住宅ローンの繰上返済は賢い方法とはいえない

住宅ローンの返済年数を短くしたり、繰上返済すると支払う利息も減るし、返済期間も短くなるし、いいことばかりのようなイメージがあるかもしれません。

しかし、住宅ローンの返済年数を短くする、繰上返済をすることは2つの理由でソンをするのですべきではありません。

理由その1:住宅ローンの繰上返済をするお金を運用したほうが得だから

住宅ローンの返済額を短くすると毎月の返済額が増えます。ということは、住宅ローンに余分なお金を入れているということになります。
繰上返済も同様です。
住宅ローンにお金を入れるということは、住宅ローンの金利でお金を運用した場合と同じような効果があります(厳密に計算するとその金利以下です)

では、住宅ローンの金利以上の金利でお金を運用したほうが得になるのです。

それについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

本当に賢い住宅ローン返済方法は、繰上げしない、長く借りる、なぜ?

理由その2:団体信用生命保険の保障が少なくなるから

団体信用生命保険とは、住宅ローンの借り主が死亡や高度障害状態になったら住宅ローンの返済を免除してくれる保険の事です。
ということは、住宅ローンの借入額が多ければ大きいほど保障が大きいということです。
逆に言えば、住宅ローンの返済年数を短くしたり繰上返済をして早く返すと、その分保障が小さくなるということです。

団体信用生命保険について詳しい内容や、節約方法などはこちらの記事をご覧ください。

たったこれだけ?住宅ローンを団信なしで借り、50万円節約する裏ワザ

住宅ローンの借り主に万が一のことがあった場合のことを考えると、住宅ローンを繰上返済していたりすると手元に現金は残りません。しかし、繰上返済せずに運用するなどして手元においておくと、住宅ローンが無くなるプラス手元にもお金が残っているという状態になります。

例えば、住宅ローンを2500万円借りたとします。Aさんは住宅ローンを5年毎に200万円繰上返済します。Bさんは何もしません。
15年後にAさんもBさんも亡くなってしまったとします。AさんもBさんも住宅ローンはチャラになります。Aさんが持っている現金はBさんが持っている現金よりも600万円も少なくなるのです。

さらに、団体信用生命保険の保障が少なくなる分、別の生命保険を手当すれば余計な保険料がかかります。

まとめ:住宅ローンは出来るだけたくさん借りて、出来るだけ長く返す

住宅ローンだけのことを見ると繰上返済しないよりはした方がいいです。しかし、将来手元に残るお金を多くするという目的を考えたら繰上返済は賢い手段とはいえません。

住宅ローンの借り方や返し方について常識と言われていることでも、きちんと計算すると、その常識を信じたほうが損になる場合もあります。

何が本当に有利なのかはイメージや常識で判断せず、きちんと計算して判断しましょう。