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借入額を揃えて住宅ローンの比較をしてはいけない
今日は「90%の人が間違えている住宅ローンの比較方法」についてお伝えしていきます。
この90%という数字は特に統計データがあるわけではないのですが、私の感覚として、住宅ローンの比較をする際、ほとんどの人が方法を間違えていると思います。何を間違えているのかというと、どのケースでも同じ借入額当てはめて計算をしているということです。
例えば2,000万円の借入をしたい場合に、住宅ローンの選択肢としてA、B、Cの3種類があり、どれが一番よいのかを計算をする際、住宅ローンAで2,000万円借りた場合、住宅ローンBで2,000万円借りた場合、住宅ローンCで2,000万円借りた場合で返済額がどうか、どれが一番安いかといった比較をしていないかということです。
実はこれは間違った比較方法です。なぜかというと、借りる住宅ローンによって融資を受けるときの手数料や保証料は全く違うからです。払う諸費用が変わるということは、住宅ローンの借入額も変わるということです。
間違えた比較方法だと
それでは、間違えた比較方法で3つの住宅ローンを比較してみます。
借入額は2000万円、返済年数は35年です。
- 住宅ローンA:阿波銀行のあわぎん35特別金利型、金利1.59%
- 住宅ローンB:住信SBIネット銀行の35年固定、金利2.29%
- 住宅ローンA:フラット35、金利1.74%
シミュレーション結果は以下の通りになります
あわぎん35 | 住信SBIネット銀行 | フラット35 | |
---|---|---|---|
融資手数料など | 955,000円 | 420,000円 | 210,000円 |
支払う利息 | 6,091,204円 | 9,092,331円 | 6,483,087円 |
合計 | 7,045,204円 | 9,512,331円 | 8,333,440円 |
となり、この間違えた住宅ローンの比較方法だとあわぎん35が2位のフラット35よりも約130万円利息が少ないという計算結果になります。
では、正しい住宅ローンの比較方法だとシミュレーション結果はどうなるか?
例えば住宅ローンAでは保証料と手数料で100万円かかるとします。住宅ローンBでは50万円、住宅ローンCでは10万円かかるとします。住宅ローンAで2,000万円借りるとした場合、BとCではそれぞれの諸費用の差額を借入額から引いて計算する必要があります
住宅ローンAで借入額が2,000万円とした場合、Bは手数料等が50万円少ないわけですから、借入額は50万円を引いた1,950万円で計算する必要があります。CはAと比べて手数料等が90万円少ないので、借入額を90万円減らして1,910万円として比較する必要があるのです。これが住宅ローンを比較するための正しい条件ということです。
つまり、A、B、Cで借入額を一律にそろえて比較をしてしまうと正しい比較にはならないということです。ですから、それぞれに手数料や保証料を計算して、それぞれの住宅ローンを借りた場合の借入額がいくらになるかまで計算をして、その結果を並べて比較しましょうということです。
諸費用まで考慮したシミュレーション結果は以下の通りです。今回は、あわぎん35なら2,000万円の借入になるという条件でのシミュレーションです。
その他の住宅ローンはあわぎん35との諸費用の差額を借入額から引いて計算します。
あわぎん35 | 住信SBIネット銀行 | フラット35 | |
---|---|---|---|
借入額 | 2,000万円 | 1,950万円 | 1,930万円 |
融資手数料など | 955,000円 | 409,500円 | 200,000円 |
支払う利息 | 6,091,204円 | 9,092,331円 | 8,123,440円 |
合計 | 7,045,204円 | 8,864,854円 | 6,693,087円 |
計算方法を正しくすると、フラット35の方が有利という計算になりました。ただ、今回の計算ではフラット35の団体信用生命保険料は考慮していないので、団信を計算するとあわぎん35のほうが有利になります。
正しい条件で比較しないと、住宅ローンを選び間違えてお金を損する
住宅ローンの比較条件を間違えたまま計算してしまうと、結果にも影響があるということを見ていただけたと思います。
住宅ローンを比較する時は借入額を揃えて比較するのではなく、それぞれの住宅ローンごとに借入額を計算してシミュレーションしてみてください。