住宅ローンの繰上返済は禁止です今回は「住宅ローンの繰上返済はするな」ということについてお伝えしていきます。

住宅ローンの常識では、借入したお金は早く返したほうがいいと言われます。それは将来に多くお金を残すためです。繰上返済をすることで、住宅ローンを支払う年数が短くなり、結果、余分な住宅ローンの利息を払わずに済むということで、早く返しましょうというアドバイスがよくされるのです。

しかし、これについては、「なぜ住宅ローンをたくさん借りたほうがいいのか」というお話でも説明したように、将来より多くのお金を残すという目的で考えたときに、住宅ローンの繰上返済が一番よい選択肢かどうかを考える必要があります。

例えば、あなたが借りた住宅ローンの金利が2%だったとします。そして、あなたが100万円を貯めたとします。そこで何も知らなければ、恐らくその100万円で繰上返済するだろうと思います。100万円を金利2%の住宅ローンに入れるということは、これも厳密に言えば違いますが、2%の金利で運用することと同じ効果があると言えます。

でもこの100万円を、例えば3%や5%の利回りで運用できる投資信託や投資商品に回せば、やはりこちらのほうが将来のお金は残せることになるわけです。

ですからここでも、住宅ローンの繰上返済をする目的は何なのかということについて考えてください。そしてその目的を達成するためには、繰上返済が一番いい選択肢なのかどうかということをよく考える必要があるのです。

人によっては、どうしても借金をしているのが嫌だ、気持ち悪くして仕方がないという方もいるでしょう。そのような場合には繰上返済も検討するべきかもしれません。しかし、繰上返済をする目的が、将来自分の老後によりたくさんお金を残したいということであれば、繰上返済は必ずしも一番よい選択肢ではないということです。