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はじめ固定、後で変動になる住宅ローン
この記事では、「固定金利期間選択型住宅ローンの特徴と基礎知識」についてお伝えしていきます。
住宅ローンの中でも人気があるのは、変動金利型の住宅ローンです。変動金利は金利が変わる可能性があるので、固定金利期間選択型の住宅ローンは、この金利の変動が不安だという人のために作られた住宅ローンと言えます。
借りてから一定期間は金利を固定しましょうというのが、この固定金利期間選択型です。
例えば、借りてから10年間は固定金利にしましょう、それ以降は変動金利にします(または改めて固定期間を選び直します)というのが固定金利期間選択型という住宅ローンです。
固定期間が長いほど最初の金利が高い
固定金利期間は、2年、3年、5年、10年、15年、20年など金融機関によって選べる期間が異なります。徳島の阿波銀行の「固定・変動金利選択型」であれば、3年・5年・10年の3種類から選択できます。固定金利期間が長ければ長いほど、最初の金利は高くなります。
なぜかというと、銀行はこの金利が変わるリスクを嫌がるからです。固定金利期間が長ければ長くなるほど、金利変動のリスクを銀行が負うことになるので、金利が高くなるということです。実際、阿波銀行の基準金利(2026年7月1日現在)を見ると、固定3年が年2.800%、固定5年が年3.200%、固定10年が年3.500%と、期間が長いほど高くなっています(実際の適用金利は、お取引条件に応じてここから引き下げられます)。
住宅ローンの返済額が急に増えて慌てる人が多いです
恐らくあなたも見かけたことがあるかと思いますが、「住宅ローンの返済が家賃並みで家が買える」とうたっているチラシがあります。こうした広告の多くは、当初の固定期間にだけ適用される低い「引下げ金利」で返済額を計算しています。
どういう仕組みかというと、多くの銀行では、給与振込や光熱費の引き落とし、クレジットカードの契約といった「お付き合い」の条件に応じて、基準金利から一定幅を引き下げた金利を適用しています。とくに当初の固定期間は引下げ幅が大きく設定されていることが多く、いわばバーゲンセールをしているということですね。
問題は固定期間が終わった後です。固定期間終了後は、その時点の基準金利をもとに金利が決まり、当初ほど大きな引下げが受けられないことが多いため、適用金利が上がりやすくなります(例えば阿波銀行では、固定期間終了後の再選択時の引下げ幅は取引状況に応じて最大1.0%までと案内されています)。さらに2026年は日銀の利上げを受けて基準金利そのものが上昇している局面ですので、この「当初と後との差」は以前より開きやすくなっています。
固定期間終了後にどれくらい住宅ローン返済額が上がるのか?
仮に2,000万円を35年返済で借り、当初3年間が年1.500%、4年目以降が年2.800%(2026年7月1日現在の阿波銀行の3年固定基準金利と同水準)になったとして試算すると、当初3年間の月々の返済額は約6万1,000円ですが、4年目からは約7万4,000円と、月々1万2,000円ほど返済額が増える計算になります(元利均等返済・試算値。実際の金利・返済額は審査や取引条件により異なります。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。「こんなことは聞いていなかった」と、返済額が上がってから慌ててご相談に来られる方が実際に多くいらっしゃいます。
さらに、上がるのは月々の返済額だけではありません。新築住宅には固定資産税が一定期間2分の1に減額される措置(一戸建ては3年間、マンション等は5年間)がありますが、この期間が終わると税額が元に戻るため、ちょうど同じ時期に出費が重なって支払いに困るという方が多くいらっしゃいます。このあたりの情報を聞かされていない、知らない方が多いようなので、気をつける必要があります。
もうひとつ大切な注意点があります。変動金利型には、返済額の急増を緩和する「5年ルール」「125%ルール」を設けている銀行が多いのですが、固定金利期間選択型では、固定期間終了時にこれらのルールが適用されない金融機関が多いのです。つまり、固定期間が終わった瞬間に、返済額が上限なく一気に増える可能性があるということです。ご利用の際は、ご自身の契約にこのルールがあるかを必ず確認してください。
これはこの住宅ローンが悪いということではありません。この仕組みを知ったうえで選ぶのであれば問題ないと思いますし、例えば返済期間が短い人や、固定期間中に繰り上げ返済を進められる人などはこういった住宅ローンを選んでもよいと思います。
どれくらい選ばれている?
フラット35を提供している住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」(2026年1月調査)によると、住宅ローンを新規で借りた人のうち固定期間選択型を選んだ人は14.9%でした。変動型が75.0%と依然として多数派ですが、前回調査(2025年4月調査)と比べると変動型は4.0ポイント減少し、固定期間選択型(12.2%→14.9%)と全期間固定型(8.8%→10.1%)は増加に転じています。金利の先高観が強まる中で、「少しでも金利を固定しておきたい」と考える人が増えてきていることがうかがえます。

FPへのよくあるご相談:固定期間が終わるときはどうすればいい?
固定期間の終了が近づくと、銀行から金利の再選択に関する案内が届きます。このタイミングでできることは主に3つです。①その銀行で改めて固定期間を選び直す、②変動金利に切り替える、③他行への借り換えを検討する――の3つです。終了後の引下げ幅は銀行や取引状況によって差が出ますので、案内が届いてから慌てるのではなく、終了の半年〜1年前から「終了後の金利がいくらになるか」を確認しておくことをおすすめします。その際、地元の地銀・信金だけでなく、保証料0円・一部繰上返済手数料0円のSBI新生銀行のような全国から利用できる銀行も含めて総返済額で比較すると、選択肢が広がります(各行の最新条件は公式サイトでご確認ください)。
これが住宅ローン、固定金利期間選択型の特徴です。当初の低い金利だけで判断せず、「固定期間が終わった後にいくら払うのか」まで含めて資金計画を立てていきましょう。