「住信SBIネット銀行で住宅ローンを検討しているのですが、『スゴ団信』って結局なにがスゴいんですか?」——FPとしてよくいただくご相談です。住宅ローンは数十年つきあう大きな借入なので、万が一の病気・ケガに団信(団体信用生命保険)でどう備えられるかは、地方にお住まいの方にとっても大事なポイントです。この記事では、スゴ団信のしくみと最新の付帯条件を、できるだけかみくだいて解説します。
2021年10月から、住信SBIネット銀行が「スゴ団信」という団信(団体信用生命保険)の取り扱いを開始しました。その後、基本付帯の対象年齢が拡大されており、現在は住宅ローン実行時の年齢が50歳未満の方であれば、「3大疾病50%保障」と「全疾病保障」が金利の上乗せなし(基本付帯)で利用できます(取扱開始当初は40歳未満が対象でした)。
スゴ団信とは、長年提供を続けている「病気やケガで働けなくなった時に住宅ローンの残高が0円になる全疾病保障付団信」に加えて、「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」になった時に住宅ローンの残高が半分になる疾病保障が付く団信(住宅ローンの残高が0円になる100%保障もセットできます)です。
3大疾病保障が付いている団信はすでにたくさん存在していますが、スゴ団信の最大の特徴は、「50歳未満の人は金利上乗せなしで3大疾病50%保障+全疾病保障を利用できる」という点です。他行では全疾病保障を付けるだけでも金利を0.1〜0.3%上乗せするケースが多く、上乗せなしでここまで備えられるのは大きな魅力です。
※対象年齢や上乗せ金利は改定されることがあります。最新の条件は必ず住信SBIネット銀行の公式サイトでご確認ください。
目次
年齢別に見るスゴ団信の付帯条件(早見表)
「結局、自分はいくらの上乗せでどこまで保障されるの?」がいちばん気になるところだと思います。実行時の年齢ごとの基本的な付帯イメージを表にまとめました(金額・割合は住宅ローン残高に対するもの)。
| 住宅ローン実行時の年齢 | 全疾病保障 | 3大疾病50%保障 | 3大疾病100%保障 |
|---|---|---|---|
| 50歳未満 | 基本付帯(上乗せなし) | 基本付帯(上乗せなし) | 金利上乗せで選択可 |
| 50歳以上 | 基本付帯(上乗せなし) | 金利上乗せで付帯(年0.25%の例) | 金利上乗せで選択可 |
3大疾病を「50%保障」から「100%保障(残高が0円になる)」に手厚くする場合は、年齢に応じて年0.2〜0.4%程度の金利上乗せが目安になります。上乗せ幅・対象年齢は時期によって変わるため、申込前に必ず公式の最新情報で確認してください。
スゴ団信の3大疾病特約(50%保障)を解説
がん(悪性新生物)への保障内容
所定のがん(悪性新生物)と診断確定された場合に、住宅ローンの残高の50%相当が保険金で支払われます。
「所定のがん」と記載されていますが、具体的には「悪性黒色腫以外の皮膚がん」「上皮内がん」「大腸粘膜内がん」などが保険金の支払い対象のがんに含まれない場合があると説明されています。また、責任開始日からその日を含めて3ヵ月以内に診断確定された場合は支払われないなどの条件もあるため、細かい支払い条件は公式の「保障内容」を確認しておきましょう。
急性心筋梗塞への保障内容
急性心筋梗塞を発病し、60日以上所定の状態が継続したと判断された場合と、所定の手術を受けた場合に、住宅ローンの残高の50%相当が保険金で支払われます。
「所定の状態」とは「労働の制限を必要とする状態」です。「労働の制限」とは、軽い家事や軽労働・事務作業はできるが、それ以上の労働が困難である状態のことです。この状態が60日以上継続していると医師に診断された場合が保険金の対象となります。
また、「所定の手術」とは急性心筋梗塞の治療を目的とした手術で、所定の病院や診療所で受ける必要があります。所定の病院・診療所の範囲やエリアについて気になる人は、事前に住信SBIネット銀行に確認しておくようにしましょう。
脳卒中への保障内容
脳卒中(脳梗塞・脳出血)を発病し、60日以上所定の状態が継続したと判断された場合と、所定の手術を受けた場合に、住宅ローンの残高の50%相当が保険金で支払われます。
「所定の状態」とは「言語障がい・運動失調・麻痺などの後遺症」です。この状態が60日以上継続していると医師に診断された場合が保険金の対象となります。
また、「所定の手術」とは脳卒中の治療を目的とした手術で、所定の病院や診療所で受ける必要があります。所定の病院・診療所の範囲やエリアについて気になる人は、事前に住信SBIネット銀行に確認しておくようにしましょう。
ベースとなる「全疾病保障」もしっかり押さえておこう
スゴ団信のベースには、年齢を問わず全員に付帯する「全疾病保障」があります。これは、3大疾病に限らず、すべての病気やケガで働けなくなったときに備える保障です。就業不能の状態が続くと毎月の返済(ボーナス返済を含む)が保障され、その状態が一定期間(12ヵ月)継続すると住宅ローンの残高が0円になります。入院中だけでなく、医師の指示で自宅療養している場合も対象になり得る点が、地方で通院しながら働く方にも安心材料になります。
スゴ団信はワイド団信にも対応
スゴ団信の取り扱い開始により、ワイド団信にも対応しています。住信SBIネット銀行のワイド団信は、年0.3%の金利上乗せで、健康上の理由で一般団信に加入できない場合でも利用できる可能性があるものです。
高血圧・糖尿病・肝炎などの持病があって団信に通りにくい方にとって、選択肢が増えるのは心強いポイントです。ネット銀行でも近年はワイド団信を取り扱う銀行が主流になってきています。
なお、住信SBIネット銀行のワイド団信はSBI生命が保険引き受け会社となっており、健康上の不安がある方の団信対策としては検討しておきたい住宅ローンです(他行の住宅ローンと保険引き受け会社が重ならないため、他行で団信に通らなかった方の選択肢になり得ます)。ただし、ワイド団信に加入する場合は、3大疾病保障特約・全疾病保障・先進医療特約は付帯されません。手厚い保障とのトレードオフになる点に注意してください。
スゴ団信の注意点
- 年齢によって付帯するための費用負担が異なるだけでなく、基本付帯される保障の内容も異なる
- 5,000万円以上の借り入れで3大疾病100%保障を付帯する場合に、健康診断書などの提出が必要
- 1億円以上の借り入れの場合、3大疾病100%保障はもちろん、3大疾病50%保障を付帯する場合にも健康診断書の提出が必要
- 住宅ローンを借り入れた後に、50%保障を100%保障にしたり、100%保障を50%保障にするなど、保障内容の変更は原則できない
- 虚偽の告知は当然NG。告知内容を偽ったり、告知に漏れがあると、保障が提供されず保険金が支払われない場合がある(保険契約を解除される場合もある)
とくに「あとから保障内容を変更できない」という点は重要です。FPとしては、申込時の年齢で受けられる保障が変わるため、迷っているなら早めに条件を確認しておくことをおすすめしています。詳しくは、スゴ団信がついた住宅ローンについて相談できるSBIマネープラザで専門スタッフにしっかり相談・質問するか、住信SBIネット銀行の住宅ローンコールセンター等に相談するようにしましょう。
スゴ団信のよくある質問(FAQ)
Q. スゴ団信は本当に無料(上乗せなし)で付くのですか?
住宅ローン実行時に50歳未満の方であれば、「3大疾病50%保障」と「全疾病保障」が金利上乗せなしの基本付帯で利用できます。50歳以上の方は全疾病保障が基本付帯で、3大疾病50%保障は金利の上乗せ(年0.25%の例)で付帯できます。
Q. 「40歳未満じゃないと無料じゃない」と聞いたのですが?
それは取扱開始当初(2021年10月)の条件です。その後、基本付帯の対象年齢が拡大され、現在は50歳未満まで上乗せなしで付帯できるようになっています。古い情報のままになっている解説もあるため、最新の条件は公式サイトでご確認ください。
Q. 3大疾病で残高が「50%」だと、残りの半分はどうなりますか?
50%保障の場合、保険金で減るのは住宅ローン残高の半分で、残り半分は引き続き返済が必要です。治療や療養で収入が減るリスクが心配な方は、金利を上乗せして「3大疾病100%保障(残高が0円になる)」にする選択肢もあります。
Q. 持病があっても申し込めますか?
健康上の理由で一般団信に加入できない場合でも、年0.3%の上乗せで「ワイド団信」に加入できる可能性があります。ただしワイド団信では3大疾病保障特約・全疾病保障・先進医療特約は付帯されません。
Q. 地方に住んでいても申し込めますか?
住信SBIネット銀行はネット銀行なので、徳島など地方にお住まいでも全国どこからでも申し込めます。ただし、給付の条件にある「所定の病院・診療所」の範囲などは、お住まいの地域でかかる医療機関が該当するか、事前に確認しておくと安心です。