政府・日銀の大規模な金融緩和の取り組みによって、現在の住宅ローンは歴史的な低水準となっており、いわゆる「借り時」や「借り換え時」といえるタイミングでしょう。

しかし、住宅ローンの金利は国内に限らず国際情勢によっても変動するので、今後の住宅ローン金利動向を知りたいという人も多いのではないでしょうか。それにより変動金利を借りるか、固定金利で借りるかも変わってきますね。

金利動向の完全な予想というのは専門家でも難しいものですが、こちらの記事では、今後の住宅ローン金利動向を大胆予想して発表します。

長期金利はバブル崩壊以降下がり続けている

今後の予想をする前に、過去30年の長期金利の推移を見てみると、1990年代のバブル崩壊以降から下がり続けていることがわかります。バブル期には一時、8%にも達していました。

長期金利の推移・動向(平成以降)

多少の上下はあれども、2000年代に入ってから長期金利は2%を超える期間極めて少なく、2016年以降はマイナス金利が定着している状況です。

金利が下がりすぎて金融機関の経営状況が悪化するほど金利が低下しており、さすがにこれ以上の金利低下は考えにくいといってよいでしょう。

いずれは金利が上がるタイミングが来る?

この10年にわたり、いずれ住宅ローン金利は上がると言われてきましたが、結果的に住宅ローン金利は下がり続けてきました。結果的に変動金利で借り入れをした方がもっとも得をしたと表現できるでしょう。今も尚続いているこの低金利は借りる側から見たら「借り時」とも言えるタイミングですが、遅かれ早かれ、金利はいつか上がるでしょう。

今は金融緩和によって金利の上昇が抑えられていますが、当然ながらこの金融緩和は無限に続くものではなく、いずれは超低金利な状況が終わりを迎えます。

ただし、金利が右肩上がりにグングンあがる、景気がばら色になるとはなかなか考えにくいと筆者は考えます。この理由は本ページの後半で紹介をさせてもらいます。

当面は低金利の継続

住宅ローン金利は長期金利と密接に関連しています。原則的には長期金利が下がれば住宅ローン金利は下がり、長期金利が上がれば住宅ローン金利は上がります。政府・日銀は2016年より人工的に長期金利を低く抑える抑える政策を導入しています。これは現在の安倍政権はデフレ経済を脱却するために、2%のインフレを目標に掲げた大規模な金融緩和(マイナス金利政策)の導入を行い、企業や国民がお金を消費しやすいように超低金利政策が採用されました。

日銀のマイナス金利政策

結果的に2%のインフレは目標の期間内に達成できませんでしたが、現在、政府・日銀が採用している取り組みは安倍政権が掲げている「アベノミクス3本の矢」の一つであり、現政権の根幹とも言える取り組みでであり、当面は継続されると考えたほうがよいでしょう。実際、政策面で手詰まり感がある一方で、日本経済が好調という訳でもありません。景気がよくなっている実感が無いという方が大半であることは皆さんご存知のとおりです。

日本で金利が簡単に上がらない理由とは?

次に日本で金利が簡単には上がらない、上げれないと考えられる理由を確認してきたいと思います。

①日本政府の膨大な借金の存在

日本政府が抱える債務は2018年12月に1,100兆円を突破したと報道がありました。政府の予算では年利1%という利払いを想定しています。平成元年には金利が6%を超えていたことを考えると急激な金利低下に驚かされます。

今後も政府の債務は増加し、発行する国債も増加が見込まれています。仮に債務残高が現状と変わらずに金利が2%、3%と増加したとしても、10兆円の単位で政府予算に占める利払いが急増することとなります。現在の日本政府の年間予算は100兆円前後ですので、金利が1%上がるだけで予算を10%も増やす必要が出てきます。2%上がれば20%増やさなければなりません。

大規模な金融緩和はお金の流れを良くすることで企業や一般家計がお金を使いやすくする環境を人為的に作ることにありますが、実態としては政府の台所事情から言うと金利は上げたくても上げれないというのが本音だと思われます。

日本政府の借金が1000兆円を突破

②急激な少子高齢化による経済規模の縮小

日本は世界でもかつて無いスピードで少子高齢化が進んでいます。内閣府の予想では2015年には人口減少が始まり、2048年には1億人の大台を割り込むとされています。特に深刻なのは高齢化で2035年には3人に1人が、2060人には2.5人に1人が高齢者になるとされています。

少子高齢化により勤労人口が減ることによる経済規模の縮小、社会保障に大きな予算が必要な高齢者が増えることで社会保障費の増大などが今後も進んでいくと思われます。

経済が縮小(弱くなる)場合には金利を低く抑え、経済を底支えする必要がより重要になってきます。

日本の人口予想

デフレ脱却時は金利が上昇するはず?

2%のインフレが達成され、デフレ経済の脱却が確実となれば金利は上昇するものと考えられます。

昨今の低金利は金融緩和によって日銀側が金利の上昇を抑制している形ですが、これはつまり、経済が正常ではないということです。

金融緩和は経済が非常時であるために講じられている手段であり、達成困難な目標を設けたことによる長期化の弊害が金融機関やマスコミからも糾弾されているので、日銀側も何とかして金融緩和の出口を見つけたいはずです。

日銀側が金融緩和の出口を模索するような動向を見せると金利は上昇するものなので、仮に今後、デフレ経済の脱却が成功すれば金利は上昇するでしょう。

ただし、繰り返しですが、金利が急上昇するほどの景気回復は難しいと考えたほうが無難だと思われます。

日本の住宅ローン金利は世界情勢にも影響を受ける

日本の長期金利は海外の動向に左右されるものであり、一国の起こすアクションが日本の国債価値や債券の取引価格にどう影響が出るかを考えながら予測する必要があります。

アメリカが好景気になると日本の住宅ローン金利が上昇するはず

アメリカが好景気になり政策金利を引き上げるとなれば、日本国債の10年利回りが上がるので、住宅ローンの固定型金利が上昇するのが一般論です。

しかしながら、2015年12月にアメリカの中央銀行であるFRBは9年半ぶりに利上げを実施し、2018年12月まで段階的に政策金利を引き上げてきました。

アメリカでは、現大統領トランプ氏による内需拡大を狙った財政政策が行われ、経済が活性化してインフレになると予想されていますが、過度なインフレを抑えるには金利を上げる必要があります。

アメリカが過度なインフレとなって政策金利が上昇すると、米国債の人気が高まり債券の取引価格が上がるので、反対に日本の国債は売られ、金利が上昇するはずです。

しかしながら、政府・日銀によるマイナス金利政策の導入で日本の長期金利・住宅ローンが上がるどころか下がったのは皆さんもご存知のところです。

北朝鮮情勢の緊迫よって日本の長期金利が低下する

ミサイル発射や核実験といった軍事的挑発によって北朝鮮情勢が緊迫すると、日本の長期金利は低下します。

これは、北朝鮮とアメリカらによる軍事的衝突が起こる可能性を懸念した人たちが、資産を安全な国債へと移す動きによって債券価格が上昇し、相対的に長期金利が下がるためです。

各国による度々の制裁を受けても尚、北朝鮮側が軍事的挑発を辞めない場合、本格的に軍事的衝突が起こるリスクが高くなることが予想されます。

国際情勢は北朝鮮に限ったものではありませんが、このような地政学的リスクによる債券価格の上昇は金利の低下を招くので、すでに住宅ローンを組んでいる方にとっては「借り換え」のチャンスでもあるのではないでしょうか。

2020年の長期金利は0.3%という試算、これも怪しいが

内閣府が2018年1月に発行した資料の「中長期の経済財政に関する試算」によると、2020年の長期金利は0.3%という試算結果が出ています。

この資料は内閣府が年に2回発行しているものであり、景気が良くなった場合と景気があまり変わらなかった場合の2パターンで長期金利が試算されています。

これによると、景気が良くなった場合における2020年の長期金利は0.4%という試算に対し、景気があまり変わらなかった場合における2020年の長期金利は0.3%という試算が出ており、双方の差は0.1%という結果でした。

2019年12月時点の長期金利は0%前後ですので、0.3%への上昇も現実的ではなさそうです。

2020年は東京オリンピックの開催年でもありますが、2%のインフレを実現してデフレ経済の脱却を図るにはもう少し時間が掛かるのではないでしょうか。

よって、緩やかな上昇はあれども、この年において金利が一気に急騰するという可能性はかなり低いと予想しています。

参考:『中長期の経済財政に関する試算』内閣府

2020年の住宅ローン金利はどうなる?

2019年も残すところ3週間あまりとなりましたが、2020年の住宅ローン金利はどうなるのか?予想をしてみたいと思います。

2019年9月から長期金利は上昇をはじめ、一時マイナス0.25%近い水準であったものが、2019年12月10日に9ヶ月ぶりとなる0%まで上昇しました。

しかし、長期金利が2020年にドンドン上昇することはなさそうです。日本では「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という長期金利を上限0.1%程度に抑える金融政策が実施されています。

また、消費増税による景気落ち込みも2020年にいよいよ目立ってくると思われるとともに、2020年は東京オリンピック・パラリンピックの開催もあり、開催後の需要減もある程度想定されるでしょう。金利がドンドン上がるような状況には無いでしょう。

住宅ローンの金利は長期的には上がる可能性が高い(ただし10年後など)

今後数年の間、短期間で大幅に金利が上昇するという事態は考えにくいですが、10年後やそれ以上の長期では上がる可能性が高いでしょう。

これは日本の経済が緩やかに回復している最中であり、いずれデフレ経済を脱却して金融緩和の出口に立つことができるだろうという試算、そして「2025年問題」といった将来の課題に費やす財源の捻出が困難だろうという懸念による予想です。

住宅ローン金利の動向は国内に限らず海外情勢の影響も受けて変動するものなので、完璧な予測は難しいですが、少しでも安く早期な返済を目標とするのであれば、常に新しい情報をキャッチするための情報収集力が求められるでしょう。

低金利下でオススメの住宅ローンは?

当サイトでは当面、住宅ローン金利が大きく上昇することはないと考えており、この前提に立った場合にもっとも住宅ローンの返済が軽くする変動金利で住宅ローンを組むことをオススメしています。

代表的な変動金利(2020年9月金利)

金融機関金利備考
ミスター住宅ローンREAL(住信SBIネット銀行)0.410%※審査結果により年0.1%~年0.3%の上乗せとなる場合があります。店舗来店型。精神疾患をのぞくすべて病気とケガを保障する全疾病保障が無料付帯。自転車事故などで他人に損害を与えた際の備えもセット。
新生銀行0.450%(変動フォーカス)理由を問わず所定の要介護状態になった場合に住宅ローン残高がゼロになる保障付き。
金利は2020年9月時点