機構も不適正利用への注意を呼びかけており、発覚すれば一括返済を求められるおそれもあるため、絶対に行わないでください。
借り入れできる地域
銀行によって貸し出し対象にしている地域に違いがあります。
借入は全国OKで、借地、保留地も対象になる。
住宅ローンの返済期間
住宅ローンの返済期間も銀行によってまちまちです。
15年以上35年以下(申込時60歳以上の方は10年以上)。ただし、完済時の年齢は80歳まで。
つまり、最長の返済期間は「35年」と「80歳-申込時の年齢(1年未満は切り上げ)」のどちらか短い方です。たとえば申込時に50歳6か月の方なら、80歳-51歳で最長29年の借入になります。
住宅ローンの審査基準について
住宅ローンの審査基準は銀行によってまちまちですが、フラット35には住宅金融支援機構が定めた共通の融資条件があります。審査を受けるための主な条件は以下のとおりです(【フラット35】ご利用条件)。
- 年齢:申込時満70歳未満(新3大疾病付機構団信を選ぶ場合は加入時満51歳未満)
- 年収:年収に占める全借入の年間返済額(総返済負担率)が、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下
- 団信加入:任意(加入しない場合は金利が年0.2%低くなる)
- 国籍:日本国籍、または永住許可を受けている方・特別永住者
- 勤続年数:機構の融資条件には定めなし(勤務状況は金融機関の審査で確認)
- ペアローン:取扱金融機関により異なる
- 収入合算:可能(合算できる人の条件は取扱金融機関で確認)
- 親子リレー返済:利用可能(利用することで70歳以上の申し込みも可能になる)
- 保証人・保証料:不要
となっています。
ペアローンと収入合算の違いについて
ペアローンと収入合算も夫婦などが収入を合わせて住宅ローンを借りるので同じように見えるかもしれませんが、中身が違います。どう違うのか表で説明します。
| ペアローン | 収入合算 | |
|---|---|---|
| 住宅ローンの契約 | 2つ | 1つ |
| 団体信用生命保険 | それぞれの住宅ローンの借入額に対して保障有り | 住宅ローン契約者に対しのみ |
| 住宅ローン控除 | それぞれが受けられる | 住宅ローンの契約者のみ |
夫婦でバリバリ働いているという場合は両方が住宅ローン控除を受けたり団体信用生命保険の保障を受けたりするためにペアローンに。
夫婦とも働いているけど、奥さんもしくはご主人がパート程度で税金も払っていないし扶養の範囲だという場合は収入合算にするといいです。
親子リレー返済について
フラット35は、どの取扱金融機関でも親子リレー返済を利用することができます。
親子リレー返済とは、親と子(後継者)の2代で返済していく仕組みです。親が返済を始め、途中から子どもが引き継ぎます。
この場合、親子で収入合算して審査を受けることができ、返済年数は子どもの年齢で計算するので、長く借り入れすることができます。
親子リレー返済について詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
フラット35の押さえるべき特徴19個とメリットデメリットに諸費用
つなぎ融資を受けられるかどうか
注文住宅を建てる場合はつなぎ融資が必要になる場合がほとんどです。つなぎ融資を受けられるかどうかも銀行によって違います。
当時の優良住宅ローンは独自のつなぎ融資を用意していた
フラット35は融資実行が「引き渡し時(住宅の完成時)」になるため、注文住宅などで土地代金や着工金・上棟金が先に必要な場合は、その間の資金を立て替える「つなぎ融資」が必要になることがあります。
つなぎ融資は取り扱う金融機関ごとに金利・手数料が異なります(かつて優良住宅ローンも独自のつなぎ融資を用意していましたが、フラット35事業の譲渡にともない、現在はSBIアルヒの「フラットつなぎ」など各金融機関の商品で確認することになります)。
フラット35のつなぎ融資の金利や手数料について
つなぎ融資を利用する場合は金利や手数料がかかります。金利・手数料は商品ごとに違うため、ここでは仮に次の条件で考えてみます。
- つなぎ融資の金利:年3.0%(仮の金利)
- つなぎ融資手数料:1回ごとに55,000円+借入金額×0.4%(仮の手数料)
金利と手数料だけを見ても実際にいくら払うのかがイメージしにくいと思うので計算します。
計算条件は以下の通りです。
- つなぎ融資で借りる金額:土地代1,000万円、着工金700万円、中間金700万円
- つなぎ融資を借りる期間:土地購入から6ヶ月、着工から4ヶ月、中間金から2ヶ月
まず、つなぎ融資の利息を計算します。
- 土地:1,000万円×3.0%÷12ヶ月×6ヶ月=150,000円
- 着工金:700万円×3.0%÷12ヶ月×4ヶ月=70,000円
- 中間金:700万円×3.0%÷12ヶ月×2ヶ月=35,000円
続いて、つなぎ融資の手数料を計算します。
- 土地:1,000万円×0.4%+55,000円=94,000円
- 着工金、中間金:700万円×0.4%+55,000円=82,000円(×2回)
計算した結果を全部足すと、利息255,000円+手数料258,000円で513,000円になります。これがつなぎ融資にかかる利息と手数料の目安で、金利が上がるほど利息の部分が膨らみます。
このつなぎ融資にかかる利息や手数料を減らす裏ワザがあるので紹介しておきます。
フラット35でつなぎ融資を利用する3つの方法と30万円得する裏ワザ
住宅ローンの繰上返済はどうなの?
住宅ローンを繰上返済して早く完済しようとしてるならば、住宅ローンの繰上返済の条件もチェックしておくべき項目です。フラット35の繰上返済の条件等について説明します。
繰上返済に必要な金額
銀行によって繰上返済をするために必要な最低金額はまちまちです。
フラット35の場合、インターネットを通して繰上返済する場合に必要な金額は10万円。金融機関の窓口の場合は100万円
繰上返済をするのに必要な手数料
住宅ローンの繰上返済をする時に、手数料が必要な場合があります。そして、手数料の金額も銀行によってまちまちです。
フラット35の場合、繰上返済にかかる手数料などは一部、全額問わず無料
繰上返済の手数料は、窓口でも住・My Noteでもかかりません。こまめに繰上返済するたびに手数料がかかると効果が薄れてしまうので、無料なのは有利です。
ただし、繰上返済で手元資金を減らしすぎると、急な出費に対応できなくなります。フラット35の金利が3%台になった今は繰上返済で減らせる利息も大きくなる一方、住宅ローン控除や教育費とのバランスもあるので、どちらを優先するかは家計全体で考えましょう。繰上返済をしない選択肢の考え方は次の記事にまとめています。
本当に賢い住宅ローン返済方法は、繰上げしない、長く借りる、なぜ?
遅延損害金について
住宅ローンを決められた返済日までに支払えなかったり、引き落としができなかったりすると遅延損害金がかかります。
フラット35の遅延損害金は年14.5%(1年を365日とする日割計算)とする取扱金融機関が一般的
14.5%と言われてもピンと来ないと思うので、金額に直してみます。仮に、延滞した返済額が10万円だと、1年遅れると14,500円の遅延損害金になります。1日あたりに直すと約39.7円で、1週間遅れると約278円の遅延損害金がかかる計算です。
金額に直すとあまり高額ではありませんが、住宅ローン返済が遅れたりすると個人信用情報に登録されることもあり、住宅ローンの借換や他のローンを借りるときに不利になります。きちんと返済日に返すようにしておきましょう。
住宅ローン借り入れ額、返済年数、金利タイプ毎による損得を比較
ここでは参考として、優良住宅ローンで借りられた当時の手数料(借入額×0.8%)と仮の金利で、借入額・返済年数ごとの総支払額と、フラット35SのAプランを使った場合の差を試算した結果をお伝えします。金利は現在の実勢より低い仮の水準なので、金額そのものではなく「返済年数や金利引下げでどれくらい差がつくか」を見る材料としてご覧ください。
試算条件は以下の通りです。
- 借り入れ額:1,500万、2,000万、2,500万、3,000万円
- 返済期間:15年、20年、25年、30年、35年
- 返済方法:元利均等返済
- 繰上返済:無し
- 融資手数料:借り入れ額×0.8%
- 団信保険料:フラット35の団信で計算、3大疾病などの特約は無し
- 金利について:仮の金利として、返済年数20年以下は1.31%、21年以上は1.54%で計算。いずれも融資率は9割以下で計算
- フラット35SのAプランも計算結果に入れる
※計算結果に関しては一応確認していますが、心配な場合はご自身でもう一度計算し直して下さい。
住宅ローン借り入れ額1,500万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を1,500万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
| 1,500万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
|---|---|---|---|
| 15年 | ¥2,077,144 | ¥1,678,660 | ¥1,439,536 |
| 20年 | ¥2,752,546 | ¥2,326,587 | ¥2,022,485 |
| 25年 | ¥3,925,130 | ¥3,479,492 | ¥3,127,153 |
| 30年 | ¥4,736,014 | ¥4,276,283 | ¥3,891,068 |
| 35年 | ¥5,565,098 | ¥5,093,293 | ¥4,682,128 |
住宅ローン借り入れ額2,000万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を2,000万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
| 2,000万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
|---|---|---|---|
| 15年 | ¥2,769,492 | ¥2,238,146 | ¥1,919,248 |
| 20年 | ¥3,670,028 | ¥3,102,082 | ¥2,696,680 |
| 25年 | ¥5,233,607 | ¥4,639,489 | ¥4,169,204 |
| 30年 | ¥6,315,286 | ¥5,701,577 | ¥5,187,957 |
| 35年 | ¥7,419,998 | ¥6,790,790 | ¥6,242,770 |
住宅ローン借り入れ額2,500万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を2,500万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
| 2,500万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
|---|---|---|---|
| 15年 | ¥3,461,940 | ¥2,797,633 | ¥2,398,760 |
| 20年 | ¥4,587,611 | ¥3,877,478 | ¥3,370,474 |
| 25年 | ¥6,542,184 | ¥5,799,086 | ¥5,211,756 |
| 30年 | ¥7,893,957 | ¥7,126,872 | ¥6,485,047 |
| 35年 | ¥9,274,897 | ¥8,488,488 | ¥7,803,113 |
住宅ローン借り入れ額3,000万円の場合
住宅ローンの借り入れ額を3,000万円に設定し、返済年数15年、20年、25年、30年、35年とした場合、それぞれの金利タイプ毎の総支払額(住宅ローンの利息+事務手数料)の比較は以下の通りです。
| 3,000万円 | Sなし | Bプラン | Aプラン |
|---|---|---|---|
| 15年 | ¥4,154,288 | ¥3,357,120 | ¥2,878,571 |
| 20年 | ¥5,505,193 | ¥4,652,973 | ¥4,044,769 |
| 25年 | ¥7,850,460 | ¥6,958,783 | ¥6,253,807 |
| 30年 | ¥9,472,629 | ¥8,551,866 | ¥7,782,236 |
| 35年 | ¥11,129,797 | ¥10,186,085 | ¥9,363,655 |
フラット35はどこで借りる?手数料・つなぎ融資・キャンペーンまで含めて総支払額で選ぶ
フラット35は同じ商品名でも、取り扱う金融機関ごとに金利・事務手数料・付帯サービスが異なります。かつては手数料の安い優良住宅ローンが有力候補でしたが、現在は同社のフラット35事業を引き継いだSBIアルヒや、ドコモSMTBネット銀行、地元の地方銀行・信用金庫など、いま取り扱っている金融機関の中から比べて選ぶことになります。
徳島のように地元の金融機関が身近な地域では、窓口で相談できる安心感と、手数料の差を天秤にかけて考えるとよいでしょう。
また、住宅金融支援機構は楽天グループと連携し、2026年10月1日から「フラットすまい・るポイント」を開始します。2026年10月1日以降に【フラット35】(買取型・保証型。【フラット20】【フラット50】を含む)を借り入れた方が対象で、借り換えも対象です。
借入日から6か月以内にポイント申請サイトからの申請が必要(申請しないと付与されません)で、借入金額等に応じた楽天ポイントが進呈されます。ポイント数などの詳細は機構の特設サイトに掲載されています。もっとも、ポイントはあくまで“おまけ”です。全期間固定の金利水準・事務手数料・団信の中身を比較して選ぶのが本筋であることは変わりません。
また、地域限定で行っているキャンペーンでフラット35の融資手数料が無料だったり、ハウスメーカー限定でフラット35の手数料が無料だったり割安だったりということがあります。
とくにつなぎ融資は金融機関によって手数料に差があります。つなぎ融資が必要な場合は、フラット35本体の金利・手数料だけでなく、つなぎ融資の利息や手数料まで含めた総額で、最終的にどこで借りるかを判断しましょう。年収ごとの借入額の目安は年収別の住宅ローン借入可能額と目安額|フラット35で試算で確認できます。
※金利・手数料・キャンペーンなどの最新の条件は、申込先の金融機関や住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。