頭金なしの住宅ローンはなぜ勧められないのですか?
A:理由は3つあります。絶対とは言いませんが、頭金なしのマイホーム購入はオススメできません。
理由は3つ。
1つ、住宅ローンを返せなくなった場合にすぐ売れなくなるから。
新築の場合、購入金額の2割はメーカーの利益です。例えば、2,500万の土地建物を買うと500万円はメーカー等の利益なわけです。
メーカー等の利益は物件の価値には反映されないので、買った瞬間に500万円価値が下がってしまいます。
買ったすぐに売ったとしても2,000万の価値しかないのです。
2,500万円借りたのに2,000万円でしか売れないと、売るに売れません。売れたとしても500万借金が残ります。
また、住宅ローン支払いに元利金等返済を選んだ場合、初めのうちは元金がなかなか減りません。元金がなかなか減らない上に、家の価値はどんどん下がっていきます。
こうして、売りたくても売れない状況がずっと続くのです。これが1つ目の理由。
2つ目の理由は、借入金額が多くなると利息支払が増えるから。
「頭金を貯める間の家賃がもったいない」と言われる方は非常に多いです。私もそう思っていました。
しかし、この家賃がもったいないかどうかはきちんと計算してみる必要があります。
この説明は下記2つの記事に譲りますので参考にしてください
https://fp-tokushima.com/2012/08/post-27.html
http://ameblo.jp/fpnakagawa/entry-10954471652.html
3つ目の理由はフラット35を利用できないこと。
フラット35を利用するためには、購入金額の1割+諸費用を支払えるだけの現金を用意する必要があります。
返済期間が20年以上の超長期になる場合、預金残高や借入金額によりますが、現在選択肢はフラット35が最有力です。
その上、諸費用まで借入してしまうと借り換えする時にフラット35への借換ができなくなってしまいます。
フラット35を利用せず、銀行独自の住宅ローンで固定期間選択型や変動金利型住宅ローンを利用することは金利変動リスクを背負うことになってしまいます。
返済にかなりの余裕があればそれも選択肢に入ってきますが、余裕がなくギリギリということであれば、フラットでの借入が無難でしょう。
ただ、頭金ゼロの住宅ローンが絶対に駄目だということではありません。
それで借りたとしてもしっかり返済でき、今後のキャッシュフロー、老後資金の積み立てもしっかりできるようであれば問題ないのです。
頭金なしで住宅ローンを借りても、不動産業者が提示してきた返済額で返済可能だと思われるかもしれません。
しかし、ここで気をつけることがあります。
不動産業者が提示してきた金額が返済終了まで続くのでしょうか?また、固定資産税額や修繕費を含めて考えていますか?マンションであれば修繕積立金や管理費も考慮に入っていますか?
将来発生する費用も考慮して「返済可能」だと判断する必要があります。上記に挙げた固定資産税などもそうですが、子どもがいれば教育費や生活費の増加や車を所有するのであれば車の買い替え費用、税金、保険料、車検費用、旅行に行くなら旅行の費用であったり、生命保険の支払もそうです。
これらすべてを考慮して返済可能だと判断するべきです。
それを判断する最も有効なツールはキャッシュフロー表です。キャッシュフロー表を作成すれば、希望する物件を購入して住宅ローンを支払いながらその他出費も支払った上に、貯蓄できるのかどうかの目安を事前に知ることができます。
どうすべきか?についてのアドバイスは、「あなたがその物件を買って本当に大丈夫かどうかを判断するためにキャッシュフロー表をまず作成してください。」です。
キャッシュフロー表は自分でも作ることができますが、少し手間がかかります。
手間を省いた上で、正確性の高いキャッシュフロー表を作成したいなら私までご依頼ください。
10万円のキャッシュフロー表作成ソフトを利用して、あなたがその物件を購入して大丈夫かどうかは判断し、購入するためにはどうすべきなのかをアドバイスできます。