住宅ローン全期間固定金利型とは、読んで字の如く、初めから完済まで住宅ローン金利が変動しない住宅ローンのことです。
金利が変わらないので、返済額も一定です。
ここでは、全期間固定金利型住宅ローンの代表格であるフラット35を取り上げて説明します。
フラット35は住宅金融支援機構が取り扱う住宅ローンです。
銀行、信託銀行、信用金庫、労働金庫、モーゲージバンクなど、様々な金融機関で取り扱いがあります。
これら金融機関は住宅金融支援機構の代理店的な立場です。
「フラット35」という名称のため、返済期間は必ず35年でなければならないと勘違いされている方も多いです。
返済期間は15年〜35年の間で自由に設定することができます。
また、返済期間が20年以下と21年以上では適用される金利が違います。
20年以下のほうが金利が低いです。
金利が適用されるのは融資実行のタイミングです。
例えば、9月に融資申し込みをして12月に引渡しがあれば、12月時点の金利が適用されます。
フラット35の融資限度額は物件価格の9割までです。(借換、フラット35Sエコは10割まで)
また、諸費用を含めて借りることはできません。
つまり、フラット35を利用する場合は最低でも購入金額の1割と諸費用を手持ち資金で支払う必要があります。
さらに、建物も一定の条件を満たしたものでなければなりません。
それを証明するために適合証明書という書類を準備する必要があります(50,000円程度)
団体信用生命保険は任意加入です。
そのため、民間生命保険会社の収入保障保険と比較して安い方に加入すれば問題ありません。
繰上返済は100万円以上ないとできません。手数料は無料です。
注意点は、フラット35を扱う金融機関によって金利も融資手数料も違うということです。
ただ、フラット35という特徴はどこで借入しても変わらないので最も金利や融資手数料が安いところを選ぶといいでしょう。
どんな人がフラット35に向いているのか?
フラット35に向いている人は住宅ローン返済期間が長い人です。
なぜなら、返済期間が長くなると金利変動リスクが高くなるからです。
将来金利が上昇するかどうかは誰も正確にはわかりません。
しかし、固定金利期間選択型などの住宅ローンであれば、優遇金利期間が終わるとほぼ間違いなく適用される金利は高くなるでしょう。
返済期間が長いと、金利上昇によって受ける影響が大きくなります。
以下の試算データをご覧ください。
・借入額2,000万円
・10年間金利1.5%
・10年後金利4%
返済期間20年と35年とを比べると金利上昇による影響は4倍にもなることがわかります。
あなたがもし返済期間が長く、金利上昇リスクを回避したいならフラット35がオススメです。
また、返済額に変動がないため返済計画を立てやすいのもフラット35のメリットです。
デメリットは金利が低下すれば余分な利息を支払うことになることです。
あとは、銀行住宅ローンに比べて団体信用生命保険料が余分にかかることです。
銀行住宅ローンでは団体信用生命保険料は金利に含まれています。
フラット35では、保障が必要であれば団体信用生命保険か、民間生命保険会社の収入保障保険に加入する必要があり、総額の掛金は70万円〜120万円程度になるでしょう。
フラット35、保証型と買取型の違い
フラット35には保証型と買取型の2種類があります。
フラット35の買取型であれば、商品内容はどこも同じですが保証型は金融機関独自の商品内容になっています。
フラット35保証型を扱っている金融機関は三菱UFJ銀行と、SBI住宅ローンがあります。
少し、保証型独自の商品内容について説明します。
<繰上返済について>
買取型は一部繰上返済手数料が無料ですが、100万円以上ないと繰上返済できません。
保証型は繰上返済の金額は自由ですが、一部繰上返済手数料がかかるところもあります。
(三菱UFJ銀行だと3,150円)
<年収要件について>
買取型は月収がローン返済額の4倍以上あること。住宅金融支援機構が審査をします。
保証型は返済負担率が所定の条件を満たしていること。金融機関が審査します。
住宅金融支援機構が審査をするより金融機関が審査をしたほうが通りやすいようです。
<団体信用生命保険について>
買取型は任意。加入する場合は別途団体信用生命保険の保険料を支払う。
保証型は加入できることが要件のところもある(三菱UFJ銀行)団体信用生命保険の保険料は金利に含まれる。