お金は通常、何らかの価値と引き換えにします。
あなたがあんパンを買うのであれば、あんパンというもので空腹を満たしたり、あんパンを味わう楽しみという価値、facebookやインスタに「今日の朝ごはんはあんぱんで〜す。」というどうでもいい投稿をして「いいね」をもらい、承認欲求を満たすという価値と交換するために、あんパンを提供してくれる人にお金を渡します。

この、「価値との交換」という性質はとてもわかりやすいです。しかし、お金にはもう一つの性質があります。それは「応援」「支持」という性質です。

あなたが誰かや何かの価値にお金を渡す時、それは「あなたやあなたが作ったモノやサービスが提供している価値を応援します。」という意味合いも持っています。

たくさんの人に応援、支持されるとそのお店や会社は大きくなり、もっとたくさんの人から応援、支持されるようになります。

この、応援、支持するという性質、観点を持ってお金を渡す先を考えてみると、もっと心地よいお金の使い方ができると思います。

こんなことを思ったのは、先日なんとなく「G.U」で服を買ってみたいと思ったことからです。ちょうど出かけた先の近くに店舗があったので行ってみます。

安い安いとは聞いていましたが、びっくりするくらい安いですね。普通にナウい服が平気で990円なんかで売られているので、思わずいくつかの服を買いました。

買った後で、「これをどうやって990円で売ることができるんだろう?』という疑問が湧きました。服の品質なんかは詳しくないのでわかりませんが、990円でもしっかりした服のように見えます。「990円で作って運んで、店舗を構えて人を雇って、それで会社に利益が出るとしたら・・・」

詳しく調べたわけではないので私の想像でしかありませんが「誰かが泣いてるんだろうな。」と思いました。990円で売っているということは、990円でも会社に利益が残る計算のはずです。

誰が泣いているのかはわかりません。会社の社員の給料が低いのかもしれませんし、配送業者の送料をケチっているのかもしれませんし、大量生産で生産者を安い賃金で長時間働かせているのかもしれません。

先日、テレビを見てたら同じく服を安く売っている「しまむら」の秘密みたいなのをやっていました。ヒルナンデスかな。そこで映し出されていたのは、しまむらの社員と、服を製造している会社とのやりとりでした。しまむらは安く売りたいので、服を製造している会社にもっと安く卸せないのかみたいな交渉をしていました。結果、製造している会社は「わかりました。努力します。」と答えます。

この時点で製造している会社が何かを削ることになるのは間違い無いでしょう。それが社長の給料を減らすのか、従業員の給料を下げるのか、原材料費を下げるのかはわかりません。原材料費を下げるなら下げるで、原材料を扱っている会社のどこかを削ることになり、その会社に関連する誰かが泣くことになるでしょう。(もしかしたら、賢く考えて原材料をいろんな製品に使い回しすることでコストを抑えるなんてこともあるかもしれませんが)

安くて品質がいい、デザインがいいというのは私たち消費者の視点からするとありがたいものだと思います。商品やサービスと私たちという限られた視点で見る限りは、安くて品質がいいものがいいと思うのは自然です。

しかし、もう少し視野を広げて見ると「安くて品質の良い」ものは誰かがどこかで泣いているかもしれませんし、回り回って私たちの首を絞めることになります。

何かで見ましたが、海外では小さい子供が学校にも行けずに工場で働かされているなんてのもあります。これは私たちが安いものを手に入れるために誰かが泣いている例ですね。

そして、「安い」ものを求める行為が回り回って私たち自身の首を締めます。これはわかりやすいです。私たちがお金をあまり使わなければ、他の誰かにわたって回るお金の量も少なくなります。G.Uの服を990円で買えば、990円以上のお金は回りません。990円を会社や社員、そこに関わる人で分配します。

分配されるお金が少ないと、今度その人たちがお金を使うときにあまり使えなくなります。例えば、990円で服をうるために配送業者が泣いているとしましょう。配送業者にはあまりお金が入ってこないので使うことができません。すると、またお金が回らなくなります。

私たちはお金を使う立場であるとともに、受け取る立場でもあります。回るお金が少なくなると、受け取る立場になるときに不利になります。あなたに対してお金を渡す立場の人にあまりお金が回ってきていないと、あなたにたくさん渡すことができません。つまり、あなたが受け取るお金の量が減るということです。

このように、安さを求めるということは、回り回って自分の首を絞めることになるのです。

安さを売りにしている会社の商品を買う、サービスを利用するということは、こういうお金の流れ、回り回って自分の首を絞めることを応援、支持するということにも繋がります。

どちらがいい、悪いというわけではありません。どちらでもいいと思います。

安いものを買うなら買うで、この安さを実現するためにたくさんの人の涙ぐましい努力があるんだなということを認識し、多くの感謝をすればいいと思います。

私は、みんなが気持ちよく喜びをもって、お金を渡す、受け取れるような世の中になればと思います。そのためにも、「安い」という値段で買うのではなく、「気に入った。」「好きだ。」という商品やサービスを選んでいくことが重要じゃないかと感じています。