政府・日銀の大規模な金融緩和の取り組みにで、2016年以降、日本の住宅ローンの金利は歴史的な低金利となっています。不動産価格などの問題は別にありますが、住宅ローンの金利だけを考えれば、歴史的な「借り時」であり、「借り換え時」といえるタイミングです。

新型コロナウイルス(Covid-19)は、北半球が冬になったことで日本を含めて世界中で再び感染拡大傾向ですし、2021年も世界経済に大きく影響を与えることは確実です。

住宅ローンの金利は国内だけでなく世界経済の影響も受けますし、2021年まで2か月弱で、2021年の住宅ローン金利の動向が気になっている人も増えてきたと思います。

住宅ローンの金利を確実に予想することはできないものですが、このサイトでは日本内外の様々な状況を考慮して、今後の住宅ローン金利動向を予想したいと思います。

長期金利はバブル崩壊以降下がり続けている

住宅ローンの今後の金利を予想をする前に、参照指標の1つである、長期金利の過去30年の推移を確認しておきましょう。

一目瞭然で、1990年代のバブル崩壊以降、下がり続けていることがわかります。

バブル期には一時、8%にも達していました。今の金利からはとても想像できない金利水準です。

長期金利の推移・動向(平成以降)

多少の上下はありますが、2000年以降の長期金利は2%を超えることはほとんどありません。そして、日銀がマイナス金利政策を行った2016年以降は0%付近で推移しています。

新型コロナウイルスによる経済停滞は深刻ですが、これ以上は金利を下げる余地はほとんどないですし、金融機関の経営状況がどんどん悪化していくことになるので、これ以上金利が低下することは予想しにくい状況です。

いずれは金利が上がるタイミングが来る?

住宅ローンの金利が低い状態がどんなに続いても、「いずれ住宅ローンの金利は上がる」と考える人は常に一定数いました。

結果論として、この5年ぐらいは住宅ローン金利があがることはなく、変動金利で借り入れをした方がもっとも得をしたと言えます。

今は日銀の金融緩和で金利の上昇が抑えられていますが、この金融緩和は永遠に続けられるようなレベルのものではなく、出口に向かわなければなりません。

ただし、日本は人口減少が続いてくことは確実ですし、好景気になって資金需要が増えたりして、右肩上がりに金利があがっていくような状況になるとは考えにくいのが正直なところです。

当面は低金利の継続

住宅ローン金利は長期金利と密接に関連していて、原則的には長期金利が下がれば住宅ローン金利は下がり、長期金利が上がれば住宅ローン金利は上がります。

政府・日銀は2016年から強制的に長期金利を低く抑える政策を導入しています。これはデフレ経済を脱却して安定的なインフレ目標を達成するためです。

経済を回している様々な企業や国民がお金を借りたり、お金を消費しやすいように超低金利政策が採用されているわけです。

日銀のマイナス金利政策

結果的に2%のインフレは目標の期間内に達成できていませんが、政府・日銀が採用している取り組みは安倍政権が掲げていた「アベノミクス3本の矢」の一つであり、現政権でも根幹とも言える取り組みです。

安倍政権ではなくなりましたが、当面は継続されると考えたほうが良いでしょう。

新型コロナウイルスの影響で業界による好不調が極端すぎますが、総合的には景気がよくなっていると実感している人は少ないと思います。

日本で金利が簡単に上がらない理由とは?

次に日本で金利が簡単には上がらない理由を整理してみましょう。

①日本政府の膨大な借金の存在

日本政府が抱える債務は2018年12月に1,100兆円を突破したと報道がありました。政府の予算では年利1%という利払いを想定しています。平成元年には金利が6%を超えていたことを考えると急激な金利低下に驚かされます。

今後も政府の債務は増加し、発行する国債も増加が見込まれています。仮に債務残高が現状と変わらずに金利が2%、3%と増加したとしても、10兆円の単位で政府予算に占める利払いが急増することとなります。現在の日本政府の年間予算は100兆円前後ですので、金利が1%上がるだけで予算を10%も増やす必要が出てきます。2%上がれば20%増やさなければなりません。

大規模な金融緩和はお金の流れを良くすることで企業や一般家計がお金を使いやすくする環境を人為的に作ることにありますが、実態としては政府の台所事情から言うと金利は上げたくても上げれないというのが本音だと思われます。

日本政府の借金が1000兆円を突破

②急激な少子高齢化による経済規模の縮小

日本は世界でもかつて無いスピードで少子高齢化が進んでいます。内閣府の予想では2015年には人口減少が始まり、2048年には1億人の大台を割り込むとされています。特に深刻なのは高齢化で2035年には3人に1人が、2060人には2.5人に1人が高齢者になるとされています。

少子高齢化により勤労人口が減ることによる経済規模の縮小、社会保障に大きな予算が必要な高齢者が増えることで社会保障費の増大などが今後も進んでいくと思われます。

経済が縮小(弱くなる)場合には金利を低く抑え、経済を底支えする必要がより重要になってきます。

日本の人口予想

デフレ脱却時は金利が上昇するはず?

2%のインフレが達成され、デフレ経済の脱却が確実となれば金利は上昇するものと考えられます。

昨今の低金利は金融緩和によって日銀側が金利の上昇を抑制している形ですが、これはつまり、経済が正常ではないということです。

金融緩和は経済が非常時であるために講じられている手段であり、達成困難な目標を設けたことによる長期化の弊害が金融機関やマスコミからも糾弾されているので、日銀側も何とかして金融緩和の出口を見つけたいはずです。

日銀側が金融緩和の出口を模索するような動向を見せると金利は上昇するものなので、仮に今後、デフレ経済の脱却が成功すれば金利は上昇するでしょう。

ただし、繰り返しですが、金利が急上昇するほどの景気回復は難しいと考えたほうが無難だと思われます。

日本の住宅ローン金利は世界情勢にも影響を受ける

日本の長期金利は海外の動向に左右されるものであり、一国の起こすアクションが日本の国債価値や債券の取引価格にどう影響が出るかを考えながら予測する必要があります。

アメリカが好景気になると日本の住宅ローン金利が上昇するはず

アメリカが好景気になり政策金利を引き上げるとなれば、日本国債の10年利回りが上がるので、住宅ローンの固定型金利が上昇するのが一般論です。

しかしながら、2015年12月にアメリカの中央銀行であるFRBは9年半ぶりに利上げを実施し、2018年12月まで段階的に政策金利を引き上げてきました。

アメリカでは、現大統領トランプ氏による内需拡大を狙った財政政策が行われ、経済が活性化してインフレになると予想されていますが、過度なインフレを抑えるには金利を上げる必要があります。

アメリカが過度なインフレとなって政策金利が上昇すると、米国債の人気が高まり債券の取引価格が上がるので、反対に日本の国債は売られ、金利が上昇するはずです。

しかしながら、政府・日銀によるマイナス金利政策の導入で日本の長期金利・住宅ローンが上がるどころか下がったのは皆さんもご存知のところです。

北朝鮮情勢の緊迫よって日本の長期金利が低下する

ミサイル発射や核実験といった軍事的挑発によって北朝鮮情勢が緊迫すると、日本の長期金利は低下します。

これは、北朝鮮とアメリカらによる軍事的衝突が起こる可能性を懸念した人たちが、資産を安全な国債へと移す動きによって債券価格が上昇し、相対的に長期金利が下がるためです。

各国による度々の制裁を受けても尚、北朝鮮側が軍事的挑発を辞めない場合、本格的に軍事的衝突が起こるリスクが高くなることが予想されます。

国際情勢は北朝鮮に限ったものではありませんが、このような地政学的リスクによる債券価格の上昇は金利の低下を招くので、すでに住宅ローンを組んでいる方にとっては「借り換え」のチャンスでもあるのではないでしょうか。

2021年の長期金利は0.3%という試算だが信ぴょう性はない

内閣府が2018年1月に発行した資料の「中長期の経済財政に関する試算」によると、2020年の長期金利は0.3%という試算になっています。

この資料は内閣府が年に2回発行しているものであり、景気が良くなった場合と景気があまり変わらなかった場合の2パターンで長期金利が試算されています。

これによると、景気が良くなった場合における2020年の長期金利は0.4%という試算に対し、景気があまり変わらなかった場合における2020年の長期金利は0.3%という試算が出ており、双方の差は0.1%という結果でした。

2019年12月時点の長期金利は0%前後ですので、0.3%への上昇も現実的ではなさそうです。

2020年は東京オリンピックの開催年でもありますが、2%のインフレを実現してデフレ経済の脱却を図るにはもう少し時間が掛かるのではないでしょうか。

よって、緩やかな上昇はあれども、この年において金利が一気に急騰するという可能性はかなり低いと予想しています。

参考:『中長期の経済財政に関する試算』内閣府

2021年の住宅ローン金利はどうなる?

2020年も残すところわずかということで、2021年の住宅ローン金利はどうなるのか?予想をしてみたいと思います。

2020年は新型コロナウイルスに世界中がほんろうされた1年でした。巣ごもり消費系事業は好調でしたが、交通インフラ・外食・レジャー産業などは大きなダメージを受けました。

このような状況で2021年に突入するので、金利が右肩上がりで上昇する可能性は非常に低いでしょう。

日本では「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という長期金利を上限0.1%程度に抑える金融政策が実施されていますが、その取り組みが終了するとは思えません。

また、2021年に延期になった東京オリンピック・パラリンピックの開催後は、様々な要減もあるでしょう。ひょっとしたら開催できないかもしれませんが。

様々な要素を考えると、日本の住宅ローン金利は2020年と同じぐらいの水準で推移する、と予想します。

2021年だけでなく、今後数年間は、短期間で大幅に金利が上昇するという事態は考えにくいと思います。

低金利下でオススメの住宅ローンは?

代表的な変動金利(2020年10月金利)

金融機関金利備考
ミスター住宅ローンREAL(住信SBIネット銀行)0.410%※審査結果により年0.1%~年0.3%の上乗せとなる場合があります。店舗来店型。精神疾患をのぞくすべて病気とケガを保障する全疾病保障が無料付帯。自転車事故などで他人に損害を与えた際の備えもセット。
新生銀行0.450%(変動フォーカス)理由を問わず所定の要介護状態になった場合に住宅ローン残高がゼロになる保障付き。
金利は2020年10月時点