無料相談フォームに住宅ローンに関する相談を頂きました。
相談内容はこちらです。

 今31歳で嫁、子供が2歳と4歳の4人家族です。

名古屋市在住です。わがままですが都市部に近く、環境が良く、広く
て綺麗な家に住みたいと思っています。

1年前に起業し、今までは順調に事業が進んでおり家を買おうと思
っています。

予算は6000万くらいの建売を考えています。
住宅ローンをどこにしたらいいのか?本当に建売でいいのか?
欲を言えば1億くらいの豪邸に住みたい(実際見に行きましたが返
済が怖くて悩んでいます。)
妥協して6000万くらいの家にしようかと今は思っていて来週末
に見に行きます。

今は年収にすると2000万くらい稼げてはいるのですが、飲食店
なので本当にこの先どうなるかは不安です。
起業した際に4000万の借金をしています。
貯金は1000万くらいあります。

今、買うべきなのか、もう少し貯金をしてからなのかも悩んでいま
す。
今はマンションに住んでいるため、子供がジャンプしたり走り回れ
なくて拗ねることがあり、一軒家を買う決意をしたところです。

よろしくお願いします。

なるほど。FPとしてよくいただくタイプのご相談です。

予算は6,000万円に設定しているということですが、事業がうまくいっているなら1億円の家を買えばいいと思います。

先のことを考えても不安になるだけですし、見積もって妥協した6,000万円の家を建てる方が今後のあなたの事業にとっても人生にとっても大きなマイナスになる可能性があります。

事業主でしたら、1億円の家を買っても問題なく返済するくらい稼いでやる!という気持ちでいた方が良いと思いますがどうでしょうか?

住宅ローンについては1億円貸してくれるところを探しましょう。

自営業者に優しいフラット35は、以前は融資上限が8,000万円だったため1億円の借入には使えませんでしたが、2026年4月実行分から融資限度額が1億2,000万円に引き上げられ、1億円の借入もフラット35で申し込めるようになりました(住宅金融支援機構)。フラット35を軸にしつつ、民間の銀行にも並行して審査を申し込み、条件の良いところを選ぶとよいでしょう。

ただ、それもきちんと所得を2,000万円で確定申告している必要があります。もう一つ1年間だけの所得では住宅ローンが通りにくいので2年連続で2,000万円以上の所得を出せば確実かと思います。

それまで待たずに住宅ローンの審査を受ける場合はお店の売り上げなど、きちんと安定した収入を得られている旨銀行に説明する必要がありますね。

現状マンションで子どもが跳ねて気になるということでしたら当面は一戸建ての賃貸に引っ越し、確定申告の2年分とも所得が2,000万円以上になるまで待ち、その後1億円の住宅ローン審査を通せばいいかなと思います。

妥協すれば、妥協したなりの人生になりますよ。そんな人生にしたくて起業したんじゃないですよね。

自営業者や経営者なら多少背伸びをしてでも妥協せず満足できる家を手に入れるべきです。
そしてそれを糧に稼ぎをどんどん増やしていくといいと思います。個人事業主が住宅ローンの審査に通る方法はこちらの記事で詳しく書いています。

個人事業主・自営業者が住宅ローンの審査を通してきちんと返す5つの秘訣

開業・起業したばかりの住宅ローンについて

起業したばかりの人には多くの金融機関で住宅ローンを貸さないケースが多いのが実態です。

下記が主要な金融機関の起業したて住宅ローンに対応しているのかの一覧です。ほとんどの金融機関が3年以上の業歴を必要としています。フラット35は1年と他の住宅ローンと比較するとかなり短く設定されています。起業後、1年未満でも起業した業種が前職と継続性がある、継続的な収入が見込めると審査結果が出た場合には審査に通るとされています。

金融機関名業歴年収借入可能額
ドコモの銀行のフラット351年30万円以上8000万円
ARUHI(アルヒ)のフラット351年30万円以上8000万円
イオン銀行3年以上100万円以上1億円
auじぶん銀行3年以上200万円以上2億円
SBI新生銀行2年以上300万円以上3億円
三菱UFJ銀行3年以上200万円以上1億円
みずほ銀行2年以上非開示1億円
ドコモの銀行(WEB申込コース)非開示非開示2億円
ソニー銀行3年以上400万円以上1億円

起業したて、 起業したばかりの住宅ローン審査書類

次に起業したての場合の住宅ローン審査書類をまとめました。

個人事業主・自営業として起業した場合、起業前2年分の所得に関する証明書を提出する必要があります。

書類詳細
身分証明書パスポート、マイナンバーカードなど
健康保険証原本
住民票原本
印鑑証明原本
開業届個人事業主の場合
収入を証明する書類2年分
納税証明書・課税証明書2年分
物件に関する書類パンフレット、地図、チラシ
頭金に関する書類預金通帳など
団体信用生命保険の申込書兼告知書借入額が大きい場合は健康診断書が必要になることがあります(金融機関・団信により異なる)

個人事業主・自営業の起業後、1年未満はフラット35は外せない

フラット35は国が全額出資する独立行政法人・住宅金融支援機構が取り扱う住宅ローンであり、民間の金融機関が窓口業務・融資を行うものです。住宅金融支援機構は多くの国民にマイホームを持ってもらうという公的な役割を担っているため、職業・雇用形態、勤続年数など関係なく住宅ローン融資を行っています。

個人事業主・自営業は民間の住宅ローンでは融資を受けることが難しいといわれていますが、フラット35であれば、継続的な収入が確認できれば問題なく融資が受けられます。「継続的な収入」という意味では、起業直後、 起業したばかりでも継続的な収入が確認できれば融資を受けることが可能です。具体的には、1回目の確定申告が終わっていれば申込みができます(起業した年の所得は「所得を得た期間」で1年分に割り戻して年間収入を計算します)。

なお、フラット35の事前審査は住宅金融支援機構の基準に基づき、各金融機関が行いますが、金融機関により審査結果が異なる可能性もあるため、複数の金融機関経由でフラット35に申込を行うほうが安心と言えます。

参考までに、2026年7月のフラット35(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・団信込み)の最多金利は年3.140%で、前月から0.07%低下しました(2026年7月時点・住宅金融支援機構)。金利は毎月見直されるため、最新の金利は公式サイトでご確認ください。

フラット35の仕組み

ドコモの銀行のフラット35

ネット銀行大手のドコモの銀行が取り扱うフラット35は、業界最低水準の金利が特徴です。買取型では任意で全疾病保障を付けることができます(加入する場合は借入金額の0.55%(税込)が事務取扱手数料に上乗せ)。

※全疾病保障が基本付帯だった「フラット35(保証型)」は、2026年4月30日をもって新規の申込受付を停止しています(2026年7月時点)。

つなぎ融資など関連するローン商品の多さにも特徴があります。なお、ドコモの銀行は現在NTTドコモと三井住友信託銀行の共同経営体制となっており、2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更が実施されました。

ドコモの銀行のフラット35の公式サイトはこちら

住信SBIネット銀行のフラット35

SBIアルヒ(ARUHI)のフラット35

SBIアルヒ(旧アルヒ)は16年連続でフラット35の取り扱いシェアが1位となっており、フラット35を借りる人のうち、4人に1人以上が同社経由になっている計算になります。

国内で最もフラット35の取り扱いに慣れている、ノウハウがある金融機関と表現してよいでしょう。全国に店舗を展開しているので、起業直後で相談事項も多い住宅ローン審査に親身にサポートしてくれると思います。

SBIアルヒのフラット35の事務手数料は借入金額の2.20%(税込・最低220,000円)と割高ですが、対面でのサポートには十分な価値を発揮してくれるでしょう。

※かつて提供されていた「ARUHIダイレクト(Web申込)で事務手数料が1.10%になる」割引は終了しています。現在はWeb申込+電子契約の利用で1債権あたり33,000円(税込)が事務手数料から割引される特典があります(2026年3月2日〜2027年3月31日実行分・2026年7月時点)。最新の条件は公式サイトでご確認ください。

SBIアルヒ(ARUHI)の公式サイトはこちら

よくあるご質問(開業1年目の住宅ローン)

開業して間もない個人事業主の方から、FPとしてよくいただく質問をまとめました。

Q. まだ一度も確定申告をしていませんが、フラット35に申し込めますか?

A. 申し込めません。フラット35は1回目の確定申告が終わっていることが前提です。初回の申告が済んでいれば、起業した年の所得を「所得を得た期間」で1年分に割り戻した金額(日割り換算)を年間収入として審査してもらえます。まずは初回の確定申告をきちんと済ませることが第一歩です。

Q. 審査で見られるのは「売上」ですか?「所得」ですか?

A. 所得(売上から経費を差し引いた金額)です。節税のために経費を多く計上していると、審査上の年収が低くなり借入可能額も下がります。フラット35の総返済負担率の基準は、所得400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。マイホーム取得を考え始めたら、節税一辺倒ではなく「審査に耐える所得」を意識した申告も検討しましょう。

Q. 開業資金の借入がありますが、住宅ローン審査に影響しますか?

A. 影響する可能性があります。総返済負担率の計算には住宅ローン以外の借入れの返済額も含めて判定されるのが原則です。ご相談者のように開業時の借入が大きい場合は、事業用借入の扱い(事業収支で返済しているか等)を含めて、取扱金融機関に事前に確認しておくと安心です。

FPからのワンポイント

地方では地銀・信用金庫が身近な相談先ですが、開業間もない個人事業主に対しては業歴2〜3年を求めることが多く、最初の壁になりがちです。その点、フラット35は全国の金融機関が窓口となっており、初回の確定申告さえ済んでいれば土俵に乗れるのが強みです。

民間の銀行も比較したい場合は、保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しているSBI新生銀行なども選択肢の一つです(事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型)。個人事業主の申込条件・業歴の要件は銀行ごとに異なるため、必ず各行の公式サイトでご確認ください。

※本記事の金利・手数料・取扱条件は2026年7月時点の情報です。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。