年収600万円の人が住宅ローンを3000万円借りるとどうなるか徹底解説!

この記事では、年収600万円の人が3,000万円の物件を頭金なし(住宅ローンで3,000万円)で買って大丈夫なのか、という点をFP目線で解説します。徳島など地方にお住まいの方からも、よくいただくご相談です。

一般的に、住宅ローンの借入額は年収の5倍〜6倍以内にしておくとよいと言われます。年収600万円の人が5倍借りるとちょうど3,000万円です。そこで、年収600万円で3,000万円を借りると毎月いくら返すのか、住宅ローン控除や固定資産税まで含めて、具体的な数字で見ていきましょう。

なお、2026年は日本銀行の利上げ(2026年6月に政策金利が1.0%程度へ。7月31日の会合でも1.0%程度に据え置き)を受けて、とくに固定金利が大きく上昇している時期です。金利は時点で変わるので、本記事の金額はあくまで目安として、最新の数字は各金融機関のシミュレーションでご確認ください。

そんなことは良いから、さっさと年収600万円ぐらいの人におすすめの住宅ローン、特に金利が低くてサービスが充実している住宅ローンを知りたいという人は、こちらの住宅ローンをぜひ確認してみてください。
解説を続けます。普通に解説しても面白くないので、今回は登場人物を設定してみました。イメージしながら読んでいただければと思います。
 
  • 主人公:室目ひよりさん(31歳)
  • 夫:室目たいせいさん(33歳)
  • 長男:ひろきくん(4歳)
  • 長女:こころちゃん(1歳)

さて、室目さんの収入や貯蓄状況は以下の通りです。

  • ひよりさん:保育士さん(年収250万円)
  • たいせいさん:地元中堅製造業勤務(年収350万円)
  • 貯金:300万円

ここでは、1人で年収600万円を稼いでいるのではなく、夫婦共働きで合わせて年収600万円という設定です。1人で600万円の場合も大差はありませんが、手取り収入が少し少なくなっているはずなので注意してください。ここでの年収は一般的な税込み(額面)で計算しています。

年収600万円だと、手取りは一体いくらになるのか?

年収600万円というと、ふつうは税込(額面)の年収です。ここには自分では使えない所得税・住民税・健康保険料・厚生年金などが含まれています。まずは手取りの金額を押さえておきましょう。

ひよりさんとたいせいさんの手取りの目安は以下の通りです(概算)。

  • ひよりさんの手取り年収:210万円
  • たいせいさんの手取り年収:290万円

つまり、税込みの年収は600万円でも、実際に使えるお金はだいたい500万円ということです。住宅ローンは、この手取りの中から無理なく返していくことが大切です。

住宅ローンを3000万円借りると返済額はいくらになるか?

それでは、返済額を計算していきましょう。返済額は借りる住宅ローンの金利で変わるので、ここでは変動金利と固定金利(フラット35)の2つで見ていきます。

住宅ローン3000万円を変動金利で借りた場合の返済額

たとえば、変動金利を年1.0%と仮定して3,000万円・35年で借りた場合の毎月の返済額は

  • 約84,700円

になります(当サイトの試算による概算です。実際の変動金利は金融機関・審査結果・時点で異なり、2026年は日銀の利上げを受けて上昇傾向にあります。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。借入額が具体的に決まっている人は、その金額で実際にシミュレーションしましょう。

このときの返済負担率(税込年収600万円に対する年間返済額の割合)は約17%です。当面の返済額としては、大きな負担にはならない水準でしょう。

ただし変動金利は、将来金利が上がると返済額も増える可能性があります。2026年6月には政策金利が1.0%程度へ引き上げられ、各行が変動金利の基準金利を見直す動きも出てきました。日銀は7月31日の会合では政策金利を1.0%程度に据え置きましたが、利上げ路線は続くとしています。2026年8月適用の金利では、大手銀行5行は10年固定型を引き上げた一方、変動型は5行とも据え置いたと報じられています(ただし、短期プライムレートの改定を反映して変動金利が上がる銀行もあります。各行の改定・適用時期は公式サイトでご確認ください)。変動を選ぶなら「金利が上がっても返していけるか」を必ず確認しておきましょう。

なお、変動金利住宅ローンの仕組みや特徴については、こちらで詳しくまとめています。

変動金利住宅ローンの仕組み、メリット・デメリットが猿でもわかる記事

住宅ローン3000万円を固定金利(フラット35)で借りた場合の返済額

次にフラット35です。フラット35の金利は固定金利のもとになる長期金利に連動し、近年大きく上昇しました。2026年7月のフラット35(買取型・借入期間21〜35年・融資率9割以下・新機構団信付き)の最頻金利は年3.140%です(住宅金融支援機構。前月の年3.210%からわずかに下がりましたが、依然として高い水準です。2026年8月分の金利は8月3日ごろに公表される見込みです)。

この年3.140%で3,000万円・35年を借りた場合の毎月の返済額は

  • 約117,800円

になります(団信は金利に含まれています)。返済負担率は約24%です。変動金利の試算例より毎月3万円以上返済額が増えるため負担は重くなりますが、目安とされる25%以内はかろうじてクリアしています。

かつて(2017年9月以前の申込み)は、フラット35は団信を別途契約して保険料を払う必要がありました。現在は団信が金利に含まれており、団信に加入しない場合は金利が0.2%低くなります。固定金利が上昇している局面では、フラット35の毎月返済額は以前よりかなり大きくなっている点に注意してください。最新の金利はフラット35公式サイトでご確認ください(フラット35は申込時ではなく資金実行時の金利が適用されます)。

実際にシミュレーションしてみたい方はこちらからシミュレーションできます

マイホームを買うということは、住宅ローンだけが重要なわけではありません。話を先に進めましょう。

年収600万円の人が住宅ローンを3000万円借りた時の住宅ローン控除はいくらになるか?

返済額の計算が終わったので、次は住宅ローン控除(住宅ローン減税)を見ていきます。

住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高の0.7%が、所得税(引ききれない分は住民税の一部)から控除される制度です。控除期間は新築・買取再販で原則13年、中古(既存)住宅で10年(省エネ性能を満たす中古は2026年から13年)。制度は2030年12月31日入居分まで延長されています。

控除の対象となる借入限度額は、住宅の省エネ性能(長期優良・低炭素/ZEH水準/省エネ基準適合)と世帯(子育て・若者夫婦世帯かどうか)で変わります。省エネ基準を満たさない新築は、原則として控除の対象外です。たとえば残高3,000万円・控除率0.7%なら理論上は年21万円ですが、実際に戻るのは納めた所得税・住民税の範囲内なので、満額を受け取れるとは限りません。

たいせいさんとひよりさんのケースでは、1人で借りると控除枠を使いきれずもったいないので、住宅ローンを6対4(たいせいさん1,800万円・ひよりさん1,200万円)に分けてペアローンにする方法も考えられます。共働きで2人とも所得税・住民税を納めていれば、それぞれが控除を受けられるため、世帯全体で受けられる控除額を増やせる可能性があります。

なお、同じ金額を借りる場合、元金の減りが遅い固定金利のほうが年末残高が大きく残るため、控除額がやや多くなる傾向があります。正確な控除額はローン残高・所得・住宅性能で変わるので、シミュレーションや税務署でご確認ください。

ちなみに、住宅ローン控除を最大限に受け取るための方法はこちらの記事で詳しく書いています。

住宅ローン以外に新たに発生する出費は?

住宅ローンの返済が始まると、それまでの家賃が住宅ローンに置き換わるだけではありません。新たに発生する支払いもあります。主なものは次のとおりです。

  • 固定資産税
  • 火災保険・地震保険料
  • 生活費の増加

それぞれ説明していきますね。

固定資産税

新築・中古、一戸建て・マンションを問わず、家を買うと固定資産税の支払いが発生します。中古なら事前に税額がわかりますが、新築一戸建ての建物分は、家が建ってからでないと正確にはわかりません。そこで、概算で計算する方法をお伝えします。

固定資産税の計算は固定資産税評価額×固定資産税率

固定資産税率は市町村によって違いますが、ほとんどの場合で1.4%です。お住まいの市町村の税率は「市町村名 固定資産税率」で検索すると調べられます(例:徳島市なら「徳島市 固定資産税率」)。

次に固定資産評価額の計算方法です。建物の場合は正確にはわかりませんが、私はいつも次のように概算しています。

  • 建物の金額×0.7×0.7

まず建物の金額からハウスメーカーや工務店の利益を差し引きます(ここをだいたい3割として0.7を掛けます)。その後、固定資産評価額は公示価格の70%程度に設定されるため、さらに0.7を掛けます。これで建物の固定資産評価額を概算できます。

新築から3年〜5年は建物の固定資産税が半額になる

新築住宅に対する固定資産税の減額措置により、新築から3年間(長期優良住宅などは5年間)、建物に対する固定資産税が半額になります。

新築住宅に対する固定資産税の減額措置の要件

次の要件を満たす場合に適用されます。

  • 床面積:50㎡〜280㎡以下
  • 居住割合:2分の1以上

減額されるのは、住宅部分の床面積120㎡までです。

土地に対しても固定資産税の特例がある

建物だけでなく土地にも特例があります。「小規模住宅用地の特例」といい、住宅が建っている土地は200㎡までは固定資産税の評価額が6分の1になります(200㎡を超える部分は3分の1)。

固定資産税は一体いくらになるのか?

では、固定資産税がいくらになるか計算してみます。固定資産税は物件によって変わるので、ここでは土地(150㎡)に1,000万円、建物(120㎡)に2,000万円の家を買ったとします。

この場合の固定資産税は

  • 土地:1,000万円×0.7×1.4%÷6=16,334円
  • 建物:2,000万円×0.7×0.7×1.4%÷2=68,600円

となり、合わせて約84,934円です。ただし建物の半額措置は3年(または5年)で終わるため、その後は建物分が元に戻り、合計で約153,534円ほどになります。

火災保険・地震保険料

火災保険は最長5年分を一括で払うことが多く、地震保険は最長で5年までしか掛けられません。そのため、地震保険を続ける場合は5年ごとや毎年、保険料を払うことになります。

火災保険に加入していないと地震保険には加入できませんし、住宅ローンを組んだ後に保険証券を金融機関へ提出することが多くなっています。

地震保険料はいくらか?

地震保険料は都道府県や建物の構造で変わります。ここでは私が住む徳島県で、建物2,000万円の木造住宅として計算します。地震保険は建物価格の半額まで掛けられるので、補償は1,000万円までです。耐震等級などの割引はなし、建築年割引だけを適用した場合の地震保険料の目安は

  • 1年ずつ支払う場合:約19,400円
  • 5年ごとに支払う場合:約86,100円

です。地震保険料は定期的に改定されるため、最新の保険料は保険会社の見積りでご確認ください。

その他、地震保険や火災保険を安くするテクニックはこちらで詳しく解説しています。

火災保険料が60%安くなる省令準耐火のメリット・デメリット

生活費の増加

見落としがちなのが、マイホームを手に入れることで生活費が増える場合があることです。増える可能性があるのは次のような費目です。

  • 食費
  • 交通費
  • 光熱費

食費が増える可能性がある理由

これは交通費の増加と関係があります。たとえば新しい住まいが職場から遠くなると、帰りが遅くなってスーパーでお惣菜を買ったり外食が増えたりすることが考えられます。

交通費が増える可能性がある理由

職場や学校が遠くなれば、その分だけ通勤・送迎の距離が増えます。これまで車1台で十分だったのが2台必要になり、車を買い足すことになるかもしれません。地方では車が1台増えると大きな出費増になります。

光熱費

多くの場合、賃貸より広い家に引っ越すことになります。照明や冷暖房が必要な部屋の面積が広くなる分、光熱費はそれまでより増えます。太陽光発電をつければ変わってきますが、オール電化にしてもそれほど電気代が安くなるわけではありません。

年収600万円の人が住宅ローン3000万円借りるとこんな生活になる

それでは一番気になるところ、年収600万円で3,000万円を借りて後々やっていけるのかどうか、ライフプランでシミュレーションしてみます。

住宅ローンは固定金利で計算します。その他の条件は以下の通りです。

  • 収入は二人とも年々1%上昇
  • 退職金はたいせいさん1,000万円、ひよりさん500万円
  • 定年は60歳、65歳まで再雇用で月給20万円、ひよりさんは60歳で定年
  • 生活費は月18万円、年々1%上昇。子どもが二人とも大学を出ると7割に
  • 子どもは小学校入学まで保育園、保育料は月額3万円
  • 小・中・高は公立
  • 大学は私立に自宅外から通う
  • 保険は夫婦で月25,000円
  • 車は300万円と150万円の車を10年ごとに買い換える
  • 家族旅行は毎年10万円の予算

この条件でライフプラン表を作ると、下のようになります(画像はクリックすると拡大します)。※この試算は一例です。前提となる金利などの条件は時点で変わり、固定金利が上昇した2026年では負担はさらに重くなる点にご注意ください。

ライフプランのキャッシュフロー表(一例)

ライフプランの貯蓄残高グラフ(一例)

途中までは少しずつお金を貯められますが、子どもの学費がかさむ時期には赤字になり、家計が立ち行かなくなりやすいことがわかります。

変動金利でのシミュレーションは省略していますが、この赤字幅を見る限り、当面の金利が低くても教育費期の苦しさは大きくは変わらないでしょう。むしろ固定金利が上昇している今は、固定で借りると毎月の返済負担がさらに重くなります。

年収600万円で3000万円の住宅ローンはちょっと厳しい

今回のケースでは、年収600万円で3,000万円を借りながら、生活水準を下げずに子どもの学費もしっかり払うのは、なかなか難しいという結果になりました。固定金利が上がった2026年は、なおさら計画に余裕を持たせたいところです。

家や土地の価格を下げて借入額を減らさないのであれば、生活費を削るのか、子どもに奨学金やアルバイトをお願いするのか、どこかで何かしらの我慢が必要になります。

もちろん、その我慢ができるものならいいと思います。けれど、いま大きくなっている「家が欲しい」という気持ちで、我慢ができるような気になっているだけではないか——一度立ち止まって考えてみてください。生活費の節約は「やり続け」ないといけませんし、教育費を削るなら、将来お子さんに「進学するなら奨学金を借りて」と伝える覚悟も必要になります。

それでも3000万円借りて欲しい家を建てたい!

ですよね。わかります。ここまではよくあるアドバイスですが、この記事は少し違います。

欲しい家があるなら、多少無理をしてでも買うという選択もあります。買ったあとで、どう返していくかを考えるというのも一つの考え方です。

いまの収入で生活費や教育費を削る必要があるなら、収入を増やすという発想もあります。私自身、無理めの住宅ローンを借りたことがきっかけで、収入をだいぶ増やすことができました。

一度きりの人生ですから、何かをあきらめる作業はできるだけしたくないですよね。何も諦めずに最高の人生を送るにはどうすればよいか、前向きに考えてみるのも一つです。

欲しい家を買って、ゆとりある生活を送り、子どもの教育費も払う。そのためのヒントになる記事も紹介しておきます。

本当に賢い住宅ローン返済方法は、繰上げしない、長く借りる、なぜ?

たった1時間!頭金なしでマイホームを買うために見直すべき3つの保険

また、あなたの年収でいくらまで住宅ローンを借りられるかを詳しく調べる方法はこちらで紹介しています。

同じ3,000万円を借りるなら、少しでも総返済額を抑えるために、金利や諸費用の低い住宅ローンを選びたいところです。とくに固定金利が上昇した今は、金利だけでなく事務手数料・保証料を含めた「総コスト」での比較が大切です。低コストを売りにするネット銀行の住宅ローンに加えて、保証料0円・一般団信0円で諸費用を借入金額に含めやすいSBI新生銀行なども、検討に値する選択肢の一つです(条件は各行公式でご確認ください)。

シミュレーションで利用させてもらった各金融機関のホームページへのリンクも貼っておきます。

auじぶん銀行の公式サイトはこちら

SBIアルヒ(フラット35)の公式サイトはこちら