この記事では、マイホーム購入&住宅ローンを組む年齢の目安や平均について、地方在住のFPがやさしく解説します。

「一般的な平均を知っておきたい」という気持ちはよく理解できますが、マイホームを必要とするタイミングは人それぞれです。独身時代から購入する人もいれば、結婚して子どもができてから購入する人もいます。もちろん、どちらが正しいという話ではありませんし、唯一の正解があるわけでもありません。

FPとしてご相談を受けるときも、「平均はあくまで目安。ご家庭の家計と人生設計に合うかどうか」を一緒に確認するようにしています。それでは、マイホーム購入&住宅ローンを組む年齢の目安や平均を、いくつかの視点で見ていきましょう。

実際の住宅購入者の平均年齢について

実際にマイホームを購入している方の年齢について、国土交通省が発表した『令和5年度住宅市場動向調査の結果』(令和6年7月公表・最新)を参考に確認していきましょう。

住宅市場動向調査(住宅購入者の年齢層)

この調査では住宅の種類ごとに購入者の年代を調べています。いずれの種類でも30代でマイホームを購入している方が最多で、とくに初めて住宅を取得する「一次取得者」は30代に集中しています(分譲マンションの新築購入者の平均年齢は約39.9歳、注文住宅は40代前半が中心です)。中古住宅はやや年齢層が高めになる傾向があります。

分譲戸建てや分譲マンションでは購入者の多くが30代まで、それ以外の住宅でも半数程度が30代までに購入しており、「30代で持ち家」という流れは令和5年度の最新調査でも変わっていません。

金融機関が定める住宅ローンの年齢制限について

次に、金融機関が定めている住宅ローンの年齢制限を確認してみましょう。

金融機関申し込み時年齢完済年齢
PayPay銀行20歳以上65歳未満80歳未満
新生銀行20歳以上65歳未満 80歳未満
auじぶん銀行満18歳以上満65歳未満満80歳未満
ソニー銀行満20歳以上満65歳未満満85歳
ドコモの銀行(WEB申込コース)満18歳以上満65歳以下満80歳未満
住宅ローン(対面)/ドコモの銀行満18歳以上満65歳以下満80歳未満
ARUHI(フラット35)70歳未満80歳未満
イオン銀行71歳未満80歳未満
三菱UFJ銀行70歳未満80歳未満
2025年4月時点

65歳まで申し込みができ、80歳までに完済すればよいという金融機関が大半です。審査の面からは、64歳でも継続的な収入があると判断されれば住宅ローンを組める計算になります。

80歳までの完済が必要となるので、35年ローンを組もうとする場合には、45歳までに住宅ローンの借入をする必要があります。なお近年は最長50年のローンを扱う金融機関も増えてきましたが、その場合も完済時年齢の上限(80歳など)は変わらないため、若いうちでないと長期の返済期間は選びにくい点に注意が必要です。

国土交通省の調査には、住宅ローンの返済期間に関する項目も含まれています。新築住宅では平均でおよそ33年前後と、ほぼ多くの方が30年超〜35年のローンを組んでいます。新築住宅を購入する場合には、より購入時の年齢に気をつける必要がありそうですね。

住宅ローンの返済期間に関する調査

団体信用生命保険(団信)および疾病保障の年齢制限について

団体信用生命保険(団信)の年齢制限

住宅ローンの利用に必須となる団信ですが、団信そのものに特別な年齢制限はなく、前述の各金融機関の住宅ローンの審査基準(年齢制限)に準じています。

ただし気をつけたいのは、団信は生命保険であるため加入には審査があり、健康状態によっては団信の加入審査に通らない可能性があることです。

40代になると、がん・生活習慣病・糖尿病などにかかる確率が上がり、団信の審査でも告知書のみでなく医師の診断書の提出が必要になるケースが増えます。

団信の面からは、健康なうちの30代で住宅ローンを組むのが安心と言ってよいでしょう。

ワイド団信の告知書

疾病保障の年齢制限

疾病保障は、その種類・金融機関により年齢制限が変わるので注意が必要です。ネット銀行では無料で疾病保障を付帯するケースも増えており、活用しないのはもったいないですね(ただし上乗せ金利や付帯条件は改定されることがあるため、最新は各行公式でご確認ください)。

金融機関・疾病保障ごとの年齢制限を確認していきましょう。

疾病保障の種類 金融機関名 年齢制限
がん50%保障団信(4疾病保障付き)※がん100%保障団信など auじぶん銀行 満50歳
がん50%保障団信、がん100%保障団信 PayPay銀行 満50歳
全疾病保障 楽天銀行(金利選択型) 満65歳
全疾病保障 ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)(WEB申込コース) 満65歳
全疾病保障(就業不能保障特約)付団信 SBI新生銀行 満65歳以下
7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉 三菱UFJ銀行 満50歳

※満50歳までのお客さまが加入可能(がん保障を含む団信の場合)。

がんを保障の対象とする疾病保障は満50歳まで、就業不能などを保障する全疾病保障は満65歳まで加入できるケースが多くなっています。なお、PayPay銀行は2026年6月1日のお借入分よりがん保障団信の上乗せ金利を改定しており、SBI新生銀行は介護を保障する「安心保障付団信」の新規申し込みを2026年2月28日で終了し、現在は就業不能を保障する「全疾病保障(就業不能保障特約)付団信」(上乗せ0円・2026年3月開始)などを選べます。団信のラインアップや上乗せ金利は見直されることがあるので、申込前に必ず各行公式でご確認ください。

三菱UFJ銀行を筆頭に、メガバンクや地銀でも3大疾病・7大疾病などの疾病保障を扱っていますが、これらも満50歳までとしているケースが大半です。

がんを含む疾病保障の観点から見ると、40代までに住宅ローンを組んでおきたいと言ってよいでしょう。

住宅ローン借り換えから考える住宅ローンを組む年齢の目安

前項では団信や疾病保障について確認しましたが、住宅ローンの借り換えにも年齢的な制限が関わってきます。それは、団信や疾病保障の加入審査が借り換え時に再度必要となるためです。

フラット35を管轄する住宅金融支援機構の「民間住宅ローン借換の実態調査」によると、借り換え前の住宅ローン契約から借り換えまでの経過年数は10年未満の方が全体の約80%にもなっており、高齢になる前に住宅ローンの借り換えをしているケースが大半であることが分かります。

40代以降は健康状態のリスクが増し、借り換え時の団信審査に通りにくくなるケースも増えることから、将来の借り換えという選択肢を残す意味でも、30代前半に住宅ローンを組んでおくと安心です。

住宅ローン契約から借り換えまでの経過年数についての調査

なお、住宅ローン金利は局面によって大きく動きます。長く続いた超低金利は転機を迎えており、2026年6月時点では日本銀行が政策金利を1.0%程度へ引き上げ、フラット35(買取型)の最頻金利も同年6月に年3.21%と過去最高水準まで上昇しました。変動金利はなお1%前後と低めですが、各行が短期プライムレートの引き上げを進めており、今後の変動金利は上昇する可能性があります(最新の金利は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください)。

住宅ローンの借り換えには数十万円程度の諸費用が発生します。金利上昇局面では「すでに低い金利で借りている人は借り換えの必要が薄い」一方で、「これから借りる人・金利差が大きい人は借り換えメリットが出る」こともあり、状況はご家庭ごとに異なります。借り換えを検討するなら、健康で団信審査に通りやすい若いうちのほうが選択肢を確保しやすい、という点は覚えておきましょう。

年代別の住宅ローンの注意点

20代

年収が相対的に低い20代で住宅ローンを組むと、借り入れ可能額に限りが出てきます。一方で、年齢が若いので35年ローンを組んでも60歳ごろまでに返済を終えられるという点では有利です。

ただ、転職や結婚(家族構成の変化)などご自身の人生設計がどう動くのか、20代ではまだ見通しにくいものです。将来を見据えて、どこに・どれくらいの価格の家を買うかという観点での住宅選びがポイントになります。

30代

お子さんの成長などを見据えたマイホーム選びがポイントになります。住み替えを検討しない場合は、完済までの返済額が確定できるフラット35を選ぶ人も一定数いますが、auじぶん銀行など、低金利が続く変動金利タイプの住宅ローンを選ぶ人も多くいます(金利上昇局面では、変動・固定の選択は金利だけでなく上昇リスクの許容度もあわせて考えましょう)。

なお、ご夫婦共働き世帯の場合、世帯年収で借り入れ可能額をめいっぱい計算してしまうと、共働きできない状態になったときに苦労することになるので注意しましょう。地方では車のローンや教育費もかさみやすいので、FPとしては「片働きでも返せる金額か」を一度試算しておくことをおすすめします。

近くにイオンがある人にはイオン銀行の住宅ローンも選択肢です(イオン銀行で住宅ローンを借りていると、イオンでの買い物代金が割引になるサービスを利用できます)。

40代

40代でのマイホーム購入では、定年を強く意識した住宅購入・住宅ローン借入を行いたいですね。退職金や年金がいくらもらえるか分からない状態で、定年のタイミングを越える完済年齢を前提にするのは注意が必要です。

また、定年後に再雇用やアルバイトで働くつもりでも、健康上の理由で働けなくなるリスクもあります。

頭金や貯蓄に余裕がない場合は、病気やケガで働けなくなるリスクに備え、疾病保障が充実しているauじぶん銀行の住宅ローンなどはぜひ検討したいところです。

団信審査の観点からは、40代後半からは生活習慣病やその他の健康問題が出やすくなるため、団信の審査に通りにくくなる可能性があります。

50代

50代になると収入がピークを過ぎる可能性があり、定年退職後の収入減少を考慮する必要があります。50代でのマイホーム購入は貯蓄(頭金)が大きな意味を持ちます。定年退職のタイミングから逆算して、無理のない住宅選びをしたいですね。

50代ではがんを保障する疾病保障の付帯ができないことが多いので、代わりに就業不能などを保障するSBI新生銀行の住宅ローン(全疾病保障(就業不能保障特約)付団信を上乗せ0円で選べる)などの活用も検討してみてください。SBI新生銀行は一般団信・保証料・一部繰上返済手数料も0円で、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、はじめての借入や年代を問わず安心して相談しやすいポイントです。

FP相談でよくいただく質問(FAQ)

Q. 住宅ローンは何歳までに組むのが理想ですか?
A. 完済年齢の上限(多くは80歳)と団信審査の通りやすさから、30代のうちに組むのが一つの目安です。35年ローンなら45歳までに借りないと80歳完済に間に合わない計算になります。ただし頭金や年収に余裕があれば、20代・40代での借入も十分に選択肢になります。

Q. 40代・50代では住宅ローンを組めませんか?
A. 組めないわけではありません。返済期間が短くなる、団信審査が厳しくなりやすい、定年後の返済設計が必要、といった点に注意が必要です。頭金を厚めにする、返済期間を定年前に収める、就業不能を保障する団信を選ぶなど、年代に合った工夫で備えましょう。

Q. 地方に住んでいます。地銀・信金とネット銀行、どちらがよいですか?
A. 地元の地銀・信用金庫は対面相談や地域事情への理解という安心感があり、ネット銀行は金利の低さや疾病保障の手厚さが魅力です。どちらが正解ということはなく、金利・団信・手数料のトータルコスト相談のしやすさの両面で、ご自身に合う組み合わせを選びましょう。迷ったときは、信頼できるFPに家計全体を見てもらうのもおすすめです。

まとめ

さまざまな視点から住宅ローンを組む年齢の目安を見てきましたが、30代のうちに住宅ローンを組むのが一つの理想と言えるでしょう。とくに30代半ばになれば、安定した年収の見込みも付いてくる頃です。

もちろん、頭金や年収に余裕があれば、20代・40代で住宅ローンを組むことも問題ありません。大切なのは「平均に合わせること」ではなく、ご自身の家計・人生設計・健康状態に合ったタイミングで、無理のない返済計画を立てることです。