マイホーム購入のプロFP集団
マイホームアドバイザー協会代表の中川です。

今年の9月末までにハウスメーカーや工務店と契約してなくて
来年4月以降の引き渡しになると消費税は8%の計算になります。

消費税が8%での引き渡しになると
住宅ローン控除の受取金額が変わります。

住宅ローン控除とは、住宅ローンの借入残高に応じて
所得税や住民税を減らしてくれる制度です。

今の消費税5%のままであれば、
住宅ローン控除の限度額は借入額の1%、
20万円が上限です。

例えば、年末に住宅ローンが2,200万円残っているとします。
この1%は22万円ですが、
上限が20万円なので、受けられる控除額は20万円です。

20万円から先に所得税を差し引き、
残った分から住民税を差し引きます。

仮に、1年間に支払った所得税が10万円だとすると
20万円から所得税10万円を差し引き、
残った10万円を住民税から差し引きます。

ただし、住民税は最大で97,500円までしか
差し引けません。

では、消費税が8%になるとこの住宅ローン控除がどう変わるです。

住宅ローン控除の上限金額が20万円から40万円になります。
長期優良住宅や低炭素住宅では50万円になります。

控除額の計算方法は住宅ローンの年末残高の1%と変わりません。

つまり、先ほどの例で年末に住宅ローンが2,200万円残っていると
22万円まで控除してもらえるようになります。

あとは、住民税の控除額が97,500円から
136,500円に増えます。

といっても、これだけではそれが得なのかわからないですよね。

一番気になることは消費税が上がって増える負担分を
この住宅ローン控除でまかないきれるかどうかですね。

1つ例を出して計算してみます。

年収が500万円の人で計算します。
住宅ローンの借入額は2,500万円とし、30年で返済します。
消費税が8%になって増える負担は70万円だとします。

まず、現在の住宅ローン控除で受けられる控除額は
10年間で196万円です。

では、消費税が上がってからの
住宅ローン控除で計算すると213万円です。
差額は17万円しかありません。

消費税アップ後になると住まい給付金という
現金給付を受け取ることが出来ますが、
この場合の給付額は10万円なので
結局損することには変わりありません。

この例であれば、住宅ローン控除の金額が増えたとしても
消費税がアップすることの負担で40万円以上損をしてしまう
ということになります。

どちらが得かの計算は年収や住宅ローンの
借入額によって変わります。

しかし、住宅ローンの借入額が3,000万円や
4,000万円など高額にならない限りは
住宅ローン控除の金額が増えても得になるケースは少ないです。

普通に家を買っていると消費税アップによる
負担増は避けられないと思います。

そのために、保険を見直したり住宅ローンをしっかり選んだり
払わなくてもいい諸費用を払わないという
テクニックが大事になってきますね。