住宅ローンで人生が変わる?

住宅ローンは10年・20年・30年、場合によっては50年という長い時間をかけて、多額のお金を返済していくことになるローン商品です。最近は50年ローンを扱う金融機関も増えてきました。

カードローンなどの他のローンと比べると住宅ローンは、借入金額が多いだけでなく、借入期間が長いこともあって、わずかな金利差で毎月の返済額や利息負担が大きく違ってきます。とくに2026年は、日本銀行が同年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げ、変動金利が今秋にかけて上昇する見込みの局面です。金利のわずかな差がこれまで以上に効いてくるため、住宅ローン選びの重要性は増しています。

また、疾病保障サービス(がん団信や三大疾病保障など)の保障内容次第で、病気やケガになった時の生活に与える影響も大きく変わります。

実は、マイホーム選びと同じぐらい大切と言っても過言ではないのが住宅ローン選びです。

仮に、月5,000円の利息額が違う場合、単純計算で1年間の違いは6万円と少額に感じますが、10年だと60万円、50年なら300万円も金額が違ってくることになります。これは、車1台買い替えることができる金額です。

住宅ローン選びは、借り入れ後の家計に大きな影響を与えるだけでなく、人生に影響する可能性もあると思って真剣に選ぶようにしましょう。FPとしても、住宅の値段だけでなく「どう借りるか」まで含めてご相談いただくことをおすすめしています。

住宅ローンの金利や疾病保障で人生が変わる

最初に、同じ金利で同じ金額の住宅ローンを借りたとしても、住宅ローンの商品性次第で人生が変わるわかりやすい例を紹介します。

例えば、住宅ローンの返済中に“がん”になって入院したとします。(日本人は生涯で2人に1人ががんにかかると言われており、決してありえない話ではありません。)

もし、がんに対する診断保障が付いている住宅ローンを選んでいれば、がんと診断された時点で住宅ローンの残高が0円になります。普通の団信しか付いていない住宅ローンであれば、がんを治療しながら住宅ローンを返済し続けなければなりません。

これは「住宅ローンで人生が変わる」と言っても言い過ぎではないほどです。

近年、住宅ローンを借りる人の多くが疾病保障の大切さを理解しており、auじぶん銀行やソニー銀行の住宅ローン、ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)のスゴ団信などが人気を集めています。これらの住宅ローンには「がんと診断されると住宅ローンの残高が半分になるがん保障」などが無料でついているためです。

※金利を上乗せすることでさらに保障を充実させることもできます(例えば残高が0円になるがん100%保障など)。

興味を持った人はぜひ、auじぶん銀行とソニー銀行の最新の金利と疾病保障内容を確認してみてください。近場の銀行や信金の住宅ローンとの違いがすぐにわかると思います。

auじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローンの疾病保障は非常に似ています。年収制限の違いなど審査基準の違いや、疾病保障利用時の金利設定に違いがありますので、自分の状況や考え方に合わせて選ぶようにしましょう。

auじぶん銀行の住宅ローンの最新情報はこちら

ソニー銀行の住宅ローンの最新情報はこちら

ドコモの銀行のスゴ団信はこちら

いくらまで借りて大丈夫?

また、住宅ローン返済期間中の生活のことを考えると、いくらまで住宅ローンを借りて大丈夫なのかを把握しておくことも重要です。

その金額の範囲であれば、どんな住宅ローンを選んでしまったとしても大きな問題にはなりにくいでしょう。

逆に、自分にとって無理のない金額を超えて借りてしまうと、どんなにいい住宅ローンを選んだとしても、返済に困って家を売ることになったり、子供に十分な教育環境を与えられなかったり、毎日の生活がストレスになってしまうなど、良くないことが次々と起こってしまう可能性があります。

そのため、まずは自分がいくらまでの金額なら住宅ローンを組んでも大丈夫かを知ることから始めるようにしましょう。

年収の5倍以内、返済負担率25%という目安はあくまで目安

住宅ローンをいくらまで組んでも大丈夫かを調べた時に、必ずと言っていいほど言われる言葉があります。

それは「年収の5倍以内なら大丈夫」「年間返済負担率25%以内なら問題ない」という2つの格言のような言葉です。

この目安は、年収600万円なら5倍の3,000万円まで、年収480万円なら年間の返済額が120万円(月10万円)まで、というように簡単に計算できることもあり、1つの目安を出す計算式として一般的になりました。

ただし、家計の状況は人それぞれなので、こんな単純な計算だけで「住宅ローンをいくらまで借りて良いか」を正確に決めることはできません。

家族構成・教育費・車の維持費・親の介護・老後資金など、同じ年収でも事情はまったく違います。とくに徳島など車社会の地方では、1世帯で複数台の車を持ち、維持費(車検・保険・ガソリン・買い替え)が都市部より重くなりがちです。目安をそのまま当てはめると、住宅ローンの金額を間違えてしまうことがあります。

「住宅ローンの返済に困る」という方向で後悔することもあれば、逆に「本当はもっと条件が良い家が買えた」という方向で後悔することもあります。あくまでも、大まかな目安を知るための計算だということを覚えておきましょう。

適切な住宅ローンの借り入れ金額を知る方法

それでは、どうすれば無理なく組める住宅ローンの金額を知ることができるのでしょうか?

少し面倒ですが、ライフプラン表を作成することをおすすめします。あなたの収入やお金に対する価値観を反映したライフプラン表を作ることで、ゆとりある生活をしながら、子どもの学費を払い、将来への貯金もしっかりする、という計画性をもたせることができるようになります。

さらに、そのプランとあわせて、いくらまでの住宅ローンなら組んでも大丈夫かということも見えてきます。

逆に、ライフプラン表を作らない限り、あなたにとっていくらまでの住宅ローンなら組んでも大丈夫かという正確な数字はわかりません。FPに相談すると、こうしたライフプラン表づくりを一緒に進められます。

続けて、住宅ローンの組み方を考えるときに知っておきたいポイントを紹介していきます。興味のない解説やすでに理解している内容は読み飛ばしてもらってかまいません。

住宅ローン控除はお得なのか?

住宅ローンをいくらまで組んでも大丈夫なのかを考えるときに、よくいただく質問があります。それは、「住宅ローンをたくさん組めば住宅ローン控除(減税)も多くなる。借入額を減らすよりも多くしたほうが得になるのではないか?」というものです。

ここは、住宅ローンをいくら組むかを決めるときに大事な項目になってくるので、シミュレーションをしながら説明していきます。

住宅ローン控除(減税)とは?

その前に、住宅ローン控除とは何かを少しお話しておきます。住宅ローン控除(正式名称は「住宅借入金等特別控除」)とは、住宅ローンの年末残高に応じて所得税(引ききれない分は一部住民税)を軽減する制度です。

控除率は現在0.7%です(以前は1%でしたが、2022年の改正で0.7%へ引き下げられました)。例えば年末に住宅ローンが2,000万円残っていれば、その0.7%である14万円が、その年の控除額の目安(上限)になります。ただし、実際に戻る(軽減される)金額は納めている所得税・住民税の額が上限となる点に注意してください。

控除期間は新築(認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合住宅)で13年、その他・中古で原則10年です(2026年の改正で、省エネ性能を満たす中古住宅は13年に拡充されました)。また、控除の対象になる借入限度額は、住宅の省エネ性能や、子育て世帯・若者夫婦世帯かどうか、入居した年によって細かく異なります。2024年以降に新築する住宅は、原則として省エネ基準への適合が要件になっている点にも注意が必要です。制度はたびたび変更されるため、最新の要件・限度額・控除期間は必ず国税庁(国税庁ウェブサイト)や国土交通省の情報でご確認ください。

借入額を増やせば控除は増えるが、利息はそれ以上に増える

まず、住宅ローンの年末残高が大きいほど、その年の控除額(残高×0.7%の目安)は大きくなります。年末残高ごとの控除額(1年あたりの目安)は次のとおりです。

年末残高2,000万円2,500万円3,000万円
控除額(1年あたりの目安)14.0万円17.5万円21.0万円

※各年末残高×0.7%で計算した控除額の目安です。実際は借入限度額(住宅性能・世帯・入居年による)と、納めている所得税・住民税の額が上限になります。

控除額だけを見ると借入額が多いほど得に見えます。しかし、借入額を多くするということは、それだけ支払う利息も多くなるということです。ここからのシミュレーションは、金利による違いを説明するための一例として年1.36%を用います(借入額・返済方法による違いを比べるための仮の金利です)。なお、フラット35の金利は上昇しており、2026年8月時点の最も多い金利は年3.290%です(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き/住宅金融支援機構公式サイトにて確認)。実際の金利は必ず公式サイトでご確認ください。

借入額ごとの支払い利息(年1.36%・35年返済の一例)は次のとおりです。

借入額2,000万円2,500万円3,000万円
総支払利息(試算)5,147,133円6,433,923円7,720,831円

2,500万円は2,000万円よりも利息が約128万円多く、3,000万円は2,000万円よりも約257万円も利息が多くなります。借入額を500万円増やしても、控除の増加分(13年間の合計でも十数万〜数十万円程度)より、利息の増加分(約128万円)のほうがはるかに大きいのです。つまり、控除目当てに必要以上の金額を借りるのは、トータルで見ると得ではないということがわかります(しかも控除率は0.7%に下がっているため、この差はより大きくなっています)。

ただし、

住宅ローンは「返せる範囲で」長く借りるという考え方もある

住宅ローン控除とは別の理由で、「返済できる範囲であれば、あえて手元にお金を残す借り方をする」という考え方もあります。もちろん、毎月返済できないような金額を借りるのはNGですが、無理なく返せる範囲であれば、手元資金を厚めに残しておくことには意味があります。

その詳しい理由についてはこちら。住宅ローンに対する考え方が変わるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。

本当に賢い住宅ローン返済方法は、繰上げしない、長く借りる、なぜ?

住宅ローン返済は何年にすべきか?

住宅ローンの借り入れ金額が決まった後に考えるのは、住宅ローンを何年で返すかということです。返済年数を何年にするかで毎月の返済額も決まりますし、変動か固定かなど選ぶ住宅ローンのタイプも変わってきます。

それでは、住宅ローンの返済年数を決めるにはどう考えていけばいいのでしょうか?代表的な考え方を紹介します。

一般的なアドバイス:定年や収入がある間に返済を完了する

一般的には、住宅ローンは定年までに終わらせておく、もしくは退職金などで一括返済し、年金生活になるころまで残しておくべきでないとされています。少ない年金収入だけになったときに住宅ローンの返済が残っていると、返済や生活に影響があるからです。

そのため、年金生活になる前、例えば65歳までには完済しておきましょうと言われます。ということは、30歳で定年が65歳なら35年間、40歳で定年が65歳なら25年間の返済年数に設定すべきだということですね。もしくは、40歳で35年間で組んだとしても、退職金などで65歳の時に一括で返してしまおうという考え方です。

一般的なアドバイス:毎月返済できる金額で考える

もう一つのアドバイスとして、毎月返済できる金額で考えるというものがあります。定年までとか65歳までということではなく、毎月いくらまでなら住宅ローンを支払えるかを基準に返済年数を決めるという考え方です。

例えば、以下の条件で住宅ローンを組んだとします(金利は前述のとおり試算用の一例です)。

  • 借入額:2,500万円
  • 返済年数:35年
  • 金利:年1.36%(試算の一例)
  • 返済方法:元利均等返済

この条件であれば、毎月の返済額は74,843円(約7.5万円)になります。しかし、毎月10万円まで返済に回せるとします。その場合、返済年数を35年から25年に短くすることができます。

返済年数を25年にすると毎月の返済額は98,347円です。住宅ローンを10年早く完済でき、支払う利息を約193万円節約できるという計算になります。

あえて返済年数を長めに借りるという選択肢

住宅ローンの返済年数について、上で紹介した2つのようなアドバイスがよくされます。しかし、どちらにも必ずしも従わなくてよいという考え方もあります。

たとえ40歳であっても、あえて35年間の長めで借りるという考え方です。これは、的を射ている面があると思います。

なぜなら、返済年数を短くするということは、若いうちに稼いだ貴重なお金を住宅ローンに集中的に充てることでもあるからです。毎月の返済額を抑えて手元資金を残しておけば、教育費や急な出費、投資などに柔軟に対応できます。返済に余裕が出てきたら、繰上返済で期間を縮めることもできます。ただし、返済年数を長くすると支払う利息の総額は増える点、そして定年後まで返済が続かないように完済時期を意識しておく点は忘れないようにしましょう。

私が考える賢い住宅ローンの組み方についてはこちらの記事もご覧ください。

本当に賢い住宅ローン返済方法は、繰上げしない、長く借りる、なぜ?

住宅ローンは変動金利で組むべきか、固定金利で組むべきか

住宅ローンの返済年数まで決まったら、次はどの住宅ローンタイプにするかです。住宅ローンタイプには主に次の4つがあります。

  • 変動金利
  • 固定期間選択型
  • 全期間固定金利
  • 預金連動型

「どれが一番お得か」だけで選んではいけない

どの住宅ローンタイプにするか、つまり変動にするか固定にするかを、変動金利がお得なのか固定金利がお得なのかという点だけで考えていると、住宅ローン選びに失敗しやすくなります。

なぜなら、どの住宅ローンが一番お得だったかは、返済が終わってみないとわからないからです。

フラット35などの全期間固定金利であれば、借りるときに全部でいくら支払うのかがわかります。一方、変動金利の金利がいつどれくらいになるかは誰にもわかりません。つまり、借り入れする段階では総支払額がわからないわけです。返済が終わって初めて、固定のほうが得だったのか、変動のほうが得だったのかがわかります。とくに2026年は日銀が利上げ局面にあり、変動金利は今秋にかけて上昇が見込まれています。「今は変動が低いから」という理由だけで選ぶと、将来の上昇を見落とすことになりかねません。

実際に、三菱UFJ銀行は2026年6月16日発表の短期プライムレート引き上げを受けて、2026年9月1日から住宅ローンの変動金利の基準金利を見直すことを公表しています。借入中の人への新利率の反映は、毎月型で2026年11月・年2回型で2027年1月の約定返済分からと、契約タイプによって時期が異なります。また、元利均等返済には「5年間は返済額が変わらない」5年ルールがありますが、元金均等返済には5年ルール・125%ルールがありません(三菱UFJ銀行公式・2026年8月時点)。「基準金利の見直し=すぐに返済額が上がる」ではない点も含めて、ご自身の契約の見直し基準日を返済予定表や各行公式サイトで確認しておきましょう。

変動・固定の特徴を理解し、自分に合っているかで決める

では、何を基準に変動や固定を決めるべきかというと、変動・固定のどちらが自分に合っているかで決めます。

簡単に言うと、金利が変動するリスクをとって低い金利の変動金利を選ぶか、高めの金利を払うかもしれないが返済額が変わらない安心を得られる固定金利を選ぶか、ということです。

その住宅ローンがどんなものかがわからなければ、自分に合っているかどうかも判断できません。まずは変動や固定の仕組みや特徴、メリット・デメリットを知りましょう。

固定金利は、変動金利に比べて金利は高めですが、借りてから返済終了まで金利が変わらないという点はシンプルで分かりやすいです。金利上昇局面では「返済額が変わらない」という安心感が大きな価値になります。

変動金利は少しややこしいです。変動金利についてはこちらの記事で簡単にわかるように説明していますので、自分に合う住宅ローンを選ぶためにぜひ知っておいてください。

変動金利住宅ローンの仕組み、メリットデメリットがよくわかる記事

固定期間選択型やミックスは「なんとなく」で選ばない

住宅ローンのタイプを変動か固定か決めきれずに、なんとなく間を取って10年固定にしたり、半分固定・半分変動にしたりする人がいます。しかし、「決めきれないから」という理由だけで選ぶと、金利が上がっても下がっても中途半端に感じて後悔しやすくなります。

固定期間選択型やミックス(変動と固定の組み合わせ)は、それぞれの仕組みとリスクを理解したうえで、目的をもって選べば有効な選択肢です。なぜ「なんとなくの10年固定」やミックスが後悔につながりやすいのか、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

住宅ローンを変動と固定のミックスにするとき注意したい理由とは?

住宅ローンの返済方法は元利均等返済か元金均等返済か?

住宅ローンの金利タイプまで決まったら、次は返済方法です。これは「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

元利均等返済とは?

元利均等返済とは、住宅ローンの金利が変わらない限り、毎月の返済額(元金+利息の合計)が一定になる返済方法です。ほとんどの人がこちらを選んでいます。返済額が一定なので家計の見通しが立てやすいのが特徴です。

元金均等返済とは?

元金均等返済とは、住宅ローンの元金(借りた金額)を毎月均等に返済する方法です。例えば、3,000万円を25年(300ヶ月)で返済する場合、毎月10万円ずつ元金を返します。その元金に利息を合わせた金額を返済していくため、返済額は毎月少しずつ減っていきます。

元利均等返済と元金均等返済ではどちらが得なのか?

気になるのは、どちらが得になるかですよね。以下の条件(金利は試算用の一例)でシミュレーションしました。

  • 借入額:2,500万円
  • 返済年数:35年
  • 金利:年1.36%(試算の一例)
元利均等返済元金均等返済
31,433,923円30,964,037円

総支払額は、元金均等返済のほうが約47万円安くなる結果になりました。

ただ、初めのうちの返済額は13,000円ほど元金均等返済のほうが高くなります。また、変動金利で元金均等返済を選んだ場合は、「5年間返済額が変わらない(5年ルール)」「5年後も1.25倍までにしかならない(125%ルール)」といった激変緩和措置が適用されなくなります。単純に総支払額だけを比較すると元金均等返済のほうが有利ですが、序盤の返済負担が重くなるなどのデメリットもあるので、詳しく知っておきましょう。

元利均等返済と元金均等返済について詳しくはこちらの記事で解説しています。

元利?元金?住宅ローン2つの返済方法、どちらを選ぶべきか?

どこの銀行、金融機関で住宅ローンを組むべきか

借り入れする金額、返済年数、住宅ローンのタイプ、返済方法まで決まったら、いよいよ銀行や金融機関選びになります。

ここまできちんと決めていれば、あとは比較をするだけなので難しくありません。逆に、ここまでの項目が決まっていない段階で金融機関選びをしても、きちんと住宅ローンを選ぶことはできません。

地方にお住まいの場合、身近な地銀・信用金庫と、ネット銀行・フラット35のどれを選ぶかで迷う方が多いです。地銀・信金は対面で相談できる安心感や、地元事情への理解が強みです。一方、ネット銀行は金利の低さや団信の手厚さ、繰上返済のしやすさが魅力です。それぞれの特徴を踏まえて比較しましょう。

金利や手数料以外にも考慮しておくべき項目

住宅ローンをどこで組むかを考えるとき、多くの人は「どこが一番安いか(払うお金が一番少ないか)」で選ぼうとします。

しかし、支払う金額だけを見ていると見落としてしまい、後々面倒なことになる場合があります。金利や手数料以外にも確認しておくべき項目をお伝えします。

団体信用生命保険の保障内容

フラット35以外の住宅ローンでは、ほとんどの場合で団体信用生命保険(団信)がついており、保険料も住宅ローン金利の中に含まれています。しかし、住宅ローンによって団信の保障内容には違いがあるので、見落とさないようにしましょう。

例えば、ドコモの銀行の住宅ローンは、標準で死亡保障に加えて全疾病保障(スゴ団信)がついています。この保障内容の違いを知っておくと、「少し金利が高くても保障がある方が有利」といった判断ができるようになります。

他にも、auじぶん銀行やソニー銀行はがん診断保障(がんと診断されると残高が半分または0円になる保障)が魅力です。SBI新生銀行は、事務手数料が定率型でわかりやすく、一般団信や全疾病保障付団信(2026年3月開始・上乗せ0円)などを選べます(かつて提供していた介護保障付の「安心保障付団信」は新規申込を終了しています。古い情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう)。このように「保障」が充実した住宅ローンを、「保障がない」住宅ローンと金利だけで比較してしまわないようにしましょう。主な違いをまとめると次のとおりです。

金融機関無料(金利上乗せなし)で付く主な保障上乗せで選べる主な保障
ソニー銀行一般団信+がん50%保障がん100%保障(+0.1%)、3大疾病・生活習慣病団信、ワイド団信(+0.2%)
auじぶん銀行一般団信+がん50%保障(条件あり)がん100%保障、3大疾病・全疾病 など
ドコモの銀行一般団信+全疾病保障(スゴ団信)がん保障・3大疾病 など
SBI新生銀行一般団信・全疾病保障付団信(上乗せ0円)がん団信 など(※介護保障団信は新規終了)
フラット35―(機構団信は任意加入・金利に上乗せ/未加入も可)新3大疾病付機構団信 など

※保障の名称・内容・上乗せ金利・加入条件(年齢制限など)は各金融機関で異なり、改定されることもあります。最新の内容は必ず各公式サイトでご確認ください。

一部繰上返済の最低金額

住宅ローンの一部繰上返済を考えるなら、「いくらから繰上返済できるか」をチェックしておきましょう。銀行によって最低金額に違いがあり、1万円(1円)から出来る銀行もあれば、まとまった金額が必要な銀行もあります。もちろん、少ない金額から出来る方が、こまめに返済できて便利です。

一部繰上返済の手数料

一部繰上返済を考えるなら、その手数料も見逃せません。ネット銀行はほとんどの場合、一部繰上返済が手数料無料でできます。フラット35もかかりません。一方、店舗型の銀行では、一部繰上返済をするごとに手数料がかかる場合があります。金利上昇局面では繰上返済で元金を早く減らす効果も大きくなるので、繰上返済手数料がどうなっているかも確認しておきましょう。

住宅ローンの返済口座の指定

住宅ローン返済に使う口座がどこの銀行になるかも、チェックポイントの一つです。どこの銀行でもいいのか、それとも住宅ローンを借りる銀行の口座で返さないといけないのかを確認しておきましょう。

「少しの手間で安くなるなら」と考えて返済口座だけ別の銀行にすることもありますが、それが何十年も続くとなると、意外と手間に感じることもあります。返済口座を自由に選べるのかどうかを確認しておきましょう。

住宅ローン金利優遇の条件

フラット35やネット銀行の住宅ローンではあまり見かけませんが、地方の銀行や金融機関の場合、金利引き下げの条件として「給与受取口座の指定」「公共料金の引き落とし」「クレジットカードの作成」などを求められることがあります。ここを確認しておかないと、「勤務先が給与受取口座の変更に対応していなかった」などで住宅ローンの選び直しになることもあります。

また、銀行などのホームページに掲載されている金利は、ほとんどの場合で金利の優遇を最大限満たした後の金利になっています。自分がその条件をきちんと満たせるのかどうかも確認したうえで住宅ローンを選びましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 2026年の今、変動と固定はどちらを選ぶべき?

A. 正解は人によって異なります。2026年は日銀の利上げで変動金利が上昇に向かう見込みの局面なので、「金利が上がっても返し続けられるか」を基準に考えるのが大切です。返済額が増えても家計に余裕があるなら低金利の変動、返済額を確定させて安心したいなら固定(フラット35など)が向いています。迷う場合は、変動で借りたうえで、金利上昇に備えて繰上返済用の資金を別に貯めておくという方法もあります。

Q. 住宅ローン控除があるうちに、多めに借りたほうが得ですか?

A. 基本的にはおすすめしません。控除率は0.7%に下がっており、借入額を増やして得られる控除の増加分よりも、支払う利息の増加分のほうが大きくなるためです。控除は「借りた結果として受けられるおまけ」と考え、あくまで無理のない金額を借りるのが基本です。

Q. 地方(徳島など)では地銀・信金とネット銀行、どちらがいい?

A. どちらが良いと一概には言えません。対面でじっくり相談したい、地元事情を踏まえてほしいという方には地銀・信金が向いています。金利の低さや団信の手厚さ、ネットでの繰上返済のしやすさを重視するならネット銀行が有力です。金利・諸費用・団信・繰上返済のしやすさを同じ条件で比較し、総返済額と使い勝手の両面で判断するとよいでしょう。判断に迷うときは、中立の立場のFPに相談するのもおすすめです。

まとめ:手順を踏んで、自分に合った住宅ローンを選ぶ

住宅ローン選びで失敗しないためには、①いくらまで借りて大丈夫かを知る(ライフプラン表)、②返済年数を決める、③変動・固定などのタイプを選ぶ、④返済方法を決める、⑤金融機関を比較する、という順番で考えるのがポイントです。金利や手数料だけでなく、団信の保障内容・繰上返済のしやすさ・返済口座の条件まで含めて総合的に比べましょう。制度や金利は変わり続けるため、最新情報は必ず公式サイト(住宅金融支援機構・国税庁・各金融機関)でご確認ください。徳島など地方での住宅ローン選びで迷ったときは、ぜひお気軽にご相談ください。