マイホームの相談で無料の窓口に飛びつくと失敗しやすいのは、無料の相談先の多くが住宅や保険などの販売で収益を得ていて、提案が「買う前提」「商品ありき」になりやすいからです。メールでいただいた次のお悩みをもとに、相談先の選び方をFPとしてお伝えします。
いただいた悩みは以下の通りでした。
ライフプランの作成、住宅取得予算の明確化、住宅ローン選定、住宅探し、減税など優遇措置の適用判断、他支出の見直し全般、スーモカウンター、ハウスメーカー、FP、いずれも利用して相談・検討中です。
以下、私の回答です
この記事でこれからお伝えする内容と、あわせて次の2つの記事をよく読んで決めてください。
実録!相談料の安いFPに住宅ローンを相談するとこうなる|見分け方も解説
たった1時間!頭金なしでマイホームを買うために見直すべき3つの保険
そのうえで、興味を持ったFPに相談されればいいと思います。ただ、先に2つだけアドバイスをお伝えします。
アドバイス1.相談先を増やしすぎない
選択肢を多くしすぎると、わけがわからなくなります。
おそらく、いずれの相談先も少しずつ異なるアドバイスをしてくるでしょう。そうなったときに、何がご自身にとって一番よいのか選べるでしょうか?
相談する前に「その相談先が自分に合っているのか」をまず見極めることをおすすめします。相談先ごとの立場と気をつけたいポイントを整理すると、次のようになります。
| 相談先 | 費用の目安 | 気をつけたいポイント |
|---|---|---|
| ハウスメーカー・住宅販売会社の相談窓口 | 無料が中心 | 本業は住宅の販売。保険の見直しや中立的な資金計画まで踏み込んだ提案は期待しにくい |
| 無料のFP相談サービス | 無料が中心 | 保険などの商品の販売手数料で運営されることが多く、提案が商品販売に寄りやすい |
| 独立系FP(有料相談) | 1時間5,000円〜1万円程度が中心 | 相談料はかかるが、商品販売に依存しない分、中立的な提案を受けやすい |
有料相談の相談料は、日本FP協会がCFP®・AFP認定者の設定額の調査結果を公表しており、1時間あたり5,000円〜1万円未満に設定しているFPが最も多いとされています(日本FP協会「相談料の目安」・2026年9月確認)。料金体系はFPが独自に決めているため、申し込む前に直接確かめておきましょう。
アドバイス2.「無料」には、無料である理由がある
相談費用が無料、あるいはごく少額(5万円まで)のところへ相談する場合は、「なぜ無料でやっていけるのか」を一度考えてみてください。
相談費用が無料ということは、相談以外に売るもの(収益源)があるということです。
住宅販売会社の相談窓口は家を売ることが本業ですし、無料のFP相談の多くは保険などの商品の販売手数料で運営されています。「FP」と名乗っていても、実際には商品販売が主な収益源というケースは少なくありません。
そうした窓口の提案がすべて悪いわけではありません。ただ、その仕組み上、売る商品を持たない立場からの中立的な資金計画や保険の見直しは期待しにくいのは事実です。
相談料の安さだけで相談先を選ぶと、結果的に、相談料を払って中立的なアドバイスを受けた場合よりも高くついてしまった、ということが起こりがちです。無料相談の仕組みそのものは住宅ローンのFP無料相談の仕組みと注意点でも詳しく解説しています。
ケチを卒業しない限り、マイホーム購入もあらゆる買い物も後悔が残りやすい
少し厳しい言い方になりますが、目先の損得だけを基準にお金を使うかどうかを決めていると、いつまでも損をし続けることになりかねません。
ここでいう「ケチ」とは、お金を払うかどうかの判断基準が値段が高いか安いかしかない状態のことです。値段が高ければ買わない、安ければ買う。その判断を続けている限り、買い物の失敗や後悔は残りやすくなります。
なぜでしょうか? それは、ケチったお金以上の損を、お金だけでなく時間、労力、健康、人間関係などでも被ることが多いからです。
一方で、ケチと節約は違います。節約は賢いお金の使い方です。
払うお金に対してどれくらいのメリット(価値)があるのかを見極められる人のことを節約家といいます。つまり、割安な買い物か割高な買い物かを見極められるということです。払うお金より得られる価値が上なら買う、下なら買わない、という判断基準です。
これができるようになると、マイホーム購入だけでなく、あらゆる買い物での失敗がぐっと減ります。特にマイホームのような大きな買い物や長く使うものは、「いくら払うか」ではなく「何が得られるか」を基準に判断する癖をつけたいところですね。
FPからのワンポイント:相談先を見極める3つの質問
相談先を選ぶときは、次の3点を確認してみてください。
- その相談先の収益源はどこか(相談料なのか、商品販売の手数料なのか)
- 提案の根拠を数字(キャッシュフロー表など)で示してくれるか
- 話が最初から特定の商品ありきになっていないか
徳島のような地方では、対面で相談できる独立系FPの数は都市部ほど多くありません。ただ、最近はオンラインで全国のFPに相談することもできます。「地元に相談先がないから」と無料相談だけで決めてしまう必要はありません。
相談先選びについて、よくある疑問
Q. 複数の相談先でアドバイスが食い違います。どう整理すればいいですか?
A. まず「その相談先は何で収益を上げているのか」で仕分けてみてください。住宅販売会社は家を売るため、無料のFP相談は商品を売るため、と立場が違えば提案が違うのは当然です。そのうえで、キャッシュフロー表など数字の根拠を示してくれた提案を軸に比較すると整理しやすくなります。
それでも判断がつかなければ、商品を売らない有料相談でセカンドオピニオンをとるのが近道です。
Q. ハウスメーカーが「提携FPの無料相談」を紹介してくれました。受けてもいいですか?
A. 受けること自体は問題ありません。ただ、提携FPはハウスメーカーから相談者の紹介を受ける立場なので、「その家を買う前提」で話が進みやすい点は頭に入れておいてください。予算を減らす・購入を見送るといった提案は構造的に出にくいのです。
資金計画そのものに不安があるなら、利害関係のない相談先で予算の妥当性を点検してもらうと安心です。
Q. 商品を売らない有料のFPは、どうやって探せばいいですか?
A. 日本FP協会のサイトにある「CFP®認定者検索システム」で、地域や得意分野から相談できるFPを探せます。相談料はFPごとに違うため、候補が見つかったら料金と、保険などの販売を行っているかを事前に確認しておくと、相談先の立場がはっきりします。
Q. 住宅ローンの相談だけしたい場合は、どこに行けばいいですか?
A. 資金計画全体ではなく住宅ローン選びだけを相談したいなら、住宅ローンを取り扱う金融機関や、その銀行代理業者の相談窓口を使う方法があります。たとえば「SBIマネープラザ」は、ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)とSBI新生銀行の住宅ローンを扱う銀行代理業者で、店頭やオンラインで専門スタッフに相談できます。
ここでも「取り扱う商品の中から提案される」という立場は同じなので、金利タイプや返済計画の考え方を聞く場として使い、最終的には複数の住宅ローンと比べて決めましょう。比べ方の手順は住宅ローン選びで失敗しない5つの手順にまとめています。