予算オーバーは絶対に避けなければいけない

予算設定の2つの失敗とは?
予算設定の失敗は取り返しがつきません。
自分はいくらまでの家なら買っても大丈夫か?つまり、マイホーム購入予算をいくらにするかは大きく悩むポイントですし、家を買う上で一番大事なことです。

あなたもそうだと思いますが、自分の予算をオーバーしないように考えています。なぜなら、予算オーバーするとどんな将来が待っているかはイメージしやすいですよね。節約だらけで住宅ローンを支払うのに精一杯の生活になります。最悪は、住宅ローンを払えなくなってせっかく手に入れた家を売ったり、夫婦仲が悪くなって離婚をして一家離散ということもありえます。

予算オーバーの原因とは?

では、なぜ予算オーバーしてしまうんでしょうか?大金持ちか余程のアホかでないかぎり、予算については慎重に考えると思います。それでも、予算オーバーしてしまう原因が2つあります。

予算オーバーの原因1:家を買う順番を間違う

実は、マイホーム購入には正しい順番があります。

あなたは「マイホームを買おう!」と思ったらまず何から始めますか?

あなたが土地を持っていないのであれば、まず土地から探されるのではないでしょうか?
もしくは、住宅展示場などへ行きハウスメーカーの話を聞いてみるのではないでしょうか?
ほとんどの方がこうしているのではないかと思います。私も「マイホームを買おう!」と思った時にまず住宅展示場へ行きました。

しかし、これでは将来住宅ローン返済に困り、生活がカツカツになる、最悪マイホームを手放したり一家離散してしまう大きな原因になります。なぜなら、予算を考えていないからです。
ほとんどの人は、土地を決めて、建物を決めて、「さあ、払っていけるかな」と考えます。

想像してみてください。あなたは、半年という時間を掛けて理想的な土地を選び、建物の設計をしてきました。夢のマイホームが頭の中に出来上がっていますよね。思い描いた間取りの中で料理する光景や、リビングでテレビを見ながら家族が笑っている様子が思い浮かびます。

そんな状況で、「やっぱり支払っていけないからやめる」という決断を下すことができるでしょうか?難しいですよね?

さらに、マイホーム購入には土地や建物の購入費以外にも様々な諸費用がかかります。諸費用は購入金額の十数%にもなり、高額です。
土地を決めて、建物を決めてから「諸費用がこれだけかかります。」と言われるのです。「じゃあ、かかる諸費用の分建物を小さくします。」とか「土地を選び直します。」ではなく、決めてしまったんだから、諸費用もなんとか払おうとしませんか?

これが、土地や建物からマイホーム購入すれば予算オーバーになる最も大きな原因です。

予算オーバーの原因2:ハウスメーカーに資金計画の相談をする

ハウスメーカーや工務店もあなたの資金計画の相談に乗ってくれます。しかも無料です。しかし、次の2つの理由で予算オーバーを招いてしまうことがあります。

理由1:あなたが金額の高い家を建てれば建てるほど儲かるから

あなたが高い家を建てれば建てるほど儲かります。また、給料やボーナスが増えるかもしれません。
そうなると、あなたに自然と金額を高めに持っていくような話をしてくるでしょう。

家の金額が高くなればなるほど、家が大きくなり、設備も良くなります。つまり、あなたが住むであろう家がどんどん良い物になっていくのです。

ここであなたがマイホーム購入予算をハッキリ決めていなかったとしたら、「数十年と生活する家です、いい物を建てておきましょう。」とか「あなたの年収の方はみなさんこれくらいの家を建ててますよ。」などと言われて、そのままの金額での購入を決めてしまうのではないでしょうか?

それが、あなたが支払える金額を超えていたらどうなりますか?

もちろん、あなたが家を建てた後のことを考えてしっかりと資金計画を考えてくれるハウスメーカーや工務店もあります。
しかし、そうではなく高い家を売ってナンボのハウスメーカーや工務店が多いのも事実です。

理由2:あなたが住宅ローンを払えようが払えまいが関係ないから

あなたが住宅ローンの審査に通り、引渡し時に融資が実行された段階でハウスメーカーや代金の全額を受け取り、利益を確定させます。

あなたが毎月支払う住宅ローンは銀行や金融機関に大して支払うもので、ハウスメーカーに支払っているのではありません。
言い方は悪いかもしれませんが、あなたが住宅ローンを支払えなくなったとしてもハウスメーカーは損しないのです。

なので、極端な話ハウスメーカーはあなたが返済できるかできないかに関係なく、住宅ローンの審査にさえ通ってくれればそれでいいわけです。
あなたが借りる住宅ローンが、金利や手数料が高い住宅ローンであろうが、後で返済額が大幅に上がる住宅ローンであろうが、関係ないのです。

ハウスメーカーはそれでいいかもしれません。でも、あなたは住宅ローンを返せなくなると、どうなりますか?

ハウスメーカーや工務店は家づくりに関してはプロだと思います。しかし、資金計画やお金の面はプロではありません。
そして、マイホーム購入で一番大事なことはお金です。一番大事なお金のことをプロではないハウスメーカーや工務店のアドバイスを受けて資金計画を立てるべきでしょうか?

予算オーバーしてしまった人の失敗事例

土地も建築会社も建てる家も決まった状態で私のところへ住宅ローン選びの相談に来られました。しかし、予算を計算すると明らかな予算オーバー。住宅ローン選びでは予算オーバーをカバーすることはできません。

家を建てることはできましたが、生活はかなり切り詰め、ご主人は昼の仕事が終わってから夜アルバイトに行かざるを得ませんでした。

予算の重要性に気づいた人の成功事例

ハウスメーカーで土地や建物の見積もりが出ていて、後は契約するだけという所まで来ていた。しかし、どうしても住宅ローンを払っていけるかどうか不安で夜も眠れないという状態だったので私のところへ相談に来られました。

予算を計算すると、案の定予算オーバーしていたのできちんとした予算を提案。
今では欲しい家とゆとりある生活を手に入れています。

もう1つの予算設定の失敗とは?

それは、予算オーバーを気にしすぎてしまい予算を少なく見積もりすぎるということです。予算を少なく見積もりすぎると、本当は買えていた土地や建物を諦めないといけなくなります。

具体的に言うと、きちんと計算すれば3500万円の予算だったのに、3000万円と計算してしまうということです。500万円予算を少なく見積もると、選ぶ土地や建築会社、建てる家の広さや設備のグレードなんかも変わりますよね。あなたや家族が何十年と生活する場所、長い時間を過ごす場所の質が変わる、つまりあなたや家族の人生の質も変わってきます。

それでは、予算を少なく見積もる原因は何でしょうか?

原因1:家賃と同じくらいの支払いなら問題ないと考えてしまうこと

住宅ローンの返済額が今の家賃と変わらなければなんとなく安心感がありますよね。しかし、家賃の金額よりももっと住宅ローンを支払える力があるかもしれません。今の家賃+2万円、3万円と住宅ローンを払っても、貯蓄も子どもの教育費も問題ないかもしれません。

実際にきちんと予算を計算してみるとそういう方は多いです。私のところへ相談に来られる方の中でもご自身で予算を考えてこられる方がいらっしゃいます。しかし、その予算に根拠はなく、きちんと計算すると考えていた予算+300万円、400万円、500万円になるということは多いです。

予算を少なく見積もりすぎないためには、住宅ローンの支払を家賃と同じにしていればいいと単純に考えるのではなく、将来のことも見据えて考える必要があります。

原因2:ムダな保険を見直ししていないこと

これは非常に多いです。入っている生命保険や自動車保険を「必ずかかる必要なお金」と考えてしまい、保険を払って残ったお金で住宅ローンを払える金額を計算してしまうことです。
ムダな保険を見直して節約したお金を住宅ローン返済に充てることができたら、マイホーム購入予算を大きく増やすことができます。

仮に、生命保険を見直して毎月1万円節約できればマイホーム購入予算を300万円増やすことができます。

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生命保険を見直さないまま予算を計算してしまうと、ほとんどの場合で予算を少なく見積もってしまいます。
予算を計算する前に必ず保険の見直しをしましょう。

保険の見直しについての詳しい情報はこちらから:基本必要ない?保険のムダを究極に省く3つのポイント(作成中)

予算を少なく見積もりすぎた失敗事例

私自身が家を買った時がそうです。建売分譲地の一つを買いました。しかし、私が買った家よりももう少し高い金額の家もありました。

悩みに悩んだ結果、ビビってしまって今住んでいる安い方の家を買ったんですがこれが大失敗。

私の家は周りを家に囲まれていて周りの家の騒音がかなり気になるんです。あとは、吹き抜けがあって寒いし、冬にリビングに居ると2階でクーラーを付けているんじゃないかというくらい冷たい風が吹いてきます。ハッキリ言って最低な家です。

もう一つの家に住んだわけではないのでわからないですが、角地でしたし家も私が買った家よりキレイで広かったですし吹き抜けもなかったので、今のような不満だらけの家ではなかったと思います。

今も金額の高い家を買わなかったことを後悔していますし、今後も後悔し続けます。

適切な予算を設定できた人の成功事例

私のところへ相談に来られた方です。初めは家と土地を合わせて2000万円に抑えたいと言われていました。しかし、キャッシュフロー表を作って、ムダな保険を観直した所2700万円まで大丈夫だということがわかりました。

予算設定で失敗しないために考えるべきこと

ハウスメーカー、工務店、銀行から提案される住宅ローンの返済額は「毎月いくら」がメインになっている場合がほとんどです。
なので、今この金額を払っていけるかどうかだけで住宅ローンの借入額、つまり予算を判断してしまいがちです。

もちろん、今支払っていける金額かどうかも大事です。しかし、今だけではなくて先々の住宅ローン返済も問題ないかどうかを判断する必要があります。

将来収入がどうなるのか、生活費はどうか、子供の学費はどうか、車の買い替えや旅行など、大きなお金が必要なイベントが発生したとしても住宅ローン返済も貯蓄も問題ないのかを見る必要があります。

将来的に住宅ローン返済が問題ないかどうかを判断する方法はたった一つ

今だけでなく、将来的に住宅ローン返済が問題ないかどうかを判断する方法はたった一つです。
それは、キャッシュフロー表を作成することです。

マイホーム購入資金計画で失敗しないためにはキャッシュフロー表が必須です

キャッシュフロー表とは、あなたが家を買って住宅ローンを払いながら将来貯蓄がどうなっていくのかを具体的な数字で表した表です。

収入がいくらになって、生活費や教育費などの支出はいくらで、住宅ローンはいくらかかって、その年はどれくらい貯金できてということがわかるようになります。

つまり、あなたがいくらまでの金額なら家を買って大丈夫かどうかを正確に知ることができます。

家を買う前にキャッシュフロー表を作っておくのとそうでないのでは、購入する家も、家を買った後の生活も大きく変わります。

キャッシュフロー表を作成する、しないの比較

家を買う前にキャッシュフロー表を作成しよう
家を買う時にキャッシュフロー表を作るかどうかでその後の生活が大きく変わります。

キャッシュフロー表を作るメリットを一言で言うと、お金の不安を大きく解消できるということです。

お金の不安を抱えたままだと冷製な判断ができなくなります。
上の比較表にもありますが、必要のない節約をしてしまうことが考えられます。そうなると、お金はたまっていいかもしれませんが、生活、人生の質が下がってしまいますよね。

今の賃貸生活よりも幸せな生活、人生を手に入れるために家を買ったのに、毎日が息苦しくて楽しくない。

これでは何のために家を買ったのかわかりませんよね。

キャッシュフロー表を作ると、頭金を貯めることすら必要なくなる場合も

キャッシュフロー表を作ってみて、現状で欲しい家を買って住宅ローンを払っていけるということがわかればそれ以上頭金を貯める必要はなくなります。

つまり、マイホーム購入に向けて動き出せるようになり、早く家を買うことができるようになるということです。

頭金を貯める目的は「欲しい家を買っても住宅ローン返済やその他生活を問題なく送るため」です。
詳しくは、頭金2割や3割はデタラメ?必要な頭金を計算する方法(作成中)で説明します。

キャッシュフロー表を作って、住宅ローン返済に問題ないことがわかれば頭金を貯めるのはやめ、ハウスメーカーや工務店選びを開始して下さい。

キャッシュフロー表の作り方はこちらで詳しく解説しています。ひな形もダウンロードできるのでぜひご覧ください。
これをやるまで家買うな!ライフプラン表をエクセルで作る16の手順

家を買おうと思ったら絶対にまず予算を計算する

上にも書きましたが、家を買う時に一番大事なことは「お金」です。一番大事なことなので一番最初に考えます。

そして、予算オーバーすることも少なく見積もりすぎることもない適切な予算を計算するためにはキャッシュフロー表を作る以外の方法はありません。

なので、家を買おうと思ったらキャッシュフロー表を作成することです。

そうすれば、家を買った後住宅ローンの返済に苦しんで何十年もマイホーム貧乏生活を送ることも、本当は欲しかった家を諦めたり「もっといい家を買えたのに」と死ぬまで後悔することも無くなります。