フラット35や住宅ローンの金利予想は難しい!

フラット35 金利予想
フラット35の金利、上がるの?下がるの?

これからマイホーム購入することを考えていると気になるのが今後住宅ローンの金利がどうなるのか?予想できるのか?ということですね。また、土地や建物は決まったけど住宅ローンの金利動向を予想してから借り入れする時期を決めようとしているかもしれません。

ただ、フラット35や住宅ローンの金利を予想するのは難しいです。金利が決まる要因だったり、広くは経済のことまで勉強しないといけないかもしれません。そして、正確に予想するのは無理だと思います。言い方はよくないかもしれませんが、フラット35や住宅ローンの金利が上がるか下がるかは運に任せた方がいいと思います。

いくら予想したって予想に過ぎませんから、予想通りに下がることもあれば予想に反して上がることもあります。

でも、俺は先を予想したいんだ!そして競馬が当たったときのような快感を味わいたい!というあなたのために経済まで勉強しなくてもかんたんにフラット35や住宅ローン金利を予想する方法を3つ紹介します。

また、フラット35や住宅ローンの金利動向を予想するのにたくさん時間や手間を使うまえにやっておくべきことも紹介しておきます。

簡単にフラット35や住宅ローンの金利を予想する3つの方法

それでは、金利が決まる要因や経済について勉強しなくても住宅ローンの金利をある程度予想する方法を3つ紹介します。

金利を予想する方法その1:ソニー銀行の住宅ローン金利情報を参考にする

まずは、ソニー銀行の住宅ローン金利情報を参考にすることです。これはとっても簡単、見るだけです。

通常、ほとんどの銀行は月の頭にその月の住宅ローン金利を発表します。フラット35も同じです。ただし、ソニー銀行だけは月の真ん中あたりに翌月の住宅ローン金利を発表します。

フラット35 金利予想

上の表を見ていただくと、固定期間が7年以上の住宅ローンについては若干ですが金利が下がっているのがわかります。逆に、固定期間が5年以下の住宅ローンは金利が若干上がっているのがわかります。

これを見ると、他の銀行の住宅ローンでも10年固定以上の固定期間がある住宅ローンでは今と同じか下がってくるかもしれないと予想できます。逆に、5年固定以下の固定期間である住宅ローンに関しては上がってくるか今と同じになるかもしれない。ということを予想できます。

10年固定以上の固定期間ということはフラット35の金利も下がってくる可能性があると予想できるということです。

ただ、これはあくまでソニー銀行の住宅ローン金利なので、ソニー銀行が10年固定の住宅ローン金利を下げていたとしても他の銀行では上がっているということはあります。

金利を予想する方法その2:フラット35の既発債情報をチェックする

次はフラット35の金利予想をするときに使える方法です。フラット35は住宅ローンを証券化したものです。フラット35を運営する住宅金融支援機構が発行する債券の表面利回りに金融機関が儲けの分金利を上乗せして金利が決まります。

フラット35の既発債情報についてはこちらのページでわかります。

フラット35の既発債情報

上のリンクを開くと、こんなページが表示されます。
フラット35 金利予想
○印のPDFファイルへのリンクをクリックすると既発債情報がわかります。

既発債情報を開くと、こんな表が表示されますので、表面利率をチェックします。
フラット35 金利予想

フラット35既発債の表面利率と実際のフラット35金利の推移

それでは、フラット35既発債の表面利率と実際のフラット35の金利の推移を見てみましょう。

 

2014/8 2014/9 2014/10 2014/11 2014/12 2015/1 2015/2
表面利率 0.96% 0.93% 0.95% 0.87% 0.84% 0.74% 0.6%
フラット35金利 1.73% 1.66% 1.65% 1.61% 1.56% 1.47% 1.35%?
金利差 0.77% 0.73% 0.7% 0.74% 0.72% 0.73%

 

この表を見てみると、フラット35既発債の表面利率に+0.7%〜0.74%くらいしたものがフラット35の実際の金利になっているようです。ということは、フラット35の金利は既発債にこれくらいの金利を上乗せするんだと予想できますね。

この既発債ですが、だいたいその月の20日前後に来月分の既発債の情報が掲載されるようです。なので、そのあたりで既発債の表面利率を調べるとら来月のフラット35金利がどれくらいになるかを予想することが出来ます。

金利を予想する方法その3:長期金利(10年国債利回り)を調べる

フラット35を初め、長期間の固定金利住宅ローンの金利を決める指標になっているのは長期金利(10年国債利回り)です。つまり、この長期金利が上がるとフラット35等の住宅ローン金利も上がる、長期金利が下がるとフラット35などの住宅ローン金利も下がります。

なので、フラット35の金利予想をするならば、長期金利がどうなるかを予想すればいいわけです。

では、長期金利はどうなれば上がって、どうなれば下がるのかについて説明します。

長期金利が上がったり下がったりする要因は?

長期金利が決まる要因は、ズバリ大部分が予想です。これから金利が上がりそうだな〜と予想されたり、インフレになりそうだな〜などと予想されると、長期金利が上がります。逆に、これから金利は下がりそうだな〜と予想されたり、インフレじゃなく物価は安定しそうだな〜と予想されると長期金利は下がります。

長期金利自体が予想で上がったり下がったりするということは、フラット35の金利予想は予想の予想ですね。

以下は、日本銀行の長期金利についての説明を引用したものです。

では、長期資金の需要・供給は、具体的にはどういった要因に影響されて、長期金利を形成するのでしょうか。

いろいろな要因がありますが、重要なものの1つが将来の短期金利の推移や物価変動(インフレ、デフレ)、長期資金を投じて行う設備投資の収益などについての「予想」なのです。「予想」がどのようにして長期金利を左右するのか、1つの例をお示しします。

皆さんの手許に、10年位は使わずに取っておこうと思っているお金があって、これを10年満期の債券に投資するか、それとも1年物定期預金を10回繰り返すか、を思案している時のことをお考え下さい。

なお、ここでいう10年の債券については、今売られている10年国債のように、10年間の毎年の利息が確定している、つまり、発行されてから他の金利がいくら上下してもその債券の利息は不変、そういうもの(固定金利の債券)を想定して下さい。

まず、現在、債券の利息は年2%で、1年物定期預金金利が1%とします。どちらに投資するかを決めるに当たっては、途中で換金しなければならない時の手軽さや金融機関店舗までの距離なども関係するでしょうけれども、大きな要因の1つが10年間の利息はどっちが多いか、であることは間違いないですね。ここではこの点に絞って考えることと致しましょう。
ここまでポイントを絞ってもまだ色々なケースが考えられますが、次のような2つのケースだけを取り出して比べてみましょう。
(1) 今後10年間は大したインフレも起こらず、世の中の金利は安定していて、1年物定期はほぼ間違いなく2%以下で推移すると予想される場合(物価安定予想のケース)
(2) 今後インフレが始まって、1年物定期預金金利も数年後には例えば7%位まで上がると予想される場合(インフレ昂進予想のケース)

さあ、皆さんは、どちらの場合に債券で貯金しようと思いますか。(1)の物価安定予想のケースなら、ほぼ間違いなく、毎年、債券の利息(2%)の方が定期預金の利息より多いですね。他方、(2)のインフレ昂進(こうしん)予想のケースでは、定期預金の利息(もしかしたら7%)の方が債券の利息より多い年もありそうですね。そうなれば、(1)の場合の方が債券がよく売れる(=長期資金の供給が多くなる)でしょう。

つまり、物価安定予想が支配的な時の方が、債券がよく売れて高い値がつく、すなわち、長期金利は低いのです。逆に、インフレ昂進予想がある時は、債券が売れないから値が低い、すなわち長期金利は高いのです。

・・・わかったでしょうか?

要は、投資先として債権に魅力があって売れているときは債券の値段が上がる(利回りが下がる)=長期金利が下がる。
債券に人気が無くて売れていないときは債券の値段が下がる(利回りが上がる)=長期金利が上がる。
ということです。

今はかなり長期金利は低いので投資先として債券に魅力を感じて売れまくっているから長期金利が下がっているということです。

なぜ、債券の値段が上がると利回りが下がるのか?

債券の値段が上がると利回りは下がります。それはなぜか?

例えば、1,000円分買い物をすれば100円分おまけしてもらえるお菓子屋さんがあったとします。この場合1,000円で100円のおまけがあって合計で1,100円になりますから、利回りは100÷1,000で10%になります。

でも、お菓子屋さんがおまけを出しすぎていることに気がついて1,200円で100円分おまけに変更しました。この場合の利回りは100÷1,200=8.3%です。

もらえる利息(おまけ)は変わらないのに、それを購入する金額が上がると利回りが下がるということです。

長期金利の推移を知ることが出来るサイト

長期金利を予想してフラット35の金利も予想してやろうと思われたなら、長期金利の推移を知っておいた方がいいです。

長期金利の推移はこちらで知ることが出来ます。
日本相互証券、長期金利推移グラフ

ちなみに、短期金利は変動金利住宅ローンの金利に影響があります。
短期金利の決まり方や変動金利住宅ローンについての詳しい解説はこちらから
変動金利住宅ローンの仕組み、メリットデメリットが猿でもわかる記事

金利の差が住宅ローン返済額にどれくらい影響を与えるのか?

フラット35や住宅ローンの金利予想をするということは、金利が一番低いときを予想して借りたいという思いがあるということですよね。では、現在のフラット35と比べて金利がいくら変われば、どれくらい住宅ローンの支払額が変わってくるのかの一例を計算してみました。

住宅ローンの借り入れ額が2,000万円、2,500万円、3,000万円の3パターンと、返済年数を20年、25年、30年、35年の4パターンで試算しています。(返済年数20年以下の場合、金利が低くなりますがそれは考慮していません。)

金利の差が住宅ローン返済額に与える影響一覧表(フラット35で比較)

住宅ローンの借り入れ額が2,000万円の場合、金利の差が住宅ローン返済額に与える影響は以下の通りです。

フラット35 金利予想

20年と35年では金利の差による住宅ローン総返済額の差額がほぼ倍になっていますね。実際は、フラット35の場合返済額20年以下だと金利が下がるので20年と35年の差額はもっと大きくなりますが。

住宅ローンの借り入れ額2,500万円と3,000万円の場合は以下の通りです。

フラット35 金利予想
フラット35 金利予想

金利差が0.1%や0.2%でも数十万円と結構な差がありますね。この表を見れば金利を予想して一番低い金利の時に借りたい!という気持ちもわからないでもありません。

しかし、フラット35や住宅ローンの金利予想に意味はあるのか?

フラット35や住宅ローンの今後の金利を予想して、一番いい時期にマイホームを買おうとされる方がいますが、それはやめておいた方がいいと思います。
なぜなら、あくまで予想で確実にわかるものではないからです。

あなたがこれまで経済や金利についてとても詳しく勉強をしたことがあるなら、もしかしたら予想通りに一番いいタイミングで住宅ローンを借りられるかもしれません。

しかし、そうではない場合は住宅ローンの金利を予想したりするために色々と勉強をしなければいけません。そうして頑張って予想したところで、予想通りに金利が一番低いところで住宅ローンを借りられるかどうかはわかりません。そんな時間と手間をかけ予想するならば、今すぐ住宅ローンを借りてマイホームを買えないかどうか計算してみたり、保険を見直したり、住宅ローンの選び方について勉強したりする方がよっぽど賢いと思います。

また、これから住宅ローンの金利が上がるか下がるかを正確に予想できませんが、今までと比較しても今金利が低いことは間違いありません。

住宅ローン金利の推移の予想なんか気にせずに、借りたタイミングで金利が低ければそれでOK、もし高いところで借りてしまったら後で借換をするなどすればいいと思います。

それに、フラット35の場合、融資の実行が引き渡し時ですから、注文住宅の場合申し込みをしてから数ヶ月後の金利にあります。そこに金利が一番低いタイミングを持ってくるというのは予想して出来るものではありません。

時間や手間をかけて金利予想するのはやめて、次の2つのことをやりましょう

金利はこれから上がるのか予想する、下がるのか予想する、上がるとしたらいつでどれくらい上がるのか予想する、下がるとしたらいつでどれくらい下がるのか予想する、それともしばらくこのままなのか?と予想したくなる気持ちはわかりますが、予想してもハッキリした答えが出るわけではありません。さらに、あなたがコントロールできるものでもありません。

であれば、自分で考えわかるものやコントロールできることをやっていきましょう。

今金利が低いことには違いない。今すぐマイホームを買えないかどうか確認する

上にも書きましたが、これから金利が上がるにしろ下がるにしろ、しばらくそのままにしろ、今住宅ローン金利が低いことには違いありません。であれば、この金利が低いときにマイホームを買えないかどうかをチェックしてみましょう。

いらない保険を見直して支払える住宅ローンの金額を増やす

今すぐマイホームを買えるようにするために、いらない保険を見直すことはとても大事です。奥さんが前髪を切ったことに気づくことくらい大事なことです。気づけないとあとでしんどい思いをすることになります。

マイホーム購入に踏み切れない要因の1つとして、「欲しい家はあるけど今の状態では住宅ローンを借りても払っていけない。」というものがあります。だから、頭金を貯めてからにして、住宅ローンの借入額を減らそうとする人が多いです。

それも確かに1つの方法ですが、頭金を貯めている間に家賃の支払いも発生しますし、住宅ローンの金利が上がってしまうと元も子もありません。

であれば、今すぐ欲しい家を買っても住宅ローンを支払えるように、毎月住宅ローン支払いに充てられるお金を増やせばいいのです。

その具体的な方法が保険の見直しです。生命保険に夫婦で2万円も3万円も払っているなら加入している内容が堂であれ確実に払いすぎです。
いらない保険を見直して支払える住宅ローンの金額を増やしましょう。

実際に、私がアドバイスした方の中でも保険の見直しをするだけで、手が届かないと思っていた家を買うことが出来たという例は多数あります。

保険の見直しについて詳しくはこちらの記事を読んでください。

たった1時間!頭金なしでマイホームを買うために見直すべき3つの保険

キャッシュフロー表を作成して住宅ローン返済のめどを立てる

もう一つ、マイホーム購入に踏み切れない大きな要因は「住宅ローンを支払えるかどうかわからない。教育費の準備もあるし、老後の積立もある。そんな中住宅ローンをきちんと払っていけるのだろうか?」という不安です。

不安になる原因は、漠然としていてハッキリとしないからです。であれば、住宅ローン返済が大丈夫かどうか数字に起こしてみましょう。それで住宅ローンを支払って教育費も貯めて、老後の積立も出来るかということがわかります。同じ予想をするならコッチの予想のほうが有意義です。

3年先にマイホームをと考えられていた方でも、キャッシュフロー表を作って今すぐ購入しても問題ないことを知ると、すぐ動き出して1年以内に実現したという例は私がアドバイスをした方の中でも結構いらっしゃいます。

キャッシュフロー表を作る前は妥協した安い家を建てようかと悩んでいた方が、キャッシュフロー表を作ることでことで安心して欲しい家を買えたという例もあります。
何はともあれ、漠然としている物をハッキリさせることで今何をすればいいのかがわかります。キャッシュフロー表はぜひ造ってみて下さい。

キャッシュフロー表の作り方はこちらの記事に詳しく書かれています。

これをやるまで家買うな!ライフプラン表をエクセルで作る16の手順

金利が低い今は大チャンス!予想なんてやめて、今あなたにできることを1つずつやっていきましょう

上にも書いたとおり、フラット35や住宅ローンの金利予想は難しいです。さらに、勉強して予想しても当たるとは限りません。であれば、金利が低い内にマイホームを実現するため、あなたが出来ることを1つずつやっていきましょう。

どうしても今後の金利を予想したいなら、いろんな専門家が予想している記事なんかを見るくらいでいいと思います。そして、専門家が予想したものは天気予報くらい軽く受け取り、外れるもんだと思っておいたほうがいいです。専門家みたいな人が「金利はこうなる!」みたいなのって、全然当たらないイメージです。