住宅ローンは年収や職業、借り入れの有無などによって審査されますが、年齢も重要なポイントのひとつ。一般的に高齢になればなるほど住宅ローン審査は厳しくなると言われています。

ではなぜ年齢が高くなるとローンの審査に通りにくくなるのでしょうか?その原因を踏まえた上で、高齢でも住宅ローン審査に通りやすくなるポイントを紹介します。

年齢が高いと住宅ローン審査に通りにくくなる2つの理由

住宅ローンを申し込むにあたって意外とネックになるのが年齢です。
住宅ローンは基本的に長期にわたって返済していくものなので、マイカーローンや学資ローンなどに比べると審査は厳しくなります。

それは年齢についても例外ではなく、住宅ローンの申込には一定の年齢制限があって、安定した収入を見込めない未成年はもちろんですが、実は年齢が高すぎても制限に引っかかる可能性があります。

実際、国土交通省が行った「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、「融資を行う際に考慮する項目」において最も高かったのは「完済時年齢」で98.8%、次いで「借入時年齢」と「健康状態」が同率で97.6%と続いていて、いかに金融機関が契約者の年齢を重視しているかがわかると言えるでしょう。

参考:『平成28年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書』(pdf)
国土交通省 住宅局

ではなぜ高齢になると住宅ローンの審査に通りにくくなるのか?その理由は大きくわけて2つあります。

理由1.定年前に完済できなくなるおそれがある

住宅ローンの審査において最も重視されるポイントはローンをきちんと完済できるかどうかです。金融機関もボランティアで融資しているわけではないので、最後まできちんと返済できるかどうかしっかり見極めないといけません。

そのため、まだ入社したてで収入も勤続年数も少ない若者は住宅ローンの審査が厳しくなるわけですが、ではある程度年齢がいっていればOKなのかというと実はそうでもありません。

多くの企業では65歳で定年を迎える仕組みになっていますが、一方で住宅ローンの返済期間は最長35年とかなり長めです。
もし35年ローンを組むのなら、最低でも30歳までに住宅ローンを申し込まないと完済するまでに定年を迎えることになってしまいます。

もちろん繰り上げ返済するなどして返済期間を短縮すれば定年前に完済することも可能ですが、リスクを考慮すると金融機関側が申込み年齢に下限だけでなく上限を設けるのは当然のことと言えるでしょう。

理由2.団体信用生命保険の条件

ほとんどの住宅ローンでは、契約にあたって団体信用生命保険(団信)に必ず加入しなければなりません。
団信とは住宅ローン専用の生命保険のことで、もし被保険者が亡くなった場合、自動的にローンの残債がなくなる仕組みになっています。

残された家族に負担がかからないようにするための安全措置と言えますが、保険会社にとってもリスクの高い商品なので、団信には「80歳までに完済」という年齢制限が設けられているのです。
35年ローンを組みたいのなら、最低でも45歳までには申し込まなければいけないので、大半の住宅ローンは45歳を上限としています。

年齢が高くても住宅ローンに通りやすくなるポイント

年齢制限がある以上、高齢になると住宅ローンに通りにくくなってしまうのは事実です。一般的には20代後半から30代前半くらいまでが最も住宅ローンに通りやすい年齢と言えます。

ただ、いろいろな事情で住宅ローンの申込みが遅くなってしまったという人も多いでしょう。その場合、どうすれば住宅ローンに通りやすくなるのでしょうか?ここではそのポイントを3つ紹介します。

ポイント1.30代になったらなるべく早めに住宅ローンに申し込む

住宅ローンの年齢制限に引っかかりさえしなければ、ローンを申し込むこと自体は可能です。しかし、年齢上限に近くなればなるほど住宅ローンの審査は厳しくなるので、ギリギリまで待たずになるべく早めに申し込むようにしましょう。

一般的には40歳になるまでに住宅ローンを契約するのがベストと言われています。

ポイント2.完済時の年齢をなるべく低くする

前述の「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、金融機関が一番重視するのは「完済時の年齢」であることがわかります。
逆に言うと、完済時の年齢を低く設定すれば住宅ローンの審査で有利になると言えます。

完済時の年齢を低くする主な方法は3つあります。

月々の返済額を増やす

同じ額を借り入れるなら、毎月の返済額を多くすれば、そのぶん返済期間を短縮することができます。
利子も少なくなるので一石二鳥ですが、一方で月々の負担が大きくなるので、あくまで無理のない返済計画を立てることが大事です。

購入する物件の価格を安くする

住居は一生に一度の買い物と言われているので、できれば妥協したくないところです。
ただ、借入額が大きくなればなるほど住宅ローンの審査も厳格になっていく警告にあるので、審査で年齢がネックになりそうな場合は購入する物件の価格を安く抑えることも検討してみましょう。

頭金を増やす

購入物件の価格が高くても、それなりの頭金を用意できるのであれば融資額をぐっと減らすことができます。
また、物件を担保にして融資を行った場合、もし契約者が返済できなくなった場合に金融機関は物件を売却することで融資額の回収をしようとします。

その際、物件に対して融資額が少ないほど金融機関の貸金回収率はアップしますので、審査の時に有利にはたらきます。

以上のことから、頭金の有無は住宅ローン審査に少なからず影響を及ぼすと言われています。

ポイント3.担保評価の高い物件を購入する

先ほども説明した通り、金融機関は万一融資金が回収できなかった場合、物件を売却して穴埋めをしようとします。そのため、担保となる物件は価値が高いもの=担保評価の高いものの方が審査に有利となります。
物件そのものは経年劣化によってだんだん価値が下がっていってしまいますので、担保評価の高い物件を選ぶのならその物件の立地に着目しましょう。

たとえば駅から徒歩数分の距離にあったり、スーパーやコンビニなどの店舗が近くにあったり、治安が良い地域だったりすると建物自体の価値が徐々に下がっていっても担保評価が大幅にダウンすることはありません。
ただ、こういった人気エリアは物件価格も高くなりやすく、ローン年数も長くなりがちなので、年齢が高い人にとっては諸刃の剣になる可能性があります。

完済時年齢が高いと審査する上で不利になってしまうので、担保評価の高い物件を選ぶなら十分な頭金を用意できるかどうかも考慮しましょう。

年齢が高くても工夫をすれば住宅ローンの審査にパスできる

年齢が高くなると住宅ローンの審査に通りにくくなってしまうのは周知の事実なので、中には「もう40代だし……」と申し込む前からあきらめてしまう人も少なからずいます。

確かに40代になると20代や30代に比べて住宅ローンの審査は厳しくなりますが、完済時の年齢を低く設定したり、十分な頭金を用意したりすれば、年齢が高くても住宅ローンの審査をパスすることは十分可能なのです。

特に完済時の年齢は融資を決める際に最も重視されるポイントなので、年齢がネックになっている人は自分に合った方法で完済時年齢の引き下げを検討するようにしましょう。