銀行が変動金利と並び積極的に販売しているが、10年固定など比較的短期の固定型金利で、マイナス金利政策が導入された2016年には当初期間固定型を選んだ人の60%もの人が10年固定金利を選択していました。(住宅金融支援機構の調査より)

2016年にはりそな銀行が10年固定金利を年0.350%と、変動金利以下に引き下げ話題になりました。

銀行のホームページで最も多く記載のあるのが、変動金利と10年固定金利であり、銀行がそれだけ目玉として売りたい金利タイプだと言えます。

10年固定金利のデメリットとして「銀行によって」ですが、10年経過後に金利が急上昇するトリッキーな仕組みの住宅ローンも存在していること。もしかすると本ページにたどり着いた方の中にはすでに急上昇した金利が適用され解決策を探している方もいらっしゃるかもしれません。

本ページでは当初期間固定タイプの住宅ローンの仕組みとデメリットについて確認し、最後に解決策としての住宅ローン借り換えについて試算をしていきたいと思います。

当初期間固定型住宅ローンのシェア

当初期間設定型の住宅ローンとは?

当初期間設定型の住宅ローンは予め決められた期間の金利割引幅を拡大して、その期間の返済額を減らすことを目的とした固定金利で、一般的に2年から35年固定まで幅広い年限の金利が提供されています。

マイホーム購入後、一定期間の住宅ローン返済額を抑えたいなどの方に一定の支持があるタイプの住宅ローンとなります。

この金利は、スーパーの折込チラシに掲載されている「特価品」のような扱いで、銀行としては、期間経過後の金利で金利を稼ぐという考え方である点に注意が必要です。

メガバンクでは期間経過後の、金利引き上がり幅が紳士的ですが、住信SBIネット銀行ではかなり大きな上昇幅になっており、銀行ごとにこの引き上げ幅は異なるので注意が必要です。(本ページの最後の銀行ごとの引き上げ幅がどの程度なのかまとめてあります)

当初期間設定型の住宅ローンは原則的に期間経過後は変動金利に移行されます。

住宅ローンの期間設定型(当初期間引下げ型)の説明

当初期間経過後の金利と総返済額

次に当初期間経過後の金利と返済額を比較してみたいと思います。2020年10月に10年固定金利を利用し、10年経過後から変動金利に移行した場合のそれぞれの月々の返済額と総返済額の違いを、住宅ローン最大手の三菱UFJ銀行、ネット銀行最大手の住信SBIネット銀行で借りた場合の比較を行ってみます。※4000万円を35年返済

 三菱UFJ銀行

住信SBIネット銀行

当初10年間の金利と月々返済額

年0.840%(プレミアム住宅ローン)

109,956円

年0.66%(当初引下げプラン)

106,687円

10年経過後の金利と月々返済額

年0.975%(変動金利)

111,794円

年2.075%(変動金利)

126,014円

総返済額46,729,354円50,568,165円
差額 +3,844,811円

三菱UFJ銀行は当初期間経過後の金利引き上げ幅がさほど大きない一方、住信SBIネット銀行の場合には変動金利が年2.075%という驚くべき数字になります。2020年10月適用金利で住信SBIネット銀行の変動金利は年0.44%(通期引下げプラン)ですので、この差はかなり大きいものとなっています。

こうして両行を比較すると10年目以降の金利差が大きいため、総返済額で380万円もの違いがでます。

当初期間引下げタイプの仕組みを理解せず、住信SBIネット銀行の住宅ローンを10年固定で借りた場合にはなんとも残念な結果となることがお分かりいただけると思います。

当初期間の安く見える住宅ローン金利に踊らされること無く、商品性を理解することが極めて重要です。

残念ながらすでにこうした住宅ローンを契約している場合には、早めに借り換えを行うことが大切になります。上記の事例であれば、金利が安くないメガバンクとの比較で380万円もの差が出ることになるので。

当初期間経過後の借り換えのメリットはどのくらい?

事例として繰り返し名前を利用させてもらいますが、住信SBIネット銀行で2020年10月に10年固定金利を借り、そのまま変動金利に移行して25年間の返済を続けるパターンとソニー銀行と新生銀行に借り換えた場合の総返済額をシミュレーションしていきたいと思います。10年後の住宅ローン残高を約2950万円として計算しています。

なお、25年後にも現在と同じ金利水準である前提としています。

 住信SBIネット銀行ソニー銀行新生銀行
10年経過後の残高2,950万円
借り換えの諸費用※1なし180,000円※2200,000円

事務手数料(税込)

なし44,000円55,000円
金利年2.075%0.807%(住宅ローン)0.650%(変動金利(半年型)タイプ)
月々の返済額126,116円108,618円106,565円
総返済額37,865,909円32,594,330円31,976,385
総額37,865,909円32,818,330円32,231,385円
  -5,047,579円-5,634,524円

※1 登記費用、司法書士費用など

※2 ソニー銀行は電子契約を導入しているため印紙代が2万円削減

ソニー銀行、新生銀行いずれに借り換えても500万円を超えるメリットがあることになります。

こうした差額が出るのも、住信SBIネット銀行の当初期間経過後の金利の上昇幅が極めて大きいためです。全国区の銀行でここまで大きな金利上昇幅のある住宅ローンを探すことは難しい状況です。

結論;住宅ローン固定金利が終わったら借り換えをしないと損?!

この結論はどの銀行で住宅ローンを契約しているかにより違ってくると言えます。

たとえば、三菱UFJ銀行の10年固定金利経過後の変動金利での月々の返済額は111,794円というのを本ページ中央で確認しましたが、前項の借り換えシミュレーションでは新生銀行に借り換えた場合でも月々の返済額は106,565円と、三菱UFJ銀行との差額は5000円ですし、借り換えに伴い約25万円程度の費用もかかり、手間もかかります。それでも完済の25年間で125万円程度の借り換え効果はあるので、ご本人の考え方に依存すると思われます。

銀行ごとの当初期間経過後の借り換え実施目安

次に、国内主要な銀行の期間経過後の金利水準と借り換えのオススメ度をまとめてあります。

銀行名借り換えオススメ度コメント
住信SBIネット銀行当初期間経過後の適用金利はで2%程度になるので借り換え必須
三菱UFJ銀行当初期間経過後の適用金利はで1%程度
三井住友銀行当初期間経過後の適用金利はで1%程度
みずほ銀行当初期間経過後の適用金利はで1%程度
横浜銀行当初期間経過後の適用金利はで1%程度
千葉銀行当初期間経過後の適用金利はで1%前後
auじぶん銀行当初期間経過後の適用金利はで1.5%程度
ソニー銀行当初期間経過後の適用金利はで1.5%程度
新生銀行×0.650%となるので借り換えは不要

 

借り換えにオススメの銀行は?

最後に借り換えにオススメの銀行を紹介したいと思います。

銀行名特徴
ソニー銀行融資事務手数料が44,000円(税込)~と業界最低水準。金利に割安感はない。がん団信50が無料で付帯。ワイド団信も取扱。
新生銀行融資事務手数料が55,000円(税込)~と業界最低水準。金利に割安感はない。
auじぶん銀行融資事務手数料が2.20円(税込)と高額だか、変動金利が業界最低水準なので、完済までの総返済額の面ではソニー銀行、新生銀行よりメリットが出る。また、がん50%保障と全疾病保障が無料で付帯。