今日は「住宅チラシに書かれている住宅ローン返済額の落とし穴」についてお伝えしていきます。

新聞の折込やポスティングのチラシで、住宅購入についてのチラシが入っていると思います。分譲中の土地についてや、この家がいくらですとか、月々いくらで家が買えます、などと書いてあるチラシです。

その金額を見て、「ああ、安い。この金額であれば自分たちにも払っていけそうだ」とか、「今払っている家賃よりも安い」とか、「家賃と同じぐらいの金額だから、この家を買おうかな」などと考えて、そのチラシを出している会社のところに足を運んだりということもあるかもしれません。

しかし足を運ぶ前に、そのチラシをよく見ていただきたいと思います。そのチラシには必ず住宅ローンの条件が書かれていますので、その条件がどうなっているかということをよく確認してください。

確かに見た目の金額は安いです。例えば月々5万円台~6万円台など、家賃と変わらない金額で家が買えると書かれているものもあるでしょう。しかしそうした金額は、ほとんどの場合で3年固定金利という住宅ローンの条件で計算されています。3年固定金利の住宅ローンで、さらに35年返済という条件です。

これはどういうことかというと、3年固定金利の場合、記載されている金利は最初の3年間だけという住宅ローンだということです。3年後は変動金利になる、もしくはもう一度住宅ローンの条件を選び直すことになり、その際は、ほとんどの場合で最初の3年間よりも金利が高くなります。

金利が高くなるとどうるかというと、月々の住宅ローンの返済額が上がります。ということは、チラシに書かれているような安い返済額は、3年で終わるということです。では3年後の返済額はどれぐらい上がるのかというと、これは借入額によって変わります。

仮に借入額が2,000万円だったとします。その際、最初の3年間の金利が0.75%だったものが、4年目から2.6%になった場合には、月々の返済額は約1万5,000円も上がってしまうことになるのです。1万5,000円も上がるとなると、例えばチラシには5万5,000円と書かれていた月々の返済額が、7万円にもなるわけです。そうなれば、もう家賃の金額とは大きく違ってきてしまうでしょう。

また、恐らく家を買うときにも、家を買ったあとにも教えてくれないとは思いますが、これに加えて固定資産税の金額も上がります。上がるといいますか、正しくは元に戻ることになります。

現在、固定資産税の支払額は、新築物件の場合ですと家を建てから3年間は半額、長期優良住宅の場合ですと5年間は半額という制度が適用されています。つまり、3年固定金利の住宅ローンを借りていると、3年後、住宅ローンの返済額が上がるのと同時に、固定資産税の金額も上がってしまうことになるのです。

ですから、チラシの金額だけを見て、「月々の返済額が安い」「これなら買える」と思って飛びついてしまわないように気をつけてください。その住宅ローンの返済額がどんな条件で計算されているのか、その金額がずっと一緒なのか、それとも変わるのか、そういったところまで気をつけて見てください。