楽天銀行は、日本でもっとも口座数が多いインターネット銀行です。名前のとおり「楽天」のグループ会社で、楽天グループになる前はイーバンク銀行という名前で営業していました。FPとしてご相談を受ける中でも、「楽天ポイントを貯めているので住宅ローンも楽天銀行で組めないか」というお声をよくいただきます。

楽天銀行はネット銀行なので店舗がなく、銀行サービスはほとんどインターネット経由で提供しています。住宅ローンも同様で、パソコンやスマートフォンから申し込むことになりますし、借り入れ後の手続きもインターネットで行います。

楽天銀行では2つの住宅ローンを提供

楽天銀行では「金利選択型(変動金利・固定特約付き)」とフラット35の2つの住宅ローンを提供しています。この2つはまったく違う商品なので、メリットやデメリットも当然変わってきます。

最初に、この2つの住宅ローンについて簡単に解説します。

金利選択型(変動金利)住宅ローンとは?

楽天銀行が独自に開発・提供している住宅ローンが金利選択型です。変動金利を中心に、固定特約を付けて一定期間の固定金利を選ぶこともできますが、基本的には「変動金利」を利用したい人のために用意された住宅ローンです。

この記事では、金利選択型住宅ローンを中心に解説します。

フラット35とは?

フラット35は住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンで、楽天銀行以外にも国内の多くの金融機関から申し込むことができます。

メガバンクや地方銀行など多くの銀行がフラット35を取り扱っていますが、楽天銀行はフラット35の取扱件数で上位の実績があるほど力を入れています。

フラット35は住宅金融支援機構の商品なので、申込窓口の金融機関として差がつくのは「金利」「手数料」「手続きのしやすさ」ぐらいです。楽天銀行がこれだけの実績を集めているのは、この3つのポイントをバランスよく押さえているためと言えます。

上記の3つがメリットであり、楽天銀行を選ぶ人が多い理由でもあります。(ほかにも細かな特徴がありますが、ここでは割愛します)

【ピックアップ】注目の住宅ローン情報
auじぶん銀行の住宅ローンに関する反応

上記は、2025年4月にSNS「X」に投稿された、auじぶん銀行の住宅ローン利用者による反応です。auじぶん銀行は、これまで“業界最低水準”の低金利を前面に打ち出し、住宅ローンの貸出を拡大してきました。

しかし、2025年以降は周辺の銀行と比べても速いペースで住宅ローン金利が引き上げられており、利用者の間では返済負担の増加に戸惑う声も見られます。金利上昇局面では、これまで低金利で注目されていた銀行ほど、見直し後の金利水準に対する反応が大きくなりやすい点には注意が必要です。

一方で、SBI新生銀行は、比較的金利の引き上げを抑えていることから、相対的な魅力が高まっています。住宅ローンは、借入時の金利だけでなく、金利見直し後の水準や団信、手数料、返済ルールなどを総合的に比較することが大切です。

どの住宅ローンを選ぶ場合でも、各金融機関の最新金利や商品内容を確認しておくことは重要です。注目を集めている住宅ローンについては、金利水準だけでなく、保障内容やキャンペーンの有無もあわせてチェックしておきましょう。

SBI新生銀行の住宅ローン

SBI新生銀行の住宅ローンの最新金利・キャンペーンの確認などはこちら

メリット・デメリットのまとめ

ここでは楽天銀行の金利選択型住宅ローンのメリットとデメリットを、できるだけ詳しく解説していきます。まずは要点をまとめておきますので、後半の詳しい解説と合わせて参考にしてください。

金利選択型住宅ローンのメリット・デメリットのまとめ
  • 事務手数料が330,000円(税込)で固定(定額型)。借入金額が増えても変わらない(楽天銀行口座を返済口座に指定した場合)。
  • 保証料・一部繰上返済手数料・団信保険料が無料
  • がんと診断されたら住宅ローンの残高が半分になるがん保障特約(がん50%保障)が無料
  • 所定の就業不能状態が1年を超えたときに住宅ローンの残高が0円になる全疾病特約(就業不能保障特約)が無料
  • 就業不能状態が一定期間続くとその月の住宅ローンの返済が保険でカバーされる。
  • 変動金利の水準は他のネット銀行より高めだが、事務手数料が定額・保証料無料・がん50%保障・就業不能保障・毎月の返済保障がついている点を考慮すると検討に値する。
  • ネット銀行なので来店せずに手続き完了。オンラインで土日も相談しやすい。
  • 住宅ローンや住宅購入にかかる諸費用を借入額に含むことができる
  • 変動金利の利用中は原則として固定金利に変更可能。
  • 申込から契約まで一定の日数がかかるため、余裕をもって早めに申し込むとよい。
  • つなぎ融資(つなぎローン)にも対応しているので注文住宅でも利用可能。土地先行取得資金・着工金・中間金を最大3回に分けて利用可能。
  • 一部繰上返済は手数料無料でこまめに返済可能。
  • ペアローンだけでなく夫婦連生団信にも対応。共働きのメリットを生かした住宅購入が可能。
  • 年収条件は厳しめ。原則400万円以上から。

住宅ローンの金利水準について(2026年6月時点)

まずは金利水準から確認しておきましょう。2026年6月時点で、楽天銀行 金利選択型の変動金利は年1.295%〜(新規借入・楽天銀行口座を返済口座に指定した場合)となっています。近年は日本銀行の利上げを受けて各行とも変動金利が上昇しており、楽天銀行の変動金利は他のネット銀行と比べるとやや高めの水準です。最新の適用金利は必ず楽天銀行の公式サイトでご確認ください。

楽天銀行の住宅ローンは「金利に幅がある」のが特徴です。これは審査の結果次第で提示される金利が変わるためで、覚えておくとよいでしょう。なお、楽天銀行以外の口座を返済口座に指定すると年0.3%、ペアローン連生型・夫婦連生型の団信を付けると年0.2%が、それぞれ金利に上乗せされます(楽天銀行公式)。

金利に幅があるのはデメリットのように感じますが、「審査に落ちるのではなく、金利は少し高めでも審査に通る」というケースが増えることにもつながります。とはいえ、変動金利の水準そのものは他のネット銀行よりやや高めなので、金利だけを重視するなら他行とよく比較したいところです。

最終的な金利は審査に申し込んでみないとわからないので、気になる場合は審査を申し込んでみることをおすすめします。

事務手数料は330,000円(税込)で固定

楽天銀行の住宅ローン(金利選択型)の事務手数料は、楽天銀行口座を返済口座に指定すれば借入金額にかかわらず一律330,000円(税込)の定額型です(楽天銀行公式)。他のネット銀行の多くは「借入金額の2.20%(税込)」という定率型を採用しており、たとえば3,000万円なら66万円以上、4,000万円なら88万円以上の手数料がかかります。借入額が大きいほど、定額型の楽天銀行のほうが手数料面では有利になります。

一般的に、借入金額の2.2%の手数料は「金利に換算するとおよそ0.2%相当の負担」と言われます(借入期間などで変わるため正確な換算ではありません)。

つまり、定額型でその半分程度の負担で済む楽天銀行の事務手数料は、借入額が大きい場合には「金利に換算すると0.1%相当かそれ未満の負担」と言える場合があります(借入金額が少ないと計算は変わります)。

この点をふまえると、楽天銀行の金利選択型の金利を、事務手数料2.20%がかかる他のネット銀行と比べるときは、「楽天側の金利からおよそ0.1%を引いて比較する」とちょうどよい目安になります(借入額が大きい場合)。

ただし、楽天銀行以外を返済口座に指定すると事務手数料は借入額×1.430%(税込・最低110,000円)となり、変動金利にも0.3%が上乗せされます。手数料の優位性を生かすには、楽天銀行口座を返済口座に指定することがポイントです。

がん保障特約(がん50%保障)が無料

楽天銀行の住宅ローンには無料の疾病保障サービスがついています。その中でももっとも注目したいのが「がんと診断されたときに住宅ローンの残高が半分になるがん保障特約(がん50%保障)」です。

楽天銀行のがん保障特約(がん50%保障)の仕組み
がんと診断されると住宅ローン残高が半分になるがん保障特約

この特約は、「がんと診断される」というシンプルな支払い条件になっていることが最大のポイントです。日本人の2人に1人はがんになると言われている時代です。

住宅ローンの借入期間中にがんになるかは誰にもわかりませんが、この保障が無料でついてくる安心感は大きいと言えます。

なお、楽天銀行ではがんと診断されたら残高が0円になるがん100%保障や、夫か妻のどちらかが支払い条件に該当したら保険金が支払われる「夫婦連生団信」も用意しています。

がん100%保障や夫婦連生団信を利用する場合は金利が上乗せになりますが、より安心して生活できるようになります。最新の上乗せ幅や適用条件は公式サイトでご確認のうえ、ご家庭の状況や考え方に合わせて組み合わせるとよいでしょう。

全疾病保障(就業不能保障)も無料

先ほどのがん保障に加えて、「就業不能保障(全疾病保障)」も無料でついてきます。

一般団信に就業不能保障特約が無料でセット
一般団信に就業不能保障特約が無料でセット

就業不能保障とは、少し例外はありますが、病気でもケガでも「1年間働けない状態が続いたら住宅ローンの残高が0円になる」保障です。

医療の高度化が進んだことで、従来なら助からなかった病気でも生存できるようになりました。それは素晴らしいことですが、一方で「生存しているために住宅ローンの返済義務が残る」可能性も増えていることになります。

この特約が無料でついてくる楽天銀行の住宅ローンは、死亡や高度障害のときにしか機能しない団信しかつかない住宅ローンと比べて、安心感が高いと言えます。

月々の住宅ローン返済が保障される

さらに、無料の保障が続きます。先ほどの「全疾病保障」は1年以上の就業不能が条件のため、それだけだと「働けなくなっても1年間は返済を続けなければならない」ことになります。

楽天銀行の住宅ローンは、この問題にもしっかり対応しています。

楽天銀行の住宅ローンは毎月の返済の保障にも対応
就業不能状態が一定期間続くと毎月の返済が保障される

たとえば、ある年の1月10日に病気やケガで働けない状態になったとします。命に別状はなかったものの、しばらく入院することになったとしましょう。

所定の就業不能状態が一定日数続くと、その月の住宅ローンの返済が保険でカバーされる仕組みになっています。

「支払わなくてよい」ではなく「保険金で代わりに支払われる」ので、住宅ローンの返済はしっかり進んでいきます。

そのまま働けない状態が続いた場合は、毎月分の返済が保険金で支払われ、最終的に1年を超えて就業不能という条件を満たすと住宅ローンの残高が0円になる、という流れになります。入退院を繰り返すケースにも一定の範囲で対応します(退院して働ける間は通常どおり返済します)。詳細な保障日数・条件は公式の商品説明書でご確認ください。

まとめ

記事の前半で紹介したとおり、楽天銀行の住宅ローンにはこのほかにもさまざまなメリット・デメリットがありますが、特に押さえてほしいポイントに絞って解説しました。

楽天銀行の住宅ローンは、無料のがん50%保障・全疾病保障・毎月の返済保障といった手厚い団信と、借入額が大きいほど効く定額型の事務手数料が魅力です。変動金利の水準はやや高めなので、金利を最優先する方は他のネット銀行ともよく比較したうえで判断するのがFPとしてのおすすめです。

金利だけでなく団信・保障の手厚さも含めて比較したい方は、無料の疾病保障に強みのあるauじぶん銀行や、諸費用の分かりやすさ・一般団信0円や全疾病保障付団信などを備えるSBI新生銀行なども、あわせて検討候補に入れておくと選びやすくなります(各行の最新の金利・保障内容は公式サイトでご確認ください)。

楽天銀行の住宅ローン公式サイトはこちら