なぜ、家を買うと子どもが泣いてしまうのか?

住宅ローン、新築住宅・マイホーム購入のプロFP集団
徳島発!日本マイホームアドバイザー協会代表の中川です。

『住宅ローンを家賃並みに設定する落とし穴』

今日は「住宅ローンの返済額は、今払っている家賃と同じぐらいであれば問題ないのか」ということについてお伝えしていきます。

住宅ローンを借りる際には、借入額をいくらにして、月々の返済はいくらまでであれば大丈夫だろうかということを、多くの方が悩まれるのではないかと思います。

そこで一番簡単なのが、今払っている家賃と同じぐらいなら大丈夫だろうと考えてしまうことです。これは本当にわかりやすいですね。月々の返済額が今払っている家賃と変わらなければ、今と同じ生活を送ることができるからです。

でもここに、3つの落とし穴があります。

まず1つ目は、そもそも今の家賃の金額には問題がないのかということです。今の家賃が収入に見合った金額なのかということも考えてみてください。そこに問題がある場合、その家賃に住宅ローンの返済額を合わせてしまうと借り過ぎになってしまいます。

そうなれば、なかなか貯金ができないとか、将来子どもに学費を払ってあげられないとか、生活できないとか、最悪の場合、家を売らなくてはいけないとか、そういった問題が起きてしまうことがあります。

2つ目は、家を買ったあとに始まる出費は、住宅ローンの返済だけではないということです。どういうことかというと、家を買ったあと、支払っていた家賃がそのまま住宅ローンの返済に変わるだけではないということです。住宅ローンももちろんですが、固定資産税の支払いも始まりますし、ほかにも増えるかもしれない出費はあるのです。

光熱費も上がるかもしれません。学校や職場が遠くなり、ガソリン代や交通費が増えるケースもあり得ます。それから、子どもが大きくなって学費が増えたとか、食費が増えたといった自然に増える出費もあります。将来を見越したときに、今払っている家賃と同じ金額を払えるかという問題があるのです。

ですから単純に、例えば今払っている家賃が6万円だとして、それに合わせて住宅ローンの返済額を6万円に設定してしまうと、固定資産税の分はオーバーしてしまうということです。また、そのほかにも増える出費があるということです。

3つ目は、家賃と同じ金額で考えてしまうと、逆に予算を少なく見積もってしまう可能性があるということです。これは初めに言った、そもそも今の家賃の金額に問題がないのかということにも通じることですが、収入と支払い能力から考えて、家賃と同じ金額が適正なのかどうかということです。

例えば、収入や先々の支払い能力を考えると、月々10万円の返済も問題ないかもしれないのに、今払っている家賃が6万円だからという理由で、住宅ローンの返済額も6万円に設定してしまう。そうすると、選べるものが全然変わってきてしまいます。

月々の支払いが4万円違えば、予算に直せば1,000万円以上もの違いが出るわけです。そうなると、選ぶ土地や建築をお願いするメーカー、設備、広さ、こういったものすべてで選択肢が全然変わってしまいます。

一生に一度の買い物で何十年と生活する家ですから、後悔のないようにしておきたいですよね。あとからもっとお金を出せたと気づいても、家づくりは一からのやり直しができません。

ですから、住宅ローンの返済額を安易に今の家賃と同じにしておけば問題ないと考えてしまわないようにしてください。家賃とは関係なく、あなたが返済できる住宅ローンはいくらなのか、いくらまでなら借りて大丈夫なのかということを計算して考えてください。