求人情報・転職サイト「DODA」が社会人15万人を対象に「転職成功者」の年齢を調査したところ、平均年齢は32.1歳だったというデータが報告されています。

一方、国土交通省が行った平成28年度住宅市場動向調査によると、新築の注文住宅や分譲戸建て住宅、分譲マンションなど、いわゆる「マイホーム」を購入した世帯主の年齢は30歳代が最多だったという統計が出たそうです。

以上のデータから転職適齢期とマイホームの購入時期は重なりやすいことがわかりますが、転職後に住宅ローンを組もうとすると思わぬ壁に突き当たってしまうことがあります。

審査の注意点「勤続年数」「転職理由」「返済シミュレーション」

住宅ローンの主な審査項目を踏まえた上で、転職後にローンを組む時に特に注意しておきたい点を3つ紹介します。

注意点1.勤続年数で引っかかる可能性がある

転職後すぐに住宅ローンを申し込んだ場合、勤続年数は当然1年未満となります。

サラリーマンに関しては、自営業者のように「事業継続年数が3年以上」という明確な基準は設けられていない場合が多いのですが、さすがに勤続年数が1年未満となると安定性に欠けるとみなされる可能性大です。

たとえ転職前と同じくらいの収入があったとしても、勤続年数がネックになって審査に影響を及ぼす可能性が高いことを頭に入れておきましょう。

注意点2.転職の理由が適正か否か

勤続年数が短いと住宅ローンに通りにくいと説明しましたが、実は勤続年数を審査項目に入れていない金融機関もあります。

たとえば「フラット35」はその最たる例で、たとえ勤続年数が1年未満であっても住宅ローンを申し込むことが可能となっています。

他にも、近年人気のネット専業銀行は勤続年数に制限を設けていないか、あるいは数ヶ月と短い期間を設定しているものが多く、転職した直後でも不利になることはありません。

ただ、その場合は収入証明書のかわりにこれまでの職歴が記載された職歴書や、勤務先が発行した収入金額記載の書類(雇用契約書や年収見込み証明書など)の提出を求められることがあります。
金融機関はこれらの書類を判断材料にして、転職が適正なものであったかどうかを審査するのです。

たとえば同業界で年収が増えていたり、元会社からの要請でグループ会社に転職したといったケースの場合は「キャリアアップ転職」とみなされるため、たとえ勤続年数が短くても審査の上で不利になることはあまりありません。

一方、異業種間で何度も転職を繰り返しているような場合や、同業界で年収がダウンしている場合はキャリアアップとはみなされないため、審査に影響を及ぼす可能性が高くなります。

転職の理由は人それぞれですが、その内容によっては審査の面で有利または不利になる場合があることを覚えておきましょう。

注意点3.返済シミュレーションは念入りに

住宅ローンを利用する際は、月々どのくらいであれば無理なく返済できるのかをシミュレーションする必要があります。

月々の返済額はマイホームの価格と自分の年収を照らし合わせて計算するのが一般的ですが、転職直後は特にシビアに返済額を算出しなければなりません。
というのも、転職したばかりの頃は待遇面や職場環境を正しく把握することができず、将来の展望がはっきり見通せない状態がしばらく続くからです。

もちろん転職する際に提示される条件はありますが、実は会社の業績が思わしくなくて1年も経たないうちに給与がカットされたり、職場の人間関係に悩んで退職したいと考えるようになるなど、思わぬアクシデントが発生する可能性も否定できません。

特に前者は深刻で、最初に提示された条件をもとにぎりぎりの状態で返済額を算出してしまうと、待遇が変動した時に四苦八苦してしまうおそれがあります。

長年勤めた会社であればある程度内情もわかっていてリスク回避することができますが、転職して間もない頃は会社の実状を把握するのは非常に困難でしょう。

そのため、もし転職後に住宅ローンを組むのであれば、予想外のハプニングが起こっても何とか対処できるほどの貯金や準備をしておくのは必須です。

また、返済シミュレーションについてもかなり余裕を持った金額を設定しておいた方が無難と言えます。

住宅ローンの審査項目は5つ!

住宅ローンの審査項目について見ていきましょう。

ご存じの通り、住宅ローンを組むには金融機関から所定の審査を受けて見事パスする必要があります。
これはクレジットカードや消費者金融などでも同じことですが、住宅ローンの場合は融資金額が非常に大きいため、クレジットなど1.に比べると審査がかなり厳しい傾向にあります。

審査内容や水準は金融機関によって異なりますが、主要な審査項目は以下5つが挙げられます。

収入

貸したお金は当然返してもらわなければなりませんので、ローンの申込者に十分な返済能力があるかどうかは真っ先にチェッ2.クされます。

収入が多ければ多いほど審査に通りやすくなりますが、一般的には融資金額とのバランスを考慮して融資可能か否かを判断します。

勤務形態

住宅ローンは長期に渡って返済されるものなので、安定した勤務形態であるかどうかも重要視されます。

最もローンに通りやすいのは正社員や公務員で、長期的に安定した収入を得られる立場とみなされます。一方、派遣社員や契約社員の場合、雇用形態が不安定なので審査の上でや3.や不利になると言えるでしょう。

自営業者などの場合は事業継続年数が3年以上経過していることを条件に掲げるところが大半を占めています。

勤続年数

勤務形態の項目でも説明しましたが、金融機関は住宅ローンの審査において、何よりも安定性を重視します。

同じ会社に長年勤めている場合、今後も安定して勤務し、収入を得ることが予測されますので審査の上で有利になるでしょう。

一方、勤続年数が短いと会社での立場もまだまだ不安定なままとみなされ、審査基準が厳しくなる可能性があります。

特に何度4.も転職を繰り返している場合は地に足がついていないとみなされ、たとえ十分な年収があったとしても審査に落とされることがあるので要注意です。

勤務先

大企業に勤めていれば安定性や収入面はお墨付きですが、実際は会社の規模だけで住宅ローンの審査の可否が決まることはありません。中小企業であっても所定の条件を満たしていれ5.ば審査にパスすることができます。

ただ、勤務先の経営状況が著しく悪化しているとみなされた場合は、審査に通らなくなる可能性があります。

過去の借入状況

住宅ローンの審査では必ず過去の借入状況がチェックされます。

借入したことがない、あるいは滞りなく完済している場合は問題ありませんが、一度でも遅延や延滞などの返済事故が発生していた場合、ローンの審査はぐっと厳しくなります。

過去の借入状況の情報は最長5年まで残るので、過去5年間で返済事故を起こしていた場合は大きなネックとなります。

転職後に住宅ローンを組むなら準備と覚悟が必要

転職後に住宅ローンを組むのは不可能ではありませんが、決してたやすいことではありません。勤続年数の問題で審査に通りにくかったり、先々のことが見通せず、適切な返済額を算出できないなど、いろいろな面で不利なことが出てくるでしょう。

ただ、最近は勤続年数が1年未満でもローンの申込みを受け付けてくれるところも増えてきました。転職が前向きなものであればあるほど審査の面でも優遇されますので、転職してすぐだからという理由だけで住宅ローンをあきらめる必要はないでしょう。

もちろん将来の展望をつかみにくいという点は変わりありませんので、余裕を持った返済シミュレーションを行うなど、万一に備えた準備を怠らないことが大切です。