マイホームを買ったり新築するときにかかる諸費用の1つに「登記費用」があります。


普通に生活しているだけだと「何かを登記する」ようなことは滅多にないので、ほとんどの人は「登記」も「登記費用」も詳しくしらないと思います。

この記事では、住宅の登記費用について「登記とはなにか?」という基本から、「登記の種類や登記費用の節約方法」について説明していきたいと思います。

登記手続き&費用のまとめ

最初に結論について少し触れます。「登記」は司法書士にお願いするのが普通ですが、自分で書類を作成して手続きすることもできます。

法務局の人などに相談すれば、自分での登記も極端に難しいわけではないので、住宅ローンを使わずに現金で家を買う場合は自分で手続きしてしまうと良いでしょう。ただ、住宅ローンを利用する場合、金融機関が指定する司法書士に手続きしてもらわないと住宅ローンを貸せないと言われることが多いので最初に確認しておくようにしてください。

なお、登記にかかる費用の内訳は、司法書士報酬が20万円程度、登録免許税と印紙税が20万円程度です。「税金(登録免許税)」は必ずかかるので、自分で手続きすることで20万円程度の司法書士報酬を節約することができます。

住宅ローンを契約する時、一般的に司法書士が同席して登記設定に必要な書類を準備します。金融機関側は確実に抵当権を設定する必要があるので、司法書士を使わない登記が認められることはまずありません。また、繰り返しになりますが、司法書士自体を金融機関が指定することが多いのが現状です。このためかGoogle検索では「〇〇銀行 住宅ローン 司法書士 高い」といったキーワードを検索している方も多いようです

本記事では自分で手続きする方法について解説していますが、実際には許してもらえないことが多いことを念頭に、不動産会社や金融機関の担当者に自分で登記することで良いか?と聞いてから準備するようにしましょう。

20万円はもったいないですし、20万円を馬鹿にするつもりはありませんが、登記手続のお金を節約するよりも「金利が低い住宅ローン」に申し込むことの方が節約効果は大きいので住宅ローン選びに時間を費やした方が良いかもしれません。

現在、低金利なネット銀行の多くでは登記費用を含めた諸費用を住宅ローンの一部として借りることも可能となっています。

大手銀行や地銀の住宅ローンを考えている人は、ネット銀行の低金利の住宅ローンの金利を1度は確認しておくようにしてください。

ネット銀行と言っても多くありますが、特にauじぶん銀行は金利もサービス内容も優れているので、比較対象としてチェックしておくようにしましょう。

目次

1.新築するときに登記をするのはなぜ?

なぜ新築をするときに登記が必要になるのでしょうか?また、そもそも登記とは何でしょうか?

不動産登記とは、不動産(土地・建物)の物理的現況及び私法上の権利関係を公示することを目的とする登記で、取引の安全を保護するのに役立つ(公示力)。不動産の物理的現況を公示する「表示に関する登記」と、権利関係を公示する「権利に関する登記」の2種類に分かれる。wikipediaより引用

わかりやすく言うと「この土地と建物は私のものだ。」と、正式に認めてもらえるようにする手続きが登記です。

1-1.新築した家や買った土地の登記をしておかないとどうなるか?

1-1-1.表示登記は1ヶ月以内にしないと10万円以下の過料

登記には表示に関する登記と権利に関する登記があります(登記の種類については後述)。

そのうち、表示に関する登記は住宅を取得してから1ヶ月以内に登記をしないと10万円以下の過料(罰金のようなもの)と法律で決まっているようです。

登記費用がかかるからといって登記をしていないことがバレると過料といって結局お金を払わないといけなくなるということですね。

1-1-2.登記しないと自分のものだと主張できない

例えば、あなたが買って固定資産税も支払っている土地、新築した家に例えば他の人が突然やってきて「個々の土地は私のもんだから出て行ってくれ。」と言われたとしましょう。

そして、その土地と建物の登記を確認すると自分の名前ではなく所有者にはその人の名前が・・・

実際にはまずないと思いますが、登記こそが「持ち主を証明してくれるもの」なので、万が一そんな状況だと「この土地や建物は自分のものだ!」と誰も証明してくれず、主張することもできなくなる、というわけです。

1-2.住宅ローンを利用する場合は登記は必須

住宅ローンを利用する場合、土地や建物に「抵当権」という権利を登記しなければなりません。これは、あなたが住宅ローンを支払えなくなった場合、銀行が住宅ローンを払えない代わりに土地と家をもらえる権利を持ってますよ、ということを証明するものです。

銀行はその証明が無ければお金を貸すことはできませんので、住宅ローンを利用する限りは「抵当権」の登記が必要になってきます。

住宅ローンを利用しない場合は登記をしなければ登録免許税という税金を節約したりできますが、一般の人であれば現金一括で家を買うのは難しいものです。

なので、新築時には登記は必ずするものだと思っておいて間違いないでしょう。

2.新築時に必要になる登記種類

どんな状態の土地を買うか、建物の取り壊しがあるかどうか、住宅ローンを利用するかどうかで必要になる登記が変わります。

まず、新築時に必要になる登記の種類とどんな時に必要になるのかについて説明します。

2-1.あなたが新築した建物がどんなものかを登記する建物表題登記

あなたが新築した建物は、当然まだ登記簿には登録されてないので、書類上は世の中に存在していない建物です。

この状態から新築した建物の所在地や家屋番号、建物の種類や構造、床面積、所有者を登録するのが建物表題登記です。

先ほどの触れましたが、この建物表題登記をやらないと10万円以下の過料になると法律で決まっているので注意しましょう。ただし、日本中の建物すべてが登記されてわけではなく、実際には登記されていないような古い物件は大量にあるとされていて、それらが全て過料を支払っているというわけではないようです。

建物表題登記が完成すると、登記簿謄本の表題部に情報が記載されます。

新築時の登記費用を節約するために。登記簿謄本の表題部

2-2.新築した建物はあなたものだと公的に認めてもらう所有権保存登記

建物表題登記にも所有者は書かれてはいるのですが、「所有権保存登記」をすることで初めてその物件の所有者だと公的に認めてもらうことができます。

所有権保存登記をすることで、その建物を売ったり相続したり住宅ローンを借りた時に行う抵当権の設定登記が可能になります。当り前のことですが、誰のものかが証明されていない物件の抵当権だけを設定する、ということはできません。

逆に所有権保存登記をしなければ、その建物を売ろうと思っても売れませんし、相続もできないということになります。

2-2-1.所有権保存登記は実は任意

建物表題登記は1ヶ月以内に行わないと10万円以下の過料になりますが、所有権保存登記にそのような罰則はありません。ただし、所有権保存登記をしていないと売ったり相続したり、住宅ローンを借りたりということはできません。任意とはいえ住宅ローンを利用する私たちにとっては必須と考えておくべきです。

2-3.住宅ローンを利用する場合必要になる抵当権設定登記

抵当権設定登記とは、あなたが住宅ローンを利用する場合に必要になる登記です。

万が一、あなたが住宅ローンを支払えなくなった場合に、銀行に住宅ローンの代わりに土地と建物をもらうを与えていますよ、と言うことを証明するものです。いわゆる「担保」ですね。例えば、1つの物件を担保にA銀行からお金を借りているにも関わらず、黙ってB銀行からもお金を借りるというようなことができない仕組みになっているというわけです。

そのため、この抵当権設定登記をしないと住宅ローンを借りることはできないというわけです。

2-3-1.抵当権の関係で、土地と建物の住宅ローンは分けることができない

ほとんどの場合で住宅ローンを利用する場合は、その銀行や金融機関、住宅金融支援機構の第一位の抵当権を設定する必要があります。

そのため、土地の住宅ローンはA銀行で建物の住宅ローンはB銀行にするということはできません。バラバラになっているとA銀行もB銀行も処理に困るのもその理由です。

所有権保存登記が完了すると、登記簿謄本の権利部に情報が記載されます。

新築時の登記費用を節約するために。登記簿謄本の権利部

2-4.他の人の土地を買った時に必要になる所有権移転登記

今現在あなたの土地でない土地を買って、そこに家を建てる(または建っている家を買う)場合、その土地の所有者は他の人になっています。

その人からあなたが土地を買ったら、その所有権をあなたに移す必要があるのはわかりますね。これを、所有権移転登記と言います。

2-5.宅地以外の土地を宅地にするために必要な地目変更登記

「地目」という言葉もあまり知られていないと思いますが、地目とは「その土地の種類」を示すものです。家は「宅地」にしか建てることができませんので、家を建てるためには土地の種類(地目)を宅地にする必要があります。

地目には色んな種類があります。

田、畑などの農地、雑種地、公園や塩田、山林などなど。

もし、新築建物を建てる土地の地目が宅地以外の場合、まず地目変更をする必要があります。地目変更登記はその時に必要な登記です。

2-6.古い建物を取り壊した時に必要な建物滅失登記

今住んでいる家を取り壊して家を建てたり、古い建物が立っている土地を買ってそれを取り壊して家を建てるという場合には、取り壊す建物の滅失登記をしなければなりません。

「存在している建物を証明するのが登記」の逆で「建物が存在しなくなったことを証明する登記」です。この滅失登記も取り壊してから1ヶ月以内に行わないと10万円以下の過料となっていますので注意が必要です。

ただ、取り壊した建物が登記されていないこともあって、そのような建物の場合は滅失登記は必要ありません。

家を建てる・購入する時に必要になる登記の種類の説明はほぼ終わりました。続いて、新築時にかかる登記費用の目安をお伝えします。

3.新築時の登記費用目安

一般的に登記費用には「司法書士や土地家屋調査士への報酬」、「登録免許税」、「印紙税」の3つがあります。

ここで、いくつかのケースでそれぞれの費用がいくら掛かるのかを見て行きましょう。

3-1.他人名義の土地(宅地)を買って新築一戸建てを建てた場合(住宅ローンあり)

2,000万円の新築をして、1,000万円の土地を買い、2,000万円の住宅ローンを借りたとします。

この場合で必要な登記は以下の通りです。

  • 土地の所有権移転登記
  • 建物の表題登記
  • 建物の所有権保存登記
  • 抵当権設定登記

これらの登記にかかる費用の目安は以下の通りです。

 司法書士等への報酬登録免許税印紙税
土地の所有権移転登記4~5万円15万円 
建物表題登記8~10万円  
建物所有権保存登記2万円16,800円 
抵当権設定登記5~10万円2万円 
住宅家屋証明1万円1,300円 
不動産登記情報2通  794円
全部事項証明書2通  1,400円
合計20~28万円188,100円2,194円
総合計39万〜47万円

登記費用だけで約40万円程度かかります。結構大きなお金ですね。

住宅家屋証明は登録免許税の軽減を受けるために必要な書類です。

ちなみに、「登録免許税」と「印紙税」は国が決めた料金なので節約することはできません。

3-2.親が所有する土地に建っている古い建物を取り壊して新築する場合

2,000万円の新築をして、2,000万円の住宅ローンを借りたとします。

この場合で必要な登記は以下の通りです。

  • 建物滅失登記
  • 建物の表題登記
  • 建物の所有権保存登記
  • 抵当権設定登記

これらの登記にかかる費用の目安は以下の通りです。

 司法書士等への報酬登録免許税印紙税
建物滅失登記4~5万円  
建物表題登記8~10万円  
建物所有権保存登記2万円16,800円 
抵当権設定登記5~10万円2万円 
住宅家屋証明1万円1,300円 
不動産登記情報2通  794円
全部事項証明書2通  1,400円
合計20~28万円38,100円2,194円
総合計24万〜32万円

土地を親の名義のまま家を建てる場合、土地の所有権移転登記が必要ないのでその分登記費用も抑えられますね。

3-3.農地を買って宅地に転用し、新築一戸建てを建てた場合

2,000万円の新築をして、2,000万円の住宅ローンを借りたとします。

この場合で必要な登記は以下の通りです。

  • 地目変更登記
  • 所有権移転登記
  • 建物の表題登記
  • 建物の所有権保存登記
  • 抵当権設定登記

これらの登記にかかる費用の目安は以下の通りです。

 司法書士等への報酬登録免許税印紙税
地目変更登記4~5万円  
土地の所有権移転登記4~5万円15万円 
建物表題登記8~10万円  
建物所有権保存登記2万円16,800円 
抵当権設定登記5~10万円2万円 
住宅家屋証明1万円1,300円 
不動産登記情報2通  794円
全部事項証明書2通  1,400円
合計24~32万188,100円2,194円
総合計43万〜50万円

この場合は登記がほぼフルコースで必要になるので登記費用も高額になります。

4.小学生でもできる登記費用を20万円節約する方法

それでは、いよいよ登記費用を節約する方法について説明していきたいと思います。もう予想できているかもしれませんが、それは・・・”登記の手続きを自分でやる”です。

4-1.登記を自分でやれば登記費用を節約することができる

そうなんです。登記は司法書士や土地家屋調査士へ依頼しなくても自分でやることができます。

自分でやれば司法書士、土地家屋調査士へ支払う報酬分を節約できます。(半額ぐらいになるわけです)

といっても、今までやったことがない登記で、さらに司法書士や土地家屋調査士という難しい資格を持っている人がやっていることを果たして自分ができるんだろうか・・・と不安になるかもしれません。

しかし、それほど難しくありません。小学生でも可能です。

4-2.登記を自分でやり、登記費用を20万円節約する3STEP

4-2-1.STEP1.登記に必要な書類を揃える

自分で登記をするために、まずは必要な書類を揃える必要があります。一般的には「登記手続きを自分でやる人は多くない」ので、土地を買う時は不動産屋さんに、新築をする時は工務店やハウスメーカーにあらかじめ登記を自分でやるということを伝えておきましょう。

そう伝えておくことで、普通は司法書士や土地家屋調査士へ渡している登記に必要な書類を自分でもらうことができます。

必要書類については後述するので、自分で挑戦する登記の必要書類を確認してみてください。

4-2-2.STEP2.法務局へ行って登記のアドバイスを受ける(無料)

実は登記を受け付ける法務局には登記の相談を無料で行える窓口があります。ただし、予約制としている法務局もあるようなので事前にあなたが新しく住む予定の土地を管轄する法務局のHPを確認したり、電話したりして確認しておきましょう。

法務局のHPは「地域名 法務局」と検索すると調べられます。

4-2-3.STEP3/アドバイスを受けながら書類を作成し、法務局へ提出する

法務局で受けたアドバイス通りに書類を作成します。書類を作成するといっても何も難しいことはありません。

自分の名前、住所、数字と定規で四角などの形(土地や家の間取り)をかければできます。つまり、小学生でもできる程度のものです。

4-3.問題は法務局が平日しか空いていないことです

自分でやれば登記費用を節約できることはわかったけど、法務局は平日しか空いていないから自分も主人もいけないと思われるかもしれません。

確かに法務局は平日しか空いていません。なので、平日に時間を作っていく必要があります。そのためには仕事を休む必要は有るかもしれません。

ただ、登記にかかる時間は順調にいけば1時間程度です。4つ登記があるとしても4〜5時間程度でしょう。

それで20万円節約できるなら仕事を休んで登記をしたほうがお得だと思いませんか?司法書士もプロですが、登記を受け付ける法務局で働く人たちもプロです。法務局にしっかり受け付けてもらえれば、司法書士にお願いした登記と「結果は何も変わらない」わけです。

ただ、忙しすぎて自分で登記をするヒマもないということであればお金を払ってプロにやってもらうという選択になってしまうかもしれませんが・・・

5.登記に必要な書類と入手先

ここからは登記はどんな書類を準備する必要があり、それをどこで入手するのかを紹介します。

5-1.所有権移転登記の必要書類

土地を買ったことによる所有権移転登記に必要な書類は以下の通りです。

  • 登記申請書
  • 売買契約書
  • 登記済権利証もしくは登記識別情報
  • 売主の印鑑証明
  • 買主の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 委任状

5-1-1.登記申請書

登記を申請する書類です。これは自分で作ります。

以下、法務局HPにある登記申請書のひな形です。

新築時の登記費用を節約するために、自分で登記申請書をつくろう

登記申請書は手描きでなくても、パソコンで作成してプリントアウトしたものでも大丈夫です。

何をどう掛けばいいかも、上記リンク先の登記申請書のひな形をダウンロードすれば解説が付いているので、それを見ながら自分で作れると思います

5-1-2.売買契約書

これは、なぜ所有権の移転登記が必要なのかを示すために必要になります。

この書類の入手先は不動産屋さんです。あなたが土地を買う契約を不動産屋さんを介して行うと不動産屋さんが用意してくれます。

以下、売買契約書の見本です。

新築時の登記費用を節約するために。売買契約書の見本です

5-1-3.登記済権利証もしくは登記識別情報

登記済権利証とは、俗にいう権利証ですね。吉本新喜劇なんかでよくヤクザ役の人が「権利証出さんかい!」と言っていますが、あれのことです。

これは、今現在の土地の持ち主が持っていますので、不動産屋さんに言って持ち主からもらってきてもらいましょう。

以下、登記識別情報の見本です。

新築時の登記費用を節約するために。登記識別情報の見本

5-1-4.売主の印鑑証明

これも不動産屋さんにもらってきてもらいましょう。それがムリなら売主さんに委任状を書いてもらえばあなたが取りに行くこともできます。

5-1-5.買主の住民票

あなたの住民票が必要になるので、市役所に行って取ってきましょう。

5-1-6.固定資産評価証明書

これは、あなたが買う土地の固定資産評価を証明している書類です。売主さんが持っているので不動産屋さんにもらってきてもらいましょう。

もし、不動産屋さんがもらってきてくれない場合は持ち主に委任状を書いてもらえばあなたが取りに行くことも可能です。その場合は、土地を管轄している市役所に行きます。

この固定資産評価証明書で、登記をする時にかかる登録免許税の計算と、今後かかる固定資産税の計算ができる

登記をする時の登録免許税と土地を買った後にかかってくる固定資産税はこの書類に書かれている固定資産税評価額を元に計算されます。

土地の所有権移転登記の登録免許税の計算は以下の通りです。

  • 土地の固定資産税評価額÷1,000×20

土地の固定資産税の計算は以下の通りです。

  • 土地の固定資産税評価額×1.4%(自治体により異なる場合あり)

5-1-7.委任状

売り主が登記を買主であるあなたに委任するときに必要な書類です。

これも、法務局HPにあるひな形にそって作成すればそう難しくはないでしょう。

以下、委任状のひな形です

新築時の登記費用を節約するために。委任状のひな形

委任状には売り主の実印が必要になるので確認しておきましょう。

5-2.建物表題登記の必要書類

建物を新築した時に必要な建物表題登記の必要書類は以下の通りです。

  • 登記申請書
  • 建物図面・各階平面図
  • 所有権証明書
  • 案内図
  • 住民票

5-2-1.登記申請書

所有権移転登記の時も必要になりますが、その時とは違う様式の登記申請書が必要になります。

以下、建物表題登記時の登記申請書の見本です。

新築時の登記費用を節約するために。建物表題登記の登記申請書

5-2-2.建物図面・各階平面図

これは、あなたが建てる家をかんたんな図面で表したものです。

以下、サンプルです。

新築時の登記費用を節約するために。建物図面
建物図面・各階平面図の作成方法

建物図面・各階平面図は手書きやパソコンで作ることができます。

手書きの場合は0.2mm以下の細ペンで書かないといけないので文具屋さんで0.2mm以下のペンを買ってきましょう。

パソコンで作成する場合はCADソフトを利用することでかんたんに作成できます。

CADソフトはこちらから無料でダウンロードできます。

手書き、CADソフトで建物図面・各階平面図を作成する方法については下記サイトに詳しく掲載されているのでチェックしてみてください。

取りあえずなんでも自分でやってみよう!(建物表題登記)

5-2-3.所有権証明書

登記しようとしている建物が自分のものだと証明するために必要になります。

1.建築確認済証・建築確認申請書・建築確認完了検査済証

建物を建てるために役所からOKをもらったという書類です。工務店やハウスメーカーにもらいましょう。

2.建物引き渡し証明証

工務店、ハウスメーカーからあなたへきちんと建物を引き渡しましたよという証明です。工務店、ハウスメーカーにもらいましょう。

5-2-4.案内図

あなたが建てた新築までの案内図です。グーグルマップや住宅地図のコピーを添付しましょう。

5-3.建物所有権保存登記の必要書類

建物を新築した時に必要な建物所有権保存登記の必要書類は以下の通りです。

  • 登記申請書
  • 家屋の登記事項証明書もしくは表題登記済証
  • 建築確認済証
  • 住宅用家屋証明書

5-3-1.登記申請書

他の登記でも必要になる登記申請書ですが、それぞれ様式が違うようです。

以下、建物所有権保存登記時の登記申請書の見本です。

新築時の登記費用を節約するために。建物所有権保存登記の登記申請書

5-3-2.家屋の登記事項証明書もしくは表題登記済証

家屋の登記事項証明書とは登記簿謄本のことですね。

上の方にも掲載しましたが、こちらのことです。

新築時の登記費用を節約するために。登記簿謄本の

表題登記済証というのは、文字通りですが建物表題登記が完了していますよという書類です。登記完了証ともいいます。

表題登記の手続きが完了すると法務局から郵送で送られてきます。

以下、表題登記済証のサンプルです。

新築時の登記費用を節約するために。表題登記済証

5-3-3.建築確認済証

建築確認済証とは、この建物は違法建築ではないですよと役所に確認してもらってますという証明です。

これはハウスメーカーや工務店からもらいましょう。

以下、建築確認済証のサンプルです。

新築時の登記費用を節約するために。建築確認済証
建築確認済証は地震保険加入時にも必要になる。

地震保険には「建築年割引」といい、昭和56年の6月以降に建てられた建物であれば一律で保険料を10%割引してくれる制度があります。

その確認資料として建築確認済証が使えるので、火災保険、地震保険加入時にスッと出せるように準備しておきましょう。

5-3-4.住宅用家屋証明書

住宅用家屋証明書は、所有権保存登記や抵当権設定登記時にかかる登録免許税の減免を受けるために必要な書類です。

この書類を手に入れるためには市町村へ申請が必要になります。

住宅用家屋証明書の申請に必要な書類
  • 住宅用家屋証明申請書(市町村のホームページからダウンロードできる)
  • 住民票もしくは印鑑証明
  • 売買契約書(建売の場合)、請負契約書(注文住宅の場合)、(どちらも工務店やハウスメーカーからもらおう)
  • 家屋の登記事項証明書もしくは表題登記済証(上記5-3-2を参照)
住宅用家屋証明書を取れる建物の用件

住宅家屋証明書を取るためには建物が一定の条件を満たしておく必要があります。その条件は以下の通りです

  • 個人が自己の居住の為に使用する家屋であること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 区分所有建築物(マンションなど)については、建築基準法上の耐火又は準耐火建築物であること
  • 併用住宅(自宅でお店をする場合など)については、その床面積の90%を超える部分が住宅であること
  • 新築又は取得後1年以内の家屋であること

5-4.抵当権設定登記の必要書類

住宅ローンを借りる場合に必要になる抵当権設定登記を行うために必要な書類です

  • 登記原因証明情報もしくは抵当権設定契約証書(銀行が用意してくれます)
  • 登記識別情報(上記5-1-3参照)
  • 印鑑証明
  • 住宅家屋証明書(上記5-3-4参照)

6.自分で登記をする時の注意点

6-1.抵当権設定登記を自分でやるのは金融機関が嫌がる場合が多い

住宅ローンを利用する際に必要な抵当権設定登記ですが、これも自分でやることができます。

ただし、銀行に抵当権設定登記を自分でやるというと嫌がられるケースが多いです。

なぜなら、抵当権設定登記をきちんとやってくれないと銀行はもし住宅ローンの支払が滞った時に土地や建物をとれなくなってしまうからです。

そのため、銀行は抵当権設定登記を普段から取引のある司法書士へ依頼したがります。

どんなにお願いしてもダメな銀行があるのは事実ですが、全部の銀行が必ずしも断るとは限りません。ダメ元で自分で抵当権設定登記をやるのでと言ってみましょう。

まとめ

新築時の登記費用は諸費用の中でも比較的高額になります。

しかし、少しの手間と時間をかけて自分で挑戦してみると20万円という大きなお金を節約することができます。

一見、幾つもの工程があるのでものすごく難しい作業に思えますが、順を追って作業していけば、実はひとつひとつの工程はそれほど難しい作業ではありませんし、登記のプロである法務局へアドバイスを求めれば丁寧に教えてくれます。

住宅ローンを利用する金融機関が、自分で登記することを認めてくれるのであればぜひ挑戦してみてください。

この記事を読んでもやはり登記を自分でやるのは難しい、時間がないという人は司法書士にお願いすれば良いでしょう。それであれば、工務店や不動産会社・銀行が司法書士を紹介してくれますので簡単に任せることができます。

もし、司法書士にお願いするのであれば、住宅購入・住宅ローンにかかる別のお金を節約する方法を考えるようにしましょう。

なお、金利が低くて保障が手厚い住宅ローンを選ぶことは登記費用を減らすよりも効果が大きかったりもします。金利や保障などをしっかり比較して、自身の希望にそった住宅ローンの中で一番お得な商品を探すことも非常に重要なのです。登記費用の節約を断念する人もしない人も最新の住宅ローン事情は調べておくことをおすすめします。

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