【注意】ヤミ金業者との勘違いに注意
この記事ではクラウドローンというサービスについて解説しています。なお、2018年にCloudLoan(クラウドローン)というサービス名称でヤミ金業者と思われる業者が融資の広告を出していたことがありました。この記事で解説しているクラウドローンとは別のようですので注意してください。

クラウドローンとは?

クラウドローンとは、お金を借りたい人と、銀行が提供するローンをマッチングするサービスで、2020年1月23日に提供を開始した、いわゆる”レンディングプラットフォーム”です。

レンディングプラットフォームとは「レンディング=貸出」+「プラットフォーム=土台となる環境」なので、お金を貸すための環境を提供するサービスに位置づけられます。

クラウドローンは、申し込むと「クラウドローンと提携している銀行・信用金庫からローンの提案をしてもらえる可能性がある」という仕組みです。画期的な与信技術でこれまで借りられなかった人が借りられるようになる、といったサービスではありません。

根本から新しい与信の仕組みを開発したレンディングプラットフォームとしては、みずほ銀行とソフトバンクという大手がAIなどの技術を使って作った「J.ScoreのAIスコア・レンディング」がありましたが、こちらは2023年に事業を終了し、会社も解散しています。融資・貸し出しというビジネスの難しさがわかります。

クラウドローンを提供しているのはクラウドローン株式会社というフィンテック企業です。冒頭で説明したとおり、クラウドローン株式会社からお金を借りるのではなく、クラウドローンと提携している金融機関とローンの契約を結ぶことになります。

クラウドローン株式会社の発表(2026年5月)によると、提携金融機関は40行を超え、登録ユーザーは20万人を突破、累計の申込総額は1,814億円に達しているとのことです。提携先は伊予銀行・中国銀行・武蔵野銀行・滋賀銀行・但馬銀行・北日本銀行・富山第一銀行・清水銀行・西日本シティ銀行・十六銀行・みなと銀行などの地方銀行が中心です。これらの金融機関へ、一度の登録でまとめて融資の相談ができる、という位置づけのサービスです。

クラウドローンは、引っ越し業者のおまとめ見積もりサービスのローン版、と考えておくとわかりやすいでしょう。近年はとくにマイカーローン(自動車ローン)の分野で利用が広がっています。

申し込んでも提案が来ない・借りられないこともある
当サイトでは過去に2年ほど、クラウドローンさんの広告を成果報酬型で掲載していました。計測ツールによると、その間に100人近い方がクラウドローンさんに申し込んだ数字になっていましたが、契約に至ったのは1人という結果でした。

すでに広告掲載は終了しており、これ以上クラウドローンさんから紹介報酬を受け取ることはありませんが、当時は大半の方が契約に至らず、お金を借りられなかったというのが実感です。属性や地域によっては提案がほとんど来ないこともあるので、申し込み時には過度に期待しすぎないほうがよいでしょう。

※提携金融機関はその後40行超に拡大しており、状況は当時と変わっている可能性があります。最新の対応状況は公式サイトでご確認ください。

レンディングプラットフォームとは

レンディング(Lending)は「貸し付け・融資」、プラットフォーム(Platform)は「基盤・土台」という意味です。つまりレンディングプラットフォームとは「融資を行うための仕組みが整えられた基盤サービス」のことです。

この記事で紹介しているクラウドローンも、あくまで「プラットフォーム」であって、クラウドローンというローン商品があるわけでも、クラウドローン株式会社がお金を貸してくれるわけでもありません。

「これぐらい融資してほしい」という情報を登録すると、それが提携する金融機関にまとめて共有され、複数の金融機関から融資条件を提案してもらえる仕組みです。

「引っ越し料金のおまとめ見積もりサービス」のローン版のようなもので、まったく新しい好条件のローンが用意されているわけではありません。最終的には提携先の銀行から融資条件が提示され、申し込んで正式に審査を受けてお金が借りられる流れなので、即日でお金を用意できるサービスではない点には注意しましょう。

クラウドローン株式会社について

次に、このサービスを提供しているクラウドローン株式会社について確認しておきましょう。この会社から直接お金を借りるわけではないとはいえ、怪しい会社のサービスは使いたくないですよね。

会社名クラウドローン株式会社
設立2018年7月5日
代表取締役村田 大輔
住所東京都新宿区西新宿8-1-2 PMO西新宿6F
電話番号050-3550-3967
メールアドレスinfo@crowdloan.jp
加盟団体一般社団法人Fintech協会
取引先(一例)常陽銀行・中国銀行・伊予銀行・スルガ銀行
仙台銀行・三十三銀行・但馬銀行・北日本銀行
富山第一銀行・清水銀行
みずほ銀行・三井住友銀行・住信SBIネット銀行 ほか
※提携金融機関は順次拡大し、2026年5月時点で40行超。最新は公式サイトでご確認ください。

代表取締役の村田大輔氏は、住信SBIネット銀行での勤務などを経て、2018年にクラウドローン株式会社(旧・株式会社UPWARDS)を立ち上げたとのことです。

続いて、過去に類似のサービスを提供していたJ.Scoreの会社概要も、この流れで確認しておきましょう。

会社名株式会社J.Score(ジェイスコア)
設立2016年11月1日
代表取締役CEO向井 英伸、副社長CFO宮崎 まりお
住所東京都港区赤坂五丁目3番1号 赤坂Bizタワー
資本金200億円(うち資本準備金100億円)
株主株式会社みずほ銀行 50% ソフトバンク株式会社 50%
2022年10月時点

みずほ銀行の大きなバックアップを受け、ソフトバンクグループと組んで立ち上げられたJ.Scoreでしたが、以下のとおり、すでに事業を終了し会社も解散しています(個人向け融資事業は2023年にLINE Creditへ統合されました)。

以下は、J.Score社の決算公告(第三期~五期)で、3年連続で40億円以上、合計で160億円以上の純損失が発生しています。累計の利益剰余金が▲180億円を超える状態に陥り、結果的にJスコアは事業を終了し、会社も解散・清算されました。

JScore決算

クラウドローンのメリット・特徴

1度の登録で複数の銀行から提案してもらえる可能性がある

クラウドローンに融資希望情報を登録すると、その情報を複数の金融機関が確認して「こんな条件で融資できますがどうですか?」と提案する仕組みです。最大のメリットは、複数の金融機関の提案の中から、自分に合ったものを選べる可能性があることといえます。

クラウドローンのメリット

どの金融機関からも提案が来ない可能性はありますし、審査の仕組みそのものに目立った特徴があるわけではないので、必ず好条件で借りられるとは限りません。それでも、何社にも個別に申し込んでは審査に落ちて…を繰り返すよりは、労力が少なく済みます。

個人信用情報に記録が残りにくい

金融機関は信用情報機関に加盟していて、融資の申し込みや返済・延滞などの情報を信用情報機関に提供しながら、他社への申込履歴などを確認できるようになっています。日本には信用情報機関が3つあり、相互に情報連携しているため、信用情報の詐称や隠ぺいはほぼ不可能です。

信用情報機関と情報の流れ

信用情報機関の種類と情報連携

この仕組みは、お金を借りたい人と貸す企業が健全に取引するために必要なものですが、一度記録された情報は3年〜5年など長期に保存されます。短期間に何社も申し込むと、その履歴が「申込ブラック」とみなされ審査に不利になることもあるため、申込履歴はなるべく残さないほうが安心です。ところが今の日本の制度では、どこかの金融機関に申し込んだだけで、その履歴が記録されてしまいます。

クラウドローンの場合、「こういう条件で融資を希望している」と登録した時点では、個人信用情報に申込履歴は残りません。金融機関から提案を受けた段階でも残りません。

※ただし、提案を受けたあと実際に借入へ進む場合は、その金融機関で正式な審査が行われます。その申込履歴は残りますし、そこで落とされる可能性もあるので注意しましょう。

最終的に「提案に申し込んだ時点で初めて申込履歴が残る」仕組みなので、信用情報への記録を最小限に抑えながら、複数の金融機関から提案を受けられる可能性がある——これがクラウドローンの2つ目のメリットといえるでしょう。

地銀のローンは全体的に金利が低いが・・・

たとえば自動車ローン(マイカーローン)は、トヨタ・日産・ホンダなどのディーラー系ローンだと4%〜9%ぐらいになることもありますが、銀行系なら1%〜2%台で借りられることが多くなっています。

また、ノンバンクのカードローンやフリーローンは法律で定められた範囲で高めの金利になりがちですが、銀行系ローンはそれより一段低い金利が設定されています。

銀行は預金で多額の資金を預かっていて資金力が豊富なため、ローンの金利を低く抑えやすいのです。

クラウドローンと提携しているのは、こうした銀行・信用金庫が中心です。「複数行の提案の中から自分たちを選んでもらいたい」と考えている金融機関が参加していると見れば、比較的前向きな条件が出てくることも期待できます。

まとめると、クラウドローンの3つ目のメリットは「比較的良い条件の金利で借りられる可能性があること」といえます。ただし、地方銀行・信用金庫が中心のため、お住まいの地域によっては提案できる金融機関が限られる点は理解しておきましょう。

クラウドローン利用の流れ

クラウドローン利用の流れ

クラウドローンを利用するには、まず基本情報を登録します。基本情報といっても、最初の段階では「名前」「住所」の入力は不要で、「どんな目的で、いくらを、いつまでに借りたいか」などを登録します。

その後、登録情報を確認した金融機関から融資条件の提案が届くので、気に入った提案があればその金融機関に申し込み、正式な審査を受けて、問題なければ融資契約に進みます。

名前や住所の登録が不要だからといって、借りるつもりのない希望情報を登録すべきではありませんが、ある程度は気軽に登録できます。

新規借入の予定がある人、条件が良ければ返済中のローンを借り換えたい人などは、ためしに登録してみてもよいでしょう。条件が合わなければ断ればよいだけです。

クラウドローンの審査は甘い?

クラウドローンは融資の「マッチングサービス」です。クラウドローン自身が直接お金を貸すわけではありません。したがって、クラウドローン経由だからといって審査が甘くなることはありません。実際に貸すのは提携先の銀行・信用金庫なので、審査基準もその金融機関のものになります。

クラウドローンの評判・くちこみは?

サービス開始当初(2020年ごろ)は、ネット上の評判といえば記事冒頭で触れたヤミ金業者のものばかりで、このサービス自体の口コミはほとんど見当たりませんでした。

その後、登録ユーザーは20万人を突破し、とくにマイカーローンの分野で利用が広がっています。最近は「信用情報への照会が1回で済む」「来店不要でスマホで完結する」といった良い評判がある一方で、「属性や地域によっては提案が来ない・少ない」「事前審査を通っても本審査で落ちることがある」「最低金利の適用には細かい条件がつく場合がある」といった声も見られます。良くも悪くも、使える人・使いにくい人がはっきりするサービスといえそうです。

まとめ

クラウドローンは、2020年にフィンテック企業が始めた銀行ローンのマッチングサービスです。「引っ越し業者を選ぶときの複数見積もりサービスのローン版」と言えばイメージしやすいでしょう。提携金融機関は40行を超え、登録ユーザーは20万人を突破するなど、サービスとしては着実に広がっています。

ただし、実際にお金を貸してくれるのは提携先の銀行・信用金庫です。最新の審査技術で必ず借りられるようになるわけではないので、「銀行をいくつも回る手間が少し省けるサービス」くらいに考えておくとよいでしょう。地方銀行・信用金庫が中心のため、地域によっては選べる先が限られる点にも注意してください。

「みずほ銀行」「ソフトバンク」という誰もが知る大手が最新技術を駆使して提供したJ.Scoreでさえ、事業を継続できずに解散しました。それだけ個人向けの小口融資は難しい業界だということが、ここからも伝わってきますね。