注文住宅でフラット35を利用するならつなぎ融資が必要

「土地を先に買って、それから家を建てたいのですが、お金の流れはどうなりますか?」——FPとして、注文住宅を検討中の方からよくいただくご相談です。建売住宅や中古住宅を購入する場合は、つなぎ融資・つなぎローンという言葉を耳にすることすらないと思いますが、注文住宅でマイホームを建てる場合は、住宅が完成する前に土地代金や着工金、中間金などの資金が必要になります。ここでつまずく方がとても多いので、仕組みからていねいに整理していきましょう。

フラット35や住宅ローンは、完成した建物を担保にして融資する商品です。家がまだ完成していない状態では利用することができません。

土地代金や着工金などをすべて手持ちの現金で払える方はつなぎ融資とは無縁ですが、そもそもそれだけの現金がある方はフラット35を借りる必要もないでしょう。

多くの方は、つなぎ融資(つなぎローン)という商品を利用することになります。

つなぎ融資とはなにか?

つなぎ融資の仕組みのイメージ図

引用;ARUHI公式サイト

フラット35などの一般的な住宅ローンは、原則として物件の引き渡し時に融資されます。注文住宅は「自分が工務店に家を建てることを発注する」ものなので、建物が完成したときにまとめてお金を払うのではなく、要所要所で工務店に工事代金を払う必要があります。さらに、その建物を建てる土地の代金も建物完成前に支払う必要があります。このように、マイホームが完全に出来上がるまでの間の資金繰りをまかなうための融資のことを、つなぎ融資といいます。

マイホームを引き渡してもらうまでの、比較的短期間の「つなぎ」の資金のための商品なので、つなぎ融資という名前になっています。

ARUHIのフラット35はつなぎ融資に対応!

フラット35の取扱最大手のARUHI(運営会社は2024年1月にアルヒ株式会社からSBIアルヒ株式会社へ商号変更。住宅ローン商品・店舗名には引き続き「ARUHI」を使用)では、スーパーフラットなどの独自商品をはじめ、フラット35リノベや子育て支援型・地域活性化型など地方公共団体と連携した商品も取り扱っています。
全国に店舗を展開しつつ、ARUHIダイレクトでネット完結型のサービスも提供し、店舗を活用したい人、ネットで来店を避けたい人など、さまざまなニーズに応えてくれます。徳島のように店舗が限られる地域でも、ネット申し込みで検討しやすいのは心強い点です。
そうしたARUHIではつなぎ融資(ARUHI 変動つなぎなど)にも対応しており、注文住宅でマイホームを建てようとしている方には検討してほしい住宅ローンの一つです。

ARUHIのフラット35の最新情報はこちら

フラット35を利用する場合のつなぎ融資の流れ

では、フラット35を利用する場合に、つなぎ融資を受ける流れを説明します。ここでは「土地を購入して注文住宅を建てる」パターンで見ていきましょう。

1.購入する土地を決めて契約する

土地を決めた段階で、どこのハウスメーカーや工務店で家を建てるかが決まっていなかった場合、まずは土地だけを購入することになります。(すでに土地をお持ちの場合は、このステップはなくなります。)

まず、この土地代を現金で支払えない場合に、つなぎ融資を利用することになります。

ちなみに、どこでどんな家を建てるかを決める前に土地選びだけを進めてしまうのは失敗のもとです。ある程度の出来上がりのイメージを持ってから土地を探すようにしましょう。

2.土地代の融資を受ける(つなぎ融資)

土地だけを購入する場合、フラット35は使えません。土地だけでも融資を受けられる住宅ローンを利用することになります。地元の地方銀行や信用金庫だと相談に乗ってもらいやすい印象です。

土地代だけを別の住宅ローンで借りているのに、フラット35を利用できるのか?と思われるかもしれませんが、問題ありません。詳しくは後述します。

3.建物の契約をしたらフラット35の審査を受ける

土地を購入し、建物の契約をしたら、フラット35の審査を受けられるようになりますので審査を受けます。

4.着工金や中間金の融資を受ける(つなぎ融資)

着工金や中間金の支払いを求められた場合で、現金で払えないときは、つなぎ融資を受ける必要があります。利用するつなぎ融資のパターンは後述します。

5.引き渡しの時にフラット35の融資を受ける

建物が引き渡されるときにフラット35の融資が実行され、翌月もしくは翌々月から住宅ローンの返済が始まります。このタイミングで、それまでのつなぎ融資はフラット35の資金で精算されるのが一般的です。

フラット35でつなぎ融資を利用する方法

申込先の金融機関が提供するつなぎ融資を利用する

フラット35は原則としてつなぎ融資の段階では利用できませんが、フラット35を取り扱う銀行や金融機関であれば、基本的に独自のつなぎ融資を用意しています。それを利用して、つなぎの資金手当てを行うのが一般的な方法です。

金融機関によってつなぎ融資の金利や手数料が違うので要注意!

同じフラット35向けのつなぎ融資でも、金利や手数料は銀行・金融機関によって違うので注意が必要です。例えば、フラット35大手のARUHI(SBIアルヒ)や楽天銀行では、つなぎ融資の事務手数料の体系が次のようになっています(2026年6月時点・各社公式で確認)。

金融機関つなぎ融資の事務手数料(税込)つなぎ融資の金利
楽天銀行110,000円(1回目のつなぎ融資時のみ。2回目以降は不要)毎月見直し(お借入時の金利を適用)
ARUHI(SBIアルヒ)「110,000円」または「55,000円+融資金額×0.803%」の安いほうを選択商品・実行時期により異なる

※2026年6月時点。事務手数料は各社公式で確認した体系です。つなぎ融資の金利は毎月見直され、お借入時の金利が適用されます。金利上昇局面では、つなぎ融資の金利も上がる傾向があるため、最新の適用金利は必ず各社公式サイトでご確認ください(出典:楽天銀行・SBIアルヒ公式)。

つなぎ融資の手数料や利息を計算する方法

銀行や金融機関で手数料や利息が違うので、必ず比較するようにしましょう。それも、フラット35を申し込む先を探している早い段階から、つなぎ融資も加味して選ぶことが大切です。FPとしても、住宅ローン本体の金利だけで申込先を決めてしまい、後からつなぎ融資のコストに驚く方を何度も見てきました。

比較をするためには、トータルで手数料や利息がいくらになるのかを計算できる必要があります。ここでは手数料や利息の計算方法を紹介しますので、参考にしてください。

1.つなぎ融資ごとの1ヶ月の利息を計算する

土地代金1,000万円、着工金700万円、中間金700万円の3回つなぎ融資を受ける場合で説明します。ここでは、つなぎ融資の金利を1.73%と仮定します(実際の金利は実行時期により異なります)。

つなぎ融資ごとの1ヶ月の利息の計算は以下の通りです。

  • 1,000万円×1.73%÷12ヶ月=14,417円
  • 700万円×1.73%÷12ヶ月=10,092円

つまり、土地を買ってから引き渡しまでの間、1ヶ月ごとに14,417円の利息がかかるということです。

2.つなぎ融資を受ける期間を調べる

1ヶ月あたりの利息を計算できたら、次はつなぎ融資を受ける期間を調べましょう。調べ方は、ハウスメーカーや工務店の担当者に聞くのが確実です。「着工から引き渡しまでどれくらいかかりますか?」「中間金を払ってから引き渡しまでどれくらいかかりますか?」と聞けば大丈夫です。

今回の例では、土地を買ってから6ヶ月、着工してから4ヶ月、中間金を払ってから2ヶ月で引き渡しされるとします。すると、つなぎ融資の利息は以下の通りになります。

  • 土地代金:14,417円×6ヶ月=86,502円
  • 着工金:10,092円×4ヶ月=40,368円
  • 中間金:10,092円×2ヶ月=20,184円
  • 合計:147,054円

つなぎ融資の利息は合計147,054円になります。

3.つなぎ融資の手数料を足す

つなぎ融資を受ける場合、利息だけではなく融資手数料がかかることが多いです。そのため、つなぎ融資の手数料も計算します。今回の例では、ある金融機関の手数料体系(毎回55,000円+融資額の0.4%)を使って計算します。

  • 土地代金:10,000,000円×0.4%+55,000円=95,000円
  • 着工金:7,000,000円×0.4%+55,000円=83,000円
  • 中間金:7,000,000円×0.4%+55,000円=83,000円
  • 合計:261,000円

つなぎ融資の手数料は全部で261,000円になります。

4.利息と手数料を足す

つなぎ融資の利息と手数料を計算できたら、それを足します。今回の例では、利息が147,054円、手数料が261,000円、合わせて408,054円かかる計算になります。住宅ローン本体とは別に、これだけの費用が上乗せされるイメージです。

つなぎ融資のお金は利息と手数料を引かれて振り込まれるので要注意!

つなぎ融資のお金が振り込まれるときは、利息と手数料があらかじめ差し引かれて振込されることがあります。例えば、上の例で土地代金のつなぎ融資を受ける場合、1,000万円から先に利息と手数料が差し引かれて振込額が目減りすることがあります。

そうなると、差し引かれた分は手持ちのお金で払う必要があります。そのため、土地代金を現金で支払ってしまって手元がスッカラカン、という状態にならないように気をつけましょう。FPとしては「諸費用ぶんの現金は別に確保しておく」ことを強くおすすめします。

つなぎ融資に関するよくある質問(FAQ)

Q. つなぎ融資はどんな人に必要ですか?
A. 主に注文住宅を建てる方で、土地代金・着工金・中間金などを引き渡し前に現金で払えない方に必要です。建売住宅や中古住宅の購入では、原則として引き渡し時に一括で住宅ローンが実行されるため、つなぎ融資は不要なことがほとんどです。

Q. つなぎ融資の金利は住宅ローンの金利と同じですか?
A. 別ものです。つなぎ融資には、その金融機関が定めるつなぎ融資専用の金利が適用されます。多くの金融機関で金利は毎月見直され、お借入時点の金利が適用されます。2026年は金利の上昇局面にあるため、最新の適用金利は必ず各社公式サイトで確認してください。

Q. 土地代を地元の銀行で借りても、建物はフラット35を使えますか?
A. 使えるケースが多いです。土地先行取得の資金を別の金融機関で借り、建物の完成時にフラット35で精算する流れも一般的です。ただし金融機関ごとに取り扱いが異なるため、申し込み前に「つなぎ・土地先行のお金をどう手当てするか」を必ず相談しておきましょう。

Q. 地方在住でも、ネット銀行のつなぎ融資は使えますか?
A. 利用できます。徳島のように店舗が近くにない場合でも、楽天銀行やARUHIダイレクトのようにネット中心で完結できる選択肢があります。一方で、土地だけの先行融資は地元の地方銀行・信用金庫のほうが相談しやすい面もあるため、両方を比較して使い分けるのがおすすめです。

まとめ

つなぎ融資も、住宅ローンの一部だと考えてください。

最初からつなぎ融資を利用することが分かっているのであれば、つなぎ融資にかかる利息や手数料も計算に入れて住宅ローンを比較しましょう。

住宅ローンの金利や手数料を比較する方はたくさんいますが、ここにつなぎ融資にかかるお金まで含めて計算しないと、本当に有利な住宅ローンは見つけられません。とくに2026年は金利が動いている時期ですので、つなぎ融資の金利・手数料も含めて、最新の条件を各社公式で確認しながら比べるようにしましょう。判断に迷うときは、FPなど第三者の立場で家計全体を見てくれる相談相手を頼ってみてください。